Kubernetes
Kubernetes はコンテナ化されたアプリケーションのデプロイ・スケーリング・管理を自動化するためのオープンソースシステムです。Kubernetes は k8s とも呼ばれます。
Arch Linux の Kubernetes
Arch Linux で Kubernetes を使用するための AUR パッケージが複数存在します:
- kubernetesAUR: GitHub から Kubernetes の Go のソースコードをビルドします。
- kubernetes-binAUR: ビルド済みのバイナリと kubernetes パッケージの設定をインストールします。ビルドは必要ありません。
Arch Linux の Kubectl プラグイン
Kubectl プラグインは独立したバイナリであり、サブコマンドを追加して Kubectl の機能を拡張します。
Arch Linux には Kubectl プラグインの AUR パッケージが存在します:
- kubectl-trace-gitAUR: kubectl を使って kubernetes クラスタの bpftrace プログラムをスケジュールします。
基本設定
kubeadm
ヘルパーを使用するか手動で kubernetes クラスタを設定します。
kubeadm を使う
以下はマスターとスレーブがひとつずつの構成を取っており、両ノードとも 192.168.122.0/24
ネットワーク内に存在し、マスターは kubernetes クラスタを 192.168.122.1
でホストします。ポッドはそれぞれ CIDR を持っており、ここでは 192.168.123.0/24
とします。
マスター
まず、kubelet サービスの設定ファイルを設定:
/etc/kubernetes/kubelet
KUBELET_ARGS="--bootstrap-kubeconfig=/etc/kubernetes/bootstrap-kubelet.conf \ --kubeconfig=/etc/kubernetes/kubelet.conf \ --config=/var/lib/kubelet/config.yaml \ --network-plugin=cni \ --pod-infra-container-image=k8s.gcr.io/pause:3.1"
引数に存在しないファイルを指定していますが心配はいりません。ファイルは kubeadm
の初期化時に作成されます。プロキシ環境あるいは特殊な DNS 設定を使っている場合、以下の引数を追加してコンテナで使用する resolv.conf
を指定してください:
--resolv-conf=/the/path/to/the/resolv.conf
それから、以下のコマンドを実行:
# kubeadm init --advertise-address=192.168.122.1 --pod-network-cidr=192.168.123.0/24
初期化の進捗が表示され、それから以下のように出力されます:
[kubelet-check] It seems like the kubelet isn't running or healthy. [kubelet-check] The HTTP call equal to 'curl -sSL http://localhost:10248/healthz' failed with error: Get http://localhost:10248/healthz: dial tcp 127.0.0.1:10248: connect: connection refused.
ここで、kubelet.service
を起動してください。kubelet によって kubernetes のコンポーネントが起動します。kubeadm
で確認できます。問題なく起動が完了したら、以下のようなメッセージが表示されます:
Your Kubernetes master has initialized successfully!
新しく作成した kubernetes クラスタの管理者としてアカウントを設定します:
$ mkdir -p $HOME/.kube $ sudo cp -i /etc/kubernetes/admin.conf $HOME/.kube/config $ sudo chown $(id -u):$(id -g) $HOME/.kube/config
それからポッドネットワークをデプロイします。こちら に様々な方法が載っています。全ての方法にはそれぞれデフォルトのポッドネットワーク CIDR が存在します。--pod-network-cidr
で指定した値にあわせて設定を修正してください。
最後に、マスターの状態を確認:
$ kubectl get componentstatus
ノード
マスターの成功メッセージの最後の行に入力してクラスタに参加:
kubeadm join --token <token> 192.168.122.1:6443 --discovery-token-ca-cert-hash sha256:<hash>
トラブルシューティング
settings behind proxy
kubeadm
は https_proxy
, http_proxy
, no_proxy
環境変数を読み込みます。Kubernetes の内部ネットワークは最後の環境変数に記述します。例:
export no_proxy="192.168.122.0/24,10.96.0.0/12,192.168.123.0/24"
2番目の CIDR がデフォルトのサービスネットワーク CIDR です。
また、CNI プラグインが追加で必要です:
$ go get -d github.com/containernetworking/plugins $ cd ~/go/src/github.com/containernetworking/plugins $ bash ./build_linux.sh # cp bin/* /opt/cni/bin/
fatal error: runtime: out of memory
ソースから kubernetes をビルドしたときに発生します。zram
領域を設定することで回避できます:
# modprobe zram # echo lz4 > /sys/block/zram0/comp_algorithm # echo 16G > /sys/block/zram0/disksize # mkswap --label zram0 /dev/zram0 # swapon --priority 100 /dev/zram0
error when creating "xxx.yaml": No API token found for service account "default"
stackoverflow を見てください。
Error: unable to load server certificate
サービスの起動時に発生することがあります。*.key
ファイルのパーミッションの設定が正しいか確認してください。