Lenovo ThinkPad P50
Lenovo P50 はクアッドコアの Intel Skylake が搭載されたノートパソコンです。
目次
- 1 インストール
- 2 設定
- 3 トラブルシューティング
- 3.1 HD Graphics 530 (Skylake GT2) でグラフィック性能が上がらない
- 3.2 Chromium で CPU が高負担になるバグ
- 3.3 CPU 負担が低いときでもファンの速度が高速になる
- 3.4 画面のロックを解除した後にマウスカーソルが表示されない
- 3.5 タッチパッドを BIOS で無効化しても反応する
- 3.6 タイピング中にタップクリックが発生しないようにする
- 3.7 VLC で動画にブロックノイズが発生する
- 3.8 指紋センサーが機能しない
- 3.9 PulseAudio でヘッドセットが機能しない
- 3.10 ハイブリッドグラフィックにおいて外部ディスプレイが認識されない
- 4 lspci と lsusb
インストール
4K ディスプレイの場合、コンソールフォントが非常に小さくなってしまいます。setfont sun12x22
を実行することでコンソールを大きくすることができます。
その後、インストールガイドに従って Arch をインストールしてください。
設定
外部ビデオ出力
BIOS でディスクリートのグラフィックカードしか使わないように設定されている場合 Mini DisplayPort を使用して外部ビデオ出力ができます。Xorg を使用するには nvidia をインストールして /etc/X11/xorg.conf.d/20-nvidia.conf
を以下の内容で作成してください:
Section "Device" Identifier "Device0" Driver "nvidia" VendorName "NVIDIA Corporation" Option "NoLogo" "true" EndSection
トラブルシューティング
HD Graphics 530 (Skylake GT2) でグラフィック性能が上がらない
最大解像度の 4K を使っている場合、パフォーマンスが出ないことがあります。UEFI BIOS で DRAM から Intel グラフィックアダプタに割り当てるメモリ容量を 256 MB から最大の 512 MB に増やすことで改善します。
Chromium で CPU が高負担になるバグ
Intel Graphics を使用している場合、5から6のタブを同時に開くと「新しいタブ」ページを表示するだけでも全てのコアの CPU 負担率が数秒間 100% になってしまうことがあります。ハードウェアアクセラレーションのバグが原因で Intel Graphics で Chromium や Firefox が壊れる、応答しないことに関連があるのかもしれませんが確証は得られていません。ただし Chromium の設定 GUI でハードウェアアクセラレーションを無効化するだけで問題は解決します。また、.config/chromium-flag
ファイルを作成して以下のフラグを有効にすることでハードウェアアクセラレーションを有効にしたままで問題を無くすことができます:
--ignore-gpu-blacklist
CPU 負担が低いときでもファンの速度が高速になる
CPU 負担が低い場合でもブラウザを開いただけでファンが回り始めて最大速度で音を鳴らすことがあります。この問題は Intel Graphics だけを使用して NVIDIA の Optimus カードの電源を完全にオフにすることで多少改善します。おそらく NVIDIA のチップのファンが回り始める閾値となっている温度が低いことが原因です。
画面のロックを解除した後にマウスカーソルが表示されない
light-locker と Intel のグラフィックドライバーの既知のバグです。コンソールに切り替えて (Ctrl-Alt-F1) から X に戻ってみてください (Alt-F7)。詳しくは以下のページを参照:
- https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+source/xserver-xorg-video-intel/+bug/492782
- https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+source/xserver-xorg-video-intel/+bug/1568604
- https://github.com/the-cavalry/light-locker/issues/80
- https://bugs.freedesktop.org/show_bug.cgi?id=94677
タッチパッドを BIOS で無効化しても反応する
BIOS で無効化しても Linux でタッチパッドが有効にされてしまうことがあります。無効化するには適切なスタートアップファイル (例: ~/.xprofile
) で以下のコマンドを実行してください:
xinput set-prop "SynPS/2 Synaptics TouchPad" "Device Enabled" 0
デバイス名は以下のコマンドで確認できます:
$ xinput list
タイピング中にタップクリックが発生しないようにする
タッチパッドは非常に反応しやすくタイピング中に勝手にクリックが発生してカーソルが移ってしまうことがあります。タッチパッドのタップクリックを無効化してハードウェアボタンを使用するのが一番の解決方法です。
グラフィカルなデスクトップ環境の設定 (GNOME では libinput ドライバーをインストールしたら設定できるようになります) を使用するか、シェルから以下のコマンドを実行することで一時的に無効化できます:
$ synclient TapButton1=0
Xorg の設定を変更することで上記の設定は永続化できます。
VLC で動画にブロックノイズが発生する
NVIDIA の dGPU を使っている場合、VLC で動画を再生するとブロックノイズが現れることがあります。Tools -> Preferences -> Input / Codecs から "Hardware-accelerated decoding" を "Disable" に設定してください。
指紋センサーが機能しない
nmikhailov によるリバースエンジニアリングおよび 3v1n0 により libfprint が実装されたおかげで、指紋センサーは次のようにして Linux 環境で利用できます。
P50 の指紋センサーは 138a:0090 として認識されます。lsusb
の一覧にきちんと含まれていることを確かめてください。公式リポジトリから fprintd および AUR から libfprint-vfs0090-gitAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません] をインストールして、fprint の記事に従ってください。
公式ドライバーは現状ではリリースされていません。Lenovo の公式フォーラム を参照してください。
PulseAudio でヘッドセットが機能しない
ヘッドセットを接続したまま起動してみてください。PulseAudio には原因はありません。
ハイブリッドグラフィックにおいて外部ディスプレイが認識されない
NVIDIA のドライバーを利用する場合は、Bumblebee# NVIDIA のチップに出力が接続されている場合 に従ってください。nouveau ドライバーを利用する場合は、このスレッド を参照してください。
lspci と lsusb
P50 20EN において、lspci
は次の結果となります:
00:00.0 Host bridge: Intel Corporation Skylake Host Bridge/DRAM Registers (rev 07) 00:01.0 PCI bridge: Intel Corporation Skylake PCIe Controller (x16) (rev 07) 00:14.0 USB controller: Intel Corporation Sunrise Point-H USB 3.0 xHCI Controller (rev 31) 00:14.2 Signal processing controller: Intel Corporation Sunrise Point-H Thermal subsystem (rev 31) 00:16.0 Communication controller: Intel Corporation Sunrise Point-H CSME HECI #1 (rev 31) 00:17.0 SATA controller: Intel Corporation Sunrise Point-H SATA controller [AHCI mode] (rev 31) 00:1c.0 PCI bridge: Intel Corporation Sunrise Point-H PCI Express Root Port #1 (rev f1) 00:1c.2 PCI bridge: Intel Corporation Sunrise Point-H PCI Express Root Port #3 (rev f1) 00:1c.4 PCI bridge: Intel Corporation Sunrise Point-H PCI Express Root Port #5 (rev f1) 00:1d.0 PCI bridge: Intel Corporation Sunrise Point-H PCI Express Root Port #9 (rev f1) 00:1d.4 PCI bridge: Intel Corporation Sunrise Point-H PCI Express Root Port #13 (rev f1) 00:1f.0 ISA bridge: Intel Corporation Sunrise Point-H LPC Controller (rev 31) 00:1f.2 Memory controller: Intel Corporation Sunrise Point-H PMC (rev 31) 00:1f.3 Audio device: Intel Corporation Sunrise Point-H HD Audio (rev 31) 00:1f.4 SMBus: Intel Corporation Sunrise Point-H SMBus (rev 31) 00:1f.6 Ethernet controller: Intel Corporation Ethernet Connection (2) I219-LM (rev 31) 01:00.0 VGA compatible controller: NVIDIA Corporation GM107GLM [Quadro M2000M] (rev a2) 01:00.1 Audio device: NVIDIA Corporation Device 0fbc (rev a1) 04:00.0 Network controller: Intel Corporation Wireless 8260 (rev 3a) 3e:00.0 Non-Volatile memory controller: Samsung Electronics Co Ltd NVMe SSD Controller (rev 01) 3f:00.0 Unassigned class [ff00]: Realtek Semiconductor Co., Ltd. RTS525A PCI Express Card Reader (rev 01)
P50 20EN において、lsusb
は以下のように返します:
Bus 002 Device 001: ID 1d6b:0003 Linux Foundation 3.0 root hub Bus 001 Device 003: ID 138a:0090 Validity Sensors, Inc. Bus 001 Device 002: ID 04f2:b52c Chicony Electronics Co., Ltd Bus 001 Device 005: ID 0765:5010 X-Rite, Inc. X-Rite Pantone Color Sensor Bus 001 Device 004: ID 058f:9540 Alcor Micro Corp. AU9540 Smartcard Reader Bus 001 Device 001: ID 1d6b:0002 Linux Foundation 2.0 root hub