VMware

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関連記事

この記事は Arch Linux における VMware のインストールについての記事です。VMware に Arch Linux をインストールするのは別の記事になっています。

ノート:
  • この記事では最新バージョンの VMware である VMware Workstation Pro と VMware Player 12 を扱います。
  • 古いバージョンを使用する場合は、AURvmware-patchAUR を使って下さい。

目次

インストール

適切な依存パッケージをインストールしてください:

  • fuse - vmware-vmblock-fuse サービスが vmblock モジュールよりも 優先される ので、カーネルで fuse を無効にしない限りビルドされません
  • gtkmm - GUI 用
  • linux-headers - モジュールコンパイル用
  • ncurses5-compat-libsAUR - インストーラーを動かすのに必要

最新の VMware Workstation Pro または Player をダウンロードしてください (若しくは、可能であれば ベータ バージョン)。

インストールを開始してください:

# sh VMware-<edition>-<version>.<release>.<architecture>.bundle
ヒント: その他の有用なフラグ:
  • --eulas-agreed - EULA をスキップ。
  • --console - コンソール UI を使います。
  • -I, --ignore-errors - 致命的なエラーを無視します。
  • --set-setting=vmware-workstation serialNumber XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX - インストールのシリアル番号を設定 (スクリプトでインストールするときに有用)。
  • --required - 必須の質問だけを表示 (--eulas-agreed--console と組み合わせることでサイレントインストールできます)。

System service scripts directory には、 /etc/init.d を使って下さい (デフォルト)。

ノート: インストール中に "No rc*.d style init script directories" というエラーが表示されますが、Arch は systemd に移行しているので、無視してかまいません。
ヒント: 後でターミナルからモジュールを(再)ビルドするには、次のコマンドを使って下さい:
# vmware-modconfig --console --install-all

設定

カーネルモジュール

  • VMware Workstation 12 がサポートしているカーネルは 4.4 までです。4.6 以上のカーネルを使っている場合、ソースに修正が必要です。#Linux 4.7 でカーネルモジュールのビルドに失敗するを参照。
  • VMware 11 以下では VMCI/VSOCK ソースにパッチをあてる必要があります。vmware-patchAUR パッケージをインストールすることで自動的にパッチを適用できます。

systemd サービス

(任意) /etc/init.d/vmware (start|stop|status|restart) と /usr/bin/vmware-usbarbitrator を使って直接サービスを管理するのではなく、.service ファイルを使用することもできます (AURvmware-systemd-servicesAUR から取得することも可能、vmware-patchAUR にも入っています):

/etc/systemd/system/vmware.service
[Unit]
Description=VMware daemon
Requires=vmware-usbarbitrator.service
Before=vmware-usbarbitrator.service
After=network.target

[Service]
ExecStart=/etc/init.d/vmware start
ExecStop=/etc/init.d/vmware stop
PIDFile=/var/lock/subsys/vmware
RemainAfterExit=yes

[Install]
WantedBy=multi-user.target
/etc/systemd/system/vmware-usbarbitrator.service
[Unit]
Description=VMware USB Arbitrator
Requires=vmware.service
After=vmware.service

[Service]
ExecStart=/usr/bin/vmware-usbarbitrator
ExecStop=/usr/bin/vmware-usbarbitrator --kill
RemainAfterExit=yes

[Install]
WantedBy=multi-user.target

他の Workstation サーバーコンソールから VMware Workstation に接続したい場合、以下のサービスも追加してください:

/etc/systemd/system/vmware-workstation-server.service
[Unit]
Description=VMware Workstation Server
Requires=vmware.service
After=vmware.service

[Service]
ExecStart=/etc/init.d/vmware-workstation-server start
ExecStop=/etc/init.d/vmware-workstation-server stop
PIDFile=/var/lock/subsys/vmware-workstation-server

[Install]
WantedBy=multi-user.target

作成したら有効化することでブート時に起動できます。

アプリケーションを起動する

VMware Workstation Pro を開くには:

$ vmware

VMware Player の場合:

$ vmplayer

Tips and tricks

Workstation Pro ライセンスキーを入力する

ターミナルから

# /usr/lib/vmware/bin/vmware-vmx-debug --new-sn XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX

XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX はあなたのライセンスキーに置き換えてください。

ノート: -debug バイナリはライセンスが間違っている場合に知らせてくれます。

GUI から

上記で上手くいかない場合は、次を試すことができます:

# /usr/lib/vmware/bin/vmware-enter-serial

VMware BIOS を展開する

$ objcopy /usr/lib/vmware/bin/vmware-vmx -O binary -j bios440 --set-section-flags bios440=a bios440.rom.Z
$ perl -e 'use Compress::Zlib; my $v; read STDIN, $v, '$(stat -c%s "./bios440.rom.Z")'; $v = uncompress($v); print $v;' < bios440.rom.Z > bios440.rom

インストーラーを抽出する

インストーラー .bundle の中身を確認するには:

$ sh VMware-edition-version.release.architecture.bundle --extract /tmp/vmware-bundle/

改造 BIOS を使う

展開した BIOS に変更を加えるとき、あなたの仮想マシンがその BIOS を使うようにするには BIOS を ~/vmware/<Virtual machine name> に移動して:

$ mv bios440.rom ~/vmware/<Virtual machine name>/

ファイルの名前を <Virtual machine name>.vmx ファイルに追記してください:

~/vmware/<Virtual machine name>/<Virtual machine name>.vmx
bios440.filename = "bios440.rom"

DKMS を使ってモジュールを管理する

Dynamic Kernel Module Support (DKMS) を使って Workstation のモジュールを管理することができ、カーネルを変更する度に vmware-modconfig を再実行するのを避けることができます。以下の例ではカスタムした Makefile を使って vmware-modconfig によりモジュールをコンパイル・インストールします。その後モジュールはカーネルツリーから削除されます。

準備

まず公式リポジトリから dkms をインストールしてください。

それから Makefiledkms.conf のソースディレクトリを作成してください:

# mkdir /usr/src/vmware-modules-12/

ビルド設定

git を使うか下の方法でファイルを取得してください。

1) Git を使う
$ cd /tmp
$ git clone git://github.com/bawaaaaah/dkms-workstation.git
$ sed -i 's/9/12/' dkms-workstation/dkms.conf
# cp dkms-workstation/Makefile dkms-workstation/dkms.conf /usr/src/vmware-modules-12/
2) 手動設定

dkms.conf にはモジュールの名前とコンパイル・インストールの手順を記述します。AUTOINSTALL="yes" で自動的に毎回モジュールが再コンパイル・インストールされるようになります:

/usr/src/vmware-modules-12/dkms.conf
PACKAGE_NAME="vmware-modules"
PACKAGE_VERSION="12"

MAKE[0]="make all"
CLEAN="make clean"

BUILT_MODULE_NAME[0]="vmmon"
BUILT_MODULE_LOCATION[0]="modules"

BUILT_MODULE_NAME[1]="vmnet"
BUILT_MODULE_LOCATION[1]="modules"

BUILT_MODULE_NAME[2]="vmblock"
BUILT_MODULE_LOCATION[2]="modules"

BUILT_MODULE_NAME[3]="vmci"
BUILT_MODULE_LOCATION[3]="modules"

BUILT_MODULE_NAME[4]="vsock"
BUILT_MODULE_LOCATION[4]="modules"

DEST_MODULE_LOCATION[0]="/extra/vmware"
DEST_MODULE_LOCATION[1]="/extra/vmware"
DEST_MODULE_LOCATION[2]="/extra/vmware"
DEST_MODULE_LOCATION[3]="/extra/vmware"
DEST_MODULE_LOCATION[4]="/extra/vmware"

AUTOINSTALL="yes"

そして Makefile:

/usr/src/vmware-modules-12/Makefile
KERNEL := $(KERNELRELEASE)
HEADERS := /usr/lib/modules/$(KERNEL)/build/include
GCC := $(shell vmware-modconfig --console --get-gcc)
DEST := /lib/modules/$(KERNEL)/vmware

TARGETS := vmmon vmnet vmblock vmci vsock

LOCAL_MODULES := $(addsuffix .ko, $(TARGETS))

all: $(LOCAL_MODULES)
	mkdir -p modules/
	mv *.ko modules/
	rm -rf $(DEST)
	depmod

$(HEADERS)/linux/version.h:
	ln -s $(HEADERS)/generated/uapi/linux/version.h $(HEADERS)/linux/version.h

%.ko: $(HEADERS)/linux/version.h
	vmware-modconfig --console --build-mod -k $(KERNEL) $* $(GCC) $(HEADERS) vmware/
	cp -f $(DEST)/$@ .

clean: rm -rf modules/

インストール

モジュールは次のコマンドでインストールできます:

# dkms install vmware-modules/12 -k $(uname -r)

Intel と Optimus で 3D グラフィックを有効化

3D アクセラレーションが不安定なグラフィックドライバーはデフォルトでブラックリストに入れられています。Accelerate 3D graphics を有効化すると、ログに以下のように表示されることがあります:

Disabling 3D on this host due to presence of Mesa DRI driver.  Set mks.gl.allowBlacklistedDrivers = TRUE to override.

その場合、以下のように設定してください:

~/.vmware/preferences
mks.gl.allowBlacklistedDrivers = TRUE

トラブルシューティング

/dev/vmmon not found

エラーの全文は:

Could not open /dev/vmmon: No such file or directory.
Please make sure that the kernel module `vmmon' is loaded.

これは vmmon VMware サービスが動作していないことを意味しています。#Systemd サービスsystemd サービスを使っている場合は(再)起動してください。

Kernel headers for version 4.x-xxxx were not found. If you installed them[...]

ヘッダーをインストールしてください (linux-headers)。

ノート: カーネルやヘッダーをアップグレードしたら、ヘッダーのバージョンを合わせるために新しいカーネルで起動する必要があります。比較的よくあるエラーです。

USB デバイスが認識されない

ヒント: vmware-patchAUR でも対処できます。

systemd サービスを使ってサービスを自動的に管理しない場合、毎回手動で root を使って vmware-usbarbitrator バイナリを起動する必要があります。

起動するには:

# vmware-usbarbitrator

停止するには:

# vmware-usbarbitrator --kill

インストーラーが起動しない

.bundle を開くとプロンプトに戻ってしまう場合、おそらく VMware インストーラーの古いバージョンまたは壊れたバージョンが存在しています。削除してください (この記事のアンインストールセクションも参照してください):

# rm -r /etc/vmware-installer/

ゲストで VMware Tools がダウンロードできない

rootvmwarevmplayer を実行してみるか、VMware リポジトリ から直接ダウンロードしてください。

"application name / version / build ID / linux / packages/" まで移動して適切な Tools をダウンロードします。

展開するには次を実行:

$ tar -xvf vmware-tools-name-version-buildID.x86_64.component.tar

VMware インストーラーを使ってインストール:

# vmware-installer --install-component=/path/vmware-tools-name-version-buildID.x86_64.component

上記で上手くいかない場合は ncurses5-compat-libsAUR をインストールしてみてください。

VMware にリモートでアクセスしようとすると Incorrect login/password エラー

VMware Workstation には vmware-workstation-server サービスによって共有 VM をリモートで管理できる機能があります。しかしながら、vmware-authd サービスの PAM 設定が間違っているために、"incorrect username/password" エラーで失敗します。修正するには、以下のように /etc/pam.d/vmware-authd を編集して:

/etc/pam.d/vmware-authd
#%PAM-1.0
auth     required       pam_unix.so
account  required       pam_unix.so
password required       pam_permit.so
session  required       pam_unix.so

vmwaresystemd サービスを再起動してください。

これでインストールで作られた証明書を使ってサーバーにアクセスできるはずです。

ノート: 仮想マシンを起動するために libxslt が必要になるかもしれません。

ALSA 出力の問題

音質や HD 音声出力が有効にできない問題を修正するには、まず以下を実行 [1]:

$ aplay -L

ゲストから 5.1 のサラウンド音声を再生したい場合 surround51:CARD=vendor_name,DEV=num を、音質に問題がある場合は front:CARD=vendor_name,DEV=num を確認して、.vmx に名前を記述してください:

~/vmware/Virtual_machine_name/Virtual_machine_name.vmx
sound.fileName="surround51:CARD=Live,DEV=0"
sound.autodetect="FALSE"

OSS エミュレーションを使っている場合、無効化してください。

Kernel-based Virtual Machine (KVM) is running

起動時に KVM を無効にするために、以下のようなファイルを使うことができます:

/etc/modprobe.d/vmware.conf
blacklist kvm
blacklist kvm-amd   # For AMD CPUs
blacklist kvm-intel # For Intel CPUs

Intel のマイクロコードが古いせいで起動時にセグメンテーション違反が発生する

Intel のマイクロコードが最新でないと起動時に以下のようなセグメンテーション違反が発生することがあります:

/usr/bin/vmware: line 31: 4941 Segmentation fault "$BINDIR"/vmware-modconfig --appname="VMware Workstation" --icon="vmware-workstation"

マイクロコードを参照してアップデートしてください。

時刻がおかしくなったり "[...]timeTracker_user.c:234 bugNr=148722" というエラーで VMware が起動しない

VMware Linux における電源管理機能 (Intel SpeedStepAMD PowerNow!/Cool'n'Quiet) のサポートが 不完全 で CPU 周波数が変化するのが原因です。2012年3月、linux 3.3-1 のリリースによって、最大周波数の Performance ガバナーは動的な Ondemand によって置き換わりました。ホストの CPU 周波数が変化すると、ゲストのシステムクロックが早すぎたり遅すぎたりするようになり、ゲストが全く起動できなくなることもあります。

この問題を解決するには、全体設定で、ホストで最大 CPU 周波数を指定して、Time Stamp Counter (TSC) を無効化します:

/etc/vmware/config
host.cpukHz = "X"  # The maximum speed in KHz, e.g. 3GHz is "3000000".
host.noTSC = "TRUE" # Keep the Guest system clock accurate even when
ptsc.noTSC = "TRUE" # the time stamp counter (TSC) is slow.
ヒント: 定期的に時刻を補正するには、VMware Tools の Options タブで、次のオプションを有効化してください: "Time synchronization between the virtual machine and the host operating system"

システムを再起動した後にゲストのネットワークが使えなくなる

おそらく vmnet モジュールがロードされていないのが原因です [2]。自動ロードする方法は #systemd サービスセクションを参照してください。

アップグレード後に GUI が表示されない

以下は 12.1.0 以前のバージョンの VMware Workstation や Player に影響します。カーネルを 4.2 にアップグレードした後、VMware で GUI アプリケーションが起動しなくなることがあります。これは LD ライブラリのパスが原因です。修正するには VMware を実行するターミナルで LD_LIBRARY_PATH を設定してください:

$ export LD_LIBRARY_PATH=/usr/lib/vmware/lib/libglibmm-2.4.so.1/:$LD_LIBRARY_PATH

VMware Workstation を実行するときだけ永続的に変更したい場合、実行ファイルの一番最初に以下の行を追加してください:

/usr/bin/vmware
export LD_LIBRARY_PATH=/usr/lib/vmware/lib/libglibmm-2.4.so.1

VMware Player の場合は /usr/bin/vmplayer を変更してください。

Linux 4.9 でカーネルモジュールのビルドに失敗する

VMware Workstation Pro 12.5.2 現在、コンパイルを通すにはモジュールのソースに修正が必要です [3]:

# cd /usr/lib/vmware/modules/source
# tar xf vmmon.tar
# mv vmmon.tar vmmon.old.tar
# sed -i 's/uvAddr, numPages, 0, 0/uvAddr, numPages, 0/g' vmmon-only/linux/hostif.c
# tar cf vmmon.tar vmmon-only
# rm -r vmmon-only
# tar xf vmnet.tar
# mv vmnet.tar vmnet.old.tar
# sed -i 's/addr, 1, 1, 0/addr, 1, 0/g' vmnet-only/userif.c
# tar cf vmnet.tar vmnet-only
# rm -r vmnet-only

アンインストール

VMware をアンインストールするには製品名が必要です (vmware-workstation または vmware-player)。インストールされている製品を全て表示するには:

$ vmware-installer -l

次のコマンドでアンインストールしてください (--required で確認をスキップできます):

# vmware-installer -u <product> --required

vmware サービスを無効にして削除するのも忘れないで下さい:

# rm /etc/systemd/system/vmware.service
# rm /etc/systemd/system/vmware-usbarbitrator.service

/usr/lib/modules/<kernel name>/misc/ のモジュールディレクトリにも何か残っていないか確認すると良いでしょう。