Lenovo ThinkPad Helix
フォームファクタ | タブレット/Ultrabook コンバーチブル (着脱可能なキーボードドック) |
---|---|
ディスプレイ | 静電容量式のデジタイザーペンが付属する 11.6" 1920x1080 LCD |
CPU | 3rd Generation (Ivy Bridge) Core i5-3427U または i7-3667U |
RAM | 4GiB (i5) または 8GiB (i7) DDR3L RAM (搭載されている CPU による) |
ストレージ | 128/160/256GB mSATA SSD |
WiFi | Intel Centrino Advanced-N 6205S mPCI WLAN |
Bluetooth | Broadcom BCM20702 Bluetooth 4.0 (USB 接続) |
カメラ | 5MP リアカメラと 2MP フロントカメラ (USB 接続) |
目次
インストール
光学ドライブが積まれていないため、USB スティックから Arch をインストールする必要があります。
Arch のインストールメディアは UEFI で問題なく起動するため、システムセットアップユーティリティでレガシーブートは無効化することを推奨します。何らかの理由でレガシーブートが必要な場合、レガシーブートでも問題なくインストールメディアは起動します。
systemd-boot を使用して起動できます。レガシーブートが必要な場合、GRUB で起動できます。
ハードウェア設定
X で全てのハードウェアを活用するために、以下のドライバーパッケージをインストールしてください:
- xf86-input-synaptics (クリックパッド)
- xf86-input-wacom (デジタイザー)
- xf86-video-intel (GPU)
- iio-sensor-proxyAUR (加速度計/ジャイロスコープ, 環境光センサー, 電子コンパス)
Bluetooth
Broadcom の USB デバイスが認識されない場合、echo 1 > /sys/devices/platform/thinkpad_acpi/rfkill/rfkill0/state
でオンにする必要があります。
デジタイザー
Lenovo Helix には以下の入力デバイスが搭載されています (id は異なっているかもしれません):
$ xinput list ⎡ Virtual core pointer id=2 [master pointer (3)] ⎜ ↳ Virtual core XTEST pointer id=4 [slave pointer (2)] ⎜ ↳ Wacom ISDv4 EC Pen stylus id=15 [slave pointer (2)] ⎜ ↳ Atmel Atmel maXTouch Digitizer id=16 [slave pointer (2)] ⎜ ↳ SynPS/2 Synaptics TouchPad id=18 [slave pointer (2)] ⎜ ↳ TPPS/2 IBM TrackPoint id=19 [slave pointer (2)] ⎜ ↳ Wacom ISDv4 EC Pen eraser id=21 [slave pointer (2)]
Wacom USB デバイスは xf86-input-wacom ドライバーによって認識され、ひとつのカーネルデバイスから複数の X 入力デバイスが作成されます。Lenovo Helix の場合、正しく設定することで以下の3つの X インプットデバイスが作成されます:
- Wacom ISDv4 EC Pen stylus
- Wacom ISDv4 EC Pen eraser
- Atmel Atmel maXTouch Digitizer
xinput の Wacom ISDv4 EC Pen stylus デバイスは xf86-input-wacom ドライバーによって何も設定しなくても認識されます。タッチスクリーンデバイスの Atmel Atmel maXTouch Digitizer とペンで消しゴム機能を使う場合の Wacom ISDv4 EC Pen eraser を認識するには Udev と Xorg の設定が必要になります。
Udev の設定
最新の Arch 環境では、以下のパッケージをインストールしてください:
- libwacom
- wacom-udevAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror]
wacom-udevAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror] パッケージは追加の Udev ルールをインストールします。libwacom パッケージは入力を処理するためにグラフィックアプリケーションによって使われます。
Udev は自動的に変更を認識しますが、場合によってはシステムを再起動しないと変更が適用されないこともあります。
さらに、Wacom タブレット#udev による動的設定を読んで wacom の入力デバイスを確認ください。Helix では以下のようになります:
$ ls -l /dev/input/wacom* lrwxrwxrwx 1 root root 6 Jan 20 15:32 /dev/input/wacom -> event5 lrwxrwxrwx 1 root root 6 Jan 20 15:32 /dev/input/wacom- -> event5
上記はそれぞれペンと消しゴムです。
タッチスクリーンが認識されていれば以下の出力も確認できます:
$ ls -l /dev/input/tablet-* lrwxrwxrwx 1 root root 6 Jan 20 15:32 tablet-tpc-ec- -> event5
入力デバイスが認識できていれば、次のセクションに進んで Xorg を設定できます。
Xorg の設定
Xorg を設定して新しい入力デバイスを使えるようにします。xf86-input-wacom ドライバーパッケージには Helix に搭載されている最新のデバイスリストが入っています。ただし、デフォルトではパッケージは最新リストをインストールしません。Xorg から認識できるようにリンクを作成する必要があります:
# ln -s /usr/share/X11/xorg.conf.d/50-wacom.conf /etc/X11/xorg.conf.d/50-wacom.conf
上記のコマンドを実行したら再起動して xinput list
を確認してください。
タッチスクリーン / Wacom の Tips & Tricks
ペンを使うときにデジタイザーが邪魔な場合、以下の方法が役に立ちます。
thinkpad-helix-utils: タッチの切り替え
thinkpad-helix-utilsAUR パッケージは Xorg の xinput を使ってデジタイザーのオンとオフを切り替えるスクリプトを /usr/bin/helix-toggle-touch
にインストールします。また、同じようにペンのオンオフを切り替えることができる Toggle Touch という名前の .desktop
ファイルもインストールされます。
実行すると、タッチスクリーンの xinput デバイスが無効化され、再度実行すると有効に戻ります。
xnohands
Xorg の xinput を利用する他の方法として xnohands も存在します。スタイラス (ペンあるいは消しゴム) が検知されているときはタッチデバイスを無効化して、スタイラスが画面から離れたときにタッチスクリーンを再度有効化します。Helix の Wacom ISDv4 EC 入力デバイスがサポートしているデジタイザーの "presence" イベントが使用されます。ダウンロードして解凍したら、README に従ってセットアップしてください。
常に実行していたい場合、デスクトップファイルをインストールして起動時に自動的に実行されるようにします:
$ cp xnohands.desktop ~/.config/autostart/
thinkpad-helix-utils の Toggle Touch と xnohands は共存できますが、同時に使用してはいけません。xnohands はペンが画面から離れるとすぐにタッチスクリーンを有効にしてしまうため、Toggle Touch によるタッチの無効化が意味をなさなくなります。
センサー
X11 からセンサーを使うには AUR の iio-sensor-proxyAUR パッケージをインストールしてください。例えば gnome は iio-sensor-proxyAUR パッケージによって使えるようになった dbus イベントを自動的に活用します:
- 暗いところから明るいところに移動したときに自動的にディスプレイの輝度を調整。
- 画面の向きによってディスプレイを自動的に回転。
iio-sensor-proxyAUR について設定・テスト方法など詳しくは上流のソースを確認してください。
画面の回転
xf86-input-wacom ドライバーと iio-sensor-proxyAUR パッケージによって設定されたデジタイザーは自動的にディスプレイと一緒に回転します。
xrandr --output eDP1 --rotate left
のようなコマンドで画面を回転することもできます。
ベゼルボタン (あるいは他のホットキー) を使って方向を回転したり切り替えたい場合、thinkpad-helix-utilsAUR に含まれている helix-rotate
が簡単にバインドできるコマンドとして役に立ちます。
入力イベントにあわせて画面を自動的に回転する Magick Rotation も存在しますが、タブレットのドッキングにしか反応しません。
SSD TRIM の有効化
Helix に組み込まれている 128 GB と 256 GB の mSATA SSD は SSD TRIM 機能をサポートしています。
trim を有効化する方法はソリッドステートドライブ#TRIM を見てください。例えば fstrim を使って有効にするには:
# systemctl enable fstrim.timer # systemctl start fstrim.timer
fstrim.timer
を使用した場合、タイマーの実行履歴を確認することができます:
$ journalctl -u fstrim.service -- Logs begin at Thu 2016-01-07 15:55:34 EST, end at Mon 2016-02-01 15:28:22 EST. -- Jan 25 00:48:58 kodiak systemd[1]: Starting Discard unused blocks... Jan 25 00:49:00 kodiak systemd[1]: Started Discard unused blocks. -- Reboot -- Feb 01 00:07:13 kodiak systemd[1]: Starting Discard unused blocks... Feb 01 00:07:19 kodiak systemd[1]: Started Discard unused blocks.
BIOS/ファームウェアアップデート
Lenovo は BIOS のアップデートをインストールするための ブータブル ISO イメージ を提供しています。ウェブサイトには書かれていませんが、ブータブルイメージにはキーボードドック MPU の最新ファームウェアも含まれています。ユーティリティによって USB ハブのファームウェアも更新されるかどうかは不明です。
USB 光学ドライブや書き込みメディアがない場合、ThinkWiki の情報が役に立ちます。