IBM ThinkPad X41
X41 と X41t (タブレット) は PATA HDD を使用することができる SATA-PATA ブリッジを搭載した SATA ベースのマシンです。SATA HDD と SSD を使用するための改造については外部リンクを見てください。X41 ノートパソコンは Pentium M を使用しており (1.5GHz または 1.6GHz で動作します)、Linux-ck でアーキテクチャに最適化されたパッケージを使用できます。
この記事ではマシンを活用するための設定を記載しており、ほとんどは省電力設定に関係あります。標準の Arch では3時間ほどしかバッテリーが持ちませんが、設定を変えることで5時間以上に伸ばすことができます (ディスプレイの明るさを2番目に高い値に設定した場合)。
目次
インストール
ダウンロードページ から .iso ファイルを入手してメモリースティックに書き込んでください:
# dd if=archlinux-201x.xx.xx-dual.iso of=/dev/sdX bs=4M
。コンピュータを再起動して他の Arch 環境と同じように起動してください。
有用なパッケージ
IBM/Lenovo ThinkPad X41 を使うときに役に立つパッケージ:
システムパッケージ
- acpi - フタの状態や温度・ボリューム・輝度などを管理する /proc/acpi を提供します。
- xf86-input-wacom - Wacom タブレットディスプレイのドライバー。
- xf86-video-intel - Intel 915GM グラフィックチップの Xorg ドライバー。
- tp_smapi - SMAPI 機能のサポートを追加 (バッテリーの放電の制御、バッテリーの情報や hdaps 加速度計のサポート)。Linux-ck を使用する場合は tp_smapi-dkmsAUR (AUR) を試してみてください。
- thinkfinger - 指紋リーダーのドライバー。
- トラックポイントについてはトラックポイントを見てください。
IBM X41 には "ipw2915" ワイヤレス Centrino (A, B, G) または ipw2200 ワイヤレス Centrino (B と G) モジュールが搭載されており、カーネルによってサポートされています。"ipw2915" チップの方で問題なく接続できることを確認済みです。ワイヤレス設定#ipw2100 と ipw2200 を参照してください。
アプリケーション
- powertop - 電力の消費を確認。
- cellwriter - (X41t) オンスクリーンタブレットキーボード。
省電力設定
何も設定しなかった場合、X41 は大量の電力を消費します (powertop で確認できます)。以下は X41t のバッテリーを持たせるための設定です。
laptop-mode (カーネル)
カーネルに含まれているラップトップモードはディスクの活動をバッファして HDD の使用を減らすことで電力を節約します。SSD でも効果は薄いですが少しだけ省電力になります。
echo "vm.laptop_mode=5" | sudo tee /etc/sysctl.d/laptop_mode.conf
SATA-ALPM (pm-utils)
ALPM (Aggressive Link Power Management) はアイドル状態のときに SATA ホストバスアダプタを低電力状態にして電力を節約します。
echo "SATA_ALPM_ENABLE=true" | sudo tee /etc/pm/config.d/sata_alpm sudo chmod +x /etc/pm/config.d/sata_alpm
PCI デバイスの省電力機能
問題を起こす可能性があるため省電力機能はデフォルトでは有効になりません。有効にすると 2W ほど節電できます。
/etc/udev/rules.d/pci_powersaving.rules
ACTION=="add", SUBSYSTEM=="pci", ATTR{power/control}="auto"
i915 RC6 省電力設定
Intel Graphics#モジュールによる省電力設定を見てください。
NMI ウォッチドッグの無効化
NMI ウォッチドッグ は Linux カーネルのデバッグ機能で、デフォルトで有効になっています。通常の作業では不要であり、無駄に CPU を消費します。
echo "kernel.nmi_watchdog=0" | sudo tee /etc/sysctl.d/nmi_watchdog.conf
PHC
PHC (Processor Hardware Control)。phc-intelAUR は Mobile Centrino シリーズのプロセッサをサポートしており、CPU を低電圧化できます。低電圧化するとプロセッサの動作電圧が下がり、P=IV によって電力消費量が少なくなります。性能には影響ありません。無駄な電圧は熱に変換されるため、ノートパソコンの動作温度が低くなりファンも静かになります。
タブレットのサポート
X41t は Wacom のディジタイザを使っています。ドライバーをインストールしたら再起動することで使えるようになるはずです。
ディスプレイキーを動作させる
X41 タブレットのディスプレイキー (Rotate, Escape, Enter, Prev, Next,...) が動作しない場合は、ブートローダーの設定にカーネルパラメータとして atkbd.softraw=0
を追加してください。スキャンコードが確認できたら、キーコードにマッピングできます。
外部リンク
- This report has been listed in the Linux Laptop and Notebook Installation Survey: IBM.
- SATA support modification
- ThinkWiki X41 page
- T43p Cooling - applicable to X41t, I've added ~1mm thick copper sheet to both the CPU and northbridge heatsinks with no ill effects.
- A shell/zenity script for common X41t tasks