「ディスクのクローン」の版間の差分

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ディスクのクローンとはパーティションやハードドライブ全体のイメージを作成することを言います。[[バックアッププログラム|バックアップ]]や[[ファイルリカバリ|リカバリ]]用に他のコンピューターにドライブをコピーするのに役立ちます。
 
ディスクのクローンとはパーティションやハードドライブ全体のイメージを作成することを言います。[[バックアッププログラム|バックアップ]]や[[ファイルリカバリ|リカバリ]]用に他のコンピューターにドライブをコピーするのに役立ちます。
   

2017年2月9日 (木) 21:10時点における版

ディスクのクローンとはパーティションやハードドライブ全体のイメージを作成することを言います。バックアップリカバリ用に他のコンピューターにドライブをコピーするのに役立ちます。

dd を使う

dd コマンドはシンプルでありながら、多目的に使える強力なツールです。ファイルシステムのタイプやオペレーティングシステムとは関係なく、ブロックごとに、コピーを行うことができます。ライブ CD などの、ライブ環境から dd を使用すると便利です。

警告: この種のコマンドの常として、使うときは慎重にならなければなりません。さもないとデータを破壊するおそれがあります。入力ファイル (if=) と出力ファイル (of=) の順序に注意し、逆にしないように!必ずコピー先ドライブまたはパーティション (of=) のサイズがコピー元 (if=) のサイズ以上になっているようにしてください。

パーティションのクローン

物理ディスク /dev/sda のパーティション 1 を、物理ディスク /dev/sdb のパーティション 1 に複製。

# dd if=/dev/sda1 of=/dev/sdb1 bs=512 conv=noerror,sync
警告: 出力ファイル of= (この例では sdb1) が存在しない場合は、ルートファイルシステムにこの名前のファイルが作成されてしまいます。

ハードディスク全体のクローン

物理ディスク /dev/sdX を物理ディスク /dev/sdY に複製:

# dd if=/dev/sdX of=/dev/sdY bs=512 conv=noerror,sync

このコマンドは MBR (とブートローダー)、全てのパーティション、UUID、データを含めディスクの全てを複製します。

  • noerror は読み取りエラーを全て無視して操作を続行します。dd のデフォルトの挙動ではエラーがあると dd は動作を停止します。
  • sync は読み取りエラーが存在した場合、入力ブロックをゼロで埋めるため、データのオフセットも同期します。
  • bs=512 はブロックサイズを 512 バイト(ハードドライブの「古典的な」ブロックサイズ)にセットします。自分のハードドライブのブロックサイズが 4KiB のときだけ 512 を 4096 にすることができます。また、以下の警告も読んでください。これはブロックサイズを変えるだけでなく、読み取りエラーがどのように伝播するかにも関係しています。
警告: ブロックサイズを指定すると、読み取りエラーの制御方法が影響を受けます。以下を読んでください。

dd では入力ブロックサイズ (IBS) と出力ブロックサイズ (OBS) の指定ができます。bs をセットすると IBS と OBS の両方をセットしたことになります。例えばブロックサイズを 1MiB にすると、通常は 1024*1024 バイト単位で読み書きします。しかし読み取りエラーが起きるとおかしくなります。noerror,sync オプションを使うと dd は読み取りエラーをゼロで埋めるようになると思いがちですが、そうではありません。ドキュメントによると dd は読み取りが完了した後で OBS を IBS と同じサイズになるようゼロ埋めします。つまりそのブロックの最後にゼロが追加されます。したがって、1MiB のブロックの最初でたった 512 バイトの読み取りエラーがあるだけで、1MiB 全体が駄目になってしまうことを意味します。例えば 12ERROR89 というデータの読み取り部分にエラーがあると、結果は 120000089 ではなく 128900000 になります。

自分のディスクにエラーがないと自信を持てるなら、ブロックサイズを大きくしてもよいでしょう。そうするとコピー速度が数倍向上します。例えば、単純な Celeron 2.7 GHz のシステムで bs を 512 から 64 KiB に変えたところ、コピー速度は 35 MB/s から 120 MB/s になりました。しかしくれぐれも、コピー元ディスクで読み取りエラーがあった場合はコピー先ディスクで破損ブロックになってしまうことに注意してください。つまり 512 バイトの読み取りエラーが1回あるだけで出力先ブロックの 64 KiB 全体が駄目になってしまいます。

ヒント: dd の進捗状況を表示したい場合、status=progress オプションを使って下さい。詳しくは Core Utilities#dd を参照。
ノート:
  • ext2/3/4 ファイルシステムで一意な UUID を復活させるには、各パーティションで tune2fs /dev/sdXY -U random を実行してください。
  • dd で変更したパーティションテーブルはカーネルには認識されません。再起動することなしにカーネルに変更を通知するには、(GNU Parted に含まれる) partprobe のようなユーティリティを使ってください。

MBR のバックアップ

MBR はディスクの頭512バイトに保存されています。MBR は3つの構成部位から成ります:

  1. 最初の446バイトにはブートローダーが含まれます。
  2. 次の64バイトにはパーティションテーブルが含まれます (16バイトごとに4エントリ、1つのエントリに1つのプライマリパーティション)。
  3. 最後の2バイトには識別子が含まれます。

MBR を mbr.img ファイルに保存するには:

# dd if=/dev/sdX of=/path/to/mbr_file.img bs=512 count=1

リストアするには (注意: 以下の操作で既存のパーティションテーブルが破壊されディスク上の全てのデータにアクセスできなくなる可能性があります):

# dd if=/path/to/mbr_file.img of=/dev/sdX

ブートローダーだけをリストアして、プライマリパーティションテーブルのエントリはそのままにしたい場合、MBR の最初の446バイトだけをリストアしてください:

# dd if=/path/to/mbr_file.img of=/dev/sdX bs=446 count=1

パーティションテーブルだけをリストアするには、次のコマンドを使用します:

# dd if=/path/to/mbr_file.img of=/dev/sdX bs=1 skip=446 count=64

完全な dd ディスクイメージから MBR を取得することもできます:

# dd if=/path/to/disk.img of=/path/to/mbr_file.img bs=512 count=1

ディスクイメージの作成

1. liveCD や liveUSB から起動。

2. コピー元ドライブの全てのパーティションがマウント解除されていることを確認する。

3. 外部 HD をマウント。

4. ドライブをバックアップ:

# dd if=/dev/sdX conv=sync,noerror bs=64K | gzip -c  > /path/to/backup.img.gz

必要であれば (外部 HD が FAT32 でフォーマットされている場合など) ディスクイメージを分割します (splitman ページを参照):

# dd if=/dev/sdX conv=sync,noerror bs=64K | gzip -c | split -a3 -b2G - /path/to/backup.img.gz

ローカルに十分なディスク空き容量がない場合は、イメージを ssh で転送することができます:

# dd if=/dev/sdX conv=sync,noerror bs=64K | gzip -c | ssh user@local dd of=backup.img.gz

5. イメージ内に保存されたパーティションテーブルを解釈できるようにするために、ドライブのレイアウトに関する付加情報を保存します。その情報の中で最も重要なのはシリンダーサイズです。

# fdisk -l /dev/sdX > /path/to/list_fdisk.info
ノート: You may wish to use a block size (bs=) that is equal to the amount of cache on the HD you are backing up. For example, bs=8192K works for an 8 MiB cache. The 64 Kib mentioned in this article is better than the default bs=512 bytes, but it will run faster with a larger bs=.

システムのリストア

システムをリストアするには:

# gunzip -c /path/to/backup.img.gz | dd of=/dev/sdX

もしくはイメージが複数のボリュームに分かれている場合:

# cat /path/to/backup.img.gz* | gunzip -c | dd of=/dev/sdX

ディスククローンソフトウェア

Arch でディスククローン

  • Partclone にはパーティション上の使用されているブロックを保存・復旧するためのユーティリティが入っており ext2, ext3, ext4, hfs+, reiserfs, reiser4, btrfs, vmfs3, vmfs5, xfs, jfs, ufs, ntfs, fat(12/16/32), exfat がサポートされています。オプションで、ncurses インターフェイスを使うこともできます。Partclone は community リポジトリからインストールできます。
  • Partimagencurses プログラムで、community リポジトリに入っています。Partimage は現在 ext4btrfs ファイルシステムをサポートしていません。NTFS のサポートは実験段階です。

Arch の外からディスククローン

If you wish to backup or propagate your Arch install root, you are probably better off booting into something else and clone the partition from there. Some suggestions:

  • PartedMagic has a very nice live cd/usb with PartImage and other recovery tools.
  • Mindi is a linux distribution specifically for disk clone backup. It comes with its own cloning program, Mondo Rescue.
  • Acronis True Image is a commercial disk cloner for Windows. It allows you to create a live (from within Windows), so you do not need a working Windows install on the actual machine to use it. After registration of the Acronis software on their website, you will be able to download a Linux-based Live CD and/or plugins for BartPE for creation of the Windows-based live CD. It can also create a WinPE Live CD based on Windows. The created ISO Live CD image by Acronis doesn't have the hybrid boot ability and cannot be written to USB storage as a raw file.
  • FSArchiver allows you to save the contents of a file system to a compressed archive file. Can be found on the System Rescue CD.
  • Clonezilla is an enhanced partition imager which can also restore entire disks as well as partitions. Clonezilla is included on the Arch Linux installation media.
  • Redo Backup and Recovery is a Live CD featuring a graphical front-end to partclone.

参照