「Acer C720 Chromebook」の版間の差分
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{{Warning|この記事ではサードパーティ製のスクリプトなどを使用するため、ハードウェアやデータに修復不可能なダメージを与える可能性があります。自己責任で使用してください。}} |
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+ | Acer C720 Chromebook (そして最近の chromebook) には"レガシーブート"モードが存在し Linux や他のオペレーティングシステムを簡単に起動することができます。このレガシーブートモードは [https://www.coreboot.org/ Coreboot] の [https://www.coreboot.org/SeaBIOS SeaBIOS] ペイロードによって提供されています。SeaBIOS がディスクの MBR に起動する伝統的な BIOS のように振る舞い、そこから Syslinux や GRUB などの標準のブートローダーを起動します。 |
== インストール == |
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C720 には Atheros AR9462 WLAN+BT チップが載っており、{{ic|ath9k}} カーネルモジュールによってサポートされています。以下のオプションを {{ic|ath9k}} モジュールに設定することで、パフォーマンスを向上させたり品質を改善したり、チップの消費電力を減らすことができます。 |
C720 には Atheros AR9462 WLAN+BT チップが載っており、{{ic|ath9k}} カーネルモジュールによってサポートされています。以下のオプションを {{ic|ath9k}} モジュールに設定することで、パフォーマンスを向上させたり品質を改善したり、チップの消費電力を減らすことができます。 |
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+ | モジュールオプションを追加するには、以下のような {{ic|ath9k.conf}} ファイルを作成します: |
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==== Bluetooth との共存 ==== |
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{{ic|1=bt_ant_diversity=1}} オプションを使うことでアンテナダイバーシティが有効になり信号品質が改善されてパフォーマンスが上昇します。ただし、[https://wireless.wiki.kernel.org/en/users/drivers/ath9k/antennadiversity これを有効にすると bluetooth インターフェイスが使えなくなる] ので、上記の Bluetooth との共存のオプションは使わないようにしてください。 |
{{ic|1=bt_ant_diversity=1}} オプションを使うことでアンテナダイバーシティが有効になり信号品質が改善されてパフォーマンスが上昇します。ただし、[https://wireless.wiki.kernel.org/en/users/drivers/ath9k/antennadiversity これを有効にすると bluetooth インターフェイスが使えなくなる] ので、上記の Bluetooth との共存のオプションは使わないようにしてください。 |
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+ | ==== 帯域幅が減少する問題の修正 ==== |
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− | モジュールオプションを追加するには、以下のような {{ic|ath9k.conf}} ファイルを作成します: |
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+ | ランダムに帯域幅が制限されてしまう場合、[[ワイヤレス設定#ath9k]] に書かれているようにハードウェア暗号化からソフトウェア暗号化に切り替えてみてください。 |
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+ | === 光センサーの有効化 === |
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+ | C720 では光センサーとして Intersil ISL29018 が使われており、このモジュールはデフォルトでビルド時に無効になっているため、センサーを使うには {{ic|CONFIG_SENSORS_ISL29018}} を有効にしてカーネルをコンパイルする必要があります。また、カーネルモジュールだけをコンパイルするということも可能です。[[カーネルモジュールのコンパイル]]のページに書かれている手順に従って、{{ic|.config}} でモジュールを有効にして以下のコマンドを実行してください: |
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+ | $ make SUBDIRS=drivers/staging/iio/light modules |
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+ | コンパイルできたら[[カーネルモジュールのコンパイル#モジュールのインストール]]に従ってモジュールをインストールしてください。 |
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− | === フタを閉じるときにサスペンドから復帰してしまう問題の修正 === |
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C720 のフタを閉じる時、ディスプレイの上部がタッチパッドに触れてしまうことがしばしばあります。これによってサスペンドからコンピューターが復帰してしまうという問題が起こります。タッチパッドによって復帰しないように変更するには、以下のファイルを作成: |
C720 のフタを閉じる時、ディスプレイの上部がタッチパッドに触れてしまうことがしばしばあります。これによってサスペンドからコンピューターが復帰してしまうという問題が起こります。タッチパッドによって復帰しないように変更するには、以下のファイルを作成: |
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# cat /proc/acpi/wakeup | grep TPAD |
# cat /proc/acpi/wakeup | grep TPAD |
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+ | [[Chrome OS デバイス#サスペンドの修正]]を見てください。[https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?pid=1364521#p1364521], [https://github.com/vonbrownie/linux-post-install/blob/master/config/c720_jessiebook/lib/systemd/system-sleep/ehci-pci.sh], [https://philipalban.wordpress.com/2014/04/25/fixing-suspend-in-xubuntu-on-the-acer-c720-a-simplified-guide/], [https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=1218734] にも役に立つ情報があります。 |
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+ | 症状としては正しくシャットダウンや再起動ができなくなったりすることがあります。 |
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− | C720 では光センサーとして Intersil ISL29018 が使われており、このモジュールはデフォルトでビルド時に無効になっているため、センサーを使うには {{ic|CONFIG_SENSORS_ISL29018}} を有効にしてカーネルをコンパイルする必要があります。 |
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== 書き込み保護ネジの場所 == |
== 書き込み保護ネジの場所 == |
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* 12本のネジと保証シールの下にあるネジを抜いてノートパソコンの底部パネルを取り除いて下さい。 |
* 12本のネジと保証シールの下にあるネジを抜いてノートパソコンの底部パネルを取り除いて下さい。 |
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* 背部のプラスチックを分離します。 |
* 背部のプラスチックを分離します。 |
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− | * 書き込み保護ネジをマザーボードから完全に取り外して下さい。[ |
+ | * 書き込み保護ネジをマザーボードから完全に取り外して下さい。[https://www.chromium.org/_/rsrc/1381990807648/chromium-os/developer-information-for-chrome-os-devices/acer-c720-chromebook/c720-chromebook-annotated-innards.png この写真] で「7」とマークされているネジです。 |
== 既知の問題 == |
== 既知の問題 == |
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[[#WLAN と BT のパフォーマンスを向上させる]] を見て下さい。 |
[[#WLAN と BT のパフォーマンスを向上させる]] を見て下さい。 |
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+ | ハードドライブのエラーによってシステムがフリーズする場合は[[ソリッドステートドライブ#トラブルシューティング]]を見てください。 |
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+ | === 内蔵マイクが機能しない === |
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+ | ([[Skype]] などで) 内蔵マイクが機能しない場合、PulseAudio のボリュームコントロールで入力ソースとして "Microphone (unplugged)" を選択してください。これで内蔵マイクが機能するようになります [http://forums.bodhilinux.com/index.php?/topic/9975-microphone-support-on-acer-c720/]。 |
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+ | 他の解決方法は [[Chrome OS デバイス#音声出力の修正]]を見てください。 |
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+ | バッテリーを使っているときにキーボードを使用するとシステムがシャットダウンする場合、おそらくバッテリーのスイッチ ([https://www.chromium.org/_/rsrc/1381990807648/chromium-os/developer-information-for-chrome-os-devices/acer-c720-chromebook/c720-chromebook-annotated-innards.png この写真] の #5) が壊れています。ノートパソコンのフタが外されているときに Acer C720 に電源が入らないようにする安全機構です。 |
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+ | #6 に刺さっているネジでスイッチを無効にできます。 |
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== 参照 == |
== 参照 == |
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− | * [ |
+ | * [https://www.chromium.org/chromium-os/developer-information-for-chrome-os-devices/acer-c720-chromebook Chromium OS Acer C720 & C720P Developer Page] |
* [https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?id=173418 BBS topic] |
* [https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?id=173418 BBS topic] |
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− | * |
+ | * [http://flashrom.org/RaspberryPi Raspberry Pi] を使って {{Pkg|flashrom}} で文鎮化から復帰するには [http://www.hmcelectronics.com/product/Pomona/5250 SOIC クリップ] が必要です。[https://elinux.org/Rpi_Low-level_peripherals#General_Purpose_Input.2FOutput_.28GPIO.29 GPIO matrix] や [https://drive.google.com/folderview?id=0B9f62MH0umbmRTA2Xzd5WHhjWEU&usp=sharing pictures] を見てください。また、[http://www.tnhh.net/2014/08/25/unbricking-chromebook-with-beaglebone.html BeagleBone を使用する方法] もあります。 |
+ | * GalliumOS Linux ディストリビューションで使われている Haswell デバイス用の最適化が施された [https://github.com/GalliumOS/galliumos-haswell 設定ファイル]。 |
2022年8月17日 (水) 11:24時点における最新版
関連記事
Acer C720 Chromebook (そして最近の chromebook) には"レガシーブート"モードが存在し Linux や他のオペレーティングシステムを簡単に起動することができます。このレガシーブートモードは Coreboot の SeaBIOS ペイロードによって提供されています。SeaBIOS がディスクの MBR に起動する伝統的な BIOS のように振る舞い、そこから Syslinux や GRUB などの標準のブートローダーを起動します。
インストール
Chrome OS デバイスのページを開いて、イントロダクションを読んでそれからインストールガイドに従って下さい。
インストール後の設定
全 Chromebook で共通のインストール後の設定 (ホットキー、power キーの処理) については Chrome OS デバイスページのインストール後の設定を見て下さい。
タッチパッドの設定
Xorg のタッチパッドの設定ファイルを編集してください。以下のように Xorg にタッチパッドの設定を追加することでユーザビリティが向上します (タッチパッドの精度が上がります):
/etc/X11/xorg.conf.d/50-cros-touchpad.conf
Section "InputClass" Identifier "touchpad peppy cyapa" MatchIsTouchpad "on" MatchDevicePath "/dev/input/event*" MatchProduct "cyapa" Option "FingerLow" "10" Option "FingerHigh" "10" EndSection
タッチパッドの右下の領域を使う"右クリック"を止めたい場合は、/etc/X11/xorg.conf.d/50-cros-touchpad.conf
の以下のセクションをコメントアウトしてください (この設定をしても右クリックは2本指のクリックで可能です):
/etc/X11/xorg.conf.d/50-cros-touchpad.conf
Section "InputClass" Identifier "touchpad peppy cyapa" MatchIsTouchpad "on" MatchDevicePath "/dev/input/event*" MatchProduct "cyapa" Option "FingerLow" "8" Option "FingerHigh" "16" Option "SoftButtonAreas" "0% 0 0% 0 0 0 0 0" Option "AreaBottomEdge" "0%" EndSection
WLAN と BT のパフォーマンスを向上させる
C720 には Atheros AR9462 WLAN+BT チップが載っており、ath9k
カーネルモジュールによってサポートされています。以下のオプションを ath9k
モジュールに設定することで、パフォーマンスを向上させたり品質を改善したり、チップの消費電力を減らすことができます。
モジュールオプションを追加するには、以下のような ath9k.conf
ファイルを作成します:
/etc/modprobe.d/ath9k.conf
options ath9k bt_ant_diversity=1 ps_enable=0
利用可能な設定については下を見てください。
Bluetooth との共存
Bluetooth と WiFi は両方とも 2.4 GHz を使うため、相互に干渉する可能性があります。btcoex_enable=1
オプションを使うことで Bluetooth を共存させてカードのパフォーマンスを向上させることができます。
省電力機能
ps_enable=1
オプションを使うことで省電力機能を有効にして消費電力を下げることができます。ただし [1] によると、省電力機能を有効にするとシステムがフリーズしたりドロップアウトする可能性があります。何か問題が発生したら無効にするようにしてください (ps_enable=0
)。
信号品質の改善
bt_ant_diversity=1
オプションを使うことでアンテナダイバーシティが有効になり信号品質が改善されてパフォーマンスが上昇します。ただし、これを有効にすると bluetooth インターフェイスが使えなくなる ので、上記の Bluetooth との共存のオプションは使わないようにしてください。
帯域幅が減少する問題の修正
ランダムに帯域幅が制限されてしまう場合、ワイヤレス設定#ath9k に書かれているようにハードウェア暗号化からソフトウェア暗号化に切り替えてみてください。
光センサーの有効化
C720 では光センサーとして Intersil ISL29018 が使われており、このモジュールはデフォルトでビルド時に無効になっているため、センサーを使うには CONFIG_SENSORS_ISL29018
を有効にしてカーネルをコンパイルする必要があります。また、カーネルモジュールだけをコンパイルするということも可能です。カーネルモジュールのコンパイルのページに書かれている手順に従って、.config
でモジュールを有効にして以下のコマンドを実行してください:
$ make SUBDIRS=drivers/staging/iio/light modules
コンパイルできたらカーネルモジュールのコンパイル#モジュールのインストールに従ってモジュールをインストールしてください。
サスペンド
フタを閉じるときにサスペンドから復帰してしまう問題の修正
C720 のフタを閉じる時、ディスプレイの上部がタッチパッドに触れてしまうことがしばしばあります。これによってサスペンドからコンピューターが復帰してしまうという問題が起こります。タッチパッドによって復帰しないように変更するには、以下のファイルを作成:
/etc/tmpfiles.d/disable-touchpad-wakeup.conf
w /proc/acpi/wakeup - - - - TPAD
現在の状態を確認するには:
# cat /proc/acpi/wakeup | grep TPAD
復帰後に dmesg に大量の ehci エラーが表示される
Chrome OS デバイス#サスペンドの修正を見てください。[2], [3], [4], [5] にも役に立つ情報があります。
症状としては正しくシャットダウンや再起動ができなくなったりすることがあります。
書き込み保護ネジの場所
- 12本のネジと保証シールの下にあるネジを抜いてノートパソコンの底部パネルを取り除いて下さい。
- 背部のプラスチックを分離します。
- 書き込み保護ネジをマザーボードから完全に取り外して下さい。この写真 で「7」とマークされているネジです。
既知の問題
システムがフリーズする
#WLAN と BT のパフォーマンスを向上させる を見て下さい。
ハードドライブのエラーによってシステムがフリーズする場合はソリッドステートドライブ#トラブルシューティングを見てください。
内蔵マイクが機能しない
(Skype などで) 内蔵マイクが機能しない場合、PulseAudio のボリュームコントロールで入力ソースとして "Microphone (unplugged)" を選択してください。これで内蔵マイクが機能するようになります [6]。
他の解決方法は Chrome OS デバイス#音声出力の修正を見てください。
バッテリー使用時にシステムがシャットダウンする
バッテリーを使っているときにキーボードを使用するとシステムがシャットダウンする場合、おそらくバッテリーのスイッチ (この写真 の #5) が壊れています。ノートパソコンのフタが外されているときに Acer C720 に電源が入らないようにする安全機構です。
- 6 に刺さっているネジでスイッチを無効にできます。
参照
- Chromium OS Acer C720 & C720P Developer Page
- BBS topic
- Raspberry Pi を使って flashrom で文鎮化から復帰するには SOIC クリップ が必要です。GPIO matrix や pictures を見てください。また、BeagleBone を使用する方法 もあります。
- GalliumOS Linux ディストリビューションで使われている Haswell デバイス用の最適化が施された 設定ファイル。