「Dell XPS 13 (9343)」の版間の差分

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2016年11月26日 (土) 00:50時点における版

2015 Dell XPS 13 (9343) は XPS 13 の第二世代モデルで、前機種と同じように、Dell の Project Sputnik チームによって Linux が公式でサポートされています。チームが対象としているのは Ubuntu 14.04 LTS ですが、Sputnik チームによる改善とサポートは全てのディストリビューションに広く適用できます。

XPS 13 に Arch をインストールする手順は他の PC の場合と同じです。インストールする方法はインストールガイド, ビギナーズガイド, UEFI を見て下さい。このページでは Arch におけるハードウェアの対応状況と、インストール後の設定について扱います。

カーネル 4.1.3 から、カーネルにパッチを適用する必要はなくなりました。ただし、完全に動作させるためにいくつか手動で設定をすることを推奨します。

デバイス 状態 モジュール
ビデオ 動作 i915
ワイヤレス 動作 wl または iwlwifi
Bluetooth ファームウェアのインストール後に動作 btbcm
オーディオ 動作 snd_hda_intel
タッチパッド 設定後に動作 hid_multitouch
ウェブカメラ 動作 linux-uvc
カードリーダー 動作 rtsx_usb
無線スイッチ 動作、ただし Broadcom WiFi には問題 rfkill

モデルの違い

市場では XPS 13 は色々な設定で売られていますが、Linux を動かしたいと思っている場合は、ディスプレイのオプション (FHD/QHD+) と WiFi アダプタ (Dell DW1560 と Intel 7265) の違いに特に注意してください。QHD+ モデルを使用する場合、HiDPI を適切にサポートしている DE/WM を使う必要があります。WiFi アダプタの選択に関しては、どちらのカードも Arch で動作はしますが、Dell DW1560 は (あまりサポートが良くない) プロプライエタリなカーネルモジュールを必要とし、一方 Intel 7265 はメインラインカーネルでサポートされています。

Developer Edition と Windows エディションにハードウェア上の特別な違いは存在しません。どちらのモデルでもこのガイドが等しく適用されます。

設定

BIOS のアップデート

BIOS アップデート A07 は2015年11月26日にリリースされました。A02 以降では、何も設定しなくても全てが動作し、昔のバージョンの BIOS で必要だったカーネルブートパラメータはもう不要です。アップデートバイナリは EFI パーティション (/boot/efi) か USB フラッシュドライブに保存して、再起動し、F12 ブートメニューで BIOS Update を選択してください。

WiFi

Dell DW1560 802.11ac アダプタ (Broadcom BCM4352) の殆どの設定機能は broadcom-wlAUR または broadcom-wl-dkmsAUR をインストールする必要があります。詳しくは Broadcom ワイヤレスのページを見て下さい。

ハイエンドモデルでは Dell ブランドのアダプタではなく Intel Wireless 7265 を使っており、そちらはメインラインカーネルでサポートされています。このカードはアフターマーケットで購入することができ、ノートパソコンに搭載された Broadcom ワイヤレスと交換することができます。Broadcom のカードと比較すると、Intel のカードは受信範囲が2-3倍は広く、スループットも高速です。試す価値のあるアップグレードとなるでしょう。Intel 7265 カードには WLAN しかないカードと WLAN/Bluetooth の混載カードが存在します。どちらのカードも使えるので、Bluetooth のサポートに対して追加料金を払う気があるかないかで決めて下さい。

ヒント: Intel を使っている場合、Intel の Linux ドライバーのメンテナである Emmanuel Grumbach が管理している linux-firmware リポジトリのフォーク に最新版のファームウェアが存在します。Intel 7265 カードの通信速度を向上して接続の安定性を増すことができます。linux-firmware-git-iwlwifiAUR を見て下さい。

Bluetooth

ノート: Intel の WiFi を使っている場合、WiFi カードが Bluetooth をサポートしていれば、linux-firmware に必要なファームウェアが含まれているので BT インターフェイスは何も設定しなくても動作します。

Broadcom の Bluetooth ファームウェアはカーネルには含まれていません (ソース)。そのため、Windows ドライバー からファームウェアを抜き出す必要があります。cabextract.cab ファイルを展開して bluez-utilshex2hcd.hcd ファイルに変換してください:

$ cabextract 20662520_6c535fbfa9dca0d07ab069e8918896086e2af0a7.cab
$ hex2hcd BCM20702A1_001.002.014.1443.1572.hex
# mv BCM20702A1_001.002.014.1443.1572.hcd /lib/firmware/brcm/BCM20702A1-0a5c-216f.hcd
# ln -rs /lib/firmware/brcm/BCM20702A1-0a5c-216f.hcd /lib/firmware/brcm/BCM20702A0-0a5c-216f.hcd

再起動後、Bluetooth インターフェイスのファームウェアが使えるようになっているはずです。

オーディオ

ノート: 正しいオーディオのサポートは最新の BIOS にアップデートしているかどうかにかかっています。BIOS A02 以降にアップデートしていない場合、先にアップデートしてください。

ノートパソコンに搭載されているサウンドチップは Realtek ALC3263 です。"デュアルモード"と謳われるように HDA standardI2S standard の両方をサポートしています。XPS 13 に搭載されているコントローラは OS によって指定された ACPI の _REV の値を使うため、どちらのモードでサウンドチップセットを初期化するのか起動時に決める必要があります。

HDA モード

BIOS A02 以上では、カーネルは自動的に HDA モードでサウンドカードを使用します。

マイクのサポートはメインラインカーネルの 4.1.3 で最終的な修正が施されています。4.1.3 以前のカーネルでは修正するためにパッチが必要です。カーネル 4.1.0-4.1.2 で修正するには こちら のパッチを適用してください。4.1 以前のカーネルで修正するには、次のパッチセットを適用してください: 1, 2

Windows とのデュアルブートをしている場合、コールドブートを二回しないと Linux で HDA サウンドが使えるようになりません。

I2S モード

Linux における I2S のサポートはまだ初期段階であり、ジャック検出などの重要な機能がカーネル 4.2 以降まで存在しません [1]。従って、今のところ I2S のサポートは無効化され HDA モードが使われます。ACPI の REV quirk モードが 4.2 でマージされており、I2S のサポートが準備できるまで HDA モードが強制的に使用されます [2][3]

I2S モードでは、デュアルブートでの対策は必要ありません。

タッチパッド

最新の BIOS のパッチで、タッチパッドのほぼ全ての機能が動作するようになっていますが、i2c モードでは手のひら検出がまだ使えません。xf86-input-synaptics で高度な設定をするときは、先に psmouse カーネルモジュールをブラックリストに入れる必要があります。

パッドに2本指が検出されるとタッチパッドがフリーズすることがあります。この問題は synclient Clickpad=1 を設定することで解決できます。

デスクトップにクリックパッドに関する有用なデフォルト設定が存在しない (例えば右ボタンや中ボタンのエミュレーションがない) ときや、デスクトップ環境の設定よりも細かくタッチパッドを制御したい場合、Touchpad Synaptics を見て下さい。

手のひら検出が必要な場合、xf86-input-libinput を使います。libinput ドライバーは多少の追加設定で、ほぼ全てのボタンレイアウトに対応することができます。

/etc/X11/xorg.conf.d/50-synaptics.conf
Section "InputClass"
	Identifier "touchpad"
	MatchProduct "DLL0665:01 06CB:76AD UNKNOWN"
	Driver "libinput"
	Option	"Tapping"	"on"
	Option	"AccelSpeed"	"1"
EndSection

省電力機能

カーネル 4.1 と tlp を使用する場合、以下のカーネルパラメータでアイドル時の消費電力を 3.5 ワット以下まで減らすことができます:

pcie_aspm=force i915.enable_fbc=1 i915.enable_rc6=7

ただし、(2015年7月現在) i915.enable_fbc=1 を設定するとチラつきが発生したりフリーズすることがあると報告されています。

さらに、powertop も使うことでパフォーマンスやモニターの消費電力も調整することができます。

ノート:
  • i915.enable_psr=1 で PSR のサポートを有効にすることで、アイドル時の消費電力をさらに 2.6 ワット以下まで減らすことができます。ただし、現在のところチラつきが発生します。
  • i915.lvds_downclock=1 による lvds_downclock はもはや必要ありません。MacBook のページより: "最新のカーネルでは eDP パネルの新しい自動ダウンクロックがデフォルトで有効になるため、使用する必要はありません - #intel-gfx の irc からの推奨")。

トラブルシューティング

ビデオやウェブカメラの出力にピンクや緑の砂嵐が表示される

xf86-video-intel をアップデートすることで問題は解決するはずです。

S3 復帰後、グラフィックに乱れが発生したり安定しない

サスペンドから復帰したときにグラフィカル環境が安定しなかったり乱れが発生するような場合、Intel のグラフィックアクセラレーションを SNA から UXA に切り替えると良いでしょう。ただし UXA に切り替えるとパフォーマンスが落ちます。

Broadcom ワイヤレスの接続問題

ドライバーをインストールして再起動した後に wifi-menuiwlist scan が動作しなくなった場合、BIOS で "Wireless Switch" のコントロールを無効化してみてください。

Broadcom ワイヤレスの rfkill 問題

("Brightness up" キーの右にある) ワイヤレススイッチキーはハードウェアレベルでワイヤレスカードのオンオフを切り替えます。しかしながら Broadcom ドライバーはそれに対してちゃんと反応しません: カードがオフになったことを認識できず、接続が失われたように認識されます。そのため、カードがまたオンになったときに復帰できません。NetworkManager のアプレットで WiFi を一度オフにしてからオンに切り替えたり、/sys/class/rfkill/rfkill0/state を 0 にしてから 1 に再度設定することで、この問題を回避できます。もしくは、あファームウェアのセットアップで "Wireless Switch" のコントロールを無効化することもできます。

EFISTUB が起動しない

バージョン A05 から、BIOS はカーネルにブートパラメータを渡しません。別の UEFI ブートローダーを使って下さい。systemd-boot が最新のカーネルで動作します。

キーのリピートの問題

BIOS A07 で問題が解決するはずです。

起動時にランダムでカーネルがハングアップする

こちら を見て下さい。この問題はタッチスクリーンが搭載された機種のみで影響するようです。

参照

一般:

Project Sputnik: