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[http://sourceware.org/systemtap/ SystemTap] は動作中の Linux システムについての情報収集を簡略化するためのフリーソフトウェア (GPL) インフラストラクチャを提供します。
 
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==SystemTap==
 
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[[AUR]] から SystemTap をインストールするけです: {{AUR|systemtap}}。上流での最新のリリースと比較してみてください [https://sourceware.org/systemtap/wiki/SystemTapReleases]。また [https://sourceware.org/git/?p=systemtap.git;a=summary] にあるソースからビルドすることも考慮してください。新しいカーネルやディストロのサポートは最初にここに現れます。
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{{AUR|systemtap}} パッケージ[[インストール]]してくさい。上流での最新のリリースと比較してみてください [https://sourceware.org/systemtap/wiki/SystemTapReleases]。また [https://sourceware.org/git/?p=systemtap.git;a=summary] にあるソースからビルドすることも検討してください。新しいカーネルやディストロのサポートは最初にここに現れます。
   
 
==標準的なカーネル==
 
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==カーネルのリビルド==
 
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SystemTap を実行するために ''linux-custom'' パッケージをビルドすることを考えているかもしれません。しかしオリジナルの {{Pkg|linux}} パッケージをリビルドすることは簡単で効率的です。[https://wiki.archlinux.org/index.php/Kernels/Compilation/Traditional] も参照してください。
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SystemTap を実行するために ''linux-custom'' パッケージをビルドすることを考えているかもしれません。しかしオリジナルの {{Pkg|linux}} パッケージをリビルドすることは簡単で効率的です。[[カーネル/コンパイル/伝統的な方法]]も参照してください。
   
 
===準備===
 
===準備===
最初に {{ic|<nowiki>ABSROOT=. abs core/linux; cd core/linux</nowiki>}} を実行してオリジナルのカーネルビルドファイルを取得します。
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最初に {{ic|<nowiki>cd ~/ && mkdir build && cd build/ && ASPROOT=. asp checkout linux && cd linux/</nowiki>}} を実行してオリジナルのカーネルビルドファイルを取得します。そして {{ic|makepkg --verifysource}} を実行して追加のファイルを取得します。この検証をしておけば「チェックサムの更新」のステップを飛ばしても安全です。
そして {{ic|makepkg --verifysource}} を実行して追加のファイルを取得します。この検証をしておけば「チェックサムの更新」のステップを飛ばしても安全です。
 
   
 
===config の修正===
 
===config の修正===
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現在の core/linux (3.15.2 でテスト済み) では、以下の行を config.[x86_64] に追加するだけです:
 
現在の core/linux (3.15.2 でテスト済み) では、以下の行を config.[x86_64] に追加するだけです:
{{hc|x86_64|
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{{hc|x86_64|<nowiki>
<nowiki>
 
 
echo '
 
echo '
 
CONFIG_DEBUG_INFO=y
 
CONFIG_DEBUG_INFO=y
 
CONFIG_DEBUG_INFO_REDUCED=n
 
CONFIG_DEBUG_INFO_REDUCED=n
 
' >> config.x86_64
 
' >> config.x86_64
</nowiki>
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</nowiki>}}
}}
 
   
 
''これらの行を自己メンテナンスされているスクリプトに追加するときは CONFIG_* の行の前にスペースを入れないでください。.''
 
''これらの行を自己メンテナンスされているスクリプトに追加するときは CONFIG_* の行の前にスペースを入れないでください。.''
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''ソースファイルが正しいと確信できるときはこのステップを飛ばしても安全です''。
 
''ソースファイルが正しいと確信できるときはこのステップを飛ばしても安全です''。
   
{{ic|md5sum config[.x86_64]}} を実行して新しい md5sum を計算します。
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{{ic|sha256sum config[.x86_64]}} を実行して新しい sha256sum を計算します。
   
'''PKGBUILD''' ファイル中で {{ic|<nowiki>md5sums=('sum-of-first' ... 'sum-of-last')</nowiki>}} は
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'''PKGBUILD''' ファイル中で {{ic|<nowiki>sha256sum=('sum-of-first' ... 'sum-of-last')</nowiki>}} は {{ic|<nowiki>source=('first-source' ... 'last-source')</nowiki>}} と同じ順序で並んでいます。新しい sha256sum を正しい位置に入れてください。
{{ic|<nowiki>source=('first-source' ... 'last-source')</nowiki>}} と同じ順序で並んでいます。新しい md5sum を正しい位置に入れてください。
 
   
 
===ビルドとインストール===
 
===ビルドとインストール===
Optional: It is recommended to set {{ic|<nowiki>MAKEFLAGS="-j16"</nowiki>}} in {{ic|/etc/makepkg.conf}} to speed up the compilation.
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任意: コンパイル速度向上のために {{ic|/etc/makepkg.conf}} {{ic|<nowiki>MAKEFLAGS="-j16"</nowiki>}} とセットしておくことを推奨します。
   
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ビルドするには約 12 GB のディスク領域が必要です。大容量の DRAM を持っている場合はインメモリの tmpfs を使うことを検討してください。{{ic|makepkg}} または {{ic|makepkg --skipchecksums}} を実行してコンパイルします。そして {{ic|sudo pacman -U *.pkg.tar.gz}} とするだけでパッケージをインストールできます。'''pacman''' が '''reinstall''' するかどうか尋ねてきますので y と答えます。
You will need about 12 GB disk space for this build. Consider using an in-memory tmpfs if you have large DRAM.
 
Run {{ic|makepkg}} or {{ic|makepkg --skipchecksums}} to compile, then simply {{ic|sudo pacman -U *.pkg.tar.gz}} to install the packages.
 
'''pacman''' will tell you '''reinstall''', and you should say y.
 
   
{{Pkg|linux}} and {{Pkg|linux-headers}} should be reinstalled, {{Pkg|linux-docs}} does not matter.
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{{Pkg|linux}} {{Pkg|linux-headers}} の再インストールが必要です。{{Pkg|linux-docs}} は再インストールしなくても問題ありません。
   
Via this method, external modules (e.g. {{Pkg|nvidia}} and {{Pkg|virtualbox}}) do not need to be rebuilt.
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この方法に従う場合、外部モジュール({{Pkg|nvidia}} {{Pkg|virtualbox}} など)を再ビルドする必要はありません。
   
 
==カスタムカーネルをビルドする==
 
==カスタムカーネルをビルドする==
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=== 起動時にパス 4 が失敗する ===
 
=== 起動時にパス 4 が失敗する ===
   
以下のメッセージが表示されるときは
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以下のメッセージが表示されるときは:
   
/usr/share/systemtap/runtime/stat.c:214:2: error: 'cpu_possible_map' undeclared (first use in this function)
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/usr/share/systemtap/runtime/stat.c:214:2: error: 'cpu_possible_map' undeclared (first use in this function)
   
 
systemtap-git パッケージをインストールしてみてください。
 
systemtap-git パッケージをインストールしてみてください。
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=== System.map がない ===
 
=== System.map がない ===
   
DEBUG_INFO を有効にしてカーネルをビルドした場所から復元できます
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DEBUG_INFO を有効にしてカーネルをビルドした場所から復元できます:
 
 
cp src/linux-3.6/System.map /boot/System.map-3.6.7-1-ARCH
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# cp src/linux-3.6/System.map /boot/System.map-3.6.7-1-ARCH
   
または
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または:
   
sudo cp /proc/kallsyms /boot/System.map-`uname -r`
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# cp /proc/kallsyms /boot/System.map-`uname -r`
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=== Process return probes not available ===
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カーネルコンフィグが正しいのに {{ic|stap}} を起動したときに以下のメッセージが表示される場合:
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WARNING: Kernel function symbol table missing [man warning::symbols]
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semantic error: process return probes not available [man error::inode-uprobes]
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SystemTap が機能をサポートしているかどうか確認できていません。[[#System.map がない]]の手順に従ってください。

2018年3月25日 (日) 18:26時点における最新版

SystemTap は動作中の Linux システムについての情報収集を簡略化するためのフリーソフトウェア (GPL) インフラストラクチャを提供します。

SystemTap

systemtapAUR パッケージをインストールしてください。上流での最新のリリースと比較してみてください [1]。また [2] にあるソースからビルドすることも検討してください。新しいカーネルやディストロのサポートは最初にここに現れます。

標準的なカーネル

すくなくとも linux-headers がインストールされている必要があります。

Arch は配布バイナリ(カーネルを含む)からデバッグ情報を取り除いている(strip している)ので、systemtap の機能の多くは利用できません。なので /usr/share/doc/systemtap/examples にある例の多くは動作しません。しかし stapprobes man page で動作する NON-DWARF および AUTO-DWARF のプローブタイプを見ることができます。例えば:

  • カーネルトレースポイント: kernel.trace("*")
  • ユーザースペースプローブ: process("...").function("...") (-g をつけて自分でビルドしたプログラムに限る)
  • ユーザースペースマーカー: process("...").mark("...") (<sys/sdt.h> のマーカーをつけて configure されていれば)
  • perfctrベースのプローブ: perf.*
  • NON-DWARF カーネルプローブ: kprobe.function("...") と nd_syscall.* tapset (/boot/System.map* ファイルがあれば。下記参照)

カーネルのリビルド

SystemTap を実行するために linux-custom パッケージをビルドすることを考えているかもしれません。しかしオリジナルの linux パッケージをリビルドすることは簡単で効率的です。カーネル/コンパイル/伝統的な方法も参照してください。

準備

最初に cd ~/ && mkdir build && cd build/ && ASPROOT=. asp checkout linux && cd linux/ を実行してオリジナルのカーネルビルドファイルを取得します。そして makepkg --verifysource を実行して追加のファイルを取得します。この検証をしておけば「チェックサムの更新」のステップを飛ばしても安全です。

config の修正

config (32-bit システム向け) または config.x86_64 (64-bit システム向け) を編集して以下のオプションを有効にします:

  • CONFIG_KPROBES=y
  • CONFIG_KPROBES_SANITY_TEST=n
  • CONFIG_KPROBE_EVENT=y
  • CONFIG_NET_DCCPPROBE=m
  • CONFIG_NET_SCTPPROBE=m
  • CONFIG_NET_TCPPROBE=y
  • CONFIG_DEBUG_INFO=y
  • CONFIG_DEBUG_INFO_REDUCED=n
  • CONFIG_X86_DECODER_SELFTEST=n

デフォルトでは CONFIG_DEBUG_INFOCONFIG_DEBUG_INFO_REDUCED だけが設定されていません。

現在の core/linux (3.15.2 でテスト済み) では、以下の行を config.[x86_64] に追加するだけです:

x86_64
echo '
CONFIG_DEBUG_INFO=y
CONFIG_DEBUG_INFO_REDUCED=n
' >> config.x86_64

これらの行を自己メンテナンスされているスクリプトに追加するときは CONFIG_* の行の前にスペースを入れないでください。.

チェックサムを更新する

ソースファイルが正しいと確信できるときはこのステップを飛ばしても安全です

sha256sum config[.x86_64] を実行して新しい sha256sum を計算します。

PKGBUILD ファイル中で sha256sum=('sum-of-first' ... 'sum-of-last')source=('first-source' ... 'last-source') と同じ順序で並んでいます。新しい sha256sum を正しい位置に入れてください。

ビルドとインストール

任意: コンパイル速度向上のために /etc/makepkg.confMAKEFLAGS="-j16" とセットしておくことを推奨します。

ビルドするには約 12 GB のディスク領域が必要です。大容量の DRAM を持っている場合はインメモリの tmpfs を使うことを検討してください。makepkg または makepkg --skipchecksums を実行してコンパイルします。そして sudo pacman -U *.pkg.tar.gz とするだけでパッケージをインストールできます。pacmanreinstall するかどうか尋ねてきますので y と答えます。

linuxlinux-headers の再インストールが必要です。linux-docs は再インストールしなくても問題ありません。

この方法に従う場合、外部モジュール(nvidiavirtualbox など)を再ビルドする必要はありません。

カスタムカーネルをビルドする

README を参照してください。

トラブルシューティング

起動時にパス 4 が失敗する

以下のメッセージが表示されるときは:

/usr/share/systemtap/runtime/stat.c:214:2: error: 'cpu_possible_map' undeclared (first use in this function)

systemtap-git パッケージをインストールしてみてください。

System.map がない

DEBUG_INFO を有効にしてカーネルをビルドした場所から復元できます:

# cp src/linux-3.6/System.map /boot/System.map-3.6.7-1-ARCH

または:

# cp /proc/kallsyms /boot/System.map-`uname -r`

Process return probes not available

カーネルコンフィグが正しいのに stap を起動したときに以下のメッセージが表示される場合:

WARNING: Kernel function symbol table missing [man warning::symbols]
semantic error: process return probes not available [man error::inode-uprobes]

SystemTap が機能をサポートしているかどうか確認できていません。#System.map がないの手順に従ってください。