「Pacman/ヒントとテクニック」の版間の差分

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=== より多くの不要なパッケージを検出する ===
 
=== より多くの不要なパッケージを検出する ===
   
場合によっては、上記の方法では、要なパッケージをすべて検出する ことはできせん。例えば、依存のサイクル ("循環依存"とも呼ばれる)、過剰な依存 (複数回満たされる)、明示的でないオプションなどです。
+
上記の方法では、とされパッケージ検出されないことがあり。例えば、依存関係のサイクル ("循環依存" とも呼ばれる)、過剰な依存 (複数回、依存関係が発生する)、明示的でない任意の依存などの場合です。
   
のようなパッケージを検出するには:
+
のようなパッケージを検出するには:
   
 
$ pacman -Qqd | pacman -Rsu --print -
 
$ pacman -Qqd | pacman -Rsu --print -
   
リスト内のすべてのパッケージを一度に削除する場合は、{{ic|--print}} 引数を指定せずにコマンドを実行します
+
コマンドで出力されたパッケージを一度に全て削除したい場合は、{{ic|--print}} フラグ無しでコマンドを実行してください
   
 
=== 必須パッケージ以外の全てのパッケージを削除する ===
 
=== 必須パッケージ以外の全てのパッケージを削除する ===
   
必須パッケージを除くすべてのパッケージを削除する必要がある場合、1つの方法は、必ないパッケージのインストール理由を依存関係して設定してから、不要な依存関係すべて削除することです。
+
必須パッケージを除いて全てのパッケージを削除する必要がある場合、1つの方法は、必でないパッケージのインストール理由を依存パッケージ」と設定してから、不要な依存パッケージて削除することです。
   
まず、''明示的にインストール'' されたすべてのパッケージについて、インストール理由を ''依存関係としてインストール'' に変更します
+
まず、"明示的にインストール" されたパッケージインストール理由を "依存関係としてインストール" に変更します:
   
 
# pacman -D --asdeps $(pacman -Qqe)
 
# pacman -D --asdeps $(pacman -Qqe)
   
次に、インストール理由を、必須パッケージのみの ''明示的にインストール'' に変更しす。これらのパッケージをターゲットにしないために、''削除したくない'' パッケージは次のようになります
+
次に、必須パッケージ (つ'''削除したくない'''パッケージ) が削除対象にならないようにするために、それらのインストール理由を "明示的にインストール" に変更します:
   
 
# pacman -D --asexplicit base linux linux-firmware
 
# pacman -D --asexplicit base linux linux-firmware
   
 
{{Note|
 
{{Note|
* 削除されないようにするめに、上記のコマンドにのパッケージを追加することができます。完全に機能する基本システムに必要な他のパッケージの詳細については [[インストールガイド#必須パッケージのインストール]] を参照してください。
+
* 他のパッケージも削除されないようにい場合は、上記のコマンドに加えてください。完全に機能するベースシステムに必要りうる他のパッケージについては [[インストールガイド#必須パッケージのインストール]] を参照してください。
* これはブートローダのパッケージも削除対象とされます。システムはまだ起動でるはずですが、ブートパラメータはこれ無しでは変更できないかもしれません。
+
* 上記のコマンドではブートローダのパッケージも削除対象になります。削除してもシステム自体は起動可能なままるはずですが、パッケージがないとブートパラメータ変更できないかもしれません。
 
}}
 
}}
   
最後に、[[Pacman ヒント#使用していないパッケージの削除 (孤立したパッケージ)]] の手順に従って、''依存関係'' でインストールされたすべてのパッケージを削除します
+
最後に、[[#使用していないパッケージ (孤立したパッケージ) の削除]] の手順に従って "依存関係としてインストール" に指定されたパッケージを削除してください
   
 
=== 複数のパッケージの依存パッケージリストを取得 ===
 
=== 複数のパッケージの依存パッケージリストを取得 ===
   
依存パッケージはアルファベット順ソートされ、重複するパッケージは削除されます。
+
依存パッケージはアルファベット順ソートされ、重複するパッケージは1つにまとめられます。
   
{{Note|ローカルにインストールたパッケージのツリーを表示したいだけの場合、{{ic|pacman -Qi}} を使てください。}}
+
{{Note|ローカルにインストールされたパッケージのみの依存関係ツリーを表示するには({{ic|pacman -Si}} の部分で) {{ic|pacman -Qi}} コマンド代わりに使用してください。}}
   
$ pacman -Si ''packages'' | awk -F'[:<=>]' '/^Depends/ {print $2}' | xargs -n1 | sort -u
+
$ LC_ALL=C.UTF-8 pacman -Si ''packages'' | awk -F'[:<=>]' '/^Depends/ {print $2}' | xargs -n1 | sort -u
   
もしくは、{{Pkg|expac}} を使用して:
+
あるいは、{{Pkg|expac}} を使て:
   
 
$ expac -l '\n' %E -S ''packages'' | sort -u
 
$ expac -l '\n' %E -S ''packages'' | sort -u
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=== 変更されたバックアップファイルをリストアップ ===
 
=== 変更されたバックアップファイルをリストアップ ===
   
  +
[[pacman/Pacnew と Pacsave#パッケージのバックアップファイル|ユーザーによって変更される可能性のある]]ファイル (つまり、[[PKGBUILD#backup|PKGBUILD の backup 配列]]に含まれているファイル) として ''pacman'' に追跡されていて、かつユーザーによって変更が加えられた設定ファイルを一覧表示するには:
システムの設定ファイルをバックアップしたい場合は {{ic|/etc/}} にある全てのファイルをコピーすれば良いですが、普通は変更を加えたファイルだけをバックアップすればそれで足ります。変更が加えられた[[Pacnew と Pacsave ファイル#パッケージのバックアップファイル|バックアップファイル]]は次のコマンドで閲覧できます:
 
   
# pacman -Qii | awk '/^MODIFIED/ {print $2}'
+
# pacman -Qii | awk '/\[modified\]/ {print $(NF - 1)}'
   
root で上記のコマンドを実行することで root からしか読み取れないファイル ({{ic|/etc/sudoers}} など) も出力に含まれるようになります。
+
のコマンドを root 権限で実行することでroot ユーザーからしか読み取れないファイル {{ic|/etc/sudoers}} など) も出力に含まれるようになります。
   
  +
このコマンドは、システムのバックアップを選択的に行いたい時や、システムの設定をマシンからマシンへ複製する際に使うことができます。
{{Tip|バックアップファイルだけでなく、pacman が認識している全ての変更済みファイルをリストアップしたい場合は[[#パッケージから変更された全てのファイルをリストアップ|パッケージから変更された全てのファイルをリストアップ]]を見てください。}}
 
  +
  +
{{Tip|
  +
* ''pacman'' のデータベースに載っているファイルのうち変更されたもの (バックアップファイル以外も含む) を一覧表示する方法は [[#パッケージから変更された全てのファイルをリストアップ]] を見てください。
  +
* ''pacman'' によって追跡されていないファイルを一覧表示する方法は [[#どのパッケージにも所有されていないファイルを特定する]] を見てください。
  +
}}
   
 
=== pacman データベースをバックアップ ===
 
=== pacman データベースをバックアップ ===
   
次のコマンドでローカルの pacman データベースをバックアップできます:
+
次のコマンドでローカルの ''pacman'' データベースをバックアップできます:
   
 
$ tar -cjf pacman_database.tar.bz2 /var/lib/pacman/local
 
$ tar -cjf pacman_database.tar.bz2 /var/lib/pacman/local
   
バックアップした pacman データベースファイルは USB スティックや外付けハードドライブ、CD-R などのオフラインメディアに保存してください。
+
バックアップした ''pacman'' データベースファイルは USB スティックや外付けハードドライブ、CD-R など、一つ以上のオフラインメディアに保存してください。
   
 
{{ic|pacman_database.tar.bz2}} ファイルを {{ic|/}} ディレクトリに移動して以下のコマンドを実行することでデータベースを復元できます:
 
{{ic|pacman_database.tar.bz2}} ファイルを {{ic|/}} ディレクトリに移動して以下のコマンドを実行することでデータベースを復元できます:
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# tar -xjvf pacman_database.tar.bz2
 
# tar -xjvf pacman_database.tar.bz2
   
{{Note|pacman データベースファイルが破損していて、バックアップファイルが存在しない場合でも、pacman データベースを再構築できる望みはあります。[[# pacman のローカルデータベースを復元する|pacman のローカルデータベースを復元する]]を見てください。}}
+
{{Note|''pacman'' データベースファイルが破損していて、バックアップファイルが存在しない場合でも、''pacman'' データベースを再構築できる望みはあります。[[#pacman のローカルデータベースを復元する]] を見てください。}}
   
 
{{Tip|{{AUR|pakbak-git}} パッケージには上記の作業を自動的に行うスクリプトと [[systemd]] サービスが入っています。{{ic|/etc/pakbak.conf}} で設定が可能です。}}
 
{{Tip|{{AUR|pakbak-git}} パッケージには上記の作業を自動的に行うスクリプトと [[systemd]] サービスが入っています。{{ic|/etc/pakbak.conf}} で設定が可能です。}}
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=== 変更履歴を簡単に確認 ===
 
=== 変更履歴を簡単に確認 ===
   
メンテナがパッケージを更新するとき、大抵の場合コミットにはコメントが付けられます。{{AUR|pacolog}} をインストールすることでコマンドラインからコミットメッセージを確認することができます。{{ic|pacolog <package>}} を実行すると、公式リポジトリ AUR のパッケージの最近のコミットメッセージを出力します。
+
メンテナがパッケージを更新するとき、大抵の場合コミットにはコメントが付けられます。{{AUR|pacolog}} をインストールすることでコマンドラインからコミットメッセージを素早く確認することができます。{{ic|pacolog ''package''}} を実行すると、公式リポジトリのパッケージまたは AUR のパッケージの最近のコミットメッセージの一覧表示します。
   
 
== インストールとリカバリ ==
 
== インストールとリカバリ ==
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# cd ~/Packages
 
# cd ~/Packages
# pacman -Syw base base-devel grub-bios xorg gimp --cachedir .
+
# pacman -Syw --cachedir . base base-devel grub-bios xorg gimp
# repo-add ./custom.db.tar.gz ./*
+
# repo-add ./custom.db.tar.zst ./*.pkg.tar.zst
   
  +
Pacman はデフォルトでホストのインストール環境を参照するため、既存の依存関係を適切に解決したり、ダウンロードしたりすることができません。すべてのパッケージと依存関係が必要である場合は、一時的な空のデータベースを作成し、そのデータベースを {{ic|--dbpath}} オプションで参照すると良いでしょう:
ダウンロードしたら "Packages" フォルダを CD/DVD に焼くか USB スティック、外部 HDD などにコピーしてください。
 
  +
  +
# mkdir /tmp/blankdb
  +
# pacman -Syw --cachedir . --dbpath /tmp/blankdb base base-devel grub-bios xorg gimp
  +
# repo-add ./custom.db.tar.zst ./*.pkg.tar.zst
  +
  +
次に、先の "Packages" ディレクトリを光学ディスク (CD や DVD など) に焼くか、USB ドライブや外部 HDD などに保存してください。
   
 
インストールするには:
 
インストールするには:
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'''1.''' メディアをマウントする:
 
'''1.''' メディアをマウントする:
   
  +
光学ディスクドライブの場合は:
# mkdir /mnt/repo
 
# mount /dev/sr0 /mnt/repo # CD/DVD の場合
 
# mount /dev/sdxY /mnt/repo # USB スティックの場合。
 
   
  +
# mount --mkdir /dev/sr0 /mnt/repo
'''2.''' {{ic|pacman.conf}} を編集して他のリポジトリ (例: extra, core など) の''前に''リポジトリを追加してください。この手順は重要です。これで標準のリポジトリに優先して CD/DVD/USB のファイルがインストールされるようになります:
 
   
  +
USB ドライブやハードディスクドライブなどの場合は:
{{hc|# nano /etc/pacman.conf|2=
 
  +
  +
# mount --mkdir /dev/sd''xY'' /mnt/repo
  +
  +
'''2.''' マウントしたリポジトリを {{ic|pacman.conf}} に追加してください。ただし、他のリポジトリより''前に''置いてください。リポジトリの順番が重要です。{{ic|pacman.conf}} の一番下にある、コメントアウトされているリポジトリをアンコメントするだけではいけません。他のリポジトリより前に置くことで、CD/DVD/USB にあるファイルを標準のリポジトリ上にあるものよりも優先させます:
  +
  +
{{hc|/etc/pacman.conf|2=
 
[custom]
 
[custom]
 
SigLevel = PackageRequired
 
SigLevel = PackageRequired
Server = file:///mnt/repo/Packages}}
+
Server = file:///mnt/repo/Packages
  +
}}
   
'''3.''' 最後に、pacman データベースを同期し新しいリポジトリを使えるようにしてください:
+
'''3.''' 最後に、''pacman'' データベースを同期し、追加した新しいリポジトリを利用できるようにします:
   
 
# pacman -Syu
 
# pacman -Syu
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=== カスタムローカルリポジトリ ===
 
=== カスタムローカルリポジトリ ===
   
''pacman'' に含まれる ''repo-add'' スクリプトを使うことで、個人的なリポジトリのデータベースを生成することができます。詳しい使い方は {{ic|repo-add --help}} を実行して見て下さい。
+
''pacman'' に含まれる ''repo-add'' スクリプトを使うことで、個人用のリポジトリのデータベースを生成することができます。詳しい使い方は {{ic|repo-add --help}} を実行して見て下さい。
   
 
パッケージデータベースは tar ファイルです (任意で圧縮できます)。有効な拡張子は、''.db'' か ''.files'' の後に、アーカイブ拡張子 ''.tar''、''.tar.gz''、''.tar.bz2''、''.tar.xz''、''.tar.zst''、''.tar.Z'' のうちどれかを付け加えたものになります。(''repo-add'' を使用する際に) このファイルが存在している必要はありませんが、親ディレクトリはすべて存在していなければなりません。
 
パッケージデータベースは tar ファイルです (任意で圧縮できます)。有効な拡張子は、''.db'' か ''.files'' の後に、アーカイブ拡張子 ''.tar''、''.tar.gz''、''.tar.bz2''、''.tar.xz''、''.tar.zst''、''.tar.Z'' のうちどれかを付け加えたものになります。(''repo-add'' を使用する際に) このファイルが存在している必要はありませんが、親ディレクトリはすべて存在していなければなりません。
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新しいパッケージをデータベースに追加する、あるいはデータベース内にすでにある古いバージョンのパッケージを置き換えるには、以下を実行してください:
 
新しいパッケージをデータベースに追加する、あるいはデータベース内にすでにある古いバージョンのパッケージを置き換えるには、以下を実行してください:
   
$ repo-add ''/path/to/repo.db.tar.gz /path/to/package-1.0-1-x86_64.pkg.tar.zst''
+
$ repo-add ''/path/to/repo.db.tar.zst /path/to/package-1.0-1-x86_64.pkg.tar.zst''
   
 
''repo-add'' を使用する際は、データベースとパッケージが同一のディレクトリ内に存在している必要はありません。ただし、そのデータベースを ''pacman'' で使用する際は、データベースとパッケージが一緒に存在している必要があるので注意してください。また、リポジトリに含めるビルド済みパッケージをすべて1つのディレクトリに入れておけば、シェルのグロブ拡張を使って複数のパッケージを一度に追加/更新することができます:
 
''repo-add'' を使用する際は、データベースとパッケージが同一のディレクトリ内に存在している必要はありません。ただし、そのデータベースを ''pacman'' で使用する際は、データベースとパッケージが一緒に存在している必要があるので注意してください。また、リポジトリに含めるビルド済みパッケージをすべて1つのディレクトリに入れておけば、シェルのグロブ拡張を使って複数のパッケージを一度に追加/更新することができます:
   
$ repo-add ''/path/to/repo.db.tar.gz /path/to/*.pkg.tar.zst''
+
$ repo-add ''/path/to/repo.db.tar.zst /path/to/*.pkg.tar.zst''
   
 
{{Warning|''repo-add'' は、コマンドラインで渡された順番でエントリをデータベースに追加します。同じパッケージの複数のバージョンが渡された場合、正しいバージョンが最後に追加されるよう注意しなければなりません。特に、シェルによって使用される辞書順はロケール依存であり、''pacman'' によって使用される {{man|8|vercmp}} の順序とは異なるので注意してください。}}
 
{{Warning|''repo-add'' は、コマンドラインで渡された順番でエントリをデータベースに追加します。同じパッケージの複数のバージョンが渡された場合、正しいバージョンが最後に追加されるよう注意しなければなりません。特に、シェルによって使用される辞書順はロケール依存であり、''pacman'' によって使用される {{man|8|vercmp}} の順序とは異なるので注意してください。}}
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/home/archie/customrepo/
 
/home/archie/customrepo/
 
└── ''arch''
 
└── ''arch''
├── customrepo.db -> customrepo.db.tar.xz
+
├── customrepo.db -> customrepo.db.tar.zst
├── customrepo.db.tar.xz
+
├── customrepo.db.tar.zst
├── customrepo.files -> customrepo.files.tar.xz
+
├── customrepo.files -> customrepo.files.tar.zst
├── customrepo.files.tar.xz
+
├── customrepo.files.tar.zst
 
└── personal-website-git-b99cce0-1-''arch''.pkg.tar.zst
 
└── personal-website-git-b99cce0-1-''arch''.pkg.tar.zst
   
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''repo-remove'' はパッケージデータベースからパッケージを削除するために使用されます。パッケージの名前のみをコマンドラインで指定します。
 
''repo-remove'' はパッケージデータベースからパッケージを削除するために使用されます。パッケージの名前のみをコマンドラインで指定します。
   
$ repo-remove ''/path/to/repo.db.tar.gz pkgname''
+
$ repo-remove ''/path/to/repo.db.tar.zst pkgname''
   
 
ローカルリポジトリを作成できたら、リポジトリを {{ic|pacman.conf}} に追加してください。カスタムリポジトリの例は {{ic|pacman.conf}} 内にあります。リポジトリ名は、データベースのファイル名からファイル拡張子を除いたものになります。上記の例では、リポジトリ名は単に ''repo'' となります。リポジトリの場所を参照するには、{{ic|file://}} URL を使うか、{{ic|<nowiki>http://localhost/path/to/directory</nowiki>}} を使って HTTP 経由で行ってください。
 
ローカルリポジトリを作成できたら、リポジトリを {{ic|pacman.conf}} に追加してください。カスタムリポジトリの例は {{ic|pacman.conf}} 内にあります。リポジトリ名は、データベースのファイル名からファイル拡張子を除いたものになります。上記の例では、リポジトリ名は単に ''repo'' となります。リポジトリの場所を参照するには、{{ic|file://}} URL を使うか、{{ic|<nowiki>http://localhost/path/to/directory</nowiki>}} を使って HTTP 経由で行ってください。
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==== 読み取り専用キャッシュ ====
 
==== 読み取り専用キャッシュ ====
   
  +
Pacman 6.1.0 はキャッシュサーバーを直接サポートしています。キャッシュサーバーは、キャッシュでないサーバーよりも前に試行されます。また、キャッシュサーバーはダウンロード時に HTTP 404 エラーが発生してもサーバープールから削除されず、データベースファイルとしては使用されません。
{{Note|1=pacman がサーバーから 3 つのパッケージをダウンロードできない場合、代わりに別のミラーが使用されます。https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?id=268066 を参照してください。}}
 
   
迅速な解決策を探している場合は、他のコンピューターが最初のミラーとして使用できる [https://gist.github.com/willurd/5720255 基本的な一時 Web サーバー] 実行すだけです。
+
手っ取り早い解決策を探している場合は、他のコンピュータからキャッシュサーとしてアクセスできる[https://gist.github.com/willurd/5720255 一時的なシンプルなウェブサーバー]を走らせことがきます。
   
  +
Pacman のキャッシュディレクトリを共有してみましょう。例えば、[[Python]] の [https://docs.python.org/3/library/http.server.html#http-server-cli http.server] モジュールを使う場合は:
まず最初に、提供するディレクトリで pacman データベースを利用できるようにします。
 
   
# ln -s /var/lib/pacman/sync/*.db /var/cache/pacman/pkg/
 
 
次に、このディレクトリの提供を開始します。たとえば、[[Python]] [https://docs.python.org/3/library/http.server.html#http-server-cli http.server] モジュールの場合:
 
 
$ python -m http.server -d /var/cache/pacman/pkg/
 
$ python -m http.server -d /var/cache/pacman/pkg/
   
{{Tip|デフォルトでは、Python {{ic|http.server}} は任意のインターフェイスのポート {{ic|8000}} を待受します。別のポートを使用するか、特定のアドレスにのみバインドするには、パラメータと引数を追加するけです:
+
{{Tip|デフォルトでは、Python {{ic|http.server}} は任意のインターフェイスの {{ic|8000}} 番ポートリッスンします。別のポートを使いたい場合や、特定のアドレスにのみバインドしたい場合は、パラメータを追加してくさい:
   
 
$ python -m http.server -d /var/cache/pacman/pkg/ --bind 127.0.0.1 8080
 
$ python -m http.server -d /var/cache/pacman/pkg/ --bind 127.0.0.1 8080
 
}}
 
}}
   
次に、各クライアントマシンで {{ic|/etc/pacman.d/mirrorlist}} を [[ヘルプ:読み方|追加, 追記, 作成, 編集|編集]] して、このサーバーを最上位のエントリとして追加します。
+
次に、各クライアントマシンでキャッシュサーバーを追加するように {{ic|/etc/pacman.d/mirrorlist}} を[[テキスト編集|編集]]してください:
   
 
{{hc|/etc/pacman.d/mirrorlist|2=
 
{{hc|/etc/pacman.d/mirrorlist|2=
Server = http://''server-ip'':''port''
+
CacheServer = http://''server-ip'':''port''
...
 
 
}}
 
}}
   
{{Warning|この階層は存在しないため、クエリは失敗します、他のエントリの場合同様に、このカスタムサーバーに {{ic|/repos/$repo/os/$arch}} を追加しないでください。}}
+
{{Warning|他のサーバーエントリと違って、このカスタムサーバーのオプション {{ic|/repos/$repo/os/$arch}} を付けてはいけません。このキャッシュサーバーにはこのディレクトリ階層が存在しないため、クエリが失敗してしまうから。}}
   
よりスタンドアロンのソリュショをお探の場合{{Pkg|da​​rkhttpd}} が非常に最小限の Web サーバーを提供します。の {{ic|python}} コマンドをのように置き換えます。
+
スタンドアローンな方法と {{Pkg|darkhttpd}} 最小限のウェブサーバーを立てられます。の {{ic|python}} コマンドを例えば以下のように置き換えてください:
   
$ sudo -u http darkhttpd /var/cache/pacman/pkg --no-server-id
+
[http]$ darkhttpd /var/cache/pacman/pkg --no-server-id
   
便宜上、darkhttpd を ''systemd'' サービスとして実行することもできます。[[systemd#ユニットファイル]] を参照してください。
+
便性のために darkhttpd を ''systemd'' サービスとして走らせることもできます。[[Systemd#ユニットファイル]] を参照してください。
   
Rust で書かれた小規模な Web サーバーである {{Pkg|miniserve}} も使用できます
+
Rust で書かれた小規模な Web サーバーである {{Pkg|miniserve}} も使用できます:
   
 
$ miniserve /var/cache/pacman/pkg
 
$ miniserve /var/cache/pacman/pkg
   
次に、 miniserve が利用可能な最初の URL を使用して、上記のように {{ic|/etc/pacman.d/mirrorlist}} を編集します
+
次に、miniserve へアクセスできる最初の URL を使て、上記のように {{ic|/etc/pacman.d/mirrorlist}} を編集してください
   
すでに他の目的で Web サーバーを実行している場合は、代わりにそれをローカルリポジトリサーバーとして再利用できます。たとえば、すでに [[nginx]] でサイトを提供している場合は、ポート 8080 で待受する ''nginx'' サーバーブロックを追加できます
+
すでに他の目的で Web サーバーを実行している場合は、代わりにそれをローカルリポジトリサーバーとして再利用できます。たとえば、すでに [[nginx]] でサイトを提供している場合は、8080 番ポートで待受する ''nginx'' サーバーブロックを追加できます:
   
 
{{hc|/etc/nginx/nginx.conf|
 
{{hc|/etc/nginx/nginx.conf|
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}}
 
}}
   
この変更を加えた後は、必ず {{ic|nginx.service}} の [[再起動]] を行ってください。
+
この変更を加えた後は、必ず {{ic|nginx.service}} の[[再起動]]を行ってください。
   
 
{{Tip|どの Web サーバーを使用する場合でも、ファイアウォール設定 (存在する場合) で、設定されたポートへの目的のトラフィックの到達が許可され、不要なトラフィックが許可されていないことを確認してください。[[セキュリティ#ネットワークとファイアウォール]]を参照してください。}}
 
{{Tip|どの Web サーバーを使用する場合でも、ファイアウォール設定 (存在する場合) で、設定されたポートへの目的のトラフィックの到達が許可され、不要なトラフィックが許可されていないことを確認してください。[[セキュリティ#ネットワークとファイアウォール]]を参照してください。}}
433行目: 445行目:
 
==== 読み取り専用キャッシュのオーバーレイマウント ====
 
==== 読み取り専用キャッシュのオーバーレイマウント ====
   
ローカルネットワーク上の1台のマシン{{ic|/var/cache/pacman/pkg}} ディレクトリ[[Overlayfs|overlay mount]] 読み取り専用パッケージキャッシュとして使うことができます。このような設定は、このサーバーに他のマシンでも使われる最新のパッケージが包括的にインストールされている場合に有利です。これは低帯域幅のアップストリーム接続の端にある多くのマシンを管理するの便利です。
+
ローカルネットワーク上にあるマシン{{ic|/var/cache/pacman/pkg}} ディレクトリ[[Overlayfs|オーバーレイマウント]]することで、読み取り専用パッケージキャッシュとして使うことができます。キャッシュサーバーに他のマシンでも使われている最新のパッケージがある程度包括的にインストールされている場合、このような構成は効果的です。低帯域幅のアップストリーム接続の端に一定数のマシンが存在する場合、こ方法が便利です。
   
  +
例:
例として、このメソッドを使用するには:
 
   
 
# mkdir /tmp/remote_pkg /mnt/workdir_pkg /tmp/pacman_pkg
 
# mkdir /tmp/remote_pkg /mnt/workdir_pkg /tmp/pacman_pkg
441行目: 453行目:
 
# mount -t overlay overlay -o lowerdir=/tmp/remote_pkg,upperdir=/var/cache/pacman/pkg,workdir=/mnt/workdir_pkg /tmp/pacman_pkg
 
# mount -t overlay overlay -o lowerdir=/tmp/remote_pkg,upperdir=/var/cache/pacman/pkg,workdir=/mnt/workdir_pkg /tmp/pacman_pkg
   
{{Note|作業ディレクトリは、上位ディレクトリと同じマウントされたデバイス上の空のディレクトリである必要があります。[[Overlayfs#使用方法]] を参照してください。}}
+
{{Note|作業ディレクトリは、上位ディレクトリと同じマウント済みデバイス上の空のディレクトリである必要があります。[[Overlayfs#使用方法]] を参照してください。}}
   
{{Tip|1={{ic|/tmp/pacman_pkg}} オーバーレイディレクトリをリストすると"Stale file handle" などのエラーが発生する場合、オプション {{ic|1=-o redirect_dir=off -oindex=off}} を使用しオーバーレイマウントを試してください。}}
+
{{Tip|1={{ic|/tmp/pacman_pkg}} オーバーレイディレクトリ内のファイル一覧表示しようとすると "Stale file handle" などのエラーが発生する場合、オーバーレイマウントのオプション {{ic|1=-o redirect_dir=off -o index=off}} を使てください。}}
   
の後、オプション {{ic|--cachedir /tmp/pacman_pkg}} を使用して ''pacman'' を実行ます。例:
+
れで、オプション {{ic|--cachedir /tmp/pacman_pkg}} を使用して ''pacman'' を実行できます。例:
   
 
# pacman -Syu --cachedir /tmp/pacman_pkg
 
# pacman -Syu --cachedir /tmp/pacman_pkg
505行目: 517行目:
 
==== Pacoloco プロキシキャッシュサーバー ====
 
==== Pacoloco プロキシキャッシュサーバー ====
   
[https://github.com/anatol/pacoloco Pacoloco] は、 pacman リポジトリ用の使いやすいプロキシキャッシュサーバです。​ {{AUR|pacoloco-git}} としてインストールきます。​構成ファイルを開き、pacman ミラーを追加します。:
+
[https://github.com/anatol/pacoloco Pacoloco] は、''pacman'' リポジトリ用の使いやすいプロキシキャッシュサーバです。キャッシュ済みのパッケージの[https://github.com/anatol/pacoloco/commit/048b09956b0d8ef71c0ed1f804fd332d9ab5e3c8 自動プリフェッチ]も可能です。
  +
  +
{{Pkg|pacoloco}} パッケージでインストールできます。Pacoloco の設定ファイルを開き、''pacman'' ミラーを追加してください:
   
 
{{hc|/etc/pacoloco.yaml|<nowiki>
 
{{hc|/etc/pacoloco.yaml|<nowiki>
516行目: 530行目:
 
</nowiki>}}
 
</nowiki>}}
   
{{ic|pacoloco.service}} を [https://wiki.archlinux.jp/index.php/Systemd#.E3.83.A6.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.88.E3.82.92.E4.BD.BF.E3.81.86 再起動] すると、プロキシリポジトリが {{ic|http://<myserver>:9129/repo/mycopy}} で利用できるようになります。
+
{{ic|pacoloco.service}} を[[再起動]]すると、プロキシリポジトリが {{ic|http://''myserver'':9129/repo/mycopy}} で利用できるようになります。
   
 
==== Flexo プロキシキャッシュサーバー ====
 
==== Flexo プロキシキャッシュサーバー ====
   
[https://github.com/nroi/flexo Flexo] pacman リポジトリ用のさらに別のプロキシキャッシュサーバーです。 Flexo は AUR で利用できます:{{AUR|flexo-git}} インストールしたら、 systemd で {{ic|flexo.service}} サービス [https://wiki.archlinux.jp/index.php/Systemd#.E3.83.A6.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.88.E3.82.92.E4.BD.BF.E3.81.86 スタート]します
+
[https://github.com/nroi/flexo Flexo] は、''pacman'' リポジトリ用のさらに別のプロキシキャッシュサーバーです。Flexo は {{AUR|flexo-git}} でインストールできます。インストールしたら、{{ic|flexo.service}} ユニットを[[起動]]してください
   
Flexo はデフォルトではポート 7878 で動作します。 {{ic|/etc/pacman.d/mirrorlist}} の先頭に {{ic|1=Server = http://''myserver'':7878/$repo/os/$arch}} と入力し、pacman が Flexoしてパッケージをダウンロードできるようにます
+
Flexo はデフォルトでは {{ic|7878}} 番ポートで動作します。''pacman'' に Flexo 経由でパッケージをダウンロードさせるには、{{ic|/etc/pacman.d/mirrorlist}} の一番最初に {{ic|1=Server = http://''myserver'':7878/$repo/os/$arch}} を記述してくだ
   
==== 同期プログラムを使用して pacman パッケージ キャッシュを同期する ====
+
==== 同期プログラムを使用して pacman パッケージキャッシュを同期する ====
   
 
[[Syncthing]] または [[Resilio Sync]] を使用して、''pacman'' キャッシュディレクトリ (つまり、{{ic|/var/cache/pacman/pkg}}) を同期します。
 
[[Syncthing]] または [[Resilio Sync]] を使用して、''pacman'' キャッシュディレクトリ (つまり、{{ic|/var/cache/pacman/pkg}}) を同期します。
   
==== 不要なキャッシュパージの ====
+
==== 望まキャッシュ削除を ====
   
デフォルトでは、{{ic|pacman -Sc}} は、コマンドが発行されたマシンにインストールされていないパッケージに対応するパッケージ tarball キャッシュから削除します。''pacman'' は、キャッシュを共有するすべてのマシンにどのようなパッケージがインストールされるかを予測できないため、削除すべきでないファイルを削除してしまうことになります。
+
デフォルトでは、{{ic|pacman -Sc}} は、キャッシュにあるパッケージ tarball のうち、同マシンにインストールされていないパッケージに対応するものを削除します。''pacman'' は、キャッシュを共有するすべてのマシンにどのようなパッケージがインストールされているかを予測できないため、削除すべきでないファイルを削除してしまうことになります。
   
''古い'' tarball のみが削除されるようにキャッシュクリーンアップするには:
+
キャッシュクリーンアップ時に ''古くなった'' tarball のみを削除するには:
   
 
{{hc|/etc/pacman.conf|2=
 
{{hc|/etc/pacman.conf|2=
539行目: 553行目:
 
}}
 
}}
   
=== ファイルシステムからパッケージを再成 ===
+
=== ファイルシステムからパッケージを再する ===
   
ファイルシステムからパッケージを再作成するには、(pacman に含まれている) ''bacman'' を使います。システム上のファイルそのまま使われるため、作成されるパッケージにはファイルへの変更も一緒含まてしまいます。再成したパッケージ配布は推奨です。[[ABS]] [[Arch Rollback Machine]] をてください。
+
ファイルシステム上のインストール済みファイルからパッケージを再構築するには、{{AUR|fakepkg}} を使用してください。システム上のファイルそのままパッケージ化されるため、ファイルシステムに加えた変更はすべてパッケージも受け継がれます。そのため、成したパッケージ配布することは推奨されません代替方法は [[ABS]] [[Arch Linux Archive]] を参照してください。
 
{{Tip|''bacman'' は {{ic|makepkg.conf}} の {{ic|PACKAGER}}, {{ic|PKGDEST}}, {{ic|PKGEXT}} オプションを使用します。環境変数をエクスポートすることで圧縮ツールのオプションを指定することができます。例えば {{ic|1=XZ_OPT="-T 0"}} は ''xz'' の並列圧縮を有効化します。}}
 
 
別のツールとして {{AUR|fakepkg}} も存在します。並列化をサポートしており複数のパッケージを入力することができます。''bacman'' ではどちらもサポートされていません。
 
   
 
=== インストール済みパッケージのリスト ===
 
=== インストール済みパッケージのリスト ===
554行目: 564行目:
   
 
{{Note|
 
{{Note|
* オプション {{ic|-t}} を使用すると、他の明示的にインストールされたパッケージですでに必要パッケージは言及されません。 このリストから再インストールする場合れらはインストールされますが、依存関係としてのみです。
+
* オプション {{ic|-t}} を使用すると、他の明示的にインストールされたパッケージによって必要とされているパッケージは列挙されません。作成したリストから再インストールするれらのパッケージはインストールされますが、インストール理由は単なる依存関係となります。
* オプション {{ic|-n}} を使用すると、外部パッケージ([[AUR]] など)がリストから省略されます。
+
* オプション {{ic|-n}} を使用すると、外部パッケージ ([[AUR]] など) がリストから省略されます。
* {{ic|comm -13 <(pacman -Qqdt {{!}} sort) <(pacman -Qqdtt {{!}} sort) > optdeplist.txt}} を使用して、インストールされているオプションの依存関係のリストも作成ます。 {{ic|--asdeps}} で再インストールます。
+
* {{ic|comm -13 <(pacman -Qqdt {{!}} sort) <(pacman -Qqdtt {{!}} sort) > optdeplist.txt}} を使えば、インストール済みの任意の依存関係のリストも作成できます。任意の依存関係は {{ic|--asdeps}} フラグで再インストールできます。
* {{ic|pacman -Qqem> Foreignpkglist.txt}} を使用して、明示的にインストールされた AUR およびその他の外部パッケージのリストを作成ます。}}
+
* {{ic|pacman -Qqem > foreignpkglist.txt}} を使えば、明示的にインストールされた AUR およびその他の外部パッケージのリストを作成できます。
  +
}}
   
明示的にインストールされたパッケージの最新リストを保持するために(たとえば、バージョン管理された {{ic|/etc/}} と組み合わせて)、[[Pacman#フック|hook]] を設定できます。 例:
+
明示的にインストールされたパッケージの最新リストを保持するために (たとえば、バージョン管理された {{ic|/etc/}} と組み合わせて)、[[Pacman#フック|フック]]を設定できます。例:
   
 
[Trigger]
 
[Trigger]
573行目: 584行目:
 
=== リストからパッケージをインストールする ===
 
=== リストからパッケージをインストールする ===
   
以前保存されたパッケリストからパッケージをインストールするすでに最新のインストール済みパッケージをインストールせずに、を実行します。:
+
インストル済みの最新のパッケージをインストールせずに、以前保存したパッケージリストからパッケージをインストールする以下を実行してください:
   
 
# pacman -S --needed - < pkglist.txt
 
# pacman -S --needed - < pkglist.txt
   
ただし、AURからのものやローカルにインストールされたものなどの外部パッケージがリストに含まれている可能性があります。 外部パッケージをリストから外するには、のコマンドラインのように拡張できます:
+
しかし、リストに AUR 由来外部パッケージやローカルにインストールされた外部パッケージなど載っていることもあります。リストから外部パッケージを除には、のコマンドを以下のように拡張することで可能です:
   
 
# pacman -S --needed $(comm -12 <(pacman -Slq | sort) <(sort pkglist.txt))
 
# pacman -S --needed $(comm -12 <(pacman -Slq | sort) <(sort pkglist.txt))
   
終的に、システムインストール済みパッケージがリストと一致ることを確認し、リストに記載されていないすべてのパッケージ削除します:
+
に、システムインストールされているパッケージがリストと一致していることを確認し、リストに記載されていないパッケージはすべて削除してください:
   
 
# pacman -Rsu $(comm -23 <(pacman -Qq | sort) <(sort pkglist.txt))
 
# pacman -Rsu $(comm -23 <(pacman -Qq | sort) <(sort pkglist.txt))
   
{{Tip|これらのタスクは自動化できます。 えば、これらを参照 {{AUR|bacpac}}, {{AUR|packup}}, {{AUR|pacmanity}}, {{AUR|pug}} }}
+
{{Tip|これらのタスクは自動化できます。例としては {{AUR|bacpac}}{{AUR|packup}}{{AUR|pacmanity}}{{AUR|pug}} を参照してください。}}
   
=== パッケージから変更された全てのファイルをリストアップ ===
+
=== パッケージの元の状態から変更された全てのファイルをリストアップ ===
   
ファイルが破損している可能性があるが (例: ソフトウェアあるいはハードウェアの障)ファイルが確実に破損しているとは言えない場合、パッケージのハッシュサムを比較すると良いょう。{{Pkg|pacutils}} で比較することができます:
+
(ソフトウェア/アードウェアの障害によって) ファイルが破損しているが疑われるが、本当に破損しているかどうかわからない場合、パッケージ内のファイルのハッシュ値と比較したほうが良いかもれません。{{Pkg|pacutils}} で比較することができます:
   
# paccheck --md5sum --quiet
+
# paccheck --sha256sum --quiet
   
データベースのリカバリについては [[#pacman のローカルデータベースを復元する|pacman のローカルデータベースを復元する]]を参照。{{ic|mtree}} ファイル[[#.pkg ファイルに含まれているファイルを閲覧する|該当するパッケージファイルから {{ic|.MTREE}} として抽出]]できます。
+
データベースの復元方法については[[#Pacman のローカルデータベースを復元する]] 見てください。{{ic|mtree}} ファイル[[#.pkg ファイル内の特定のファイルの内容る|それぞれのパッケージファイルから {{ic|.MTREE}} として抽出する]]こともできます。
   
{{Note|悪意のある変更がている可能性がある場合はつけてくださいセキュリティ上、ライブメディアを使用したりハッシュサムを別のところから持ってくるなどの用心ること推奨ます。}}
+
{{Note|悪意のある変更が疑われる場合は、この方法そのまま'''使うべきではありません'''そのような場合、ライブメディアを使用して、ハッシュ値参照用のソースを別途用意するなどといったセキュリティ上予防措置ること推奨されます。}}
   
 
=== 全てのパッケージの再インストール ===
 
=== 全てのパッケージの再インストール ===
   
てのネイティブパッケージを再インストールするには、を使さい:
+
すべてのネイティブパッケージを再インストールするには、以下のコマンドを使用しください:
   
# pacman -Qnq | pacman -S -
+
# pacman -Qqn | pacman -S -
   
外部 (AUR) パッケージは別に再インストールする必要があります。外部のパッケージは {{ic|pacman -Qmq}} で一覧できます。
+
外部 (AUR) パッケージはまた別に再インストールする必要があります。ようなパッケージは {{ic|pacman -Qqm}} でリストアップできます。
   
デフォルトで Pacman はインストール理由(明示的にインストールしたか、依存でインストールしたか)持します。
+
デフォルトでは、Pacman は[[インストール理由]]持します。
   
  +
{{Warning|すべてのパッケージの上書きを強制するには、{{ic|1=--overwrite=*}} を使用してください。とはいえ、これは最後の手段とするべきです。[[システムメンテナンス#特定の pacman コマンドを避けてください]] を参照。}}
=== pacman のローカルデータベースを復元する ===
 
  +
  +
=== Pacman のローカルデータベースを復元する ===
   
 
[[pacman/ローカルデータベースの復元]]を見てください。
 
[[pacman/ローカルデータベースの復元]]を見てください。
613行目: 626行目:
 
=== 既存のインストールから USB キーを復元する ===
 
=== 既存のインストールから USB キーを復元する ===
   
USB キーに Arch をインストールしていててしまった場合 (例: ファイルの書き込み中に取り出してしまった場合など)、てのパッケージを再インストールして元に戻せる可能性があります (USB キーが {{ic|/newarch}} にマウントされている場合):
+
Arch を USB キーにインストールしたが、内部のデータがてしまった場合 (例えば、書き込み中に USB を抜いてしまった場合など)、すべてのパッケージを再インストールして、再び動かるようにできる可能性があります (USB キーが {{ic|/newarch}} にマウントされている場合):
   
 
# pacman -S $(pacman -Qq --dbpath /newarch/var/lib/pacman) --root /newarch --dbpath /newarch/var/lib/pacman
 
# pacman -S $(pacman -Qq --dbpath /newarch/var/lib/pacman) --root /newarch --dbpath /newarch/var/lib/pacman
   
=== .pkg ファイルに含まれているファイルを閲覧する ===
+
=== .pkg ファイル内の特定のファイルの内容る ===
   
例えば、{{Pkg|systemd}} パッケージに含まれている {{ic|/etc/systemd/logind.conf}} の中身たい場合:
+
例えば、{{Pkg|systemd}} パッケージ内の {{ic|/etc/systemd/logind.conf}} の内容たい場合:
   
$ tar -xOf /var/cache/pacman/pkg/systemd-204-3-x86_64.pkg.tar.xz etc/systemd/logind.conf
+
$ bsdtar -xOf /var/cache/pacman/pkg/systemd-250.4-2-x86_64.pkg.tar.zst etc/systemd/logind.conf
   
もしくは {{pkg|vim}} を使って圧縮ファイルを閲覧することもできます:
+
あるい、アーカイブのブラウズに {{Pkg|vim}} を使こともできます:
   
$ vim /var/cache/pacman/pkg/systemd-204-3-x86_64.pkg.tar.xz
+
$ vim /var/cache/pacman/pkg/systemd-250.4-2-x86_64.pkg.tar.zst
   
 
=== 古いパッケージのライブラリを使っているアプリケーションを探す ===
 
=== 古いパッケージのライブラリを使っているアプリケーションを探す ===
   
  +
既に実行中のプロセスには、システムの更新による変更が自動的に適用されません。その結果、実行中のプロセスは古いライブラリを使い続けます。脆弱性やその他のバグ、あるいはバージョン間での非互換性に関連する問題が発生する可能性があることから、このようなことは望ましくない場合があります。
パッケージをインストールしても、(デーモンやサーバーなど) ずっと実行し続けているプログラムが古いパッケージのライブラリのコードを使用している可能性があります。古いライブラリにセキュリティのバグが存在する場合、プログラムを実行し続けるのは得策ではありません。
 
   
以下のコマンドで古いパッケージのコードを使用しているプログラムをて見つけることができます:
+
更新されたライブラリに依存しているプロセスは {{Pkg|htop}} (影響を受けるプログラムの名前ハイライトします) や {{Pkg|lsof}} (これはライブラリの名前も出力します) ベースのスニペットを使って見つけることができます:
   
 
# lsof +c 0 | grep -w DEL | awk '1 { print $1 ": " $NF }' | sort -u
 
# lsof +c 0 | grep -w DEL | awk '1 { print $1 ": " $NF }' | sort -u
   
  +
この方法では、実行中のプロセスによって開かれたままになっているファイルのみを検出します。そのようなファイルは基本的に共有ライブラリ ({{ic|.so}} ファイル) だけです。これは、Java や Python アプリケーションのライブラリといった一部の依存関係を見逃してしまうことがあります。
実行中のプログラムの名前と削除あるいは置換された古いライブラリが出力されます。
 
   
=== 必要な言語のコンテンツのみをインストールする ===
+
=== 必要な言語のコンテンツのみをインストールする ===
   
多くのパッケージは、ドキュメントと翻訳をいくつかの言語でインストールしようとします。 一部プログラムは、 {{AUR|localepurge}} どの不要ファイルを削除するように設計されています。これパッケージインストールされた後に実行され、不要なロケールファイルを削除します。 より直接的なアプローチは {{ic|pacman.conf}} の {{ic|NoExtract}} ディレクティブを介して提供され、これのファイルインストールされないようにます。
+
多くのパッケージは、複数の言語のドキュメントと翻訳をインストールします。中にはそような不ファイルを削除するように設計されたプログラムもあります。例えば、{{AUR|localepurge}} はパッケージインストール後に実行され、不要なロケールファイルを削除します。より直接的なアプローチは {{ic|pacman.conf}} の {{ic|NoExtract}} ディレクティブ、これはそようなファイルをそもそもインストールないようにできます。
   
  +
{{Note|[[pacman#インストールさせないファイルを設定]] で説明されている通り、"後ろのルールは前のルールを上書きします。また、{{ic|!}} を前に付けることでルールを無効化できます。"}}
{{Warning|1=一部のユーザーは、[https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?id=250846 Xorg] の下でも、ロケールを削除すると [[Special:Permalink/460285#Dangerous NoExtract example|意図しない結果]] が発生したと指摘しました。}}
 
   
次の例では、英語 (US) ファイルをインストールするか、または何もインストールしません。:
+
ヘルプファイルの翻訳 C ロケールを除いてべてインストールしないようにするには、以下のディレクティブを追加してください:
   
  +
NoExtract = usr/share/help/* !usr/share/help/C/*
{{hc|/etc/pacman.conf|2=
 
  +
NoExtract = usr/share/help/* !usr/share/help/C/*
 
  +
[[GTK]] アプリケーションの HTML ドキュメントをすべてインストールしないようにするには、以下を追加してください:
NoExtract = usr/share/gtk-doc/html/*
 
  +
  +
NoExtract = usr/share/gtk-doc/html/*
  +
  +
{{Warning|1='''すべての'''ロケールを削除すると [[Special:Permalink/460285#Dangerous NoExtract example|dmenu]]、[[Special:Permalink/767628#Languages: NoExtract usr/share/X11/locale/*|Steam]]、さらには [https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?id=250846 Xorg] で意図しない結果が起きたと一部のユーザーが報告しています。以下の例では、英語 (米国) 用のファイルと必須の C ロケールのみをインストールすることで、そのような問題を回避するように調整されています。}}
  +
  +
必要なものを除いて様々な[[ロケール]]をインストールしないようにするには:
  +
  +
{{bc|1=
 
NoExtract = usr/share/locale/* usr/share/X11/locale/*/* usr/share/i18n/locales/* opt/google/chrome/locales/* !usr/share/X11/locale/C/*
 
NoExtract = usr/share/locale/* usr/share/X11/locale/*/* usr/share/i18n/locales/* opt/google/chrome/locales/* !usr/share/X11/locale/C/*
  +
NoExtract = !usr/share/X11/locale/compose.dir !usr/share/X11/locale/iso8859-1/*
 
NoExtract = !*locale*/en*/* !usr/share/*locale*/locale.*
 
NoExtract = !*locale*/en*/* !usr/share/*locale*/locale.*
 
NoExtract = !usr/share/*locales/en_?? !usr/share/*locales/i18n* !usr/share/*locales/iso*
 
NoExtract = !usr/share/*locales/en_?? !usr/share/*locales/i18n* !usr/share/*locales/iso*
NoExtract = usr/share/i18n/charmaps/* !usr/share/i18n/charmaps/UTF-8.gz
+
NoExtract = usr/share/i18n/charmaps/* !usr/share/i18n/charmaps/UTF-8.gz !usr/share/i18n/charmaps/ANSI_X3.4-1968.gz
 
NoExtract = !usr/share/*locales/trans*
 
NoExtract = !usr/share/*locales/trans*
NoExtract = usr/share/man/* !usr/share/man/man*
+
NoExtract = !usr/share/*locales/C !usr/share/*locales/POSIX
  +
}}
NoExtract = usr/share/vim/vim*/lang/*
 
  +
NoExtract = usr/lib/libreoffice/help/en-US/*
 
  +
翻訳された [[man ページ]]をインストールしないようにするには、以下を追加してください:
NoExtract = usr/share/kbd/locale/*
 
  +
NoExtract = usr/share/*/translations/*.qm usr/share/qt/translations/*.pak !*/en-US.pak # Qt apps
 
NoExtract = usr/share/*/locales/*.pak opt/*/locales/*.pak usr/lib/*/locales/*.pak !*/en-US.pak # Electron apps
+
NoExtract = usr/share/man/* !usr/share/man/man*
  +
  +
{{Pkg|vim-runtime}} に含まれている言語ファイルをインストールしないようにするには、以下を追加してください:
  +
  +
NoExtract = usr/share/vim/vim*/lang/*
  +
  +
[[Qt]] アプリケーションの英語コンテンツ以外をインストールしないようにするには、以下を追加してください:
  +
  +
NoExtract = usr/share/*/translations/*.qm usr/share/*/nls/*.qm usr/share/qt/phrasebooks/*.qph usr/share/qt/translations/*.pak !*/en-US.pak
  +
  +
[[Electron]] アプリケーションの英語コンテンツ以外をインストールしないようにするには、以下を追加してください:
  +
  +
NoExtract = usr/share/*/locales/*.pak opt/*/locales/*.pak usr/lib/*/locales/*.pak !*/en-US.pak
  +
  +
[[LibreOffice]] の英語のヘルプファイルをインストールしないようにするには、以下を追加してください:
  +
  +
NoExtract = usr/lib/libreoffice/help/en-US/*
  +
  +
[[アプリケーション一覧/ドキュメント#Office suites|OnlyOffice]] の英語コンテンツ以外をインストールしないようにするには、以下を追加してください:
  +
  +
{{bc|1=
 
NoExtract = opt/onlyoffice/desktopeditors/dictionaries/* !opt/onlyoffice/desktopeditors/dictionaries/en_US/*
 
NoExtract = opt/onlyoffice/desktopeditors/dictionaries/* !opt/onlyoffice/desktopeditors/dictionaries/en_US/*
NoExtract = usr/share/ibus/dicts/emoji-*.dict !usr/share/ibus/dicts/emoji-en.dict
+
NoExtract = opt/onlyoffice/desktopeditors/editors/web-apps/apps/*/main/locale/* !*/en.json
  +
NoExtract = opt/onlyoffice/desktopeditors/editors/web-apps/apps/*/main/resources/help/*/* !*/help/en/*
  +
NoExtract = opt/onlyoffice/desktopeditors/editors/web-apps/apps/*/main/resources/symboltable/* !*/en.json
  +
NoExtract = opt/onlyoffice/desktopeditors/editors/web-apps/apps/documenteditor/forms/locale/* !*/en.json
  +
NoExtract = opt/onlyoffice/desktopeditors/editors/web-apps/apps/spreadsheeteditor/main/resources/formula-lang/* !*/en.json !*/en_desc.json
  +
NoExtract = opt/onlyoffice/desktopeditors/converter/empty/*/* !opt/onlyoffice/desktopeditors/converter/empty/en-US/*
 
}}
 
}}
  +
  +
英語の [[iBus]] 絵文字辞書以外をインストールしないようにするには、以下を追加してください:
  +
  +
NoExtract = usr/share/ibus/dicts/emoji-*.dict !usr/share/ibus/dicts/emoji-en.dict
   
 
=== 接続状況が悪い場合でもパッケージをインストールする ===
 
=== 接続状況が悪い場合でもパッケージをインストールする ===
   
悪い接続状況 (携帯電話を使用する電車など) からパッケージをインストールしようとする場合、{{ic|--disable-download-timeout}} オプションを使用して、次のようなエラーが発生する可能性を減らます
+
接続環境が悪い場所でパッケージをインストールする際 (電車で携帯電話を使う場合など)、{{ic|--disable-download-timeout}} オプションを使えば以下のようなエラーが発生する可能性を減らすことができます:
   
error: failed retrieving file [...] Operation too slow. Less than 1 bytes/sec transferred the last 10 seconds
+
error: failed retrieving file [] Operation too slow. Less than 1 bytes/sec transferred the last 10 seconds
   
 
もしくは、
 
もしくは、
   
error: failed retrieving file [...] Operation timed out after 10014 milliseconds with 0 out of 0 bytes received
+
error: failed retrieving file [] Operation timed out after 10014 milliseconds with 0 out of 0 bytes received
   
 
== パフォーマンス ==
 
== パフォーマンス ==
   
{{Out of date|このページは、pacman が並列ダウンロードをネイティブにサポートする前に書かれました。v6 以降、複数のパッケージを同時にダウンロードするオプションは以下だけではないことを言及すべきです。}}
+
{{Out of date|このページは、pacman が並列ダウンロードをネイティブにサポートする前に書かれました。v6 以降、複数のパッケージを同時にダウンロードするオプションは以下だけではありません。}}
   
=== ダウンロード速度を向上させる ===
+
=== ダウンロード速度 ===
 
{{Note|ダウンロード速度が極端に遅い場合、使っている[[ミラー]]が ftp.archlinux.org ではないことを確認してください。[https://www.archlinux.org/news/302/ 2007年の3月からこのサーバーには速度制限がかかっています]。}}
 
   
 
パッケージをダウンロードするとき pacman は {{ic|/etc/pacman.d/mirrorlist}} に書かれている順番通りにミラーを使用します。リストの一番上のミラーがデフォルトで使用されますが、それが最速のミラーだとは限りません。一番高速なミラーを選択する方法は[[ミラー]]を見てください。
 
パッケージをダウンロードするとき pacman は {{ic|/etc/pacman.d/mirrorlist}} に書かれている順番通りにミラーを使用します。リストの一番上のミラーがデフォルトで使用されますが、それが最速のミラーだとは限りません。一番高速なミラーを選択する方法は[[ミラー]]を見てください。
   
Pacman に初めから入っていファイルダウンロー代わりに他のアプリケーションを使ってパッケージダウンロードすることで Pacmanパッケージダウンロード速度上げることができます。
+
Pacman のダウンロード速度は、[[pacman#並列ダウンロードを有効|並列ダウンロー有効化]]や、パッケージダウンロード ''pacman'' 内蔵ファイルダウンローダー以外のアプリケーション使うことでも改善することができます。
   
どんな場合でも、変更を行う前に最新の Pacman を使っていることを確認してください:
+
いずれの場合でも、変更を行う前に最新の ''pacman'' を使っていることを確認してください:
   
 
# pacman -Syu
 
# pacman -Syu
691行目: 740行目:
 
==== Powerpill ====
 
==== Powerpill ====
   
Powerpill は Pacman完全なラッパーで並行・分割ダウンロードを使うことによってダウンロード処理を高速化します。通常の Pacman は一度にひとつパッケージしかダウンロードしないで、ダウンロードが完了するまで次のダウンロードが始まりません。Powerpill は異なるアプローチます: 同時に可能な限り多くのパッケージをダウンロードしようとします。
+
[[Powerpill]]''pacman'' のラッパーで列で分割ダウンロードをうことによって ''pacman'' のダウンロード速度向上ります。
 
[[Powerpill|Powerpill の wiki ページ]]に基本的な設定・使用方法と、パッケージと上流のリンクがあります。
 
   
 
==== wget ====
 
==== wget ====
   
pacman に初めから入っている機能よりもパワフルなプロキシ設定が必要な場合、wget はとても使い勝手がよいです。
+
''pacman'' に初めから入っている機能よりもパワフルなプロキシ設定が必要な場合、wget はとても使い勝手の良選択肢です。
   
{{ic|wget}} を使うには、まず {{ic|pacman -S wget}} で wget をインストールしそれから {{ic|/etc/pacman.conf}} を編集して次行を {{ic|[options]}} セクションアンコメントしてください:
+
{{ic|wget}} を使うには、まず {{Pkg|wget}} を[[インストール]]し、{{ic|/etc/pacman.conf}} ファイルの {{ic|[options]}} セクションにある以下の行をアンコメントしてください:
   
XferCommand = /usr/bin/wget -c -q --show-progress --passive-ftp -O %o %u
+
XferCommand = /usr/bin/wget --passive-ftp --show-progress -c -q -N %u
   
 
{{ic|/etc/pacman.conf}} に {{ic|wget}} パラメータを記述する代わりに、{{ic|wget}} の設定ファイルを直接修正することも可能です (システム全体のファイルは {{ic|/etc/wgetrc}}、ユーザー別のファイルは {{ic|$HOME/.wgetrc}})。
 
{{ic|/etc/pacman.conf}} に {{ic|wget}} パラメータを記述する代わりに、{{ic|wget}} の設定ファイルを直接修正することも可能です (システム全体のファイルは {{ic|/etc/wgetrc}}、ユーザー別のファイルは {{ic|$HOME/.wgetrc}})。
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==== aria2 ====
 
==== aria2 ====
   
[[aria2]] はレジューム機能と分割 HTTP/HTTPS/FTP ダウンロードをサポートしている軽量なダウンロードユーティリティです。[http://aria2.sourceforge.net/ aria2] を使えば同時に複数の HTTP/HTTPS/FTP 接続を Arch ミラーにすることができ、ファイルパッケージの取得の際のダウンロード速度が上昇します。
+
[[aria2]] はレジューム機能と分割 HTTP/HTTPS/FTP ダウンロードをサポートしている軽量なダウンロードユーティリティです。aria2 を使えば、Arch ミラー対して複数の HTTP/HTTPS/FTP 接続を同時確立することができ、ファイルパッケージのダウンロード速度がするはずです。
   
{{Note|Pacman の XferCommand で aria2c を使っても複数パッケージの同時ダウンロードは行われません。Pacman はひとつのパッケージごとに XferCommand を呼び出し、それが完了してから次を呼び出すからです。同時に複数のパッケージをダウンロードするには、上の [[#Powerpill|powerpill]] のセクションを見て下さい。}}
+
{{Note|''pacman'' の XferCommand で aria2c を使っても複数パッケージの同時ダウンロードは'''行われません'''。Pacman はひとつのパッケージごとに XferCommand を呼び出し、それが完了してから次を呼び出すからです。同時に複数のパッケージをダウンロードするには、[[Powerpill]] を見て下さい。}}
   
{{Pkg|aria2}} をインストールして {{ic|/etc/pacman.conf}} を編集し、以下行を {{ic|[options]}} セクションに追加してください:
+
{{Pkg|aria2}} をインストールして{{ic|/etc/pacman.conf}} の {{ic|[options]}} セクションに以下の行を追加してください:
   
 
XferCommand = /usr/bin/aria2c --allow-overwrite=true --continue=true --file-allocation=none --log-level=error --max-tries=2 --max-connection-per-server=2 --max-file-not-found=5 --min-split-size=5M --no-conf --remote-time=true --summary-interval=60 --timeout=5 --dir=/ --out %o %u
 
XferCommand = /usr/bin/aria2c --allow-overwrite=true --continue=true --file-allocation=none --log-level=error --max-tries=2 --max-connection-per-server=2 --max-file-not-found=5 --min-split-size=5M --no-conf --remote-time=true --summary-interval=60 --timeout=5 --dir=/ --out %o %u
   
{{Tip|1=設定を簡単にして他の設定オプションを追加する [https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?pid=1491879#p1491879 aria2 を pacman で使用するの設定] も存在します。}}
+
{{Tip|1=[https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?pid=1491879#p1491879 このページで示されている、aria2 を pacman で使用する設定]は、設定を簡単にし、より多くの設定オプションを追加します。}}
   
aria2c で使用できるオプションについては {{ic|man aria2c}} の [http://aria2.sourceforge.net/manual/en/html/aria2c.html#options OPTIONS] を見てください。
+
使用されてい aria2c のオプションについては {{man|1|aria2c|OPTIONS}} を見てください。
   
* {{ic|-d, --dir}}: [[pacman]] によって指定されるダウンロードしたファイルを保存するディレクトリ。
+
* {{ic|-d, --dir}}: ダウンロードしたファイルを保存するディレクトリ。
 
* {{ic|-o, --out}}: ダウンロードしたファイルの出力ファイル名。
 
* {{ic|-o, --out}}: ダウンロードしたファイルの出力ファイル名。
* {{ic|%o}}: pacman によって指定されるローカルのファイル名を表す変数。
+
* {{ic|%o}}: ''pacman'' によって指定されるローカルのファイル名を表す変数。
*{{ic|%u}}: pacman によって指定されるダウンロード URL を表す変数。
+
* {{ic|%u}}: ''pacman'' によって指定されるダウンロード URL を表す変数。
   
 
==== 他のアプリケーション ====
 
==== 他のアプリケーション ====
   
Pacman で利用できるダウンロードアプリケションは他にもあります:
+
''pacman'' で利用できるダウンローーは他にもあります。以下はそのダウンローダーと、利用するための XferCommand 設定を挙げています:
   
 
* {{ic|snarf}}: {{ic|1=XferCommand = /usr/bin/snarf -N %u}}
 
* {{ic|snarf}}: {{ic|1=XferCommand = /usr/bin/snarf -N %u}}
 
* {{ic|lftp}}: {{ic|1=XferCommand = /usr/bin/lftp -c pget %u}}
 
* {{ic|lftp}}: {{ic|1=XferCommand = /usr/bin/lftp -c pget %u}}
 
* {{ic|axel}}: {{ic|1=XferCommand = /usr/bin/axel -n 2 -v -a -o %o %u}}
 
* {{ic|axel}}: {{ic|1=XferCommand = /usr/bin/axel -n 2 -v -a -o %o %u}}
* {{ic|hget}}: {{ic|1=XferCommand = /usr/bin/hget %u -n 2 -skip-tls false}} (詳細については [https://github.com/huydx/hget Githubプロジェクトページのドキュメントを読んでさい])
+
* {{ic|hget}}: {{ic|1=XferCommand = /usr/bin/hget %u -n 2 -skip-tls false}} (詳細は [https://github.com/huydx/hget Githubプロジェクトページのドキュメント]を読んでください)
* {{ic|saldl}}: {{ic|1=XferCommand = /usr/bin/saldl -c6 -l4 -s2m -o %o %u}} (詳細については [https://github.com/huydx/hget Githubプロジェクトページのドキュメントを読んでさい])
+
* {{ic|saldl}}: {{ic|1=XferCommand = /usr/bin/saldl -c6 -l4 -s2m -o %o %u}} (詳細は [https://saldl.github.io プロジェクトページのドキュメント]を読んでください)
   
 
== ユーティリティ ==
 
== ユーティリティ ==
  +
* {{App|Arch-Update|Gnome-Shell のアップデートインジケータ。|https://github.com/RaphaelRochet/arch-update|{{AUR|gnome-shell-extension-arch-update}}}}
 
  +
* {{App|isfree|フリーでないパッケージを一覧表示する Bash スクリプト。Parabola のブラックリストをベースとしています。|https://github.com/leo-arch/isfree|{{AUR|isfree}}}}
 
* {{App|Lostfiles|孤立したファイルを検知するスクリプト。|https://github.com/graysky2/lostfiles|{{Pkg|lostfiles}}}}
 
* {{App|Lostfiles|孤立したファイルを検知するスクリプト。|https://github.com/graysky2/lostfiles|{{Pkg|lostfiles}}}}
  +
* {{App|pacutils|libalpm ベースのプログラム用のヘルパーライブラリ。|https://github.com/andrewgregory/pacutils|{{Pkg|pacutils}}}}
* {{App|[[Arch Linux の安定化#pacmatic の使用|Pacmatic]]|アップグレードの前に Arch ニュースをチェックして、設定ファイルの変更を警告する pacman ラッパ。|http://kmkeen.com/pacmatic|{{Pkg|pacmatic}}}}
 
* {{App|pacutils|libalpm ベースのプログラムのヘルパーライブラリ。|https://github.com/andrewgregory/pacutils|{{AUR|pacutils-git}}}}
 
 
* {{App|[[pkgfile]]|あるファイルを使っているパッケージが何かを見つけるツール。|https://github.com/falconindy/pkgfile|{{Pkg|pkgfile}}}}
 
* {{App|[[pkgfile]]|あるファイルを使っているパッケージが何かを見つけるツール。|https://github.com/falconindy/pkgfile|{{Pkg|pkgfile}}}}
* {{App|[[pkgtools]]|Arch Linux パッケージ用のスクリプトコレクション。|https://github.com/Daenyth/pkgtools|{{AUR|pkgtools}}}}
+
* {{App|pkgtools|Arch Linux パッケージ用のスクリプトコレクション。|https://github.com/Daenyth/pkgtools|{{AUR|pkgtools}}}}
  +
* {{App|pkgtop|GNU/Linux 用に開発されたインタラクティブなパッケージマネージャ兼リソースモニター。|https://github.com/orhun/pkgtop|{{AUR|pkgtop-git}}}}
* {{App|[[Powerpill]]|[[aria2]] や [[Reflector]] を通じて並列分割ダウンロードを行い pacman のダウンロード処理を高速化。|https://xyne.archlinux.ca/projects/powerpill/|{{AUR|powerpill}}}}
 
  +
* {{App|[[Powerpill]]|[[aria2]] や [[Reflector]] を通じて並列分割ダウンロードを行い ''pacman'' のダウンロード処理を高速化。|https://xyne.dev/projects/powerpill/|{{AUR|powerpill}}}}
 
* {{App|repoctl|ローカルリポジトリの管理を補助するツール。|https://github.com/cassava/repoctl|{{AUR|repoctl}}}}
 
* {{App|repoctl|ローカルリポジトリの管理を補助するツール。|https://github.com/cassava/repoctl|{{AUR|repoctl}}}}
 
* {{App|repose|Arch Linux リポジトリ作成ツール。|https://github.com/vodik/repose|{{Pkg|repose}}}}
 
* {{App|repose|Arch Linux リポジトリ作成ツール。|https://github.com/vodik/repose|{{Pkg|repose}}}}
* {{App|[[Snapper#pacman のトランザクションをスナップショットで記録|snap-pac]]|openSUSE の YaST のように pacman で自動的に snapper のスナップショットを作成するツール。|https://github.com/wesbarnett/snap-pac|{{Pkg|snap-pac}}}}
+
* {{App|[[Snapper#pacman のトランザクションをスナップショットで記録|snap-pac]]|openSUSE の YaST のように ''pacman'' で自動的に snapper のスナップショットを作成するツール。|https://github.com/wesbarnett/snap-pac|{{Pkg|snap-pac}}}}
* {{App|vrms-arch|仮想 Richard M. Stallman がインストールされた不自由なパッケージ報告します。|https://github.com/orospakr/vrms-arch|{{AUR|vrms-arch}}}}
+
* {{App|vrms-arch|フリーでないパッケージがインストールされているかどうか教えてくれるバーチャル Richard M. Stallman。|https://github.com/orospakr/vrms-arch|{{AUR|vrms-arch-git}}}}
   
=== グラフィカルフロントエンド ===
+
=== グラフィカル ===
   
{{Warning|PackageKit は既定でシステムのパーミッションを {{ic|wheel}} グループに開放するので、一般的な用途ではおすすめできません。{{Bug|50459}} および {{Bug|57943}} を参照してください。}}
+
{{Warning|PackageKit は既定でシステムのパーミッションを {{ic|wheel}} グループに開放するので、一般的な用途では[https://github.com/archlinux/archinstall/issues/1321#issuecomment-1151343223 おすすめできません]。{{Bug|50459}} および {{Bug|57943}} を参照してください。}}
   
* {{App|Apper|PackageKit を使用し C++書かれた Qt 5 リケションッケージマネジャ。[https://www.freedesktop.org/wiki/Distributions/AppStream/ AppStream metadata] をサポート。|https://userbase.kde.org/Apper|{{Pkg|apper}}}}
+
* {{App|Deepin App Store|DTK構築された Deepin デスクトッ環境用のサパーティアプリストア。PackageKit を使用しています。[https://www.freedesktop.org/wiki/Distributions/AppStream/ AppStream メタデータ] をサポートしています.|https://github.com/dekzi/dde-store|{{Pkg|deepin-store}}}}
* {{App|Discover|KDE のパッケージ管理ツールのコレクション。PackageKit を使用。[https://www.freedesktop.org/wiki/Distributions/AppStream/ AppStream metadata]、[[Flatpak]] および [[Fwupd]] をサポート。|https://userbase.kde.org/Discover|{{Pkg|discover}}}}
+
* {{App|Discover|C++/QML で書かれた、PackageKit を使用する Qt 5 アプリケーションマネージャ。[https://www.freedesktop.org/wiki/Distributions/AppStream/ AppStream メタデータ]、[[Flatpak]][[fwupd|ファームウェアの更新]]をサポートしています。{{Grp|plasma}} に含まれています。|https://apps.kde.org/discover/|{{Pkg|discover}}}}
* {{App|GNOME packagekit|GTK ベースのパッケージ管理ツ。|https://www.freedesktop.org/software/PackageKit/|{{Pkg|gnome-packagekit}}}}
+
* {{App|GNOME PackageKit|C で書かれた、PackageKit を使用する GTK 3 パッケージマネジャ。|https://freedesktop.org/software/PackageKit/|{{Pkg|gnome-packagekit}}}}
* {{App|GNOME Software|Gnome ソフトウェアアプリ (GNOME精選ソフトウェアコレクション)。|https://wiki.gnome.org/Apps/Software|{{pkg|gnome-software}}}}
+
* {{App|pcurses|C++ で書かれた、Curses TUI ''pacman'' ラッパー。|https://github.com/schuay/pcurses|{{AUR|pcurses}}}}
* {{App|pcurses|curses フロントエンドケージ管理ツ。|https://github.com/schuay/pcurses|{{Pkg|pcurses}}}}
+
* {{App|tkPacman|Tcl で書かれた、Tk pacman ラー。|https://sourceforge.net/projects/tkpacman|{{AUR|tkpacman}}}}
* {{App|tkPacman|Tcl/Tk と X11 にしか依存せず、CLI の ''pacman'' を使ってパッケージデータベースを操作できるソフトウェア。|https://sourceforge.net/projects/tkpacman|{{AUR|tkpacman}}}}
 

2024年8月21日 (水) 13:52時点における最新版

関連記事

以下のヒントや pacman 自体の柔軟性を広げる汎用的な手法については、Core UtilitiesBash を見てください。

目次

メンテナンス

ノート: 以下のセクションで使われている comm コマンド (入力が sort でソートされている必要があります) の代わりに、grep -Fxfgrep -Fxvf を使うこともできます。

システムメンテナンスも参照。

パッケージをリストアップ

バージョンも表示

バグを報告したりインストールしたパッケージについて説明するときは、インストール済みのパッケージとそのバージョンのリストを貼り付けると便利です。

  • 明示的にインストールしたパッケージを全てリストアップ: pacman -Qe
  • group パッケージグループに含まれるパッケージを全てリストアップ: pacman -Sg group
  • 外部パッケージを全てリストアップ (典型的には、手動でダウンロードしてインストールしたパッケージや、リポジトリから削除されたパッケージです): pacman -Qm
  • ネイティブなパッケージ (同期データベースからインストールしたパッケージ) をリストアップ: pacman -Qn
  • 依存パッケージでも任意の依存パッケージでもない、明示的にインストールしたネイティブパッケージ (同期データベースにあるパッケージ) をリストアップ: pacman -Qent
  • 正規表現にマッチするパッケージをリストアップ: pacman -Qs regex
  • 正規表現にマッチするパッケージを、カスタムの出力フォーマットでリストアップ (expac が必要です): expac -s "%-30n %v" regex

サイズも表示

ハードドライブの容量を空けたい場合に、どのパッケージが最も大きいかを調べられると便利です。方法としては、個々のパッケージのサイズを調べる方法と、パッケージとその依存パッケージのサイズを調べる方法の2つがあります。

個々のパッケージ

次のコマンドは、インストール済みのパッケージをそのサイズとともに表示します:

$ LC_ALL=C.UTF-8 pacman -Qi | awk '/^Name/{name=$3} /^Installed Size/{print $4$5, name}' | LC_ALL=C.UTF-8 sort -h
パッケージと依存パッケージ

パッケージのサイズを依存パッケージとともに表示する方法は2つあります:

  • expac をインストールして、次のように実行する: expac -H M '%m\t%n' | sort -h
  • pacgraphAUR-c オプションを使う。

複数のパッケージのダウンロードサイズをリストアップするには (全パッケージをリストアップするには packages に何も入力しないでください):

$ expac -S -H M '%k\t%n' packages

base メタパッケージにも xorg パッケージグループにも属さない、明示的にインストールされたパッケージをサイズと説明とともにリストアップするには:

$ expac -H M "%011m\t%-20n\t%10d" $(comm -23 <(pacman -Qqen | sort) <({ pacman -Qqg xorg; expac -l '\n' '%E' base; } | sort -u)) | sort -n

バージョンが古いくなっているパッケージをダウンロードサイズともに表示するには:

$ expac -S -H M '%k\t%n' $(pacman -Qqu) | sort -sh

任意の依存パッケージのみを表示するには:

$ expac -S "%o" package

日付でソート

最も最後にインストールされた20個のパッケージを expac でリストアップするには:

$ expac --timefmt='%Y-%m-%d %T' '%l\t%n' | sort | tail -n 20

あるいは、エポック秒 (1970-01-01 UTC) を表示するには:

$ expac --timefmt=%s '%l\t%n' | sort -n | tail -n 20

指定したグループ、リポジトリ、メタパッケージに含まれないパッケージ

ノート: 依存パッケージとしてインストールされたが、既にどのパッケージからも必要とされていないパッケージを確認したい場合は #使用していないパッケージ (孤立したパッケージ) の削除 章を参照。

明示的にインストールしたパッケージの中で base メタパッケージに含まれないものを一覧表示するには:

$ comm -23 <(pacman -Qqe | sort) <(expac -l '\n' '%E' base | sort)

明示的にインストールしたパッケージの中で base メタパッケージにも xorg パッケージグループにも含まれていないものを一覧表示するには:

$ comm -23 <(pacman -Qqe | sort) <({ pacman -Qqg xorg; expac -l '\n' '%E' base; } | sort -u)

インストールしたパッケージの中で、他のどのパッケージからも必要とされておらず、かつ base メタパッケージにも xorg パッケージグループにも含まれていないものを一覧表示するには:

$ comm -23 <(pacman -Qqt | sort) <({ pacman -Qqg xorg; echo base; } | sort -u)

先と同じですが、説明も付けて一覧表示するには:

$ expac -H M '%-20n\t%10d' $(comm -23 <(pacman -Qqt | sort) <({ pacman -Qqg xorg; echo base; } | sort -u))

インストールしたパッケージの中で、repo_name という名前のリポジトリに含まれていないものを一覧表示するには:

$ comm -23 <(pacman -Qq | sort) <(pacman -Sql repo_name | sort)

インストールしたパッケージの中で、repo_name という名前のリポジトリに含まれているものを一覧表示するには:

$ comm -12 <(pacman -Qq | sort) <(pacman -Sql repo_name | sort)

Arch Linux ISO にインストールされているパッケージの中で、base メタパッケージに含まれていないものを一覧表示するには:

$ comm -23 <(curl https://gitlab.archlinux.org/archlinux/archiso/-/raw/master/configs/releng/packages.x86_64) <(expac -l '\n' '%E' base | sort)
ヒント: 別の方法として、comm よりも簡単に覚えられる構文を持つ moreutils パッケージの combine を使うこともできます。詳細は combine(1) を参照。

開発版パッケージ

開発版や不安定版のパッケージを一覧表示するには:

$ pacman -Qq | grep -Ee '-(bzr|cvs|darcs|git|hg|svn)$'

パッケージの依存パッケージ

あるパッケージの依存パッケージの一覧を入手したい場合、最も簡単な方法は以下のコマンドの出力を見ることです:

$ pacman -Qi package

自動化させるには、pacman の出力をパースするというエラーの発生しやすい方法を取るのではなく、expac を使ってください:

$ expac -S '%D' package

任意の依存パッケージも表示

明示的にインストールしたパッケージを、その任意の依存パッケージも一緒に一覧表示するには:

$ LC_ALL=C.UTF-8 pacman -Qei | sed '/^[^NO ]/d;/None$/d' | awk 'BEGIN{RS=ORS="\n\n";FS=OFS="\n\\S"} /Optional Deps/ {print $1"\nO"$2}'

あるいは、expac を使って:

$ expac -d '\n\n' -l '\n\t' -Q '%n\n\t%O' $(pacman -Qeq)

先とほぼ同じですが、既にインストール済みの任意の依存パッケージを出力から除くには:

$ LC_ALL=C.UTF-8 pacman -Qei | sed '/^[^NO ]/d;/None$/d' | awk 'BEGIN{RS=ORS="\n\n";FS=OFS="\n\\S"} /Optional Deps/ {print $1"\nO"$2}' | sed 's/^Optional Deps   ://;/\[installed\]$/d;s/\s\+/ /'

パッケージの閲覧

インストール済みのパッケージを、プレビューウィンドウを表示してブラウズするには:

$ pacman -Qq | fzf --preview 'pacman -Qil {}' --layout=reverse --bind 'enter:execute(pacman -Qil {} | less)'

このコマンドは、パッケージの一覧を左のペインに、パッケージの情報を右のペインにそれぞれ表示させるために fzf を使用しています。

表示するパッケージを絞るには文字を入力してください。矢印キーで (または Ctrl-j/Ctrl-k) で移動し、Enter でパッケージの情報を less で表示します。

pacman のデータベースに載っているパッケージ (インストールされているものとされていないもの両方) を同じような方法 (fzf) でブラウズするには:

$ pacman -Slq | fzf --preview 'pacman -Si {}' --layout=reverse

カーソルの移動方法は同じです。しかし、Enter キーは先程と同じようには動きません。

パッケージが所有しているファイルとそのサイズを一覧表示

このコマンドは、特定のパッケージが多くの容量を使用していることが分かっていて、そのパッケージのどのファイルが最も大きいかを確認したい場合に便利かもしれません。

$ pacman -Qlq package | grep -v '/$' | xargs -r du -h | sort -h

どのパッケージにも所有されていないファイルを特定する

どのパッケージにも所有されていないファイルがある場合 (ソフトウェアのインストールにパッケージマネージャを使用しなかった場合に起こりえます)、そのようなファイルをクリーンアップするために特定する必要があることがあります。

1つ目の方法は、pacutils パッケージの pacreport --unowned-files コマンドを root として実行することです。これは、詳細と共に未所有のファイルを一覧表示します。

もう一つの方法は、確認しておきたいファイルのリストから、それらが所有されているかどうかを pacman で調べる方法です:

# find /etc /usr /opt | LC_ALL=C.UTF-8 pacman -Qqo - 2>&1 >&- >/dev/null | cut -d ' ' -f 5-
ヒント: lostfiles スクリプトも同じようなことをしますが、一般的に偽陽性とされるファイルを出力から取り除くための拡張可能なブラックリストが含まれています。

パッケージによって作成された未所有のファイルを追跡する

ほとんどのシステムでは、通常の運用でも状態ファイル、ログ、インデックスなどといったゴーストファイルがゆっくりと蓄積していきます。

pacutils パッケージの pacreport を使えば、/etc/pacreport.conf の設定を使用して、そのようなファイルとそれらと関連するパッケージを追跡できます (pacreport(1) § FILES を参照)。

設定ファイルの例としては以下のようなものがあるでしょう (要約):

/etc/pacreport.conf
[Options]
IgnoreUnowned = usr/share/applications/mimeinfo.cache

[PkgIgnoreUnowned]
alsa-utils = var/lib/alsa/asound.state
bluez = var/lib/bluetooth
ca-certificates = etc/ca-certificates/trust-source/*
dbus = var/lib/dbus/machine-id
glibc = etc/ld.so.cache
grub = boot/grub/*
linux = boot/initramfs-linux.img
pacman = var/lib/pacman/local
update-mime-database = usr/share/mime/magic

設定ファイルを作成したら、pacreport --unowned-files を root ユーザーとして実行すれば、関連するパッケージがすでにアンインストールされている場合 (または、新しいファイルが作成された場合)、それに対応する未所有のファイルが一覧表示されます。

加えて、aconfmgr (aconfmgr-gitAUR) は、設定スクリプトを使用して、変更されたファイルや孤立したファイルを追跡できます。

使用していないパッケージ (孤立したパッケージ) の削除

孤立したパッケージ (orphan) とは、依存パッケージとしてインストールされたが、もはやどのパッケージからも必要とされていないパッケージのことです。

パッケージのアンインストール時に pacman -Rs package ではなく pacman -R package を使ったことや、makedepends として設定されているパッケージをインストールしたこと、パッケージの新しいバージョンで依存関係が解消したことが原因で、このようなパッケージは時間と共にシステムに蓄積していく可能性があります。

孤立したパッケージとその設定ファイルを再帰的に削除するには:

# pacman -Qdtq | pacman -Rns -

孤立したパッケージが見つからなかった場合、このコマンドの出力は error: argument '-' specified with empty stdin (エラー: 引数 '-' が指定されましたが標準入力が空です) となります。これは、pacman -Rns に引数が渡されなかった場合の想定通りの動作です。このエラーは、2つ目のコマンドの前に moreutils パッケージの ifne(1) を加えれば出なくなります。

削除したくないパッケージが先のコマンドの出力に載っていた場合は、そのパッケージを明示的にインストールしたものとして登録することで、孤立したパッケージのリストから外すことができます:

# pacman -D --asexplicit package
ノート: -Qt 引数は、本当にどのパッケージからも一切必要とされていないパッケージしか出力しません。任意の依存パッケージとして必要とされているパッケージも含めるには、-t フラグを2つ渡してください (つまり、-Qtt)。
ヒント: pacman -Qdt コマンドを pacman のトランザクション後のフックに追加すると、トランザクションによって必要とされなくなったパッケージが発生した場合に知らせてくれます。こうすると、パッケージがリポジトリから削除された際にしらせてくれるので便利です (パッケージがリポジトリから削除されると、ローカルにインストールされている同じパッケージは、明示的にインストールされていない場合、自動的に孤立したパッケージになるためです)。孤立したパッケージが見つからなかった場合に "failed to execute command" ("コマンドの実行に失敗しました") エラーにならないようにするには、フックの Exec オプションに次のコマンドを指定してください:

/usr/bin/bash -c "/usr/bin/pacman -Qdt || /usr/bin/echo '=> None found.'"

pacman-log-orphans-hookAUR パッケージも同じようなフックを提供しますが、孤立したパッケージが見つかった際により詳細な指示を出してくれます。

より多くの不要なパッケージを検出する

上記の方法では、必要とされないパッケージが検出されないことがあります。例えば、依存関係のサイクル ("循環依存" とも呼ばれる)、過剰な依存 (複数回、依存関係が発生する)、明示的ではない任意の依存などの場合です。

そのようなパッケージを検出するには:

$ pacman -Qqd | pacman -Rsu --print -

先のコマンドで出力されたパッケージを一度に全て削除したい場合は、--print フラグ無しでコマンドを実行してください。

必須パッケージ以外の全てのパッケージを削除する

必須パッケージを除いて全てのパッケージを削除する必要がある場合、1つの方法は、必須でないパッケージのインストール理由を「依存パッケージ」と設定してから、不要な依存パッケージを全て削除することです。

まず、"明示的にインストール" されたパッケージのインストール理由を "依存関係としてインストール" に変更します:

# pacman -D --asdeps $(pacman -Qqe)

次に、必須パッケージ (つまり、削除したくないパッケージ) が削除対象にならないようにするために、それらのインストール理由を "明示的にインストール" に変更します:

# pacman -D --asexplicit base linux linux-firmware
ノート:
  • 他のパッケージも削除されないようにしたい場合は、上記のコマンドに加えてください。完全に機能するベースシステムに必要となりうる他のパッケージについては インストールガイド#必須パッケージのインストール を参照してください。
  • 上記のコマンドではブートローダーのパッケージも削除対象になります。削除してもシステム自体は起動可能なままであるはずですが、パッケージがないとブートパラメータを変更できないかもしれません。

最後に、#使用していないパッケージ (孤立したパッケージ) の削除 の手順に従って "依存関係としてインストール" に指定されたパッケージを削除してください。

複数のパッケージの依存パッケージリストを取得

依存パッケージはアルファベット順にソートされ、重複するパッケージは1つにまとめられます。

ノート: ローカルにインストールされたパッケージのみの依存関係ツリーを表示するには、(pacman -Si の部分で) pacman -Qi コマンドを代わりに使用してください。
$ LC_ALL=C.UTF-8 pacman -Si packages | awk -F'[:<=>]' '/^Depends/ {print $2}' | xargs -n1 | sort -u

あるいは、expac を使って:

$ expac -l '\n' %E -S packages | sort -u

変更されたバックアップファイルをリストアップ

ユーザーによって変更される可能性のあるファイル (つまり、PKGBUILD の backup 配列に含まれているファイル) として pacman に追跡されていて、かつユーザーによって変更が加えられた設定ファイルを一覧表示するには:

# pacman -Qii | awk '/\[modified\]/ {print $(NF - 1)}'

このコマンドを root 権限で実行することで、root ユーザーからしか読み取れないファイル /etc/sudoers など) も出力に含まれるようになります。

このコマンドは、システムのバックアップを選択的に行いたい時や、システムの設定をマシンからマシンへ複製する際に使うことができます。

ヒント:

pacman データベースをバックアップ

次のコマンドでローカルの pacman データベースをバックアップできます:

$ tar -cjf pacman_database.tar.bz2 /var/lib/pacman/local

バックアップした pacman データベースファイルは USB スティックや外付けハードドライブ、CD-R など、一つ以上のオフラインメディアに保存してください。

pacman_database.tar.bz2 ファイルを / ディレクトリに移動して以下のコマンドを実行することでデータベースを復元できます:

# tar -xjvf pacman_database.tar.bz2
ノート: pacman データベースファイルが破損していて、バックアップファイルが存在しない場合でも、pacman データベースを再構築できる望みはあります。#pacman のローカルデータベースを復元する を見てください。
ヒント: pakbak-gitAUR パッケージには上記の作業を自動的に行うスクリプトと systemd サービスが入っています。/etc/pakbak.conf で設定が可能です。

変更履歴を簡単に確認

メンテナがパッケージを更新するとき、大抵の場合コミットにはコメントが付けられます。pacologAUR をインストールすることでコマンドラインからコミットメッセージを素早く確認することができます。pacolog package を実行すると、公式リポジトリのパッケージまたは AUR のパッケージの最近のコミットメッセージの一覧を表示します。

インストールとリカバリ

パッケージを取得・復活させる別の方法。

パッケージを CD/DVD や USB スティックからインストールする

パッケージやパッケージグループをダウンロードするには:

# cd ~/Packages
# pacman -Syw --cachedir . base base-devel grub-bios xorg gimp
# repo-add ./custom.db.tar.zst ./*.pkg.tar.zst

Pacman はデフォルトでホストのインストール環境を参照するため、既存の依存関係を適切に解決したり、ダウンロードしたりすることができません。すべてのパッケージと依存関係が必要である場合は、一時的な空のデータベースを作成し、そのデータベースを --dbpath オプションで参照すると良いでしょう:

# mkdir /tmp/blankdb
# pacman -Syw --cachedir . --dbpath /tmp/blankdb base base-devel grub-bios xorg gimp
# repo-add ./custom.db.tar.zst ./*.pkg.tar.zst

次に、先の "Packages" ディレクトリを光学ディスク (CD や DVD など) に焼くか、USB ドライブや外部 HDD などに保存してください。

インストールするには:

1. メディアをマウントする:

光学ディスクドライブの場合は:

# mount --mkdir /dev/sr0 /mnt/repo

USB ドライブやハードディスクドライブなどの場合は:

# mount --mkdir /dev/sdxY /mnt/repo

2. マウントしたリポジトリを pacman.conf に追加してください。ただし、他のリポジトリより前に置いてください。リポジトリの順番が重要です。pacman.conf の一番下にある、コメントアウトされているリポジトリをアンコメントするだけではいけません。他のリポジトリより前に置くことで、CD/DVD/USB にあるファイルを標準のリポジトリ上にあるものよりも優先させます:

/etc/pacman.conf
[custom]
SigLevel = PackageRequired
Server = file:///mnt/repo/Packages

3. 最後に、pacman データベースを同期し、追加した新しいリポジトリを利用できるようにします:

# pacman -Syu

カスタムローカルリポジトリ

pacman に含まれる repo-add スクリプトを使うことで、個人用のリポジトリのデータベースを生成することができます。詳しい使い方は repo-add --help を実行して見て下さい。

パッケージデータベースは tar ファイルです (任意で圧縮できます)。有効な拡張子は、.db.files の後に、アーカイブ拡張子 .tar.tar.gz.tar.bz2.tar.xz.tar.zst.tar.Z のうちどれかを付け加えたものになります。(repo-add を使用する際に) このファイルが存在している必要はありませんが、親ディレクトリはすべて存在していなければなりません。

新しいパッケージをデータベースに追加する、あるいはデータベース内にすでにある古いバージョンのパッケージを置き換えるには、以下を実行してください:

$ repo-add /path/to/repo.db.tar.zst /path/to/package-1.0-1-x86_64.pkg.tar.zst

repo-add を使用する際は、データベースとパッケージが同一のディレクトリ内に存在している必要はありません。ただし、そのデータベースを pacman で使用する際は、データベースとパッケージが一緒に存在している必要があるので注意してください。また、リポジトリに含めるビルド済みパッケージをすべて1つのディレクトリに入れておけば、シェルのグロブ拡張を使って複数のパッケージを一度に追加/更新することができます:

$ repo-add /path/to/repo.db.tar.zst /path/to/*.pkg.tar.zst
警告: repo-add は、コマンドラインで渡された順番でエントリをデータベースに追加します。同じパッケージの複数のバージョンが渡された場合、正しいバージョンが最後に追加されるよう注意しなければなりません。特に、シェルによって使用される辞書順はロケール依存であり、pacman によって使用される vercmp(8) の順序とは異なるので注意してください。

複数のアーキテクチャをサポートしようと考えている場合、エラーが起こらないように注意する必要があります。各アーキテクチャに独自のディレクトリツリーが存在している必要があります:

$ tree ~/customrepo/ | sed "s/$(uname -m)/arch/g"
/home/archie/customrepo/
└── arch
    ├── customrepo.db -> customrepo.db.tar.zst
    ├── customrepo.db.tar.zst
    ├── customrepo.files -> customrepo.files.tar.zst
    ├── customrepo.files.tar.zst
    └── personal-website-git-b99cce0-1-arch.pkg.tar.zst

1 directory, 5 files

repo-add 実行ファイルは、パッケージが適切であるかどうかをチェックします。パッケージが適切でない場合、以下のようなエラーメッセージが出力されます:

==> ERROR: '/home/archie/customrepo/arch/foo-arch.pkg.tar.zst' does not have a valid database archive extension.

repo-remove はパッケージデータベースからパッケージを削除するために使用されます。パッケージの名前のみをコマンドラインで指定します。

$ repo-remove /path/to/repo.db.tar.zst pkgname

ローカルリポジトリを作成できたら、リポジトリを pacman.conf に追加してください。カスタムリポジトリの例は pacman.conf 内にあります。リポジトリ名は、データベースのファイル名からファイル拡張子を除いたものになります。上記の例では、リポジトリ名は単に repo となります。リポジトリの場所を参照するには、file:// URL を使うか、http://localhost/path/to/directory を使って HTTP 経由で行ってください。

もし良ければ、カスタムリポジトリを非公式ユーザリポジトリのリストに追加して、コミュニティがその恩恵を受けられるようにしましょう。

pacman のキャッシュをネットワークで共有する

LAN 上で複数の Arch マシンを使っている場合、パッケージを共有することでダウンロード回数を劇的に減らすことができます。使用しているアーキテクチャが異なるマシン (i686 と x86_64) でキャッシュを共有してはいけません。問題が発生します。

読み取り専用キャッシュ

Pacman 6.1.0 はキャッシュサーバーを直接サポートしています。キャッシュサーバーは、キャッシュでないサーバーよりも前に試行されます。また、キャッシュサーバーはダウンロード時に HTTP 404 エラーが発生してもサーバープールから削除されず、データベースファイルとしては使用されません。

手っ取り早い解決策を探している場合は、他のコンピュータからキャッシュサーバーとしてアクセスできる一時的なシンプルなウェブサーバーを走らせることができます。

Pacman のキャッシュディレクトリを共有してみましょう。例えば、Pythonhttp.server モジュールを使う場合は:

$ python -m http.server -d /var/cache/pacman/pkg/
ヒント: デフォルトでは、Python の http.server は任意のインターフェイスの 8000 番ポートをリッスンします。別のポートを使いたい場合や、特定のアドレスにのみバインドしたい場合は、パラメータを追加してください:
$ python -m http.server -d /var/cache/pacman/pkg/ --bind 127.0.0.1 8080

次に、各クライアントマシンでキャッシュサーバーを追加するように /etc/pacman.d/mirrorlist編集してください:

/etc/pacman.d/mirrorlist
CacheServer = http://server-ip:port
警告: 他のサーバーエントリと違って、このカスタムサーバーのオプションには /repos/$repo/os/$arch を付けてはいけません。このキャッシュサーバーにはこのディレクトリ階層が存在しないため、クエリが失敗してしまうからです。

スタンドアローンな方法としては darkhttpd で最小限のウェブサーバーを立てられます。先の python コマンドを例えば以下のように置き換えてください:

[http]$ darkhttpd /var/cache/pacman/pkg --no-server-id

利便性のために darkhttpd を systemd サービスとして走らせることもできます。Systemd#ユニットファイル を参照してください。

Rust で書かれた小規模な Web サーバーである miniserve も使用できます:

$ miniserve /var/cache/pacman/pkg

次に、miniserve へアクセスできる最初の URL を使って、上記のように /etc/pacman.d/mirrorlist を編集してください。

すでに他の目的で Web サーバーを実行している場合は、代わりにそれをローカルリポジトリサーバーとして再利用できます。たとえば、すでに nginx でサイトを提供している場合は、8080 番ポートで待受する nginx サーバーブロックを追加できます:

/etc/nginx/nginx.conf
server {
    listen 8080;
    root /var/cache/pacman/pkg;
    server_name myarchrepo.localdomain;
    try_files $uri $uri/;
}

この変更を加えた後は、必ず nginx.service再起動を行ってください。

ヒント: どの Web サーバーを使用する場合でも、ファイアウォール設定 (存在する場合) で、設定されたポートへの目的のトラフィックの到達が許可され、不要なトラフィックが許可されていないことを確認してください。セキュリティ#ネットワークとファイアウォールを参照してください。

読み取り専用キャッシュのオーバーレイマウント

ローカルネットワーク上にあるマシンの /var/cache/pacman/pkg ディレクトリをオーバーレイマウントすることで、読み取り専用のパッケージキャッシュとして使うことができます。キャッシュサーバーに他のマシンでも使われている最新のパッケージがある程度包括的にインストールされている場合、このような構成は効果的です。低帯域幅のアップストリーム接続の終端に一定数のマシンが存在する場合、この方法が便利です。

例:

# mkdir /tmp/remote_pkg /mnt/workdir_pkg /tmp/pacman_pkg
# sshfs remote_username@remote_pkgcache_addr:/var/cache/pacman/pkg /tmp/remote_pkg -C
# mount -t overlay overlay -o lowerdir=/tmp/remote_pkg,upperdir=/var/cache/pacman/pkg,workdir=/mnt/workdir_pkg /tmp/pacman_pkg
ノート: 作業ディレクトリは、上位ディレクトリと同じマウント済みデバイス上の空のディレクトリである必要があります。Overlayfs#使用方法 を参照してください。
ヒント: /tmp/pacman_pkg オーバーレイディレクトリ内のファイルを一覧表示しようとすると "Stale file handle" などのエラーが発生する場合、オーバーレイマウントのオプションに -o redirect_dir=off -o index=off を使ってみてください。

これで、オプション --cachedir /tmp/pacman_pkg を使用して pacman を実行できます。例:

# pacman -Syu --cachedir /tmp/pacman_pkg

分散読み取り専用キャッシュ

パッケージキャッシュを提供するネットワーク上の他のコンピューターを自動的に検出するための Arch 固有のツールがあります。pacredirpacservepkgdistcacheAUR、または paclanAUR を試してください。 pkgdistcache は、プレーンな UDP の代わりに Avahi を使用します。これは、WiFi とイーサネット間のブリッジではなくルーティングを行う特定のホームネットワークでより適切に機能する可能性があります。

歴史的には、PkgDmultipkg がありましたが、現在はメンテナンスされていません。

読み書き可能キャッシュ

ヒント: pacserve を使うことで以下の方法をもっと簡単に実現できます。

複数のコンピュータ間でパッケージを共有するには、ネットワークベースのマウントプロトコルを使って /var/cache/pacman/ を共有します。このセクションでは shfs または sshfs を使ってパッケージキャッシュと関連するライブラリディレクトリを同一ローカルネットワーク上の複数のコンピュータで共有する方法を示します。ネットワークで共有されるキャッシュは、ファイルシステムの選択やその他の要因で、遅くなることがあります。

まず、ネットワークをサポートするファイルシステムをインストールしてください。例えば sshfs, shfs, ftpfs, smbfs, nfs など。

ヒント:
  • sshfs や shfs を使う場合、SSH 鍵を読んで下さい。
  • デフォルトでは、smbfs はファイル名にコロンを使えないので、クライアントは問題のあるパッケージをダウンロードしなおしてしまいます。クライアント側で mapchars マウントオプションを使用することで解決します。

それから、サーバーの /var/cache/pacman/pkg をクライアントマシンの /var/cache/pacman/pkg にマウントすることでパッケージを共有できます。

rsync で同期

ローカル環境でのもう1つのアプローチは、 rsync です。 キャッシュするサーバーを選択し、 rsync デーモン を有効にします。 クライアントでは、rsync プロトコルを介してこの共有と双方向で同期します。 コロンを含むファイル名は、 rsync プロトコルでは問題ありません。

​クライアントのドラフトの例では、共有名に uname-m と入力し使用することで、アーキテクチャに依存する同期が保証されます。

 # rsync rsync://server/share_$(uname -m)/ /var/cache/pacman/pkg/ ...
 # pacman ...
 # paccache ...
 # rsync /var/cache/pacman/pkg/ rsync://server/share_$(uname -m)/  ...

nginx を使用する動的なリバースプロキシキャッシュ

nginx を使って公式の上流ミラーへのリクエストをプロキシして結果をローカルディスクにキャッシュすることができます。その後、ファイルへのリクエストは全てローカルのキャッシュから供給されるようになり、大量のサーバーを更新するときでもインターネットのトラフィックを簡単に最小限に抑えることができます。

警告: この方法には欠点があります。パッケージファイルの相対パスが同じミラーを使う必要があり同じパスを使うようにキャッシュを設定しなければなりません。この例では、相対パスが /archlinux/$repo/os/$arch のミラーを使用して mirrorlist のキャッシュの Server 設定も同じ相対パスとします。

この例では、キャッシュサーバーを http://cache.domain.local:8080/ で実行してパッケージを /srv/http/pacman-cache/ に保存します。

キャッシュのディレクトリを作成して nginx からファイルが書き込めるようにパーティションを設定:

 # mkdir /srv/http/pacman-cache
 # chown http:http /srv/http/pacman-cache

次に、nginx を 動的キャッシュ として設定 (コマンドについてはコメントを読んでください)。

最後に、他の Arch Linux サーバーを更新して mirrorlist ファイルに以下の行を追加して新しいキャッシュを使うように設定:

/etc/pacman.d/mirrorlist
Server = http://cache.domain.local:8080/archlinux/$repo/os/$arch
...
ノート: 時間と共にディレクトリは膨れ上がるため、古いパッケージを消去できるようにする必要があります。(pacman に含まれている) paccache を使うことでお好きな基準で消去を自動化することが可能です。例えば、find /srv/http/pacman-cache/ -type d -exec paccache -v -r -k 2 -c {} \; はキャッシュディレクトリに最新から1つ前のバージョンまでパッケージを保持します。

Pacoloco プロキシキャッシュサーバー

Pacoloco は、pacman リポジトリ用の使いやすいプロキシキャッシュサーバーです。キャッシュ済みのパッケージの自動プリフェッチも可能です。

pacoloco パッケージでインストールできます。Pacoloco の設定ファイルを開き、pacman ミラーを追加してください:

/etc/pacoloco.yaml
port: 9129
repos:
  mycopy:
    urls:
      - http://mirror.lty.me/archlinux
      - http://mirrors.kernel.org/archlinux

pacoloco.service再起動すると、プロキシリポジトリが http://myserver:9129/repo/mycopy で利用できるようになります。

Flexo プロキシキャッシュサーバー

Flexo は、pacman リポジトリ用のさらに別のプロキシキャッシュサーバーです。Flexo は flexo-gitAUR でインストールできます。インストールしたら、flexo.service ユニットを起動してください。

Flexo はデフォルトでは 7878 番ポートで動作します。pacman に Flexo 経由でパッケージをダウンロードさせるには、/etc/pacman.d/mirrorlist の一番最初に Server = http://myserver:7878/$repo/os/$arch を記述してくだしあ。

同期プログラムを使用して pacman パッケージキャッシュを同期する

Syncthing または Resilio Sync を使用して、pacman キャッシュディレクトリ (つまり、/var/cache/pacman/pkg) を同期します。

望まないキャッシュ削除を防ぐ

デフォルトでは、pacman -Sc は、キャッシュにあるパッケージ tarball のうち、同マシン上にインストールされていないパッケージに対応するものを削除します。pacman は、キャッシュを共有するすべてのマシンにどのようなパッケージがインストールされているかを予測できないため、削除すべきでないファイルを削除してしまうことになります。

キャッシュのクリーンアップ時に 古くなった tarball のみを削除するには:

/etc/pacman.conf
[options]
CleanMethod = KeepCurrent

ファイルシステムからパッケージを再構成する

ファイルシステム上のインストール済みファイルからパッケージを再構築するには、fakepkgAUR を使用してください。システム上のファイルはそのままパッケージ化されるため、ファイルシステムに加えた変更はすべてパッケージにも受け継がれます。そのため、再構成したパッケージを配布することは推奨されません。代替方法は ABSArch Linux Archive を参照してください。

インストール済みパッケージのリスト

明示的にインストールされたすべてのパッケージのリストを保持しておくと、たとえばシステムをバックアップしたり、新しいシステムへのインストールを高速化したりするのに役立ちます:

$ pacman -Qqe > pkglist.txt
ノート:
  • オプション -t を使用すると、他の明示的にインストールされたパッケージによって必要とされているパッケージは列挙されません。作成したリストから再インストールすると、これらのパッケージはインストールされますが、インストール理由は単なる依存関係となります。
  • オプション -n を使用すると、外部パッケージ (AUR など) がリストから省略されます。
  • comm -13 <(pacman -Qqdt | sort) <(pacman -Qqdtt | sort) > optdeplist.txt を使えば、インストール済みの任意の依存関係のリストも作成できます。任意の依存関係は --asdeps フラグで再インストールできます。
  • pacman -Qqem > foreignpkglist.txt を使えば、明示的にインストールされた AUR およびその他の外部パッケージのリストを作成できます。

明示的にインストールされたパッケージの最新リストを保持するために (たとえば、バージョン管理された /etc/ と組み合わせて)、フックを設定できます。例:

[Trigger]
Operation = Install
Operation = Remove
Type = Package
Target = *

[Action]
When = PostTransaction
Exec = /bin/sh -c '/usr/bin/pacman -Qqe > /etc/pkglist.txt'

リストからパッケージをインストールする

既にインストール済みの最新のパッケージを再インストールせずに、以前保存したパッケージリストからパッケージをインストールするには、以下を実行してください:

# pacman -S --needed - < pkglist.txt

しかし、リストに AUR 由来の外部パッケージやローカルにインストールされた外部パッケージなどが載っていることもあります。リストから外部パッケージを除くには、先のコマンドを以下のように拡張することで可能です:

# pacman -S --needed $(comm -12 <(pacman -Slq | sort) <(sort pkglist.txt))

最後に、システムにインストールされているパッケージがリストと一致していることを確認し、リストに記載されていないパッケージはすべて削除してください:

# pacman -Rsu $(comm -23 <(pacman -Qq | sort) <(sort pkglist.txt))
ヒント: これらのタスクは自動化できます。例としては bacpacAURpackupAURpacmanityAURpugAUR を参照してください。

パッケージの元の状態から変更された全てのファイルをリストアップ

(ソフトウェア/アードウェアの障害によって) ファイルが破損していることが疑われるが、本当に破損しているかどうかはわからない場合は、パッケージ内のファイルのハッシュ値と比較したほうが良いかもしれません。pacutils で比較することができます:

# paccheck --sha256sum --quiet

データベースの復元方法については、#Pacman のローカルデータベースを復元する を見てください。mtree ファイルはそれぞれのパッケージファイルから .MTREE として抽出することもできます。

ノート: 悪意のある変更が疑われる場合は、この方法をそのまま使うべきではありません。そのような場合、ライブメディアを使用して、ハッシュ値参照用のソースを別途用意するなどといったセキュリティ上の予防措置を取ることが推奨されます。

全てのパッケージの再インストール

すべてのネイティブなパッケージを再インストールするには、以下のコマンドを使用してください:

# pacman -Qqn | pacman -S -

外部 (AUR) パッケージはまた別に再インストールする必要があります。そのようなパッケージは pacman -Qqm でリストアップできます。

デフォルトでは、Pacman はインストール理由を保持します。

警告: すべてのパッケージの上書きを強制するには、--overwrite=* を使用してください。とはいえ、これは最後の手段とするべきです。システムメンテナンス#特定の pacman コマンドを避けてください を参照。

Pacman のローカルデータベースを復元する

pacman/ローカルデータベースの復元を見てください。

既存のインストールから USB キーを復元する

Arch を USB キーにインストールしたが、内部のデータが壊れてしまった場合 (例えば、書き込み途中に USB を抜いてしまった場合など)、すべてのパッケージを再インストールして、再び動かせるようにできる可能性があります (USB キーが /newarch にマウントされている場合):

# pacman -S $(pacman -Qq --dbpath /newarch/var/lib/pacman) --root /newarch --dbpath /newarch/var/lib/pacman

.pkg ファイル内の特定のファイルの内容を見る

例えば、systemd パッケージ内の /etc/systemd/logind.conf の内容を見たい場合:

$ bsdtar -xOf /var/cache/pacman/pkg/systemd-250.4-2-x86_64.pkg.tar.zst etc/systemd/logind.conf

あるいは、アーカイブのブラウズに vim を使うこともできます:

$ vim /var/cache/pacman/pkg/systemd-250.4-2-x86_64.pkg.tar.zst

古いパッケージのライブラリを使っているアプリケーションを探す

既に実行中のプロセスには、システムの更新による変更が自動的に適用されません。その結果、実行中のプロセスは古いライブラリを使い続けます。脆弱性やその他のバグ、あるいはバージョン間での非互換性に関連する問題が発生する可能性があることから、このようなことは望ましくない場合があります。

更新されたライブラリに依存しているプロセスは htop (影響を受けるプログラムの名前をハイライトします) や lsof (これはライブラリの名前も出力します) ベースのスニペットを使って見つけることができます:

# lsof +c 0 | grep -w DEL | awk '1 { print $1 ": " $NF }' | sort -u

この方法では、実行中のプロセスによって開かれたままになっているファイルのみを検出します。そのようなファイルは基本的に共有ライブラリ (.so ファイル) だけです。これは、Java や Python アプリケーションのライブラリといった一部の依存関係を見逃してしまうことがあります。

必要な言語のコンテンツのみをインストールする

多くのパッケージは、複数の言語のドキュメントと翻訳をインストールします。中にはそのような不必要のファイルを削除するように設計されたプログラムもあります。例えば、localepurgeAUR はパッケージのインストール後に実行され、不必要なロケールファイルを削除します。より直接的なアプローチは pacman.confNoExtract ディレクティブで、これはそのようなファイルをそもそもインストールしないようにできます。

ノート: pacman#インストールさせないファイルを設定 で説明されている通り、"後ろのルールは前のルールを上書きします。また、! を前に付けることでルールを無効化できます。"

ヘルプファイルの翻訳を C ロケールを除いてすべてインストールしないようにするには、以下のディレクティブを追加してください:

NoExtract = usr/share/help/* !usr/share/help/C/*

GTK アプリケーションの HTML ドキュメントをすべてインストールしないようにするには、以下を追加してください:

NoExtract = usr/share/gtk-doc/html/*
警告: すべてのロケールを削除すると dmenuSteam、さらには Xorg で意図しない結果が起きたと一部のユーザーが報告しています。以下の例では、英語 (米国) 用のファイルと必須の C ロケールのみをインストールすることで、そのような問題を回避するように調整されています。

必要なものを除いて様々なロケールをインストールしないようにするには:

NoExtract = usr/share/locale/* usr/share/X11/locale/*/* usr/share/i18n/locales/* opt/google/chrome/locales/* !usr/share/X11/locale/C/*
NoExtract = !usr/share/X11/locale/compose.dir !usr/share/X11/locale/iso8859-1/*
NoExtract = !*locale*/en*/* !usr/share/*locale*/locale.*
NoExtract = !usr/share/*locales/en_?? !usr/share/*locales/i18n* !usr/share/*locales/iso*
NoExtract = usr/share/i18n/charmaps/* !usr/share/i18n/charmaps/UTF-8.gz !usr/share/i18n/charmaps/ANSI_X3.4-1968.gz
NoExtract = !usr/share/*locales/trans*
NoExtract = !usr/share/*locales/C !usr/share/*locales/POSIX

翻訳された man ページをインストールしないようにするには、以下を追加してください:

NoExtract = usr/share/man/* !usr/share/man/man*

vim-runtime に含まれている言語ファイルをインストールしないようにするには、以下を追加してください:

NoExtract = usr/share/vim/vim*/lang/*

Qt アプリケーションの英語コンテンツ以外をインストールしないようにするには、以下を追加してください:

NoExtract = usr/share/*/translations/*.qm usr/share/*/nls/*.qm usr/share/qt/phrasebooks/*.qph usr/share/qt/translations/*.pak !*/en-US.pak

Electron アプリケーションの英語コンテンツ以外をインストールしないようにするには、以下を追加してください:

NoExtract = usr/share/*/locales/*.pak opt/*/locales/*.pak usr/lib/*/locales/*.pak !*/en-US.pak

LibreOffice の英語のヘルプファイルをインストールしないようにするには、以下を追加してください:

NoExtract = usr/lib/libreoffice/help/en-US/*

OnlyOffice の英語コンテンツ以外をインストールしないようにするには、以下を追加してください:

NoExtract = opt/onlyoffice/desktopeditors/dictionaries/* !opt/onlyoffice/desktopeditors/dictionaries/en_US/*
NoExtract = opt/onlyoffice/desktopeditors/editors/web-apps/apps/*/main/locale/* !*/en.json
NoExtract = opt/onlyoffice/desktopeditors/editors/web-apps/apps/*/main/resources/help/*/* !*/help/en/*
NoExtract = opt/onlyoffice/desktopeditors/editors/web-apps/apps/*/main/resources/symboltable/* !*/en.json
NoExtract = opt/onlyoffice/desktopeditors/editors/web-apps/apps/documenteditor/forms/locale/* !*/en.json
NoExtract = opt/onlyoffice/desktopeditors/editors/web-apps/apps/spreadsheeteditor/main/resources/formula-lang/* !*/en.json !*/en_desc.json
NoExtract = opt/onlyoffice/desktopeditors/converter/empty/*/* !opt/onlyoffice/desktopeditors/converter/empty/en-US/*

英語の iBus 絵文字辞書以外をインストールしないようにするには、以下を追加してください:

NoExtract = usr/share/ibus/dicts/emoji-*.dict !usr/share/ibus/dicts/emoji-en.dict

接続状況が悪い場合でもパッケージをインストールする

接続環境が悪い場所でパッケージをインストールする際 (電車で携帯電話を使う場合など)、--disable-download-timeout オプションを使えば以下のようなエラーが発生する可能性を減らすことができます:

error: failed retrieving file […] Operation too slow. Less than 1 bytes/sec transferred the last 10 seconds

もしくは、

error: failed retrieving file […] Operation timed out after 10014 milliseconds with 0 out of 0 bytes received

パフォーマンス

この記事またはセクションは情報が古くなっています。
理由: このページは、pacman が並列ダウンロードをネイティブにサポートする前に書かれました。v6 以降、複数のパッケージを同時にダウンロードするオプションは以下だけではありません。 (Discuss)

ダウンロード速度

パッケージをダウンロードするとき pacman は /etc/pacman.d/mirrorlist に書かれている順番通りにミラーを使用します。リストの一番上のミラーがデフォルトで使用されますが、それが最速のミラーだとは限りません。一番高速なミラーを選択する方法はミラーを見てください。

Pacman のダウンロード速度は、並列ダウンロードの有効化や、パッケージのダウンロードに pacman 内蔵のファイルダウンローダー以外のアプリケーションを使うことでも改善することができます。

いずれの場合でも、変更を行う前に最新の pacman を使っていることを確認してください:

# pacman -Syu

Powerpill

Powerpillpacman のラッパーで、並列で分割ダウンロードを行うことによって pacman のダウンロード速度の向上を図ります。

wget

pacman に初めから入っている機能よりもパワフルなプロキシ設定が必要な場合、wget はとても使い勝手の良い選択肢です。

wget を使うには、まず wgetインストールし、/etc/pacman.conf ファイルの [options] セクションにある以下の行をアンコメントしてください:

XferCommand = /usr/bin/wget --passive-ftp --show-progress -c -q -N %u

/etc/pacman.confwget パラメータを記述する代わりに、wget の設定ファイルを直接修正することも可能です (システム全体のファイルは /etc/wgetrc、ユーザー別のファイルは $HOME/.wgetrc)。

aria2

aria2 はレジューム機能と分割 HTTP/HTTPS/FTP ダウンロードをサポートしている軽量なダウンロードユーティリティです。aria2 を使えば、Arch ミラーに対して複数の HTTP/HTTPS/FTP 接続を同時に確立することができ、ファイルやパッケージのダウンロード速度が向上するはずです。

ノート: pacman の XferCommand で aria2c を使っても複数パッケージの同時ダウンロードは行われません。Pacman はひとつのパッケージごとに XferCommand を呼び出し、それが完了してから次を呼び出すからです。同時に複数のパッケージをダウンロードするには、Powerpill を見て下さい。

aria2 をインストールして、/etc/pacman.conf[options] セクションに以下の行を追加してください:

XferCommand = /usr/bin/aria2c --allow-overwrite=true --continue=true --file-allocation=none --log-level=error --max-tries=2 --max-connection-per-server=2 --max-file-not-found=5 --min-split-size=5M --no-conf --remote-time=true --summary-interval=60 --timeout=5 --dir=/ --out %o %u
ヒント: このページで示されている、aria2 を pacman で使用する設定は、設定を簡単にし、より多くの設定オプションを追加します。

使用されている aria2c のオプションについては aria2c(1) § OPTIONS を見てください。

  • -d, --dir: ダウンロードしたファイルを保存するディレクトリ。
  • -o, --out: ダウンロードしたファイルの出力ファイル名。
  • %o: pacman によって指定されるローカルのファイル名を表す変数。
  • %u: pacman によって指定されるダウンロード URL を表す変数。

他のアプリケーション

pacman で利用できるダウンローダーは他にもあります。以下はそのダウンローダーと、利用するための XferCommand 設定を挙げています:

ユーティリティ

  • isfree — フリーでないパッケージを一覧表示する Bash スクリプト。Parabola のブラックリストをベースとしています。
https://github.com/leo-arch/isfree || isfreeAUR
  • Lostfiles — 孤立したファイルを検知するスクリプト。
https://github.com/graysky2/lostfiles || lostfiles
  • pacutils — libalpm ベースのプログラム用のヘルパーライブラリ。
https://github.com/andrewgregory/pacutils || pacutils
  • pkgfile — あるファイルを使っているパッケージが何かを見つけるツール。
https://github.com/falconindy/pkgfile || pkgfile
  • pkgtools — Arch Linux パッケージ用のスクリプトコレクション。
https://github.com/Daenyth/pkgtools || pkgtoolsAUR
  • pkgtop — GNU/Linux 用に開発されたインタラクティブなパッケージマネージャ兼リソースモニター。
https://github.com/orhun/pkgtop || pkgtop-gitAUR
  • Powerpillaria2Reflector を通じて並列分割ダウンロードを行い pacman のダウンロード処理を高速化。
https://xyne.dev/projects/powerpill/ || powerpillAUR
  • repoctl — ローカルリポジトリの管理を補助するツール。
https://github.com/cassava/repoctl || repoctlAUR
  • repose — Arch Linux リポジトリ作成ツール。
https://github.com/vodik/repose || repose
  • snap-pac — openSUSE の YaST のように pacman で自動的に snapper のスナップショットを作成するツール。
https://github.com/wesbarnett/snap-pac || snap-pac
  • vrms-arch — フリーでないパッケージがインストールされているかどうかを教えてくれるバーチャル Richard M. Stallman。
https://github.com/orospakr/vrms-arch || vrms-arch-gitAUR

グラフィカル

警告: PackageKit は既定でシステムのパーミッションを wheel グループに開放するので、一般的な用途ではおすすめできませんFS#50459 および FS#57943 を参照してください。
  • Deepin App Store — DTK で構築された Deepin デスクトップ環境用のサードパーティアプリストア。PackageKit を使用しています。AppStream メタデータ をサポートしています。.
https://github.com/dekzi/dde-store || deepin-store
https://apps.kde.org/discover/ || discover
  • GNOME PackageKit — C で書かれた、PackageKit を使用する GTK 3 パッケージマネージャ。
https://freedesktop.org/software/PackageKit/ || gnome-packagekit
  • pcurses — C++ で書かれた、Curses TUI の pacman ラッパー。
https://github.com/schuay/pcurses || pcursesAUR
  • tkPacman — Tcl で書かれた、Tk の pacman ラッパー。
https://sourceforge.net/projects/tkpacman || tkpacmanAUR