Parallels Desktop

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Parallels Desktop は macOS のハイパーバイザであり、様々なオペレーティングシステムを"仮想マシン" (ゲスト) としてホストシステムにインストールすることができます。これによって複数のマシンを物理的に管理する手間が省けます。仮想化に関する詳しい説明は Wikipedia を見て下さい。

Arch をゲストとしてインストール

Parallels Desktop は Linux ゲストを標準でサポートしていますが、サポート対象の Linux ディストリビューションは少数に限られており、Arch Linux は含まれていません。これは、Parallels Tools のインストールがベンダーによってテストされていないことを意味し、Arch で動作させるには手動での介入が必要になります。Parallels Tools を使用しない場合は、新しい仮想マシンを作成するときに "other linux" を選択し、実際のマシンと同じように進めるだけで簡単にインストールできます。

Apple Mac x86_64 ハードウェア上の Parallels Desktop

以下の手順に加えて、Parallels Knowledgebase に Arch Linux のインストールガイドがあります。

Apple Mac M1 以降の Parallels Desktop

Archbootaarch64 イメージを使用して、好みの VM をインストールできます。

すぐに使用できるプレーンイメージが必要な場合は、Download VM をダウンロードしてください。ログイン情報については、Readme を参照してください。

Parallels Tools

概要

ホストのオペレーティングシステムとゲストのオペレーティングシステムの相互運用性を増すために、Parallels は "Parallels tools" という名前のパッケージを提供しており、カーネルモジュールとユーザースペースユーティリティが含まれています。Parallels Tools の特徴は Parallels Tools Overview に記載があります。

この記事ではこのツールをフルに活用して、Xorg の設定まで行います。ヘッドレスサーバーの場合、X に関連するセクションはスキップできます。

parallel tools のバージョンを表記するときは <Parallels.Version>.<Tools Version> という形式を使います。例えば: 9.0.24237.1028877 は Parallels バージョン 9.0.24237 + tools バージョン 1028877 を意味します。

Xorg の設定

Parallels Tools インストーラーは Xorg の設定を自動で行うため、Xorg の指示に従って、システムに関連パッケージをインストールするだけで済みます。vesa ドライバーを使用するには、xf86-video-vesa パッケージをインストールしてください。

依存パッケージの準備

標準的なビルドユーティリティである gccdkmslinux-headers をインストールする必要があります。

Parallels Tools のインストール

"仮想マシン" メニューから "Parallels Tools のインストール" を選択します。Parallels Tools は CD イメージに格納されており、仮想マシンに接続されます。最初にマウントする必要があります。

$ mount /dev/cdrom /mnt/cdrom

これで、次のインストールスクリプトを使用して Parallels Tools をインストールできます。

$ cd /mnt/cdrom
$ ./install

Parallels Tools はほとんどの場合、特に設定なしで正常に動作しますが、場合によってはパッチを適用する必要があります:

Liunx Kernel Parallels Desktop Parallels Tools Work out of box
5.17 17.1.4 51567 Yes
5.18 17.1.4 51567 No
5.18 18.0.0 53049 Yes

Parallels Desktop 17.1.4 を使用していて、カーネルバージョン 5.18 (uname -a で確認) の VM をインストールした場合、以下のトラブルシューティングセクションに従ってください。

トラブルシューティング: Parallels 17 をカーネル 5.18 をサポートするようにパッチを適用する

"仮想マシン" メニューから "Parallels Tools のインストール" を選択します。Parallels Tools は CD イメージに格納されており、仮想マシンに接続されます。

このプロセスには root 権限が必要です。 root ユーザーになり、Tools 仮想 CD を Linux VM にマウントします:

$ su
$ mount /dev/cdrom /mnt

CD ディレクトリ全体をホームディレクトリにコピーし、prl-tools-build に名前を変更します:

$ cp -R /mnt ~
$ cd ~
$ mv mnt prl-tools-build

コミュニティパッチをダウンロードし、パッチを適用する kmods/ を準備します:

$ wget https://raw.githubusercontent.com/wegank/nixos-config/7b89b4c6d1a87c83f10aa5d0f96fe0229795056e/hardware/parallels-unfree/prl-tools.patch
$ cd ~/prl-tools-build/kmods
$ tar zxf prl_mod.tar.gz
$ rm prl_mod.tar.gz

パッチを適用し、インストールします:

$ cd ~/prl-tools-build
$ patch -p1 < prl-tools.patch
$ cd kmods
$ tar zcf prl_mod.tar.gz *
$ cd ~/prl-tools-build
$ ./install

(Parallels フォーラムでコミュニティ提供のパッチについては、このスレッドを参照してください。) (フォーラムで提供されている Parallels Tools パッチの適用方法に関するステップバイステップの手順については、このスレッドを参照してください。)

ツールの使用

フォルダー共有

  • 仮想マシン > 構成 > 共有」で、ホストシステム上のどのフォルダーをゲストと共有するかを指定できます。
  • フォルダーは /mnt/psf に表示されます。

動的ディスプレイ解像度

非常に便利なツールは prlcc です。ウィンドウのサイズを変更すると、ディスプレイの解像度(ゲスト側、ホスト側ではありません)を自動的に変更します。このツールが実行されていない場合、ウィンドウの内容は引き伸ばされたり縮小されたりします。 prlcc は通常、自動的に起動し、バックグラウンドで実行されます。起動しない場合は、次のように実行します (または、/etc/X11/xinit/xinitrc.d/90-prlcc のような設定ファイルに配置します)

$ prlcc &

クリップボードの同期

ツール prlcp を実行すると、ゲストとホスト間でクリップボードを同期できます。上記のツールと同様に、自動的に実行されない場合は、.xinitrc のような設定ファイルで起動することをお勧めします。

$ prlcp &

今後の作業

一般的に、Linux カーネルや Xorg などのシステムパッケージを更新すると、Parallels Tools が破損する可能性があり、再インストールが必要になります。場合によっては、新しいパッケージがツールと互換性がなくなり、動作しなくなることがあります。その場合は、新しくインストールしたパッケージをロールバックし、Parallels が新しいプロダクトビルドをリリースするまでゲストの更新を待つ必要があります(以前の非互換性が解決されていることを期待して)

参照