Runit

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Runit はプロセススーパーバイザーです。pid1 として sysv の init を置き換えることができる runit-init が含まれており、inittab から起動することができます。他の init システムを使うこともできます。Runit はシンプルなツールの集合であり、柔軟性のある依存関係や分散された環境を構築することができます。また、ランレベルの変更を極めて高速に行うことが可能です。

詳しくは G. Pape の Runit のページ を見てください。以下では Arch に Runit をインストールする方法を説明します。

インストール

Arch Linux のデフォルトの init システム (systemd) と共存する形で単純にプロセスを管理するのに runit を使用することができます。その場合、runit-systemdAUR パッケージをインストールしてください。runit を init システムとして使用する場合にのみ意味があるステージスクリプト (/etc/runit/{1..3}) やランレベル (/etc/runit/runsvdir/*) が付属しないベアボーンの runit がインストールされます。runit のサービスと systemd ユニットを配置するディレクトリ (/var/service) が作成され、runit によってディレクトリが監視されます。runit が監視するサービスは /var/service で設定したサービスのみです。パッケージをインストールしたら runit.service起動有効化してください。

arch-runit-servicesAUR パッケージにはサンプルサービスが含まれています。サービスは /etc/sv にインストールされます。サービスのシンボリックリンクを /var/service に作成することで使用することが可能です。

runit を使う

ツール

  • sv - サービスの制御、サービスの状態の取得、依存関係のチェックなどに使います。
  • chpst - メモリ制限、コア制御、データセグメント、ユーザー・グループの権限などプロセスの環境を制御します。
  • runsv - プロセスを監視してログを保存します。
  • svlogd - シンプルで強力なロガー。時間や容量などによる自動ローテート、ポストプロセス、パターンマッチ、ソケット (リモートログ) などが使えます。logrotate でログをローテートする必要はもうありません。
  • runsvchdir - サービスレベル (ランレベル) を変更します。
  • runsvdir - 監視ツリーを起動します。
  • runit-init - dietlibc が静的にコンパイルされた PID 1 です。PID 1 として必要なことしかしません。

使用方法については man ページを読んでください。

ランレベルとサービスディレクトリ

Runit はシンボリックリンクのディレクトリを使ってランレベルを指定します。ただし /etc/runit/1, /etc/runit/2, /etc/runit/3 に定義されるランレベルは別です。

1 はシステムをブートストラップし、2 は /service の runsvdir を起動し、3 はシステムを停止します。

ランレベル 2 では、好きな数だけサービスレベルを使うことができます。/etc/runit/runsvdir/ に作成した (サービスディレクトリのシンボリックリンクが含まれた) ディレクトリを指定して runschdir を実行できます。runsvchdir <theservicedir> を実行するだけで他のマシンのサービスを引き継ぐことができるため、HA (フェイルオーバー) 構成で非常に便利です。

ユーザーレベルの監視ディレクトリを作成して依存関係のサービスレベルのツリーを実行することもできます。下のユーザーレベルサービスを見てください。

一般的な使用方法

実行中のサービスを確認:

# sv s /service/*
run: /service/agetty-2: (pid 4120) 7998s
run: /service/agetty-3: (pid 4119) 7998s
run: /service/bougyman: (pid 4465) 7972s
run: /service/bougyx: (pid 4135) 7998s; run: log: (pid 4127) 7998s
un: /service/cron: (pid 4137) 7998s; run: log: (pid 4122) 7998s
run: /service/dialer: (pid 4121) 7998s
run: /service/qmail: (pid 4138) 7998s; run: log: (pid 4126) 7998s
run: /service/smtpd: (pid 4136) 7998s; run: log: (pid 4125) 7998s
run: /service/socklog-klog: (pid 4139) 7998s; run: log: (pid 4132) 7998s
run: /service/socklog-unix: (pid 4133) 7998s; run: log: (pid 4124) 7998s
run: /service/ssh: (pid 4134) 7998s; run: log: (pid 4123) 7998s

サービスは /etc/sv に存在している必要があります。

サービスを作成して起動:

# ln -s /etc/sv/ssh /service/ssh

サービスをすぐに停止:

# sv d ssh

サービスを再起動:

# sv t ssh

サービスをリロード:

# sv h ssh

サービスやログサービスの状態を表示:

# sv s ssh

サービスを停止して無効化:

# rm /service/ssh

詳しくは sv の man ページを見てください。

システムをシャットダウン:

# runit-init 0

システムを再起動:

# runit-init 6

ユーザーレベルサービス

特定のユーザーで runsvdir を実行することで監視ツリーを拡張してユーザーに制御を渡すことができます。

ユーザーレベルサービスツリーを追加

# mkdir -p /etc/sv/homes/joeuser

以下の内容で /etc/sv/homes/joeuser/run を作成してください:

#!/bin/sh
export PATH=/home/joeuser/bin:$PATH # optional, if your services rely on binaries in ~/bin
exec 2>&1 \
sudo -H -u joeuser runsvdir -P /home/joeuser/service 'log:...................................................................................................................................' # Requires sudo, of course
# chmod 700 /etc/sv/homes/joeuser/run

それから /etc/sv/homes/joeuser から /service にシンボリックリンクを作成すると、~/service に配置されたサービスがユーザーの環境で起動するようになります。

ユーザーの X セッションサービスを作成

# mkdir -p /etc/sv/joeuserX

以下の内容で /etc/sv/joeuserX/run スクリプトを作成:

#!/bin/sh
exec 2>&1 \
su -c xinit - joeuser
# chmod 700 /etc/sv/joeuserX/run

/etc/sv/joeuserX から /service にシンボリックリンクを作成してください。joe の X セッションは常には動作しなくなります。joe の ssh のパスフレーズを使って防護するには、.xinitrc に以下を記述してください:

#!/bin/sh
...
SNIP
...
xscreensaver&
eval $(keychain --eval)
exec sh -c \
'SSH_ASKPASS=/usr/lib/openssh/ssh-askpass-fullscreen ssh-add < /dev/null \
&& exec stumpwm'

stumpwm は使用したいウィンドウマネージャやデスクトップ環境のコマンドに置き換えてください。

keychainssh-askpass-fullscreenAUR パッケージが必要です。

ヒントとテクニック

メモリ上で PostgreSQL の読み取り専用スレーブデータベースを実行

以下のレシピは非常に高速な読み取り速度を必要とするデータベースのためのものです。PostgreSQL のストリーミングレプリケーションとホットスタンバイモードを使っています。

要件

手順

1. /etc/sv/pg_mem/log ディレクトリを作成:

# mkdir -p /etc/sv/pg_mem/log

2. 以下の3つのファイルを作成

/etc/sv/pg_shm/run
#!/bin/sh -e
sleep 3 # Give postgresql a chance to start and replay any transactions

. /etc/conf.d/pg_shm # Read any conf vars
PG_DISK_ROOT=/var/lib/postgres # Where the 'master' data directory lives

[ -d "$PGROOT" ] || mkdir -p "$PGROOT" # Create the new $PGROOT if it does not exist

sv -w7 c postgresql 2>&1

# Stop the main postgres from making changes by enttering backup mode
psql -U postgres -c "SELECT pg_start_backup('seed',true)" 2>&1
# Sync the main postgres data dir to our new $PGROOT
rsync --progress --delete -a "$PG_DISK_ROOT/data" "$PGROOT/" --exclude=postmaster.pid 2>&1
# Allow changes on the primary server again
psql -U postgres -c "SELECT pg_stop_backup()" 2>&1

# Set up the hot standby mode on the slave server
echo "hot_standby = 'on'" >> "$PGROOT/data/postgresql.conf"
echo "port = $PGPORT" >> "$PGROOT/data/postgresql.conf"
echo "standby_mode = 'on'" >> "$PGROOT/data/recovery.conf"
echo "primary_conninfo = 'host=localhost port=5432 user=postgres'" >> "$PGROOT/data/recovery.conf"
echo "trigger_file = '/tmp/stop_replication'" >> "$PGROOT/data/recovery.conf"
echo "restore_command = 'cp /var/lib/postgres/archive/%f \"%p\"'" >> "$PGROOT/data/recovery.conf"

exec chpst -u postgres /usr/bin/postgres -D "$PGROOT/data" -c config_file="$PGROOT/data/postgresql.conf" 2>&1
/etc/conf.d/pg_shm
PGROOT=/dev/shm/pg_mem
PGPORT=5434
PGLOG="/var/log/pg_mem.log"
/etc/sv/postgresql/finish
#/bin/sh
sv -v i pg_shm

3. run と finish に実行可能属性を付与:

# chmod 700 /etc/sv/pg_mem/run
# chmod 700 /etc/sv/postgresql/finish

4. ログサービスを作成:

# ln -s /usr/bin/rsvlog /etc/sv/pg_shm/log/run

5. /var/lib/postgres/data/postmaster.conf を編集して WAL アーカイブを有効にしてください。詳しくは こちら のステップ3と4を見てください。

6. postgresql を再起動:

# sv i postgresql

7. pg_shm を起動:

# ln -s /etc/sv/pg_shm /service

8. 動作していることを確認:

# sv s postgresql pg_mem

PostgreSQL のオンディスクデータベースのレプリカがポート 5434 から読み取り専用モードで使うことができるはずです。