Xilinx ISE WebPACK

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Xilinx ISE WebPACK は完全な FPGA/CPLD プログラマブルロジックデザインスイートです:

  • 回路図キャプチャまたは Verilog/VHDL によるプログラマブルロジックの設計
  • 特定のロジックの合成と配置配線による様々な Xilinx FPGA と CPLD
  • ファンクショナル (振る舞い) シミュレーションと (配置配線後の) タイミングシミュレーション
  • 通信ケーブルによる対象機器への設定データのダウンロード

ISE WebPACK の開発は Xilinx Vivado ができたことで停止していますが、新しいスイートでサポートされていない古いデバイスの開発には有用です。

Arch Linux は公式サポートされているディストリビューションではありませんが、多くの機能は Arch Linux で動作します。

必須要件

ISE WebPACK のダウンロード

Xilinx ISE WebPACK は再配布が許可されていないプロプライエタリライセンスでリリースされているフリーソフトウェアです。公式のダウンロードページ からデータをダウンロードできます。

依存パッケージ

ISE Webpack に含まれているツールの一部 (やインストーラー) は ncurses5-compat-libsAUR に依存しています。さらに、他のツール (FPGA エディタなど) は libstdc++5, openmotif, xorg-fonts-75dpi, xorg-fonts-100dpi を必要とします [1]

組み込み ARM コア (Xilinx Zynq SoC デバイスなど) 用にソフトウェアを開発する場合、Xilinx Embedded Development Kit (EDK) にバンドルされている GCC クロスコンパイラをインストールすることになります。このコンパイラは glibcncurses パッケージを必要とします。64ビットの Arch 環境の場合、multilib リポジトリの lib32-glibcAURlib32-ncurses5-compat-libsAUR パッケージをインストールする必要があります。

デフォルトシェル

インストール時に、埋め込みプロセッサの Mentor CodeSourcery ツールチェインを Xilinx ツールと一緒にインストールすることができます。デフォルトのシェルが dash に設定されている場合、このインストールは何も出力をしないで失敗します。/usr/bin/sh/usr/bin/bash になっていることを確認してください。

次のコマンドを実行することで確認できます:

$ ls -l /usr/bin/sh

以下のように出力された場合:

lrwxrwxrwx 1 root root 15 13 Mar 06:47 /usr/bin/sh -> bash

/usr/bin/sh/usr/bin/bash になっています (Arch Linux でのデフォルト)。

出力が異なる場合、/usr/bin/sh を bash にリンクしてください:

# ln -sfT bash /usr/bin/sh

インストール

AUR からインストール

xilinx-iseAUR パッケージをインストールしてください。ビルドを開始する前に PKGBUILD と同じフォルダにインストールデータが含まれた tarball を配置する必要があります。

手動インストール

ノート: 以下のインストール方法で動作するのを確認したのは Xilinx ISE 14.7 で、動的ライブラリの修正が必要です。

インストールデータを含む tarball を展開してください:

$ tar -xvf Xilinx_ISE_DS_Lin_14.7_1015_1.tar

ISE デザインツールインストーラは Qt アプリケーションです。KDE デスクトップ環境を使っている場合、インストーラは "Oxygen" ウィジェットテーマをロードしようとしますが、Xilinx ISE デザインツールに付属している Qt フレームワークが古いために失敗します。インストーラを実行する前に QT_PLUGIN_PATH 環境変数を削除する必要があります:

$ unset QT_PLUGIN_PATH

それから、ISE デザインツールをインストールしてください:

$ cd Xilinx_ISE_DS_Lin_14.7_1015_1
$ ./xsetup

指示に従って ISE をインストールしてください。デフォルトで、アプリケーションは /opt/Xilinx/ にインストールされるため、このディレクトリに書き込みを行う権限がインストーラを実行するユーザーにあることを確認してください。

インストール中、"Install Cable Drivers" のオプションのチェックを外して下さい。チェックしたままにするとインストール中にエラーが発生します。

ISE デザインツールの起動

ISE デザインツールには環境変数 (主に PATHLD_LIBRARY_PATH) を変更するシェルスクリプトが含まれています。ISE ツールを起動する前にこのスクリプトを source する必要があります:

$ source /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/settings64.sh

また、32ビット環境の場合:

$ source /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/settings32.sh

スクリプトを読み込むことで、ISE デザインツールに PATH が通るのでツールの名前をターミナルに入力することで起動できます (例: ise, planAhead, xsdk, ...)。

デスクトップアイコンによる起動

/usr/share/applications/デスクトップエントリを作成する方法でも起動できます。

/usr/share/applications/ise.desktop
#!/usr/bin/env xdg-open
[Desktop Entry]
Version=1.0
Type=Application
Name=Xilinx ISE
Exec=sh -c "unset LANG && unset QT_PLUGIN_PATH && source /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/settings64.sh && ise"
Icon=/opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/data/images/pn-ise.png
Categories=Development;
Comment=Xilinx ISE
StartupWMClass=_pn

ファイルを作成したら、ホームのデスクトップフォルダ (~/Desktop) に上記のファイルをコピーしてデスクトップから ISE ツールを起動できます。

ライセンスのインストール

Xilinx の Licensing Site から WebPACK のライセンスをリクエストすると、ライセンスファイルがメールで届きます。このファイルは Xilinx License Manager でインポートすることができます (ターミナルから xlcm -manage を実行)。

また、~/.Xilinx/opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/coregen/core_licenses ディレクトリにファイルをコピーするだけでもライセンスをインポートできます。

ノードロックライセンス

Arch Linux はデフォルトで systemd の Predictable Network Interface Names を使っています。そのためシステム上のネットワークインターフェイスの名前は "eth0" や "eth1" などにはなりません。

しかし、Xilinx License Manager はそのような名前を検索してシステムの MAC アドレスを確認します。そして、ノードロックライセンスにその MAC アドレスが使われます。ノードロックライセンスが必要な場合、この機能を無効にしてネットワークインターフェイスの命名規則をカーネルによる名前に戻して、ライセンスを取得した NIC の名前を固定する必要があります。ネットワーク設定#デバイス名の変更udev ルールを作成して設定する方法が書かれています。

インストール後の設定

インストールした後、Xilinx からは公式にサポートされていない Linux ディストリビューションで Xilinx ツールを動かすことによる問題を回避するために手動で設定が必要になります。いくつかのフィックスは このフォーラムポスト から引用しています。

動的ライブラリの修正 (libstdc++.so)

ノート: 以下の修正は AUR パッケージでは初めから行われています。

ISE ツールは古いバージョンの libstdc++.so ライブラリを使っているため、Xilinx Microprocessor Debugger を使用した時にセグメンテーションフォルトが発生することがあり、oxygen-gtk テーマが使用できなくなります。この古いバージョンはインストールツリー内の2つのディレクトリに含まれています: /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/lib/lin64//opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/common/lib/lin64。Arch の新しい libstdc++ を使用するには、元のファイルの名前を変更または削除して、シンボリックリンクで置き換えてください:

$ cd /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/lib/lin64/
$ mv libstdc++.so libstdc++.so.bak
$ mv libstdc++.so.6 libstdc++.so.6.bak
$ mv libstdc++.so.6.0.8 libstdc++.so.6.0.8.bak
$ ln -s /usr/lib/libstdc++.so
$ ln -s libstdc++.so libstdc++.so.6
$ ln -s libstdc++.so libstdc++.so.6.0.8

上記の作業は /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/common/lib/lin64 ディレクトリでも行って下さい。

Digilent USB-JTAG ドライバー

Xilinx デザインツールから Digilent Adept USB-JTAG アダプタ (ZedBoard のオンボード JTAG アダプタなど) を使うには、Digilent Adept RuntimePlugin をインストールする必要があります。

先に Arch User Repository から fxloadAUR をインストールしてください。

Digilent Adept Runtime をインストールするには、Arch User Repository から digilent.adept.runtimeAUR をビルド・インストールするのを推奨します。

さらに、digilent.adept.utilitiesAUR をインストールすることでボードの設定が楽になります。

Digilent プラグインをインストールするには、2つのファイルを ISE プラグインディレクトリにコピーする必要があります。root で以下のコマンドを実行して下さい:

$ mkdir -p /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/lib/lin64/plugins/Digilent/libCseDigilent
$ cd /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/bin/lin64/digilent/libCseDigilent_2.4.4-x86_64/lin64/14.1/libCseDigilent
$ cp libCseDigilent.{so,xml} /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/lib/lin64/plugins/Digilent/libCseDigilent
$ chmod -x /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/lib/lin64/plugins/Digilent/libCseDigilent/libCseDigilent.xml

最後に、Digilent USB-JTAG アダプタにアクセスするユーザーを "uucp" グループに追加してください。

次のコマンドで JTAG アダプタの USB Vendor/Product ID を確認して: You may have to add the USB Vendor/Product IDs of your JTAG adapter which can be found with

$ lsusb | grep Xilinx

/etc/udev/rules.d/20-digilent.rules の udev ルールに追加してください:

SUBSYSTEM=="usb", ATTRS{idVendor}=="xxxx", ATTRS{idProduct}=="xxxx", GROUP="users", MODE="666"

それでも動作しない場合、Xilinx_JTAG_Linux を読んで下さい。magic git リポジトリが役に立ちます。

Xilinx Platform Cable USB-JTAG ドライバー

先に Arch User Repository から fxloadAUR または fxload-libusbAUR をインストールしてください。ソースからドライバーをビルドする必要があります (git などをインストールする必要があり、足りていないと make がエラーメッセージを表示します):

$ cd /opt/Xilinx
$ sudo git clone git://git.zerfleddert.de/usb-driver
$ cd usb-driver/
$ sudo make

64ビット環境で32ビット版の ISE を使う場合、"lib32" を make してください:

$ sudo make lib32

それからドライバーをインストールしてください (14.7 はあなたの使用しているバージョンに置き換えてください):

$ ./setup_pcusb /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/

古いバージョンの場合:

$ ./setup_pcusb /opt/Xilinx/10.x/ISE/

新しいバージョンの fxload (fxload-libusbAUR) では、/etc/udev/rules.d/xusbdfwu.rules ファイルを以下のように変更する必要があります:

$ /etc/udev/rules.d/xusbdfwu.rules
ACTION=="add", SUBSYSTEM=="usb", ATTRS{idVendor}=="03fd", ATTRS{idProduct}=="0008", MODE="666"
ACTION=="add", SUBSYSTEM=="usb", ATTRS{idVendor}=="03fd", ATTRS{idProduct}=="0007", RUN+="/usr/bin/fxload-libusb -t fx2 -I /usr/share/xusbdfwu.hex -d 03fd:0007"
ACTION=="add", SUBSYSTEM=="usb", ATTRS{idVendor}=="03fd", ATTRS{idProduct}=="0009", RUN+="/usr/bin/fxload-libusb -t fx2 -I /usr/share/xusb_xup.hex -d 03fd:0009"
ACTION=="add", SUBSYSTEM=="usb", ATTRS{idVendor}=="03fd", ATTRS{idProduct}=="000d", RUN+="/usr/bin/fxload-libusb -t fx2 -I /usr/share/xusb_emb.hex -d 03fd:000d"
ACTION=="add", SUBSYSTEM=="usb", ATTRS{idVendor}=="03fd", ATTRS{idProduct}=="000f", RUN+="/usr/bin/fxload-libusb -t fx2 -I /usr/share/xusb_xlp.hex -d 03fd:000f"
ACTION=="add", SUBSYSTEM=="usb", ATTRS{idVendor}=="03fd", ATTRS{idProduct}=="0013", RUN+="/usr/bin/fxload-libusb -t fx2 -I /usr/share/xusb_xp2.hex -d 03fd:0013"
ACTION=="add", SUBSYSTEM=="usb", ATTRS{idVendor}=="03fd", ATTRS{idProduct}=="0015", RUN+="/usr/bin/fxload-libusb -t fx2 -I /usr/share/xusb_xse.hex -d 03fd:0015"

コマンドを実行すると、udev ルールが作成されます。udev ルールをリロードすることで変更をすぐに適用できます:

$ sudo udevadm control --reload-rules

ドライバーが正しくインストールされ udev ルールが機能すれば、状態 LED がオンになります (VREF PIN の電圧によって色は緑あるいは赤になります)。

ノート: 以下の設定は Xilinx ISE のバージョンが 11.1 未満の場合にのみ必要です。

古いバージョンでは、iMPACT が適切なドライバーをロードしません (windrvr6 ドライバーが使用されます)。LD_PRELOAD 環境変数を設定して libusb ドライバーを iMPACT にロードさせることで解決できます:

$ export LD_PRELOAD=/opt/Xilinx/usb-driver/libusb-driver.so

ロケールの問題

PlanAhead は小数点に '.' 以外のリテラルを使用するロケールを嫌います (例えばドイツ語は ',' を使います)。PlanAhead を実行する前に次のコマンドを実行して下さい:

$ unset LANG

PlanAhead でセグメンテーションフォルト

PlanAhead を起動して .ucf ファイルを生成すると、セグメンテーションフォルトが発生することがあります。この問題は前のトピックと関係ありません。ISE コンソールは以下のように表示します:

"/opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/PlanAhead/bin/rdiArgs.sh: line 64: 14275 Segmentation fault      $RDI_PROG $*"

こちら に記述されているようにバンドルされている JRE が問題の原因です。この問題を修正するには、OpenJDK の libjvm.so から Xilinx のインストールディレクトリにシンボリックリンクを作成してください。

# cd /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/PlanAhead/tps/lnx64/jre/lib/amd64/server
# mv libjvm.so{,-orig}
# ln -s /usr/lib/jvm/java-7-openjdk/jre/lib/amd64/server/libjvm.so

GNU make

XSDK looks for the gmake executable, which is not present in Arch Linux by default. Create a symlink somewhere in your path, e.g.

$ ln -s /usr/bin/make /home/<user>/bin/gmake

Make sure this directory is in your PATH variable.

KDE の中から Xilinx ツールを実行

KDE by default defines the QT_PLUGIN_PATH shell variable. Some of the Xilinx ISE tools (ISE, Impact, XPS) are Qt applications, which means that they will search for Qt plugins in the locations defined by this shell variable.

Because the Xilinx tools are compiled against and ship with an older version of the Qt framework which cannot use these plugins, they will crash when launched with this environment variable present.

To fix this issue, run the following command before launching the tools:

$ unset QT_PLUGIN_PATH

CORE Generator でコアの作成ができない

ときどき、CORE Generator がコアの作成に失敗して以下のような出力をすることがあります:

ERROR:sim - Unable to evaluate Tcl file:
   /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/coregen/ip/xilinx/primary/com/xilinx/ip/clk_wiz_v3_6/generate/run_legacy_tcl_flow.tcl
ERROR:sim - Failed executing Tcl generator.

解決方法 #1

この場合、_JAVA_OPTIONS 環境変数が設定されていないことを確認してください。次のコマンドで coregen を実行した場合:

$ source /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/settings64.sh && coregen

"unset _JAVA_OPTIONS" を付ける必要があります:

$ unset _JAVA_OPTIONS && source /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/settings64.sh && coregen

Solution #2

Solution #1 no longer works due to: coregen's bundled java fails to start. Workaround force using ISE bundled java6 instead of java5.

Backup old version

$ mv /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/java/lin64/jre/bin/java /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/java/lin64/jre/bin/java.old

Add symbolic link to java6

$ ln -s /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/java6/lin64/jre/bin/java /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/java/lin64/jre/bin/java

Solution #3

If the previous methods fail, try to run the 32-bit version of coregen:

$ unset _JAVA_OPTIONS && source /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/settings32.sh && coregen