zathura
Zathura は細かいカスタマイズができる機能的なドキュメントビューアです。省スペースでシンプルなだけでなくキーボードによる操作で使いやすいインターフェイスを備えています。プラグインによって様々なファイル形式がサポートされています: PDF, PS, DjVu, コミックブックファイル。
目次
インストール
zathura パッケージとファイル形式にあわせて以下のパッケージをインストールしてください:
- zathura-cb - コミックブックのサポート
- zathura-djvu - DjVu のサポート
- zathura-pdf-mupdf - MuPDF をベースにした EPUB、PDF、XPS をサポート
- zathura-pdf-poppler。- Poppler ベース
- zathura-ps - PostScript のサポート
機能
Zathura はドキュメントを自動的に再読込します。LaTeX で書かれたドキュメントなどのコンパイルが行われると、Zathura は出力を更新します。Zathura には ("synctex" を使用する) 逆順検索を有効にするオプションが存在します。
Zathura ではドキュメントを1ページがちょうど収まるように調整したり (a
) 横幅に合わせたり (s
)、ページを回転する (r
) ことができます。見開きでページを表示したり (d
) フルスクリーンで読む ((F11
) ことも可能です。さらに、ページの背景を黒にして文字を白く Ctrl+r
することもできます。
リンクはマウスでクリックすればたどれます。また、キーボードでは f
を入力しリンクの番号を指定するとたどれます。リンク先の場所を知るには、Shift+f
を押しリンクの番号を指定します。
テキストを検索したり (/
X のプライマリセレクションにテキストをコピーすることができます。ブックマークを使うことができ暗号化されたファイルも開けます。
Zathura の挙動と外観は設定ファイルを使ってカスタマイズできます。Zathura には外部のシェルコマンドを実行する機能があります。tabbed を使ってタブで開くこともできます。
ヒントとテクニック
vi のように :
を押して、 zathura に直接コマンドを入力することができます。
クリップボードにコピーできるようにする
クリップボードへのコピーを有効にするには:
~/.config/zathura/zathurarc
set selection-clipboard clipboard
サイド・バイ・サイド・モード
d
を押すと、サイドバイサイドモードに切り替わります。
サイドバイサイドモードで、最初のページを左側に表示するには、 zathura に set first-page-column 1:1
というコマンドを入力してください。これは、特定のページでページめくりを最適化するような組版を行う音楽スキャンを読むときに特に便利です。他の zathura コマンドと同様に、これは zathurarc
に入れることができます。
タイトルバーとステータスバーの調整
zathurarc(5) を参照してください。
zathura のタブ化
tabbed
を使用すると、zathura をタブで開くことができます。
tabbed -c zathura -e
ただし、タブレイアウトを提供するウィンドウマネージャを使用している場合は、それを活用することができます。例えば、i3 のタブレイアウトなどです。
ページ番号のオフセット
印刷された書籍の多くの版では、本文の冒頭からしかページ番号を数えません。しかし、Zathura は、表紙、版数表示、最初の数ページの白紙ページなど、いくつかの版ではカウントされないページも含めて、PDFのすべてのページをカウントしています。このため、Zathura のページ番号は版とずれることがあり、目次や引用で使用されるページ番号を追うのが面倒になります。
コマンド :offset <number>
は、ページ番号にジャンプする際に Zathura にオフセットを考慮させます (<number>G
と入力すると、コマンド :<number>
はオフセットを気にしません [1]) 例えば ある本が PDF の17ページ目からページを数え始めたとします(つまり17ページ目ではインデックスが1、18ページ目では2、といった具合です) :offset 16
を設定すると、 245G
は PDF の245ページ目ではなく、261ページ目にジャンプします。
サンドボックスの有効化
zathura にはサンドボックスモードがあり、厳密な seccomp フィルタを使用して安全な環境を提供します。
このモードは zathurarc
で以下のように設定することができます。
set sandbox strict
厳密なサンドボックスモードを使用すると、ファイルの書き込み、印刷、ブックマークなど、一部の機能が無効になります。
zathura をデフォルトの pdf ビューアにする
例えば xdg-open(1) が pdf ファイルを zathura で開くように設定。
まず、zathura の デスクトップエントリ が /usr/share/applications/org.pwmt.zathura.desktop
に存在することを確認してください。存在しない場合、from the zathura repo からデスクトップエントリを /usr/share/applications/org.pwmt.zathura.desktop
にダウンロードします。
そして、xdg-mime(1) を使って zathura をデフォルトに設定します。
$ xdg-mime default org.pwmt.zathura.desktop application/pdf
Microsoft Office/LibreOffice 文書を zathura で読む
zaread-gitAUR スクリプトは Microsoft Office/LibreOffice のドキュメントを zathura で開くことを可能にします。
これを使うには、以下を実行してください
$ zaread /path/to/document.docx
Emacs キーマップ
Zathura はデフォルトで vi のようなキーマップを使用しています。Emacs のキーバインディングは別途設定する必要があります。例はこちらで見ることができます。
トラブルシューティング
Poppler でメモリを大量に使用する場合
issues88 によると、zathura-pdf-poppler から zathura-pdf-mupdf に切り替えると問題が解決する可能性があるそうです。しかし、大きな文書で検索する場合、多くのメモリが まだ使用されます