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+ | もしくは、以下の環境変数を設定する方法もあります: |
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+ | Mathematica 11 は ([[XDG ユーザーディレクトリ]]に従って Mathematica によって設定される) [https://reference.wolfram.com/language/ref/$UserDocumentsDirectory.html $UserDocumentsDirectory] にドキュメントフォルダ 'Wolfram Mathematica' を自動的に作成します。 |
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+ | == トラブルシューティング == |
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+ | === 記号が表示されない === |
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+ | また、[http://mathematica.stackexchange.com/questions/1158/invisible-conjugate-glyph-in-the-linux-frontend こちらの解決方法] を試してみて下さい。 |
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+ | アプリケーションのアンチエイリアスを試してみて下さい。KDE の場合: System Settings > Application Appearance > Fonts > Use anti-aliasing (Enabled)。 |
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+ | === HiDPI / Retina ディスプレイ === |
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+ | Apple Retina ディスプレイなどの [[HiDPI]] ディスプレイを使っている場合、Mathematica のメインテキストが小さく表示されることがあります。以下のように設定することで大きくできます: |
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+ | * ''Edit → Preferences'' を選択 |
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+ | * ''Advanced'' タブから ''Open Option Inspector'' をクリック |
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+ | * 右のツリーから ''Formatting Options → Font Options → Font Properties'' を選択 |
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+ | * ''"ScreenResolution"'' の値を2倍に変更。例: 72 → 144。<code>xdpyinfo | grep resolution</code> を使って正確な値を取得することもできます (取得した値を2倍にしてください)。 |
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+ | == 参照 == |
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+ | * [http://www.wolfram.com/mathematica/ 公式サイト] |
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+ | * [http://www.wolfram.com/support/ 公式サポート] |
2020年12月31日 (木) 14:45時点における最新版
Mathematica は科学・工学・数学分野で使われている商用プログラムです。この記事ではインストールする方法を説明します。
目次
インストール
Mathematica は有料のアプリケーションでありアップグレードには費用がかかるため、様々なバージョンのインストール手順を示します。
Mathematica 6
ISO のマウント
/media/iso
を作成して以下の行を fstab に追加することで Mathematica の ISO をマウントします:
/location/of/mathematica.iso /media/iso iso9660 exec,ro,user,noauto,loop=/dev/loop0 0 0
次のコマンドでマウントできます:
# mount /media/iso
インストーラの実行
以下のディレクトリに移動して:
/Unix/Installer
次のコマンドで MathInstaller を実行することでインストーラを起動できます:
sh ./MathInstaller
フォント
Type1 と BDF フォントが入ったディレクトリを FontPath に追加してください。
Mathematica 7
Mathematica 7 は簡単にインストールできます:
tar xf Mathematica-7.0.1.tar.gz cd Unix/Installer ./MathInstaller
指示に従って下さい。
KDE を使っている場合、Mathematica アイコンが Lost & Found カテゴリに表示されることがあります。その場合、以下のコマンドを root で実行:
# ln -s /etc/xdg/menus/applications-merged /etc/xdg/menus/kde-applications-merged
Mathematica 8
64ビットマシンでは、既知の問題が2つありますが、解決方法が存在します。2番目の問題は64ビット版で発現しますが、32ビット環境では確認されていません。
1番目の問題は Mathematica の中で nVidia, CUDA, OpenCL ライブラリを使うときに起こります。
64ビットの Arch Linux では nVidia と opencl のドライバーパッケージはライブラリを (nVidia のバイナリインストーラが使う /usr/lib64
ではなく) /usr/lib
にインストールします。これ自体は問題ではありません: 64ビットの Arch 環境では64ビットのライブラリを置く場所は /usr/lib
となっています。しかしながら、Mathematica の64ビット版はドライバーが /usr/lib64
にインストールされていると決めてかかります。Mathematica がテストされた他のディストリビューションはドライバーをその場所に保存しています。一番簡単な解決方法は /usr/lib64
から /usr/lib
にシンボリックリンクを作成することです。それで Mathematica は nVidia, CUDA, OpenCL ライブラリを見つけられるようになります。
もしくは、以下の環境変数を設定する方法もあります:
export NVIDIA_DRIVER_LIBRARY_PATH=/usr/lib/libnvidia-tls.so export CUDA_LIBRARY_PATH=/usr/lib/libcuda.so
ただしこの方法では Mathematica は /usr/local
の OpenCL ライブラリを見つけることができません。/usr/lib64
から変更できません。
64ビットの Arch Linux における Mathematica 8 の2番目の問題 (32ビット環境にも影響を与えるかもしれませんが、テストしていません) は WolframAlpha[] 関数を実行したときに再現可能なクラッシュが発生することです。デフォルトでは、Mathematica はデータを取得するためにネットワークに接続する方法を設定する際、システムのプロキシ設定を使うように設定されています。しかしながら"バグ"が存在するためにライブラリが使われたときに Mathematica がクラッシュしてしまいます。対処法は、Mathematica を直接インターネットに接続するように設定して、このライブラリを呼び出すのを避けることです (Edit > Preferences > Internet Connectivity > Proxy Settings)。このバグは Wolfram に既に報告済みです。
Mathematica 10
AUR から (昔の) mathematicaAUR をインストールしてください。Mathematica_10.XX.YY_LINUX.sh
インストールスクリプトが必要になります。Wolfram.com や大学のウェブサイトなどからダウンロードしてください。また、アクティベーションキーも必要です。
Mathematica 11
mathematicaAUR をインストールしてください。Wolfram Research から Mathematica_11.XX.YY_LINUX.sh
とアクティベーションキーを入手してください。インストールが成功しても重大でないエラーが発生することがあります: xdg-icon-resource, mkdir, xdg-desktop-menu。
Mathematica 11 は (XDG ユーザーディレクトリに従って Mathematica によって設定される) $UserDocumentsDirectory にドキュメントフォルダ 'Wolfram Mathematica' を自動的に作成します。
トラブルシューティング
記号が表示されない
特定の記号が表示されない ("/" が四角になる) というフォントの問題が設定する場合、font-mathematica[リンク切れ: パッケージが存在しません] をアンインストールしてみてください。
また、こちらの解決方法 を試してみて下さい。
アプリケーションのアンチエイリアスを試してみて下さい。KDE の場合: System Settings > Application Appearance > Fonts > Use anti-aliasing (Enabled)。
HiDPI / Retina ディスプレイ
Apple Retina ディスプレイなどの HiDPI ディスプレイを使っている場合、Mathematica のメインテキストが小さく表示されることがあります。以下のように設定することで大きくできます:
- Edit → Preferences を選択
- Advanced タブから Open Option Inspector をクリック
- 右のツリーから Formatting Options → Font Options → Font Properties を選択
- "ScreenResolution" の値を2倍に変更。例: 72 → 144。
xdpyinfo | grep resolution
を使って正確な値を取得することもできます (取得した値を2倍にしてください)。