「ネットワーク設定/ワイヤレス」の版間の差分

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(→‎iw: 同期)
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|}
 
|}
   
== ワイヤレス管理 ==
+
== iw ==
 
ドライバがインストールされ正しく動作しているとして、次にワイヤレス接続を管理するための方法を選ぶ必要があります。次のサブセクションが方法を決めるのに役立つでしょう。
 
 
複数の理由によって手順とツールが必要になるでしょう:
 
 
* 望む設定管理の種類; 完全に手動なコマンドラインによる設定方法から、グラフィカルフロントエンドによる自動設定まで。
 
* ワイヤレスネットワークを保護する暗号化方式。
 
* コンピュータが使うネットワークを頻繁に変える場合 (ラップトップなど)、ネットワークプロファイルの必要性。
 
 
マニュアル設定はあなたに多くの仕事を課しますが、設定のよりよいコントロールが得られます。
 
一般に、永続的な効果のないコマンドセットを入力する必要があるでしょう、つまり、再起動後に適用はされないでしょう。
 
起動毎にコマンドを入力するのがやっかいな場合は、コマンドをシェルスクリプトに入れて手順を自動化することができます。スクリプトは起動時に自動で実行されるでしょう。[[Arch ブートプロセス]]を見て下さい。
 
 
{{Tip|
 
* どの方法を選ぶにせよ、'''まずは手動で接続を試行するべきです'''。問題がおこったときに必要なことは何でどのようにデバッグすればいいかを知るのに役に立つでしょう。
 
* 可能であれば (例: あなたが Wi-Fi アクセスポイントを管理している場合)、暗号化なしで接続してみて、全てが動作するか確認してください。それから、WEP (設定がシンプルですが数秒でクラックできます)、WPA、WPA2 などの暗号化を使ってみてください。
 
* マシンを様々な無線ネットワークに接続することが予想される場合、独自の接続管理を提供するツールを使用するほうが楽かもしれません。
 
}}
 
 
以下の表はワイヤレスネットワーク接続を有効化・管理するために使われる方法を、暗号化と管理方式、必要になるツールによってまとめています。他の方法も存在しますが、よく使われるのはこの通りです:
 
 
{| class="wikitable" border="1"
 
! 管理方法 || インターフェイスの有効化 || ワイヤレス接続管理 <br>(/=代替) || IP アドレスの取得 <br>(/=代替)
 
|-
 
| [[#手動セットアップ|手動管理]], <br>暗号化なしか WEP || [[Core Utilities#ip|ip]] || {{Pkg|iw}} / [https://www.archlinux.org/packages/?name=wireless_tools iwconfig] || [[Core Utilities#ip|ip]] / [[dhcpcd]] / {{Pkg|dhclient}} / [[systemd-networkd|networkd]]
 
|-
 
| [[#手動セットアップ|手動管理]], <br>WPA か WPA2 PSK || [[Core Utilities#ip|ip]] || {{Pkg|iw}} / [https://www.archlinux.org/packages/?name=wireless_tools iwconfig] + [[WPA supplicant|wpa_supplicant]] || [[Core Utilities#ip|ip]] / [[dhcpcd]] / {{Pkg|dhclient}} / [[systemd-networkd|networkd]]
 
|-
 
| [[#自動セットアップ|自動管理]], <br>ネットワークプロファイルのサポート || colspan="3" align="center" | [[netctl]], [[Wicd]], [[NetworkManager]] など。これらのツールは手動の方法にあるパッケージのリストから必要な依存パッケージを追加でインストールします。
 
|}
 
 
===手動セットアップ===
 
 
他のネットワークインターフェイスと同じように、無線インターフェイスは {{Pkg|iproute2}} パッケージの ''ip'' で操作します。さらに {{Pkg|iw}} パッケージはワイヤレス接続を管理する基本的なツールのセットを提供します。あなたのカードで ''iw'' が動かない場合は、昔の {{Pkg|wireless_tools}} を使ってみて下さい。[[#iw と wireless_tools の比較表]]を参照。また、WPA/WPA2 暗号化を使うには、{{pkg|wpa_supplicant}} パッケージをインストールする必要があります。これらのパワフルなユーザースペースのツールはすこぶる良く動作し、ワイヤレス接続を完全に手動で操作できます。
 
   
 
{{Note|
 
{{Note|
* 手動で設定するツールや {{Pkg|netctl}} は[[:カテゴリ:Arch の入手とインストール|インストールメディア]]に同梱されています。
 
* このセクションに出てくる例ではあなたのワイヤレスデバイスを ''wlan0''、wifi のアクセスポイントを {{ic|''your_essid''}} と仮定しています。それぞれ適切な文字列に置き換えて下さい。
 
 
* ほとんどのコマンドは [[ユーザーとグループ|root 権限]]で実行する必要があることに注意してください。通常ユーザーで実行すると、コマンドによっては (例: ''iwlist'') エラーを出さずに終了して正しい出力をしないため、混乱をきたすおそれが有ります。
 
* ほとんどのコマンドは [[ユーザーとグループ|root 権限]]で実行する必要があることに注意してください。通常ユーザーで実行すると、コマンドによっては (例: ''iwlist'') エラーを出さずに終了して正しい出力をしないため、混乱をきたすおそれが有ります。
 
* ハードウェアや暗号化方式によっては、手順のいくつかは必要ありません。カードによってはアクセスポイントに関連付けをして IP アドレスを取得する前に、インターフェースの有効化やアクセスポイントのスキャニングが必要なことがあります。実験が必要かもしれません。例えば、WPA/WPA2 ユーザーは [[#関連付け]] の手順から直接ワイヤレスネットワークを有効化できます。}}
 
* ハードウェアや暗号化方式によっては、手順のいくつかは必要ありません。カードによってはアクセスポイントに関連付けをして IP アドレスを取得する前に、インターフェースの有効化やアクセスポイントのスキャニングが必要なことがあります。実験が必要かもしれません。例えば、WPA/WPA2 ユーザーは [[#関連付け]] の手順から直接ワイヤレスネットワークを有効化できます。}}
   
  +
このセクションに出てくる例ではあなたのワイヤレスデバイスを {{ic|''interface''}}、wifi のアクセスポイントを {{ic|''your_essid''}} と仮定しています。それぞれ適切な文字列に置き換えて下さい。
==== 情報を取得する ====
 
   
  +
=== インターフェイス名の取得 ===
{{Tip|''iw'' ツールの [https://wireless.wiki.kernel.org/en/users/Documentation/iw 公式ドキュメント] により多くのサンプルがあります。}}
 
   
  +
{{Tip|''iw'' ツールの [https://wireless.wiki.kernel.org/en/users/documentation/iw 公式ドキュメント] により多くのサンプルがあります。}}
* まず無線インターフェイスの名前を調べる必要があります。次のコマンドを使って確認できます:
 
   
  +
ワイヤレスインターフェイスの名前を取得するには:
{{hc|$ iw dev|
 
phy#0
 
Interface '''wlan0'''
 
ifindex 3
 
wdev 0x1
 
addr 12:34:56:78:9a:bc
 
type managed
 
channel 1 (2412 MHz), width: 40 MHz, center1: 2422 MHz
 
}}
 
   
  +
$ iw dev
* リンクの状態を確認するには、次のコマンドを使って下さい。アクセスポイント (AP) に接続されていないと以下のように表示されます:
 
   
  +
インターフェイス名は "Interface" という単語のあとに出力されます。例えば、インターフェイス名は {{ic|wlan0}} が一般的です。
{{hc|$ iw dev wlan0 link|
 
Not connected.
 
}}
 
   
  +
=== インターフェイスの状態の取得 ===
AP に接続されている場合は、以下のように表示されるはずです:
 
   
  +
リンクの状態を確認するには、次のコマンドを使ってください。
{{hc|$ iw dev wlan0 link|
 
Connected to 12:34:56:78:9a:bc (on wlan0)
 
SSID: MyESSID
 
freq: 2412
 
RX: 33016518 bytes (152703 packets)
 
TX: 2024638 bytes (11477 packets)
 
signal: -53 dBm
 
tx bitrate: 150.0 MBit/s MCS 7 40MHz short GI
 
   
  +
$ iw dev ''interface'' link
bss flags: short-preamble short-slot-time
 
dtim period: 1
 
beacon int: 100
 
}}
 
   
* 次のコマンドで tx/rx バイトの総量やシグナルの強さとった統計値を取得することができます:
+
次のコマンドで tx/rx バイトの総量やシグナルの強さとった統計値を取得することができます:
   
{{hc|$ iw dev wlan0 station dump|
+
$ iw dev ''interface'' station dump
Station 12:34:56:78:9a:bc (on wlan0)
 
inactive time: 1450 ms
 
rx bytes: 24668671
 
rx packets: 114373
 
tx bytes: 1606991
 
tx packets: 8557
 
tx retries: 623
 
tx failed: 1425
 
signal: -52 dBm
 
signal avg: -53 dBm
 
tx bitrate: 150.0 MBit/s MCS 7 40MHz short GI
 
authorized: yes
 
authenticated: yes
 
preamble: long
 
WMM/WME: yes
 
MFP: no
 
TDLS peer: no
 
}}
 
   
====インターフェスの有効化====
+
=== インターフェスの有効化 ===
   
''(通常は不要)''
+
{{Tip| 通常、この手順は不要です。}}
   
カードによっては {{ic|iw}}{{ic|wireless_tools}} を使う前にカーネルインターフェースを初期化する必要があります:
+
カードによっては ''iw''''wireless_tools'' を使う前にカーネルインターフェースをアクティブ化する必要があります:
   
# ip link set wlan0 up
+
# ip link set ''interface'' up
   
{{Note|{{ic|RTNETLINK answers: Operation not possible due to RF-kill}} のようなエラーが表示される場合、ハードウェアのスイッチが''オン''になっているか確認してください。また、あなたの無線ネットワークカードがソフトブロックされている可能性もあります。詳しくは [[#Rfkill によるブロック]] を見てさい。}}
+
{{Note|{{ic|RTNETLINK answers: Operation not possible due to RF-kill}}のようなエラーが表示される場合、ハードウェアのスイッチが''オン''になっているか確認してください。詳は [[#Rfkill の注意点]] を見てください。}}
   
 
インターフェイスが立ち上がっているか確認するには、次のコマンドの出力を見て下さい:
 
インターフェイスが立ち上がっているか確認するには、次のコマンドの出力を見て下さい:
   
{{hc|# ip link show wlan0|
+
{{hc|$ ip link show ''interface''|
 
3: wlan0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc mq state DOWN mode DORMANT group default qlen 1000
 
3: wlan0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc mq state DOWN mode DORMANT group default qlen 1000
 
link/ether 12:34:56:78:9a:bc brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
 
link/ether 12:34:56:78:9a:bc brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
272行目: 198行目:
 
{{ic|<BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP>}} にある {{ic|UP}} がインターフェイスが立ち上がっていることを示しています。後ろにある {{ic|state DOWN}} は関係ありません。
 
{{ic|<BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP>}} にある {{ic|UP}} がインターフェイスが立ち上がっていることを示しています。後ろにある {{ic|state DOWN}} は関係ありません。
   
====アクセスポイント検索====
+
=== アクセスポイント検索 ===
   
 
利用できるアクセスポイントを見るには:
 
利用できるアクセスポイントを見るには:
   
# iw dev wlan0 scan | less
+
# iw dev ''interface'' scan | less
   
{{Note|{{ic|Interface doesn't support scanning}} と表示される場合、おそらくファームウェアのインストールを忘れているはずです。''iw'' が root 権限で実行されていない時にもこのメッセージが表示されることがあります。}}
+
{{Note|{{ic|Interface does not support scanning}} と表示される場合、おそらくファームウェアのインストールを忘れているはずです。''iw'' が root 権限で実行されていない時にもこのメッセージが表示されることがあります。}}
   
 
{{Tip|住んでいる地域によっては、利用できるネットワークを全て表示するために[[#規制範囲|規制範囲]]を正しく設定する必要があります。}}
 
{{Tip|住んでいる地域によっては、利用できるネットワークを全て表示するために[[#規制範囲|規制範囲]]を正しく設定する必要があります。}}
284行目: 210行目:
 
チェックするべきポイント:
 
チェックするべきポイント:
   
* SSID: ネットワークの名前。
+
* '''SSID:''' ネットワークの名前。
* Signal: dBm 単位ワイヤレス出力 (例: -100 から 0)。負のが0に近づくほど、信号が良いことをています。
+
* '''Signal:''' は dBm 単位ワイヤレスの信号強度を報告します(例: -100 から 0)。負の 0 に近づくほど、信号の品質が良いことをます。良質なリンクや低品質なリンクで報告された強度を観察することで、それぞれの範囲を知ることができます。
* Security: 直接は報告されません、{{ic|capability}} から始まる行を見て下さい。{{ic|capability: ESS Privacy ShortSlotTime (0x0411)}} のように {{ic|Privacy}} が含まれている場合、そのネットワークは保護されています。
+
* '''Security:''' 直接は報告されません、{{ic|capability}} から始まる行を見て下さい。{{ic|capability: ESS Privacy ShortSlotTime (0x0411)}} のように {{ic|Privacy}} が含まれている場合、そのネットワークは保護されています。
** {{ic|RSN}} 情報ブロックがある場合、そのネットワークは [[Wikipedia:Robust Security Network|Robust Security Network]] プロトコル、別名 WPA2 によって保護されています。
+
** {{ic|RSN}} 情報ブロックがある場合、そのネットワークは [[Wikipedia:IEEE 802.11i-2004|Robust Security Network]] プロトコル、別名 WPA2 によって保護されています。
** {{ic|WPA}} 情報ブロックがある場合、そのネットワークは [[Wikipedia:Wi-Fi Protected Access|Wi-Fi Protected Access]] プロトコルによって保護されています。
+
** {{ic|WPA}} 情報ブロックがある場合、そのネットワークは [[Wikipedia:Wi-Fi Protected Access|Wi-Fi Protected Access]] プロトコルによって保護されています。
 
** {{ic|RSN}} や {{ic|WPA}} ブロックには以下の情報が含まれていることがあります:
 
** {{ic|RSN}} や {{ic|WPA}} ブロックには以下の情報が含まれていることがあります:
*** Group cipher: 値は TKIP, CCMP, その両方, もしくはその他。
+
*** '''Group cipher:''' 値は TKIP, CCMP, その両方, もしくはその他。
*** Pairwise ciphers: 値は TKIP, CCMP その両方, もしくはその他。Group cipher と同じ値である必要はありません。
+
*** '''Pairwise ciphers:''' 値は TKIP, CCMP その両方, もしくはその他。Group cipher と同じ値である必要はありません。
*** Authentication Suites: 値は PSK, 802.1x, もしくはその他。家庭用ルーターでは、一般的に PSK になるでしょう (''つまり''パスフレーズ)。大学などでは、ログインとパスワードが必要な 802.1x スイートになると思われます。利用するためにはどのキーマネージメント (例: EAP) とカプセル化 (例: PEAP) が使われているか知る必要があります。詳しくは [[Wikipedia:Authentication protocol]] と関連記事を見て下さい。
+
*** '''Authentication Suites:''' 値は PSK, 802.1x, もしくはその他。家庭用ルーターでは、一般的に PSK になるでしょう (''つまり''パスフレーズ)。大学などでは、ログインとパスワードが必要な 802.1x スイートになると思われます。利用するためにはどのキーマネージメント (例: EAP) とカプセル化 (例: PEAP) が使われているか知る必要があります。詳しくは [[Wikipedia:Authentication protocol]] と関連記事を見て下さい。
 
** {{ic|Privacy}} があるのに {{ic|RSN}} や {{ic|WPA}} ブロックがない場合、WEP が使われています。
 
** {{ic|Privacy}} があるのに {{ic|RSN}} や {{ic|WPA}} ブロックがない場合、WEP が使われています。
   
====動作モード====
+
=== 動作モードの設定 ===
 
''(任意、または必須)''
 
   
 
ワイヤレスカードの正しい動作モードを設定する必要があるかもしれません。具体的に言うと、[[アドホックネットワーク|アドホック]]ネットワークに接続したい場合、動作モードを {{ic|ibss}} に設定する必要があります:
 
ワイヤレスカードの正しい動作モードを設定する必要があるかもしれません。具体的に言うと、[[アドホックネットワーク|アドホック]]ネットワークに接続したい場合、動作モードを {{ic|ibss}} に設定する必要があります:
   
# iw dev wlan0 set type ibss
+
# iw dev ''interface'' set type ibss
   
{{Note|カードによっては、動作モードを変更するためにワイヤレスインターフェースを ''down'' させておく必要があるかもしれません ({{ic|ip link set wlan0 down}})。}}
+
{{Note|カードによっては、動作モードを変更するためにワイヤレスインターフェースを ''down'' させておく必要があるかもしれません ({{ic|ip link set ''interface'' down}})。}}
   
  +
=== アクセスポイントへの接続 ===
====関連付け====
 
   
暗号化方式によって、用するアクセスポイントと暗号化キーをワイヤレスデバイスに関連付ける必要があります
+
暗号化方式によって使用するワイヤレスデバイスをアクセスポイントと関連付けて、暗号化キーを渡す必要があります:
 
* '''暗号化なし'''
 
 
# iw dev wlan0 connect ''your_essid''
 
   
  +
* '''暗号化なし''' {{bc|# iw dev ''interface'' connect "''your_essid''"}}
 
* '''WEP'''
 
* '''WEP'''
  +
** 16進数、または ASCII キーを使用する(WEP のキーは固定長なので、キーの形式は自動的に判別されます): {{bc|# iw dev ''interface'' connect "''your_essid''" key 0:''your_key''}}
  +
** 16進数、または ASCII キーを使用し、3番目に設定したキーをデフォルトとして指定する(キーは 0 からカウントされます。4 つまで可能です): {{bc|# iw dev ''interface'' connect "''your_essid''" key d:2:''your_key''}}
  +
* '''その他'''
  +
** ''iw'' は WEP のみを扱えます。他の暗号化スキームを使用して接続する場合、下記の [[#認証]] を見てください。
   
  +
どの方法を使用しても、正しく関連付けできたかどうかは以下で確認できます:
十六進数キーか ASCII キーを使う (WEP キーは長さが固定されているため、どちらの形式かは自動で識別されます):
 
 
# iw dev wlan0 connect ''your_essid'' key 0:''your_key''
 
 
十六進数キーか ASCII キーを使う、3番目に設定したキーをデフォルトとして指定する (キーは0からカウントされます):
 
 
# iw dev wlan0 connect ''your_essid'' key d:2:''your_key''
 
 
* '''WPA/WPA2'''
 
 
[[WPA supplicant]] で説明されているように [[#アクセスポイント検索]] で得られた結果にあわせて {{ic|/etc/wpa_supplicant.conf}} ファイルを編集する必要があります。それができたら、次のコマンドを実行してください:
 
 
# wpa_supplicant -D nl80211,wext -i wlan0 -c /etc/wpa_supplicant.conf
 
 
ここではあなたのデバイスが {{ic|wext}} ドライバを使うと仮定しています。これで動かない場合、オプションを修正しなくてはならないかもしれません。
 
接続に成功したなら、新しいターミナルで次に進んでください (もしくは {{ic|Ctrl+c}} で {{ic|wpa_supplicant}} を終了し上記のコマンドに {{ic|-B}} スイッチを付けてバックグラウンドで実行してください)。[[WPA supplicant]] にはより詳しい情報とトラブルシューティングが載っています。
 
 
使う方法によらず、関連付けが成功しているかどうかは次を実行することで確かめられます:
 
 
# iw dev wlan0 link
 
 
====IP アドレスを取得====
 
 
{{Note|詳しくは[[ネットワーク設定#IP アドレスの設定]]を見て下さい。この部分は全く同じです。}}
 
 
最後に、ネットワークインターフェースに IP アドレスを与えます。例えば DHCP を使って:
 
 
# dhcpcd wlan0
 
 
または
 
 
# dhclient wlan0
 
 
固定 IP アドレスの場合:
 
 
# ip addr add 192.168.0.2/24 dev wlan0
 
# ip route add default via 192.168.0.1
 
 
{{Tip|[[dhcpcd]] には自動的に無線インターフェイスで [[WPA supplicant]] を起動するフックが含まれています (デフォルトで有効になっています)。}}
 
 
==== カスタムスタートアップスクリプト・サービス ====
 
 
手動設定はワイヤレスに関する問題のトラブルシューティングに役立ちますが、再起動する毎にコマンドを再入力する必要があります。全体のプロセスを自動で行うシェルスクリプトを書けば、設定の全てのコントロールを維持しながらネットワーク管理をとても便利にすることができます。
 
 
=====systemd と dhcpcd を使って起動時に手動でワイヤレス接続=====
 
 
この例ではスタートアップに [[systemd]] を、接続に [[WPA supplicant]] を、IP アドレスの取得に [[dhcpcd]] を使っています。
 
 
{{Note|あらかじめ {{Pkg|wpa_supplicant}} をインストールして {{ic|/etc/wpa_supplicant.conf}} を作成してください。詳しくは [[WPA supplicant]] を見て下さい。}}
 
 
systemd のユニットを作成してください、例: {{ic|/etc/systemd/system/network-wireless@.service}}:
 
 
{{hc|/etc/systemd/system/network-wireless@.service|<nowiki>
 
[Unit]
 
Description=Wireless network connectivity (%i)
 
Wants=network.target
 
Before=network.target
 
BindsTo=sys-subsystem-net-devices-%i.device
 
After=sys-subsystem-net-devices-%i.device
 
 
[Service]
 
Type=oneshot
 
RemainAfterExit=yes
 
 
ExecStart=/usr/bin/ip link set dev %i up
 
ExecStart=/usr/bin/wpa_supplicant -B -i %i -c /etc/wpa_supplicant.conf
 
ExecStart=/usr/bin/dhcpcd %i
 
 
ExecStop=/usr/bin/ip link set dev %i down
 
 
[Install]
 
WantedBy=multi-user.target
 
</nowiki>}}
 
 
ユニットを有効にして起動してください (インターフェイスの名前を指定します):
 
 
# systemctl enable network-wireless@wlan0.service
 
# systemctl start network-wireless@wlan0.service
 
 
=====Systemd と wpa_supplicant と固定 IP=====
 
 
{{Note|あらかじめ {{Pkg|wpa_supplicant}} をインストールして {{ic|/etc/wpa_supplicant.conf}} を作成してください。詳しくは [[WPA supplicant]] を見て下さい。}}
 
 
まず [[systemd]] サービスの設定ファイルを作成してください ({{ic|<interface>}} は適切なインターフェイス名に置き換えて下さい):
 
 
{{hc|/etc/conf.d/network-wireless@<interface>|<nowiki>
 
address=192.168.0.10
 
netmask=24
 
broadcast=192.168.0.255
 
gateway=192.168.0.1
 
</nowiki>}}
 
 
systemd のユニットファイルを作成してください:
 
 
{{hc|/etc/systemd/system/network-wireless@.service|<nowiki>
 
[Unit]
 
Description=Wireless network connectivity (%i)
 
Wants=network.target
 
Before=network.target
 
BindsTo=sys-subsystem-net-devices-%i.device
 
After=sys-subsystem-net-devices-%i.device
 
 
[Service]
 
Type=oneshot
 
RemainAfterExit=yes
 
EnvironmentFile=/etc/conf.d/network-wireless@%i
 
 
ExecStart=/usr/bin/ip link set dev %i up
 
ExecStart=/usr/bin/wpa_supplicant -B -i %i -c /etc/wpa_supplicant.conf
 
ExecStart=/usr/bin/ip addr add $address/$netmask broadcast $broadcast dev %i
 
ExecStart=/usr/bin/ip route add default via $gateway
 
 
ExecStop=/usr/bin/ip addr flush dev %i
 
ExecStop=/usr/bin/ip link set dev %i down
 
 
[Install]
 
WantedBy=multi-user.target
 
</nowiki>}}
 
 
ユニットを有効にして起動してください (インターフェイスの名前を指定します):
 
 
# systemctl enable network-wireless@wlan0.service
 
# systemctl start network-wireless@wlan0.service
 
 
===自動セットアップ===
 
様々な方法を選ぶことができますが、相互に相容れないことを忘れないで下さい; 2つのデーモンを同時に実行してはいけません。下の表は接続マネージャを比較しています。それぞれの詳細は下のサブセクションにあります。
 
 
{| class="wikitable" border="1"
 
! 接続マネージャ || ネットワーク <br>プロファイル <br>サポート || ローミング <br>(切断したり場所を変更した時の <br>自動接続) || [[Wikipedia:ja:Point-to-Point Protocol|PPP]] サポート <br>(例: 3G モデム) || [[Archiso]] [https://git.archlinux.org/archiso.git/tree/configs/releng/packages.both] || 公式 <br>GUI || コンソールツール || Systemd ユニット
 
|-
 
| [[ConnMan]] || {{Yes}} || {{Yes}} || {{Yes}} || {{No}} || {{No}} || {{ic|connmanctl}} || {{ic|connman.service}}
 
|-
 
| [[netctl]] || {{Yes}} || {{Yes}} || {{Yes}} || {{Yes}} ({{Pkg|base}}) || {{No}} || {{ic|netctl}},{{ic|wifi-menu}} || {{ic|netctl-auto@''interface''.service}}
 
|-
 
| [[NetworkManager]] || {{Yes}} || {{Yes}} || {{Yes}} || {{No}} || {{Yes}} || {{ic|nmcli}},{{ic|nmtui}} || {{ic|NetworkManager.service}}
 
|-
 
| [[Wicd]] || {{Yes}} || {{Yes}} || {{No}} || {{No}} || {{Yes}} || {{ic|wicd-curses}} || {{ic|wicd.service}}
 
|-
 
| [[Wifi Radar]] || {{Yes}} || {{Yes}} || {{No}} || {{No}} || {{Yes}} || {{ic|wifi-radar}} ||
 
|}
 
 
====Netctl====
 
 
''netctl'' は ''netcfg'' の後継で systemd で動作するように設計されています。設定にプロファイルを使い、幅広いタイプのネットワークを検知・接続することができます。グラフィカルツールを使うのと難易度は大して変わりません。
 
 
参照: [[Netctl]]
 
 
====Wicd====
 
 
Wicd は無線・有線両方の接続を管理することができるネットワークマネージャです。Python と Gtk で書かれており NetworkManager よりも依存ライブラリがすくなく、軽量なデスクトップを使うユーザーにとって理想的な選択肢になるかもしれません。
 
 
参照: [[Wicd]]
 
 
{{Note|ドライバーによっては [[NetworkManager]] で問題なく動くものが、[[wicd]] では何度も切断することがあります。}}
 
 
====NetworkManager====
 
 
NetworkManager は高度なネットワーク管理ツールであり、人気のある GNU/Linux ディストーションのほとんどでデフォルトで有効にされています。有線接続の管理に加えて、NetworkManager は、GUI プログラムで利用したいネットワークを選択する、使いやすくて、心配のないワイヤレスローミングを提供します。
 
 
参照: [[NetworkManager]]
 
 
====WiFi Radar====
 
 
WiFi Radar はワイヤレスプロファイルを管理する Python/PyGTK2 ユーティリティです(ワイヤレス''だけ''をサポートしています)。利用できるネットワークのスキャンとネットワークのプロファイルの作成ができます。
 
 
参照: [[Wifi Radar]]
 
 
=== WPA2 Enterprise ===
 
   
  +
# iw dev ''interface'' link
[[WPA2 Enterprise]] のページを見てください。
 
   
 
== 認証 ==
 
== 認証 ==

2022年6月2日 (木) 18:02時点における版

この記事あるいはセクションは翻訳の途中です。
ノート: 翻訳が古くなっています (議論: トーク:ネットワーク設定/ワイヤレス#)

関連記事

ワイヤレスネットワークの設定は2段階で行います; まずワイヤレスデバイスを使うために正しいドライバがインストールされているか確認し(インストールメディア上では利用できても、明示的にインストールする必要があります)、インターフェースを設定します。次に、ワイヤレス接続を管理する方法を選びます。この記事では両方をカバーしています。また、ワイヤレス管理ツールへの追加リンクもあります。

目次

デバイスドライバ

デフォルトの Arch Linux カーネルはモジュール式です、つまりマシンに必要なドライバの多くはハードドライブに置かれ、モジュールとして利用されます。起動時に、udev がハードウェアの棚卸を実施します。Udev はハードウェアに必要である適切なモジュール(ドライバ)をロードし、次に、ドライバをロードしてカーネルインターフェースを作成します。

ワイヤレスチップセットによっては、適切なドライバーに加えて、ファームウェアも必要になります。ほとんどのファームウェアイメージはデフォルトでインストールされる linux-firmware パッケージに含まれていますが、プロプライエタリなファームウェアイメージは含まれていないため別にインストールする必要があります。#ドライバー・ファームウェアのインストールで説明されています。

ノート:
  • Udev は完全ではありません。起動時に udev が正しいモジュールをロードしない場合、手動でモジュールをロードしてください。また、場合によっては udev が1つのデバイスに複数のドライバをロードし、それが衝突を生んで設定が完了できなくなることがあります。不要なモジュールをブラックリスト化するようにしてください。
  • インターフェースの名前はドライバやチップセットによって変わります。例: wlan0, eth1, ath0ネットワーク設定#デバイス名を参照してください。
ヒント: 絶対に必要というわけではありませんが、最初に #手動セットアップ で説明されているユーザースペースツールをインストールすると良いでしょう (特に、なんらかの問題が発生する場合)。

ドライバーの状態を確認する

あなたのカードに合ったドライバーがロードされているか確認するには、カードを PCI(e) を接続している場合は lspci -k、USB で接続している場合は lsusb -v コマンドの出力をチェックしてください。カーネルドライバーが使われているなら、例えば以下のように表示されるはずです:

$ lspci -k
06:00.0 Network controller: Intel Corporation WiFi Link 5100
	Subsystem: Intel Corporation WiFi Link 5100 AGN
	Kernel driver in use: iwlwifi
	Kernel modules: iwlwifi
ノート: カードが USB デバイスの場合、dmesg | grep usbcore を実行すると usbcore: registered new interface driver rtl8187 のように表示されるはずです。

また、ip link コマンドの出力をチェックして無線インターフェイス (例: wlan0, wlp2s1, ath0) が作成されているか確認してください。そして、ip link set <interface> up を実行してインターフェイスを立ち上げて下さい。例えば、インターフェイスが wlan0 の場合:

# ip link set wlan0 up

次のエラーメッセージが表示される場合: SIOCSIFFLAGS: No such file or directory、おそらくチップセットを機能させるためにファームウェアが必要です。

ファームウェアがロードされているかカーネルメッセージを確認してください:

$ dmesg | grep firmware
[   7.148259] iwlwifi 0000:02:00.0: loaded firmware version 39.30.4.1 build 35138 op_mode iwldvm

出力がない場合は、先に確かめたモジュール (この例では iwlwifi) の完全な出力のメッセージをチェックして関連するメッセージや問題を確認してください:

$ dmesg | grep iwlwifi
[   12.342694] iwlwifi 0000:02:00.0: irq 44 for MSI/MSI-X
[   12.353466] iwlwifi 0000:02:00.0: loaded firmware version 39.31.5.1 build 35138 op_mode iwldvm
[   12.430317] iwlwifi 0000:02:00.0: CONFIG_IWLWIFI_DEBUG disabled
...
[   12.430341] iwlwifi 0000:02:00.0: Detected Intel(R) Corporation WiFi Link 5100 AGN, REV=0x6B

カーネルモジュールが正しくロードされ、インターフェイスが立ち上がっている場合は、次のセクションを飛ばしてかまいません。

ドライバー・ファームウェアをインストールする

あなたのカードがサポートされているかどうか調べるために以下のリストを確認してください:

あなたのワイヤレスカードが上記のリストにあった場合、このページの #ドライバとファームウェアのトラブルシューティング サブセクションを見て下さい、特定のワイヤレスカードのドライバーやファームウェアのインストール情報が載っています。インストールした後、またドライバーの状態を確認してください。

ワイヤレスハードウェアが上記のリストになかった場合、おそらくサポートしているのが Windows のみだと思われます (Broadcom, 3com, etc)。そういったカードについては、ndiswrapper を使う必要があります。詳しくは #ndiswrapper を見て下さい。

Utilities

Just like other network interfaces, the wireless ones are controlled with ip from the iproute2 package.

Managing a wireless connection requires a basic set of tools. Either use a network manager or use one of the following directly:

Software Package WEXT nl80211 WEP WPA/WPA2 Archiso [1]
wireless_tools1 wireless_tools Yes No Yes No Yes
iw iw No Yes Yes No Yes
wpa_supplicant wpa_supplicant Yes Yes No Yes Yes
iwd iwd No Yes No Yes Yes
  1. Deprecated.

Note that some cards only support WEXT.

iw and wireless_tools comparison

The table below gives an overview of comparable commands for iw and wireless_tools. See iw replaces iwconfig for more examples.

iw command wireless_tools command Description
iw dev wlan0 link iwconfig wlan0 Getting link status.
iw dev wlan0 scan iwlist wlan0 scan Scanning for available access points.
iw dev wlan0 set type ibss iwconfig wlan0 mode ad-hoc Setting the operation mode to ad-hoc.
iw dev wlan0 connect your_essid iwconfig wlan0 essid your_essid Connecting to open network.
iw dev wlan0 connect your_essid 2432 iwconfig wlan0 essid your_essid freq 2432M Connecting to open network specifying channel.
iw dev wlan0 connect your_essid key 0:your_key iwconfig wlan0 essid your_essid key your_key Connecting to WEP encrypted network using hexadecimal key.
iwconfig wlan0 essid your_essid key s:your_key Connecting to WEP encrypted network using ASCII key.
iw dev wlan0 set power_save on iwconfig wlan0 power on Enabling power save.

iw

ノート:
  • ほとんどのコマンドは root 権限で実行する必要があることに注意してください。通常ユーザーで実行すると、コマンドによっては (例: iwlist) エラーを出さずに終了して正しい出力をしないため、混乱をきたすおそれが有ります。
  • ハードウェアや暗号化方式によっては、手順のいくつかは必要ありません。カードによってはアクセスポイントに関連付けをして IP アドレスを取得する前に、インターフェースの有効化やアクセスポイントのスキャニングが必要なことがあります。実験が必要かもしれません。例えば、WPA/WPA2 ユーザーは #関連付け の手順から直接ワイヤレスネットワークを有効化できます。

このセクションに出てくる例ではあなたのワイヤレスデバイスを interface、wifi のアクセスポイントを your_essid と仮定しています。それぞれ適切な文字列に置き換えて下さい。

インターフェイス名の取得

ヒント: iw ツールの 公式ドキュメント により多くのサンプルがあります。

ワイヤレスインターフェイスの名前を取得するには:

$ iw dev

インターフェイス名は "Interface" という単語のあとに出力されます。例えば、インターフェイス名は wlan0 が一般的です。

インターフェイスの状態の取得

リンクの状態を確認するには、次のコマンドを使ってください。

$ iw dev interface link

次のコマンドで tx/rx バイトの総量やシグナルの強さといった統計値をを取得することができます:

$ iw dev interface station dump

インターフェイスの有効化

ヒント: 通常、この手順は不要です。

カードによっては iwwireless_tools を使う前にカーネルインターフェースをアクティブ化する必要があります:

# ip link set interface up
ノート: RTNETLINK answers: Operation not possible due to RF-killのようなエラーが表示される場合、ハードウェアのスイッチがオンになっているか確認してください。詳細は #Rfkill の注意点 を見てください。

インターフェイスが立ち上がっているか確認するには、次のコマンドの出力を見て下さい:

$ ip link show interface
3: wlan0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc mq state DOWN mode DORMANT group default qlen 1000
    link/ether 12:34:56:78:9a:bc brd ff:ff:ff:ff:ff:ff

<BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> にある UP がインターフェイスが立ち上がっていることを示しています。後ろにある state DOWN は関係ありません。

アクセスポイント検索

利用できるアクセスポイントを見るには:

# iw dev interface scan | less
ノート: Interface does not support scanning と表示される場合、おそらくファームウェアのインストールを忘れているはずです。iw が root 権限で実行されていない時にもこのメッセージが表示されることがあります。
ヒント: 住んでいる地域によっては、利用できるネットワークを全て表示するために規制範囲を正しく設定する必要があります。

チェックするべきポイント:

  • SSID: ネットワークの名前。
  • Signal: は dBm 単位でワイヤレスの信号強度を報告します(例: -100 から 0)。負の数が 0 に近づくほど、信号の品質が良いことを表します。良質なリンクや低品質なリンクで報告された強度を観察することで、それぞれの範囲を知ることができます。
  • Security: 直接は報告されません、capability から始まる行を見て下さい。capability: ESS Privacy ShortSlotTime (0x0411) のように Privacy が含まれている場合、そのネットワークは保護されています。
    • RSN 情報ブロックがある場合、そのネットワークは Robust Security Network プロトコル、別名 WPA2 によって保護されています。
    • WPA 情報ブロックがある場合、そのネットワークは Wi-Fi Protected Access プロトコルによって保護されています。
    • RSNWPA ブロックには以下の情報が含まれていることがあります:
      • Group cipher: 値は TKIP, CCMP, その両方, もしくはその他。
      • Pairwise ciphers: 値は TKIP, CCMP その両方, もしくはその他。Group cipher と同じ値である必要はありません。
      • Authentication Suites: 値は PSK, 802.1x, もしくはその他。家庭用ルーターでは、一般的に PSK になるでしょう (つまりパスフレーズ)。大学などでは、ログインとパスワードが必要な 802.1x スイートになると思われます。利用するためにはどのキーマネージメント (例: EAP) とカプセル化 (例: PEAP) が使われているか知る必要があります。詳しくは Wikipedia:Authentication protocol と関連記事を見て下さい。
    • Privacy があるのに RSNWPA ブロックがない場合、WEP が使われています。

動作モードの設定

ワイヤレスカードの正しい動作モードを設定する必要があるかもしれません。具体的に言うと、アドホックネットワークに接続したい場合、動作モードを ibss に設定する必要があります:

# iw dev interface set type ibss
ノート: カードによっては、動作モードを変更するためにワイヤレスインターフェースを down させておく必要があるかもしれません (ip link set interface down)。

アクセスポイントへの接続

暗号化方式によっては、使用するワイヤレスデバイスをアクセスポイントと関連付けて、暗号化キーを渡す必要があります:

  • 暗号化なし
    # iw dev interface connect "your_essid"
  • WEP
    • 16進数、または ASCII キーを使用する(WEP のキーは固定長なので、キーの形式は自動的に判別されます):
      # iw dev interface connect "your_essid" key 0:your_key
    • 16進数、または ASCII キーを使用し、3番目に設定したキーをデフォルトとして指定する(キーは 0 からカウントされます。4 つまで可能です):
      # iw dev interface connect "your_essid" key d:2:your_key
  • その他
    • iw は WEP のみを扱えます。他の暗号化スキームを使用して接続する場合、下記の #認証 を見てください。

どの方法を使用しても、正しく関連付けできたかどうかは以下で確認できます:

# iw dev interface link

認証

この記事またはセクションは加筆を必要としています。

WPA2 Personal

WPA2 Personal, a.k.a. WPA2-PSK, is a mode of Wi-Fi Protected Access.

You can authenticate to WPA2 Personal networks using wpa_supplicant or iwd, or connect using a network manager. If you only authenticated to the network, then to have a fully functional connection you will still need to assign the IP address(es) and routes either manually or using a DHCP client.

WPA2 Enterprise

WPA2 Enterprise is a mode of Wi-Fi Protected Access. It provides better security and key management than WPA2 Personal, and supports other enterprise-type functionality, such as VLANs and NAP. However, it requires an external authentication server, called RADIUS server to handle the authentication of users. This is in contrast to Personal mode which does not require anything beyond the wireless router or access points (APs), and uses a single passphrase or password for all users.

The Enterprise mode enables users to log onto the Wi-Fi network with a username and password and/or a digital certificate. Since each user has a dynamic and unique encryption key, it also helps to prevent user-to-user snooping on the wireless network, and improves encryption strength.

This section describes the configuration of network clients to connect to a wireless access point with WPA2 Enterprise mode. See Software access point#RADIUS for information on setting up an access point itself.

ノート: Enterprise mode requires a more complex client configuration, whereas Personal mode only requires entering a passphrase when prompted. Clients likely need to install the server’s CA certificate (plus per-user certificates if using EAP-TLS), and then manually configure the wireless security and 802.1X authentication settings.

For a comparison of protocols see the following table.

警告: It is possible to use WPA2 Enterprise without the client checking the server CA certificate. However, you should always seek to do so, because without authenticating the access point the connection can be subject to a man-in-the-middle attack. This may happen because while the connection handshake itself may be encrypted, the most widely used setups transmit the password itself either in plain text or the easily breakable #MS-CHAPv2. Hence, the client might send the password to a malicious access point which then proxies the connection.

MS-CHAPv2

WPA2-Enterprise wireless networks demanding MSCHAPv2 type-2 authentication with PEAP sometimes require pptpclient in addition to the stock ppp package. netctl seems to work out of the box without ppp-mppe, however. In either case, usage of MSCHAPv2 is discouraged as it is highly vulnerable, although using another method is usually not an option.

eduroam

eduroam is an international roaming service for users in research, higher education and further education, based on WPA2 Enterprise.

ノート:
  • Check connection details first with your institution before applying any profiles listed in this section. Example profiles are not guaranteed to work or match any security requirements.
  • When storing connection profiles unencrypted, it is recommended restrict read access to the root account by specifying chmod 600 profile as root.
ヒント: Configuration for NetworkManager can be generated with the eduroam Configuration Assistant Tool.

Manual/automatic setup

ノート: Special quoting rules apply: see netctl.profile(5) § SPECIAL QUOTING RULES.
ヒント: Custom certificates can be specified by adding the line 'ca_cert="/path/to/special/certificate.cer"' in WPAConfigSection.

WPA3 Personal

WPA3 Personal, a.k.a. WPA3-SAE, is a mode of Wi-Fi Protected Access.

wpa_supplicant supports WPA3 Personal (CONFIG_SAE is enabled in wpa_supplicant since version 2:2.9-4).

iwd supports WPA3 since version 0.7.

ヒントとテクニック

規制範囲

法的に許可されている無線周波数はデバイスが使われる地域によって異なるため、無線ドライバーに地域を設定する必要があります。これは規制範囲 (regulatory domain) と呼ばれます。

例えば、iwl3945 ドライバーはデフォルトでチャネル 1-11 のネットワークだけで動作するように設定されています。世界の一部地域ではこれよりも高い周波数帯は許可されていません (例: アメリカ)。しかしながら EU では、チャネル 12 と 13 も広く一般的に使われています (そして日本ではチャネル 14 も許可されています)。規制範囲を例えばアメリカに設定した場合、高チャネルのネットワークはスキャンしても表示されません。同じように、規制範囲を正しく設定しないと、5 Mhz モードも制限を受けることがあります。

options cfg80211 ieee80211_regdom=EU などのモジュールオプションを追加することで特定の規制範囲を使用して cfg80211 カーネルモジュールを設定することが可能です。設定方法の詳細はカーネルモジュールを見て下さい。

ヒント: あなたのカードで使用できる周波数を確認するには iw list コマンドで出力された Frequencies: ブロックを見て下さい。

他にも crda パッケージをインストールして /etc/conf.d/wireless-regdom を編集するという設定方法もあります (このファイルは実際は crda の依存パッケージである wireless-regdb に含まれています)。

Rfkill の注意点

Many laptops have a hardware button (or switch) to turn off wireless card, however, the card can also be blocked by kernel. This can be handled by rfkill. To show the current status:

# rfkill list
0: phy0: Wireless LAN
	Soft blocked: yes
	Hard blocked: yes

If the card is hard-blocked, use the hardware button (switch) to unblock it. If the card is not hard-blocked but soft-blocked, use the following command:

# rfkill unblock wifi
ノート: It is possible that the card will go from hard-blocked and soft-unblocked state into hard-unblocked and soft-blocked state by pressing the hardware button (i.e. the soft-blocked bit is just switched no matter what). This can be adjusted by tuning some options of the rfkill kernel module.

Hardware buttons to toggle wireless cards are handled by a vendor specific kernel module, frequently these are WMI modules. Particularly for very new hardware models, it happens that the model is not fully supported in the latest stable kernel yet. In this case it often helps to search the kernel bug tracker for information and report the model to the maintainer of the respective vendor kernel module, if it has not happened already.

See also [2].

Power saving

See 電源管理#ネットワークインターフェイス.

トラブルシューティング

一時的にネットワークにアクセス

ハードウェアに問題があるときに、インターネットに接続してソフトウェアをダウンロードしたりフォーラムでヘルプを得たい場合、Android に内蔵されている機能を使って USB ケーブルでインターネット共有をすることができます。詳しくは Android テザリング#USB テザリングを見て下さい。

Rfkill によるブロック

多くのノートパソコンには無線カードをオフにするための物理ボタン(スイッチ)が付いていますが、カーネルからカードをブロックすることも可能です。これは rfkill[リンク切れ: 置換パッケージ: util-linux] によって行うことができます。rfkill を使って現在の状態を表示してみてください:

# rfkill list
0: phy0: Wireless LAN
	Soft blocked: yes
	Hard blocked: yes

カードが hard-blocked になっている場合、物理ボタン(スイッチ)を使ってブロックを解除してください。カードが hard-blocked ではなく soft-blocked されている場合、次のコマンドを使ってください:

# rfkill unblock wifi
ノート: 物理ボタンを押すことでカードの状態を hard-blockedsoft-unblocked から hard-unblockedsoft-blocked に変えることができます (soft-blocked ビットも切り替わります)。これは rfkill カーネルモジュールのオプションを設定することで調整することが可能です。

ワイヤレスカードのオンオフを切り替えるハードウェアボタンはメーカー別のカーネルモジュールによって処理されます。大抵は WMI モジュールです。特に最近のハードウェアでは、安定版のカーネルではまだサポートが完全には実装されていない可能性があります。そのような場合、カーネルのバグトラッカーを検索したりカーネルモジュールのメンテナにモデルを報告してください。

詳細: https://askubuntu.com/questions/62166/siocsifflags-operation-not-possible-due-to-rf-kill

ログの取得

トラブルシューティングで一番初めにするべきなのはシステムのログファイルを解析することです。全部を手でパースしないために、新しいターミナル(コンソール)を開いて、接続を試行している間のカーネルメッセージを次のコマンドで見ると良いでしょう:

$ dmesg -w

ネットワーク管理にツールを使っている場合、systemd でも同じことができます:

# journalctl -f 

この記事にあるそれぞれのツールは詳細なデバッグ出力をするオプションを用意しているので、必要ならば、解析の第二段階としてそれを使うことができます。

省電力機能

省電力設定#ネットワークインターフェイスを見て下さい。

IP アドレスの取得に失敗する

  • デフォルトの dhcpcd クライアントでは IP アドレスの取得に何度も失敗する場合、代わりに dhclient をインストールして使用してみて下さい。あなたの使っている接続マネージャで DHCP クライアントとして dhclient を忘れずに選択してください。
  • 有線インターフェイスでは IP アドレスを取得できるのに、無線インターフェイスでは出来ない場合、ワイヤレスカードの省電力機能を無効にしてみてください:
# iwconfig wlan0 power off
  • waiting for carrier の問題でタイムアウトエラーになる場合、特定のデバイスのチャンネルモードを auto に設定する必要があるかもしれません:
# iwconfig wlan0 channel auto

チャンネルを auto に変える前に、あなたのワイヤレスインターフェースが止まっていることを確認してください。変更が成功したら、インターフェースを立ち上げなおして次の手順に進んで下さい。

IP アドレスは取得できるのにホスト解決ができない

公共の無線ネットワークを使っている場合 Captive Portal が存在することがあります。その場合、resolv.conf からカスタム DNS サーバーを削除する必要があります。

接続がいつもタイムアウトになる

何らかの理由で tx excessive retries や invalid misc などのエラーが大量に発生すると、パケットをロスしたり接続が切れたりすることがあります。以下のヒントが役に立つかもしれません。

レートを下げる

低いレートに設定してみてください (例: 5.5M):

# iwconfig wlan0 rate 5.5M auto

fixed オプションを使うことでドライバーによってレートが変わらないようにすることができ、接続が少しだけ安定します:

# iwconfig wlan0 rate 5.5M fixed

txpower を下げる

出力も同じように下げることができます。出力を下げると電力も節約できます:

# iwconfig wlan0 txpower 5

利用できる設定は 0 から 20 までと auto または off です。

RTS や fragmentation のしきい値を設定する

無線ハードウェアはデフォルトでは RTS と fragmentation を無効化しています。帯域幅を犠牲にスループットを高める方法は2つ存在します。近隣にアクセスポイントが多く存在する環境で、干渉によってタイムアウトが発生したり接続が途切れる場合、設定によって改善する可能性があります。

パケットの断片化は fragmentation の閾値を越えたパケットを分割してスループットを改善します。最大値 (2346) にするとパケットが超過することはなくなるため断片化を無効化にするのと同義です。最低値 (256) にするとスループットは最大になりますが、かなり帯域幅を消費します。設定するには:

# iw phy0 set frag 512

RTS は RTS の閾値を越えるパケットを送信する前にアクセスポイントとハンドシェイクを実行することでスループットを改善します。最大値 (2347) にするとパケットが超過しなくなり RTS を無効化するのと同じになります。最低値 (0) では全てのパケットで RTS が有効になりますが、大抵の場合は無駄になります。

# iw phy0 set rts 500
ノート: phy0$ iw phy で確認できるワイヤレスデバイスの名前に置き換えてください。

ランダムに切断する

原因 #1

dmesg に wlan0: deauthenticating from MAC by local choice (reason=3) と表示され Wi-Fi 接続が失われる場合は、おそらく Wi-Fi カードの省電力機能がアグレッシブすぎるのが原因です [3]。無線カードの省電力機能を無効化してみてください:

# iwconfig wlan0 power off

この設定を永続化する方法は省電力設定を見て下さい (on の代わりに off を指定)。

あなたのカードが iwconfig wlan0 power off をサポートしていない場合は、BIOS の電源管理のオプションを確認してください。Lenovo W520 では BIOS にある PCI-Express の電源管理を無効化すると問題が解決します。

原因 #2

頻繁に切断が発生し、dmesg で以下のようなメッセージが表示される場合:

ieee80211 phy0: wlan0: No probe response from AP xx:xx:xx:xx:xx:xx after 500ms, disconnecting

ルーターの設定でチャンネルの帯域を 20MHz に変更してみてください。

原因 #3

ノートパソコン (例: Thinkpad X200 シリーズ) に rfkill のハードウェアスイッチが付いている場合、スイッチの経年劣化や設計不良により、スイッチ (またはメインボードへの接続) がゆるくなってしまっている可能性があります。結果として、スイッチに触れたり、ノートパソコンをちょっと動かすだけで、ハードウェアによる無線のブロックが発生して、インターネットから切断されているのかもしれません。このような問題に対するソフトウェアによる解決方法は存在しません。電気仕掛けのスイッチなら、BIOS にスイッチを無効化するオプションが存在することがあります。機械式のスイッチの場合 (ほとんどのスイッチはそうです)、スイッチを壊してしまうというのが解決法になります: メインボードや wifi カードとの接触点をハンダ付けする、スイッチを糊で固める、塞ぐ、またはスクリューナットを使ってスイッチを固く締める、取り除いてしまう。

原因 #4

頻繁に切断したり接続が成功しない他の原因として、ルーターが仕様に合わない挙動をする、ルーターの設定が誤っている、他の無線デバイスによる干渉、などが考えられます。

トラブルシューティングするには、まず認証なしでルーターに接続できないか試して下さい。

それで動作する場合、WPA/WPA2 を再度有効にして、ルーターの設定を変更してみてください。例えば:

  • ルーターが(クライアントで使っている)無線デバイスと比べて相当に旧式である場合、ルーターを別のワイヤレスモードに設定して動作するかテストする
  • mixed-mode 認証を無効化 (例: WPA2 と AES、またはルーターが古い場合 TKIP)
  • "auto" チャンネル以外のチャンネルを使ってみる (隣家のルーターが古くて干渉している可能性があります)
  • WPS を無効化
  • 40Mhz 周波数帯を無効化 (スループットは悪くなりますが衝突は起きにくくなります)
  • ルーターにサービス品質に関する設定がある場合、設定が完全であることを確認 (例: Wi-Fi Multimedia (WMM) は任意の QoS フロー制御の一部です。問題のあるルーターファームウェアは設定が有効になっていない場合も有効であるかのように見せかけてくることがあります)

規制範囲が間違っているために Wi-Fi ネットワークが認識されない

コンピュータの Wi-Fi チャンネルがユーザーの居住国の規制範囲に一致していない場合、Wi-Fi ネットワークが認識されないことがあります。#規制範囲を参照して設定を行ってください。

ドライバとファームウェアのトラブルシューティング

このセクションでは、一般的な方法とは異なる、特定のチップセットのカーネルモジュールとファームウェアをインストールする方法を説明します。

モジュールの動作についての一般的な情報はカーネルモジュールを見て下さい。

Ralink/Mediatek

rt2x00

Ralink のチップセット用の統合ドライバー (rt2500, rt61, rt73 などを置き換えます)。このドライバーは Linux カーネル 2.6.24 から含まれており、チップに合わせて適切なモジュールをロードするだけで問題なく使うことができます: rt2400pci, rt2500pci, rt2500usb, rt61pci, rt73usbrt2x00 モジュールもそれぞれ自動でロードします。

このモジュールでサポートされているデバイスの一覧はプロジェクトの ホームページ で見ることができます。

追加情報
  • カーネル 3.0 から、rt2x00 は次のドライバーを含んでいます: rt2800pci, rt2870usb
  • カーネル 3.0 から、staging ドライバー rt2860start2870sta は mainline ドライバー rt2800pcirt2800usb によって置き換えられました[4]
  • デバイスによっては iwpriv を使って様々なオプションを設定することができます。これらのオプションについては Ralink から入手できる source tarballs にまとめられています。

rt3090

rt3090 を使っているデバイスには rt2800pci ドライバを使うことができますが、うまく動作しないことがあります (例えば、時々 2Mb/s 以上の速度が出なくなります)。

rt3290

rt3290 チップセットはカーネルの rt2800pci モジュールによって認識されます。ただし、問題が起こることもあり、そのような場合はパッチがあてられた Ralink ドライバーに戻すと良いようです。

rt3573

2012年時点で新しいチップセットです。Ralink が提供している新しいプロプライエタリドライバが必要かもしれません。様々な製造会社がそれを使っています、Belkin N750 無線 USB アダプタのスレッドを見て下さい。

rt5572

5 Ghz 帯をサポートした2012年時点で新しいチップセットです。Ralink が提供している新しいプロプライエタリドライバをコンパイルする必要があるかもしれません。DLINK DWA-160 rev のためのコンパイル方法が書かれています。B2 here

mt7612u

新しい商号 Mediatek でリリースされている最新のチップセットです。AC1200 または AC1300 チップセットになります。サポートページ で Linux 用のドライバーがメーカーから公開されています。

Realtek

rtl8192cu

このドライバーはカーネルに含まれていますが、多くのユーザーがネットワークのスキャンはできても接続が出来ないと報告しています。

問題が起こる場合は 8192cu-dkmsAUR パッケージで改善するかもしれません。

rtl8192e

このドライバはカーネルパッケージの一部になっています。以下のエラーメッセージを表示してモジュールの初期化が失敗する場合があるかもしれません:

rtl819xE:ERR in CPUcheck_firmware_ready()
rtl819xE:ERR in init_firmware() step 2
rtl819xE:ERR!!! _rtl8192_up(): initialization is failed!
r8169 0000:03:00.0: eth0: link down

回避方法は単純にモジュールをアンロードするだけです:

# modprobe -r r8192e_pci

そして (一定時間後) モジュールをリロードします:

# modprobe r8192e_pci

rtl8188eu

TP-Link TL-WN725N v2 (rtl8179 チップセットを使用) などのドングルには、このドライバーと互換性のあるチップセットを使っているものがあります。ドングルを使うには AUR の 8188eu-dkmsAUR パッケージをインストールしてください。

rtl8723ae/rtl8723be

Linux カーネルのバージョン 3.6 から新しい rtl8723ae モジュールが含まれるようになりました。同 3.15 から rtl8723be モジュールが追加されています。

このカードの省電力機能についてエラーが発生することがあります。症状としては、ときどき上位のネットワークマネージャ (netctl, NetworkManager) で認識されなくなり切断されます。このエラーは dmesg -wjournalctl -f を実行して省電力機能や rtl8723ae/rtl8723be モジュールに関連するメッセージを探すことで確認できます。この問題を解決するには、fwlps=0 カーネルオプションを使って、WiFi カードが自動的にスリープ状態にならないようにしてください:

/etc/modprobe.d/rtl8723ae.conf
options rtl8723ae fwlps=0

または:

/etc/modprobe.d/rtl8723be.conf
options rtl8723be fwlps=0

信号が弱い場合、デバイスにアンテナがひとつしか接続されておらず自動モードが機能していない可能性があります。ant_sel=1ant_sel=2 カーネルオプションでアンテナを強制的に設定することができます [5]

rtl88xxau

Realtek の rtl8811au/rtl8812au/rtl8814au/rtl8821au チップセットは AC600 から AC1900 までの様々な USB アダプタ用に設計されています。

以下のパッケージでカーネルドライバーをインストールできます:

チップセット ドライバーのバージョン AUR パッケージ ノート
rtl8812au 5.2.9.3 rtl8812au-dkms-gitAUR rtl8812au 専用の最新版のドライバー
rtl8811au, rtl8812au, rtl8821au 5.1.5 rtl8821au-dkms-gitAUR rtl8812au については最新版を使うことを推奨します。
rtl8814au 4.3.21 rtl8814au-dkms-gitAUR rtl8813au でも動作する可能性があります。

上記のパッケージを使うには DKMS が必要です。適切なカーネルヘッダーをインストールしてください。

rtl8822bu

rtl8822bu-dkms-gitAUR には Edimax EW7822ULC USB3 や Asus AC53 Nano USB 802.11ac アダプタに搭載されている Realtek 8822bu チップセットを使うためのカーネルモジュールが入っています。

パッケージをインストールするには DKMS が必要です。適当なカーネルヘッダーをインストールしてください。

rtl8xxxu

サードパーティ製のモジュールをコンパイルすることでメインラインカーネルの rtl8xxxu モジュールの問題を解決できる場合があります。ソースコードは GitHub リポジトリ に存在します。

一部のドライバーは AUR の rtl8723bu-gitAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません]rtl8723bu-git-dkmsAUR パッケージなどでインストールできます。

Atheros

MadWifi チーム によって、Atheros チップセットを使っているデバイス用に3つのモジュールがメンテナンスされています:

  • madwifi は古い、旧式のドライバーです。2.6.39.1 から Arch のカーネルには含まれていません[6]
  • ath5k は新しいドライバーで madwifi ドライバーを置き換えます。現在、チップセットによってはベターな選択肢ですが、全てのチップセットがサポートされているわけではありません(下を見て下さい)。
  • ath9k は3つのドライバーの中で最新のドライバーで、新しい Atheros チップセットに対応しています。802.11n 対応のチップは全てサポートしています。

Atheros デバイス向けに他にも複数のドライバーが存在します。詳しくは Linux Wireless ドキュメント を見て下さい。

ath5k

参照:

ウェブページのロードがランダムで極端に遅くなったり、デバイスが IP アドレスを取得できなくなったら、ath5k モジュールに nohwcrypt=1 オプションを付けてロードして暗号化をハードウェアからソフトウェアに切り替えてください。詳しくはカーネルモジュール#設定を見て下さい。

ラップトップによっては無線 LED インディケータが赤と青に点滅する問題が発生することがあります。この問題を解決するには、以下を実行して下さい:

# echo none > /sys/class/leds/ath5k-phy0::tx/trigger
# echo none > /sys/class/leds/ath5k-phy0::rx/trigger

もしくは このバグレポート を見て下さい。

ath9k

参照:

Linux 3.15.1 現在、一部のユーザーが帯域幅が減少することを報告しています。/etc/modprobe.d/ath9k.conf を編集して以下の行を追加することで問題が解決することがあります:

options ath9k nohwcrypt=1
ノート: lsmod コマンドを使って使用しているモジュールの名前を確認して必要に応じて上記のコマンドを置き換えてください (例: ath9k_htc)。

安定性に問題が起こる場合、backports-patchedAUR パッケージを試してみることもできます。サポートと開発のための ath9k メーリングリスト が存在します。

省電力機能

Linux Wireless には AR9280 よりも新しい Atheros 製の ath9k シングルチップでは動的な省電力機能が有効になると書かれていますが、一部のデバイス (例: AR9285) では powertop を使って確認すると省電力機能が無効になっていることがわかります。そのような場合、手動で有効にしてください。

ただし一部のデバイス (例: AR9285) では省電力機能を有効にすると以下のようなエラーが発生します:

# iw dev wlan0 set power_save on
command failed: Operation not supported (-95)

ath9k モジュールの ps_enable=1 オプションを設定することでエラーは解決できます:

/etc/modprobe.d/ath9k.conf
options ath9k ps_enable=1
ASUS

ASUS のノートパソコンでは (ASUS U32U シリーズでテスト)、/etc/modprobe.d/asus_nb_wmi.confoptions asus_nb_wmi wapf=1 を追加すると rfkill に関連する問題が解決するかもしれません。

Intel

ipw2100 と ipw2200

モジュールはカーネルによって完全にサポートされていますが、追加のファームウェアが必要になります。使うチップセットによって、ipw2100-fwipw2200-fwインストールしてください。そして適切なモジュールを再ロードしてください。

ヒント: 以下のモジュールオプションを使用できます:
  • rtap_iface=1 オプションを使うと radiotap インターフェイスが有効になります
  • led=1 オプションを使うと無線が接続・切断した時にフロントの LED が光るようになります

iwlegacy

iwlegacy は Intel の 3945, 4965 ワイヤレスチップのワイヤレスドライバーです。このファームウェアは linux-firmware パッケージに含まれています。

udev が自動でドライバーをロードするはずですが、ロードされないときは手動で iwl3945iwl4965 をロードしてください。詳しくはカーネルモジュール#ロードを見てください。

信号品質が極端に悪い場合やネットワークに接続できない場合、802.11n を無効化してみてください:

/etc/modprobe.d/iwl4965.conf
options iwl4965 11n_disable=1

iwlwifi

iwlwifi は 5100AGN, 5300AGN, 5350AGN などの Intel の最新のワイヤレスチップのワイヤレスドライバーです。full list of supported devices を見て下さい。このファームウェアは linux-firmware パッケージに含まれています。linux-firmware-iwlwifi-gitAUR パッケージをインストールすることで新しいバージョンを使用することができます。

接続品質が悪いといった一般的なネットワーク接続の問題が起こる場合は、802.11n を無効にしてソフトウェア暗号を有効にしてみて下さい:

/etc/modprobe.d/iwlwifi.conf
options iwlwifi 11n_disable=1 swcrypto=1

802.11n モードでアップリンクの速度が遅い (例: 20Mbps) 場合は、アンテナのアグリゲーションを有効化してみてください:

/etc/modprobe.d/iwlwifi.conf
options iwlwifi 11n_disable=8

オプションの名前に惑わされてはいけません。値が 8 に設定されている場合、無効化ではなくアンテナのアグリゲーションが再有効化されます [7] [8]

これで上手くいかない場合、無線アダプターの省電力モードを切ってみて下さい。永続的に設定するには、新しい udev ルールを追加します:

/etc/udev/rules.d/80-iwlwifi.rules
ACTION=="add", SUBSYSTEM=="net", ATTR{address}=="your_mac_address", RUN+="/usr/bin/iw dev %k set power_save off"
Bluetooth の共存

Bluetooth ヘッドセットを接続できない場合やダウンロード速度があまり出ない場合、Bluetooth の共存を無効化してみてください [9]:

/etc/modprobe.d/iwlwifi.conf
options iwlwifi bt_coex_active=0

LED の点滅を無効化する

ノート: iwlegacyiwlwifi ドライバーで動作します。

デフォルト設定ではモジュールの動作中 LED が点滅するようになっています。人によってはこれが鬱陶しく感じるかもしれません。Wi-Fi を使っている時に LED を固定するには、systemd-tmpfiles を使って下さい:

/etc/tmpfiles.d/phy0-led.conf
w /sys/class/leds/phy0-led/trigger - - - - phy0radio

変更を適用するには、systemd-tmpfiles --create phy0-led.conf を実行するか再起動してください。

LED のトリガの全ての設定値を見るには:

# cat /sys/class/leds/phy0-led/trigger
ヒント: /sys/class/leds/phy0-led がない場合、led_mode="1" モジュールオプションを使ってみて下さい。

Broadcom

Broadcom ワイヤレスを見て下さい。

他のドライバー・デバイス

Tenda w322u

この Tenda カードは rt2870sta デバイスとして扱って下さい。#rt2x00 を参照。

orinoco

カーネルパッケージの一部となっているので、別個インストールする必要はありません。

いくつかの Orinoco チップセットは Hermes I/II です。orinoco_cs の代わりに wlags49_h1_cs を使うことで WPA サポートを得ることができます。このドライバーを使うには orinoco_csブラックリスト化して下さい。

prism54

このドライバー p54 はカーネルに含まれていますが、このサイト からあなたのカードに対応するファームウェアをダウンロードして /usr/lib/firmware ディレクトリにインストールする必要があります。

ノート: 古いドライバー prism54 が新しいドライバー (p54pcip54usb) と衝突することがあります。prism54ブラックリスト化して下さい。

ACX100/111

警告: これらのデバイスのドライバーは壊れており新しいバージョンのカーネルでは動作しません。

パッケージ: tiacx tiacx-firmware (公式リポジトリや AUR からは削除されました)

詳しくは 公式 wiki を見て下さい。

zd1211rw

zd1211rw は ZyDAS ZD1211 802.11b/g USB WLAN チップセット用のドライバで、最近の Linux カーネルに含まれています。サポートされているドライバの一覧は [10] を見て下さい。zd1211-firmwareAUR パッケージとして提供されているファームウェアをインストールすることだけが必要です。

hostap_cs

Host AP は Intersil の Prism2/2.5/3 チップセットを使ったワイヤレス LAN カードの Linux ドライバです。hostap_cslinux パッケージに含まれています。

ノート: orinico_cs と問題を発生することがあるので、ブラックリスト化してください。

ndiswrapper

Ndiswrapper は Linux で Windows のドライバーを使うためのラッパースクリプトです。互換リストは ここ を見て下さい。Windows のドライバーに含まれる *.inf.sys ファイルが必要です。ドライバがあなたのアーキテクチャ (例: 32/64 ビット) に適合しているかも確認してください。

ヒント: *.exe ファイルからこれらのファイルを展開する必要がある場合は、cabextract を使って下さい。

ndiswrapper を設定するには ndiswrapper-dkms をインストールしてから以下の手順に従って下さい。

1. ドライバを /etc/ndiswrapper/* にインストールします

# ndiswrapper -i ファイル名.inf

2. ndiswrapper にインストールされたドライバを全て一覧します

$ ndiswrapper -l

3. 以下の設定ファイルを書き出します

/etc/modprobe.d/ndiswrapper.conf
ndiswrapper -m
depmod -a

これで ndiswrapper のインストールはほぼ完了です; あとはカーネルモジュール#ロードの指示に従って起動時に自動でモジュールをロードするようにしてください。

重要なことは ndiswrapper が他のモジュールと一緒にロードされることです。ndiswrapper がロードされているかテストするには、次を実行してください:

# modprobe ndiswrapper
# iwconfig

wlan0 が表示されるはずです。問題が起こった場合は次のページを見て下さい: Ndiswrapper installation wiki

backports-patched

backports-patchedAUR は新しいカーネルのドライバーは旧カーネルで使えるようにバックポートしたパッケージです。プロジェクトは2007年から開始され最初は compat-wireless という名前で、次に compat-drivers となり、最近になって backports になりました。

古いカーネルを使っていて無線が繋がらない場合、このパッケージをインストールすることで問題が解決する場合があります。

参照