「Mozc」の版間の差分
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[https://github.com/google/mozc/issues/438 こちらを参照] |
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− | * [https://github.com/google/mozc Mozc 公式サイト] |
2023年5月5日 (金) 19:55時点における版
プロジェクトのホームページより:
- Mozc は、Android OS、Apple OS X、Chromium OS、GNU/Linux、そして Microsoft Windows などのマルチプラットフォームで動作するよう設計された日本語インプットメソッドエディタ (IME) です。このオープンソースプロジェクトは Google 日本語入力 から派生したものです。
Mozc と Google 日本語入力との差異はプロジェクトの About Branding ページで詳しく説明されていますが、簡単に言うと、Mozc のオープンソースのコードには Google の豊富な単語変換テーブル (いわゆる「辞書」) が含まれておらず、そのため Mozc の変換品質は Google 日本語入力のものほどではありません。ただし、この欠点はカスタム辞書によりほとんど軽減することができます (以下を参照)。
インストール
分割パッケージと統合パッケージの違い
1つの IME として、Mozc は2つの部分に分けられます: すべての変換処理を行うサーバと、サーバがシステムのインプットメソッドフレームワークと通信できるようにし、結果を画面に出力する一連のモジュールです。IBus、Fcitx5、Fcitx、そして Emacs のそれぞれに対して個別のモジュールが必要です。
一部の Mozc パッケージには IMF 固有のモジュールしか含まれておらず、サーバが mozcAUR パッケージに分割されています。これにより、サーバ自体とは独立に異なるモジュールを同時にインストールすることができます (これは、異なるユーザが異なる IMF を使用するような複数ユーザのセットアップや、Emacs を使用する場合において便利です)。
他の Mozc パッケージはこのような分割を行わず、サーバとモジュールを統合しています。この方法にはメリットがありますが、(複数のパッケージがサーバのファイルを提供しようと競合してしまうため) ファイルの衝突のせいで追加のモジュールがインストールできなくなってしまうという非常に顕著な欠点もあります。
何らかの理由で複数の IMF モジュールを同時にインストールする必要がある場合の解決策は、非分割パッケージを自分でビルドしてファイルの衝突を手動で解決するか、モジュールからサーバを分割しているパッケージから選ぶかです。
UT 辞書
すでに述べたように、Mozc には Google の豊富な単語変換テーブル (いわゆる「辞書」) が含まれていないため、Mozc の変換品質は Google 日本語入力のものほど良くありません。それに対する解決策が UT 辞書という形で存在します。UT 辞書はサードパーティの辞書で、Mozc の変換品質を強化し、Google 日本語入力に近づけます。これは、いくつかの人気なオンラインのソース (Google、Yahoo、そして Wikipedia のページランクをベースとする) から集められた数千もの追加の単語を含め、さらに NEologd 辞書 (作者の言葉を借りるならば、「ウェブ上の多くの言語リソースから抽出された neologisms (新語)」が含まれています) などの他の特化したソースを統合することにより達成されます。
要約
fcitx5-mozc-utAUR、fcitx-mozc-utAUR、ibus-mozcAUR、そして emacs-mozcAUR から1つ或いは複数をインストールしてください。
Mozc のどのフレーバを使用するか尋ねられたら、バニラな Mozc の mozcAUR か UT で強化された Mozc の mozc-utAUR のどちらかを選択してください。
設定
IBus
IBus の設定については IBus の記事を参照してください。
Mozc をデフォルトのインプットメソッドにするには、ibus-setup で設定します:
$ ibus-setup
「インプットメソッド」タブを選び、Mozc をインプットメソッドリストの先頭に移動します。
インプットメソッドの切り替えは、Alt + Shift_L
(IBus のデフォルト) で行えます。
Fcitx
Fcitx の設定については Fcitx の記事を参照してください。
以下のコマンドを実行して Fcitx の設定ダイアログを開いてください:
$ fcitx-configtool
Input Method タブからプラス記号をクリックしてダイアログのリストから Mozc を選択してください。設定によっては、Mozc を使うために Only Show Current Language オプションを無効化する必要があります。ダイアログの確認後、標準のキーボードショートカットを使って Mozc をインプットメソッドとして有効にできます。
Emacs で Mozc を使う
mozc.el (mozc-mode) を使用して LEIM (Library of Emacs Input Method) 経由で日本語を入力することができます。mozc-mode を使用するには、以下を .emacs.d/init.el
あるいはその他の Emacs カスタム設定用ファイルに追加します:
(require 'mozc) ; or (load-file "/path/to/mozc.el") (setq default-input-method "japanese-mozc")
mozc.el は変換候補の表示スタイルに、候補のリストを入力中文字列のそばに表示する "overlay" モードを提供しています (Mozc r77以降)。このモードをデフォルトで利用する場合は、以下の設定を追加します:
(setq mozc-candidate-style 'overlay)
C-\
(toggle-input-method) で mozc-mode のオン/オフを切り替えます。
Emacs 上で C-SPC が IM のオン・オフで使われてしまうのを抑止する
デスクトップ環境上で IM のオン・オフのキー割り当てに C-SPC を設定しており、Emacs 上でもそちらが優先されて C-SPC/C-@ で set-mark-command が使えなくて困る、という場合は、~/.Xresources
か ~/.Xdefaults
に以下を追加します。
Emacs*UseXIM: false
ヒントとテクニック
現在使用している Mozc のバージョンを表示する
Mozc 起動中に "ばーじょん" と入力し変換すると、変換候補の中に現在の Mozc のバージョン番号が表示されます:
ばーじょん
バージョン ヴァージョン ばーじょん Mozc-1.6.1187.102 ⇐ Mozc のバージョン ...
コマンドラインから Mozc ツールを起動
以下のコマンドで Mozc のツールを起動できます:
- Mozc 設定:
$ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=config_dialog
- Mozc 辞書ツール:
$ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=dictionary_tool
- Mozc 単語登録:
$ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=word_register_dialog
- Mozc 手書き文字入力:
$ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=hand_writing
- Mozc 文字パレット:
$ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=character_palette
ASCII キーボードで CapsLock キーを英数キーとして使用する
Mozc のプリセットのキーバインドや多くの日本語入力メソッドでは、変換前入力中の英数入力切り替えは、英数
キー、ひらがな/カタカナ
キー、あるいは無変換
キーなどに割り当てられていますが、ASCII キーボードにそれらはありません。CapsLock キーに英数キー (Eisu_toggle) を割り当てることで日本語キーボードと同じように使用できます (Mozc は CapsLock キーを認識しないようです)。
以下の設定では、OADG キーボードと等価な、Eisu_toggle を CapsLock
キーに、Caps_Lock を Shift + CapsLock
キーに割り当てます。
~/.Xmodmap
を以下のように編集します:
keycode 66 = Eisu_toggle Caps_Lock clear Lock
X 再起動するか、xmodmap コマンドを実行して編集を適用します:
$ xmodmap ~/.Xmodmap
トラブルシューティング
Mozc のビルドに失敗する (プロセスが強制終了される)
ビルドが以下のようなメッセージで異常終了した場合:
... /bin/sh: 1 行: xxxx 強制終了 ... make: *** [xxx/xxx ...] エラー 137 ...
メモリ不足になっていないか確認してください。
Mozc をアップグレードし、X または IBus を再起動しても (リブートはしていない) 古い Mozc が動いている
古いバージョンの Mozc が終了されずにずっとメモリ上で動作しているのかもしれません。既存の mozc_server プロセスを一度 kill してみてください:
$ killall mozc_server
mozc_server が defunct になる
root で Mozc を起動することはできません。一般ユーザーで X を起動してください。
mozc_emacs_helper not found in emacs
mozc.el をインストールするときは、mozc_emacs_helper
というヘルパープログラムをインストールする必要があります。
このヘルパープログラムには emacs-mozcAUR をインストールする必要があります。
mozc ツールが起動しない
ログをコンソールに直接送信して Mozc ツールを起動することもできます。これはデバッグに役立ちます。これを有効にするには、たとえば次のように --logtostderr
を追加するだけです:
$ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=config_dialog --logtostderr