「D-Bus」の版間の差分
Kusanaginoturugi (トーク | 投稿記録) (序文の一部英文を翻訳) |
(序文を更新) |
||
(2人の利用者による、間の14版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
− | [[Category: |
+ | [[Category:システム管理]] |
− | [[ |
+ | [[de:Qdbus]] |
[[en:D-Bus]] |
[[en:D-Bus]] |
||
− | [[ |
+ | [[ru:D-Bus]] |
− | [[ko:D-Bus]] |
||
[[zh-hans:D-Bus]] |
[[zh-hans:D-Bus]] |
||
− | {{Related articles start}} |
||
− | {{Related|kdbus}} |
||
− | {{Related articles end}} |
||
[[Wikipedia:ja:D-Bus|D-Bus]] はプロセス間のやりとりを行うためのメッセージバスシステムです。システム全体とユーザーセッション両方で実行できるデーモンと、アプリケーションが D-Bus を使うためのライブラリのセットから構成されています。 |
[[Wikipedia:ja:D-Bus|D-Bus]] はプロセス間のやりとりを行うためのメッセージバスシステムです。システム全体とユーザーセッション両方で実行できるデーモンと、アプリケーションが D-Bus を使うためのライブラリのセットから構成されています。 |
||
− | {{Pkg|dbus}} は {{Pkg|systemd}} の依存関係としてインストールされ |
+ | {{Pkg|dbus}} は {{Pkg|systemd}} の依存関係としてプルおよび、インストールされます。ユーザーセッションのバスは各ユーザーごとに [https://archlinux.org/news/d-bus-now-launches-user-buses/ 自動的に] 起動されます。 |
+ | == 実装 == |
||
− | == Alternative Implementations == |
||
+ | |||
+ | Arch は 2 つの D-Bus メッセージブローカー実装を提供します。最初に、ユーザーは、{{Pkg|systemd}} パッケージのインストール中に、目的の ''dbus-units'' プロバイダーを選択するよう求められます。一度にインストールできる実装は 1 つだけです。これにより、自動開始される dbus 実装となるユニットファイルが提供されます。<br> |
||
+ | 新しいデフォルトの {{Pkg|dbus-broker-units}} または {{Pkg|dbus-daemon-units}} パッケージは、ソケットによって開始される {{ic|dbus.service}} システムファイルとユーザーユニットファイルを提供します。それぞれの実装の {{ic|dbus-broker.service}} または {{ic|dbus.service}} ファイルへのシンボリックリンクになっています。systemd ユニットパッケージには、依存関係として、使用される実際の実装、つまり {{Pkg|dbus-broker}} や {{Pkg|dbus}} が必要です。これらは、シンボリックリンクのターゲットである {{ic|dbus-broker.service}} または {{ic|dbus.service}} ファイルも提供します。 |
||
+ | |||
+ | {{Pkg|dbus}} パッケージは現在でも systemd によって明示的に必要とされており、{{Pkg|dbus-broker}} は ''dbus'' 自体を提供しません。 ただし、どちらのパッケージも独自に自動起動されず、{{Pkg|dbus-units}} のプロバイダーは 1 つしかインストールできないので、両方のデーモンパッケージがインストールされていても問題ありません ''dbus'' パッケージは、{{Pkg|dbus-broker}} が現在提供していない診断目的で使用されるコマンドラインユーティリティにも役立つ場合があります。 |
||
=== dbus-broker === |
=== dbus-broker === |
||
+ | [https://github.com/bus1/dbus-broker dbus-broker] は現在 Arch のデフォルト実装です |
||
− | {{Pkg|dbus-broker}} is a drop-in replacement for the ''libdbus'' reference implementation, which aims "to provide high performance and reliability, while keeping compatibility to the D-Bus reference implementation". [https://github.com/bus1/dbus-broker] |
||
+ | [https://archlinux.org/news/making-dbus-broker-our-default-d-bus-daemon/] [https://rfc.archlinux.page/0025-dbus-broker-default/] これは [[D-Bus#リファレンス実装|リファレンス実装]] のドロップインの置き換えで、''D-Bus リファレンス実装との互換性を維持しつつ、高い性能と信頼性を提供する'' ことを目的としています。 |
||
+ | |||
+ | ''dbus-units'' プロバイダーを求められたら、{{Pkg|dbus-broker-units}} を選択するか、直接インストールして下さい。 |
||
+ | |||
+ | {{Note|{{Pkg|dbus-broker}} は現在 [[AppArmor]] を [https://github.com/bus1/dbus-broker/pull/286 サポートしていません。]}} |
||
+ | |||
+ | === リファレンス実装 === |
||
+ | [https://wiki.freedesktop.org/www/Software/dbus/ The reference implementation] は現在も Arch によって正式にサポートされています。 |
||
− | To enable ''dbus-broker'' as the system bus, first disable the ''dbus'' service and then activate the ''dbus-broker'' one: |
||
+ | ''dbus-units'' プロバイダを要求されたら {{Pkg|dbus-daemon-units}} を選択するか、直接インストールしてください。 |
||
− | # systemctl disable dbus.service |
||
− | # systemctl enable dbus-broker.service |
||
+ | == ヒントとテクニック == |
||
− | To enable as a user bus, run as the desired user: |
||
+ | === dbus サービスを上書きする === |
||
− | $ systemctl --user enable dbus-broker.service |
||
+ | {{ic|$XDG_DATA_HOME/dbus-1/services}} にある dbus のサービスを上書きすることができます。 |
||
− | Or, to enable for all users, run as root: |
||
+ | サービスがすでに起動されている場合、上書きは機能しません。既存のサービスのプロセスを強制終了するか、サービスを早めに起動する必要があります。 |
||
− | # systemctl --global enable dbus-broker.service |
||
+ | 同じ既知なバス名を提供するサービスが複数インストールされている場合、これを使用して特定のサービスを常に使用することができます。 |
||
− | Reboot for these settings to take effect. |
||
+ | たとえば、[[KDE Wallet#D-Bus の自動アクティベーション]] を参照してください。 |
||
− | == Tips and tricks == |
||
+ | == デバッグ == |
||
− | === dbus サービスの無効化 === |
||
+ | * {{App|D-Spy|使いやすい GUI の D-Bus デバッガーツール。D-Spy を使用すると、実行中のプログラムの D-Bus インターフェイスを検査し、それらのインターフェイスでメソッドを呼び出すことができます。|https://gitlab.gnome.org/GNOME/d-spy|{{Pkg|d-spy}}}} |
||
− | {{ic|~/.local/share/dbus-1/services}} にある dbus のサービスを上書きすることができます。 |
||
+ | * {{App|QDbusViewer|GUID-Bus デバッガー、D-Bus サービスを検査し、それらのメソッドを呼び出すために使用できます。|https://doc.qt.io/qt-5/qdbusviewer.html|{{Pkg|qt5-tools}}}} |
||
− | ==デバッグ== |
||
+ | {{man|1|busctl}} から [[systemd]] を使用することもできます |
||
− | * {{App|D-Feet|使いやすい D-Bus デバッガ GUI ツールです。D-Feet を使うことで実行中のプログラムの D-Bus インターフェイスを調べることができます。 |https://wiki.gnome.org/DFeet|{{Pkg|d-feet}} |
||
− | }} |
||
− | * {{App|QDbusViewer|GUI D-Bus debugger. Can be used to inspect D-Bus services and invoke methods on them.|https://doc.qt.io/qt-5/qdbusviewer.html|{{Pkg|qt5-tools}}}} |
||
+ | == 参照 == |
||
− | You can also use {{man|1|busctl}} from [[systemd]]. |
||
+ | * https://freedesktop.org/wiki/Software/dbus/ |
||
− | ==参照== |
||
− | * |
+ | * https://freedesktop.org/wiki/IntroductionToDBus/ |
− | *[https://www.freedesktop.org/wiki/IntroductionToDBus Introduction to D-Bus] on freedesktop.org |
2024年1月23日 (火) 17:27時点における最新版
D-Bus はプロセス間のやりとりを行うためのメッセージバスシステムです。システム全体とユーザーセッション両方で実行できるデーモンと、アプリケーションが D-Bus を使うためのライブラリのセットから構成されています。
dbus は systemd の依存関係としてプルおよび、インストールされます。ユーザーセッションのバスは各ユーザーごとに 自動的に 起動されます。
実装
Arch は 2 つの D-Bus メッセージブローカー実装を提供します。最初に、ユーザーは、systemd パッケージのインストール中に、目的の dbus-units プロバイダーを選択するよう求められます。一度にインストールできる実装は 1 つだけです。これにより、自動開始される dbus 実装となるユニットファイルが提供されます。
新しいデフォルトの dbus-broker-units または dbus-daemon-units パッケージは、ソケットによって開始される dbus.service
システムファイルとユーザーユニットファイルを提供します。それぞれの実装の dbus-broker.service
または dbus.service
ファイルへのシンボリックリンクになっています。systemd ユニットパッケージには、依存関係として、使用される実際の実装、つまり dbus-broker や dbus が必要です。これらは、シンボリックリンクのターゲットである dbus-broker.service
または dbus.service
ファイルも提供します。
dbus パッケージは現在でも systemd によって明示的に必要とされており、dbus-broker は dbus 自体を提供しません。 ただし、どちらのパッケージも独自に自動起動されず、dbus-units のプロバイダーは 1 つしかインストールできないので、両方のデーモンパッケージがインストールされていても問題ありません dbus パッケージは、dbus-broker が現在提供していない診断目的で使用されるコマンドラインユーティリティにも役立つ場合があります。
dbus-broker
dbus-broker は現在 Arch のデフォルト実装です [1] [2] これは リファレンス実装 のドロップインの置き換えで、D-Bus リファレンス実装との互換性を維持しつつ、高い性能と信頼性を提供する ことを目的としています。
dbus-units プロバイダーを求められたら、dbus-broker-units を選択するか、直接インストールして下さい。
リファレンス実装
The reference implementation は現在も Arch によって正式にサポートされています。
dbus-units プロバイダを要求されたら dbus-daemon-units を選択するか、直接インストールしてください。
ヒントとテクニック
dbus サービスを上書きする
$XDG_DATA_HOME/dbus-1/services
にある dbus のサービスを上書きすることができます。
サービスがすでに起動されている場合、上書きは機能しません。既存のサービスのプロセスを強制終了するか、サービスを早めに起動する必要があります。
同じ既知なバス名を提供するサービスが複数インストールされている場合、これを使用して特定のサービスを常に使用することができます。
たとえば、KDE Wallet#D-Bus の自動アクティベーション を参照してください。
デバッグ
- D-Spy — 使いやすい GUI の D-Bus デバッガーツール。D-Spy を使用すると、実行中のプログラムの D-Bus インターフェイスを検査し、それらのインターフェイスでメソッドを呼び出すことができます。
- QDbusViewer — GUID-Bus デバッガー、D-Bus サービスを検査し、それらのメソッドを呼び出すために使用できます。
busctl(1) から systemd を使用することもできます