「Firefox/プライバシー」の版間の差分
(→設定: 情報を更新) |
(→設定: 同期) |
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(3人の利用者による、間の18版が非表示) | |||
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{{Related|Firefox}} |
{{Related|Firefox}} |
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{{Related|Tor}} |
{{Related|Tor}} |
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+ | {{Related|ブラウザ拡張機能}} |
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{{Related|ブラウザプラグイン}} |
{{Related|ブラウザプラグイン}} |
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− | {{Related|Firefox |
+ | {{Related|Firefox/設定}} |
− | {{Related|Firefox |
+ | {{Related|Firefox/プロファイルを RAM に置く}} |
{{Related articles end}} |
{{Related articles end}} |
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− | この記事では |
+ | この記事では、セキュリティとプライバシーを高めるための Firefox の設定を概説します。 |
== 設定 == |
== 設定 == |
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− | 以下は、[https://www.amiunique.org/faq ブラウザのフィンガープリント] |
+ | 以下は、[https://www.amiunique.org/faq ブラウザのフィンガープリント採取]とトラッキングを防ぐためのプライバシーに重点を置いた設定です。 |
− | === |
+ | === トラッキング防止機能 === |
− | Firefox には |
+ | Firefox には[https://support.mozilla.org/ja/kb/enhanced-tracking-protection-firefox-desktop 強化型トラッキング防止機能]のオプションがあります。このオプションは、''設定 > プライバシーとセキュリティ'' から GUI で、あるいは {{ic|about:config}} から設定することで、複数のレベルから選択して有効化できます: |
− | * privacy.trackingprotection.enabled |
+ | * {{ic|privacy.trackingprotection.enabled}} {{ic|true}} |
− | プライバシー |
+ | プライバシー上の利点以外にも、[http://venturebeat.com/2015/05/24/firefoxs-optional-tracking-protection-reduces-load-time-for-top-news-sites-by-44/ トラッキング防止機能]を有効化するとロード時間が 44% 短くなるという効果もあります。 |
− | [[#uBlock Origin]] などの広告ブロック拡張の |
+ | 注意点として、この機能は [[ブラウザ拡張機能#コンテンツブロッカー|uBlock Origin]] などの広告ブロック拡張機能を置き換えるものではなく、[[アプリケーション一覧/インターネット#Firefox スピンオフ|Firefox のフォーク]]では動作しない可能性があります。正しいフィルタリストのある広告ブロックをすでに実行している場合、トラッキング防止機能は冗長かもしれません。 |
− | === フ |
+ | === フィンガープリント採取防止 === |
+ | Firefox の[[#トラッキング防止機能|トラッキング防止機能]]は、プライバシーの設定が ''標準'' (デフォルト) か ''厳格'' に設定されている場合、既知の "フィンガープリント採取者" のリストをブロックします。フィンガープリント採取防止機能は、Firefox で開発中の別の実験的な機能です。 |
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− | ファーストパーティアイソレーション ("double keying" とも呼ばれます) は、第三者が複数のサイトにわたってユーザーを追跡することを防ぐことができます。これは {{ic|about:config}} の設定によって有効にすることができます。 |
||
+ | Mozilla は、[[Tor Browser]] の機能を取り入れるプロジェクトの一環として、[[MozillaWiki:Security/Fingerprinting|Firefox におけるフィンガープリント採取防止プロジェクト]]を開始しました。これらのフィンガープリント採取防止機能の多くは、{{ic|about:config}} の以下の設定により有効化されます: |
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− | * {{ic|privacy.firstparty.isolate}} {{ic|true}} |
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+ | * {{ic|privacy.resistFingerprinting}} {{ic|true}} |
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− | === フィンガープリントの防止 === |
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+ | {{Warning|1=<nowiki/>これは実験的な機能であり、一部のウェブサイトが機能しなくなる可能性があります。タイムゾーンは UTC0 になり、ウェブサイトはライトテーマを優先します。テキストの読み上げエンジンが無効化され ([https://bugzilla.mozilla.org/show_bug.cgi?id=1636707 bug #1636707])、一部のファビコンが正しく機能しなくなる ([https://bugzilla.mozilla.org/show_bug.cgi?id=1452391#c5 bug #1452391]) ことに注意してください。}} |
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− | Firefox の [[Firefox プライバシー#Firefox の追跡防止オプションの有効化|トラッキング保護]] は、プライバシー設定が ''標準'' (デフォルト) または ''厳格'' に設定されている場合、既知の "フィンガープリンター" のリストをブロックするものです。フィンガープリントプロテクションは、Firefox で活発に開発が行われている、別の実験的な機能です。 |
||
+ | 詳細は [https://support.mozilla.org/ja/kb/firefox-protection-against-fingerprinting Firefox のフィンガープリント採取防止機能] を参照してください。 |
||
− | Mozilla は、[[Tor|Tor Browser]] から機能をアップストリームするプロジェクトの一環として、[[MozillaWiki:Security/Fingerprinting|Firefoxのアンチフィンガープリント・プロジェクト]] を開始しました。これらのアンチフィンガープリント機能の多くは、{{ic|about:config}} のこの設定によって有効になります。 |
||
+ | === ブラウザのタイムゾーンを変更する === |
||
− | * {{ic|privacy.resistFingerprinting}} {{ic|true}} |
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+ | システムのタイムゾーンはブラウザのフィンガープリント採取で使われる可能性があります。Firefox のタイムゾーンを UTC に設定するには、以下のようにして Firefox を起動してください: |
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− | {{Warning|1=<nowiki/>これは実験的な機能であり、一部の Web サイトが破損する可能性があります。タイムゾーンは UTC0 であり、Web サイトはライトテーマを優先します。テキスト読み上げエンジンが無効になることに注意してください ([https://bugzilla.mozilla.org/show_bug.cgi?id=1636707 bug #1636707]) 一部の favicons が壊れます ([https://bugzilla.mozilla.org/show_bug.cgi?id=1452391#c5 bug #1452391])}} |
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+ | $ TZ=UTC firefox |
||
− | 詳細については: [https://support.mozilla.org/en-US/kb/firefox-protection-against-fingerprinting Firefox's protection against fingerprinting] |
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+ | あるいは、上記を実行するスクリプトを設定してください (例えば、{{ic|/usr/local/bin/firefox}} に)。 |
||
− | === ブラウザのタイムゾーンの変更 === |
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+ | === ユーザエージェントとプラットフォームを変更する === |
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− | ブラウザフィンガープリントではシステムのタイムゾーンが使われることがあります。Firefox のタイムゾーンを UTC に設定するには: |
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+ | Firefox のユーザエージェントは {{ic|about:config}} の {{ic|general.useragent.override}} プリファレンスで上書きすることができます。 |
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− | $ TZ=UTC firefox |
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+ | このキーの値はブラウザのユーザエージェントです。既知で一般的なものを選んでください。 |
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− | もしくは上記のコマンドを実行するスクリプトを設定してください (例: {{ic|/usr/local/bin/firefox}})。 |
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+ | {{Tip| |
||
− | === ユーザーエージェントとプラットフォームの変更 === |
||
+ | * {{ic|Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; rv:102.0) Gecko/20100101 Firefox/102.0}} は Tor browser のユーザエージェントとして使用されるので、とても一般的です。 |
||
+ | * [[#フィンガープリント採取防止]] のオプションは、Tor browser のユーザエージェントを有効化し、ブラウザのプラットフォームを自動的に変更します。 |
||
+ | }} |
||
− | + | {{Warning|プラットフォームがユーザエージェントに対応するものでないと、ブラウザがほとんどユニークになってしまいます。}} |
|
+ | Firefox のプラットフォームを変更するには、以下の {{ic|string}} キーを {{ic|about:config}} に追加してください: |
||
− | general.useragent.override |
||
+ | general.platform.override |
||
− | キーの値がブラウザのユーザーエージェントになります。よくあるユーザーエージェントに設定してください。 |
||
+ | ユーザエージェントに対応する既知の一般的なプラットフォームを選んでください。 |
||
− | {{Tip|例えば Tor ブラウザでは {{ic|Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1; rv:38.0) Gecko/20100101 Firefox/38.0}} という当たり障りのない値が使われています。}} |
||
− | {{ |
+ | {{Tip|{{ic|Win32}} は Tor browser のプラットフォームとして使用され、上記のユーザエージェントと対応します。}} |
+ | === WebRTC は LAN の IP アドレスを公開してしまいます === |
||
− | Firefox のプラットフォームを変更するには、、{{ic|about:config}} で以下の {{ic|string}} キーを追加してください: |
||
+ | ウェブサイトが [[wikipedia:ja:WebRTC|WebRTC]] のピアツーピア (と JavaScript) であなたのローカル IP アドレスを取得できないようにするには、{{ic|about:config}} を開き、以下を設定してください: |
||
− | general.platform.override |
||
+ | * {{ic|media.peerconnection.ice.default_address_only}} を {{ic|true}} に |
||
− | ユーザーエージェントに対応する一般的なプラットフォームを設定してください。 |
||
+ | * {{ic|media.peerconnection.enabled}} を {{ic|false}} に (WebRTC を完全に無効化したい場合のみ) |
||
+ | この [https://net.ipcalf.com/ WebRTC テストページ]と [https://ipleak.net/ WebRTC IP Leak VPN / Tor IP Test] で、あなたの内部/外部 IP アドレスが漏洩していないことを確認できます。 |
||
− | {{Tip|Tor ブラウザではプラットフォームの値に {{ic|Win32}} が使われています。}} |
||
− | === |
+ | === HTTP リファラを無効化する === |
+ | [[Wikipedia:ja:HTTPリファラ|HTTP リファラ]]とは、現在リクエストされているページの前のウェブページのアドレスを指す、オプションの HTTP ヘッダフィールドです。 |
||
− | {{warning|この設定は WebRTC を無効化します。}} |
||
− | [https://en.wikipedia.org/wiki/WebRTC WebRTC] の peer-to-peer (と JavaScript) によってローカル IP アドレスがウェブサイトに取得されてしまうのを防ぐには、{{ic|about:config}} を開いて {{ic|media.peerconnection.enabled}} を ''false'' に設定してください (もしくは [https://addons.mozilla.org/en-US/firefox/addon/happy-bonobo-disable-webrtc/ アドオン] を使って下さい)。 |
||
+ | [[MozillaWiki:Security/Referrer|プリファレンス]]に応じて、{{ic|network.http.sendRefererHeader}} を {{ic|0}} か {{ic|1}} に設定してください。 |
||
− | === HTTP リファラーを無効にする === |
||
+ | {{Note|一部のサイトはオリジン条件を制御するためにリファラヘッダを使用します。このヘッダを完全に無効化すると、サイトが壊れる可能性があります。そのような場合、{{ic|network.http.referer.XOriginPolicy}} を調整することでより良い解決策を得られるかもしれません。}} |
||
− | [[Wikipedia:ja:HTTPリファラ|HTTPリファラー]] 現在要求されているページへのリンクをたどった前の Web ページのアドレスを識別するオプションの HTTP ヘッダーフィールドです。 |
||
+ | === 接続テストを無効化する === |
||
− | Set {{ic|network.http.sendRefererHeader}} to {{ic|0}} or {{ic|1}}, depending on your [[MozillaWiki:Security/Referrer|preferences]]. |
||
+ | デフォルトでは、Firefox は Amazon サーバと Akamai サーバの両方か片方に[https://bugzilla.mozilla.org/show_bug.cgi?id=1363651 一定]の[https://bugzilla.mozilla.org/show_bug.cgi?id=1359697#c3 間隔]で接続して、接続をテストします。例えば、ホテルやレストラン、会社では、インターネットに接続するためにパスワードを入力する必要があるかもしれません。そのような[[Wikipedia:ja:キャプティブポータル|キャプティブポータル]]が存在してトラフィックをブロックする場合、この機能は他の全ての接続試行をブロックします。これにより、あなたの使用習慣が漏れてしまう可能性があります。 |
||
− | {{Note|サイトによっては、オリジン条件を制御するために リファラーヘッダーを使用しています。このヘッダーを完全に無効化すると、サイトが壊れる可能性があります。この場合は {{ic|network.http.referer.XOriginPolicy}} を調整することでより良い解決策を得られるかもしれません。}} |
||
+ | キャプティブポータルのテストを無効化するには、{{ic|about:config}} で以下を設定してください: |
||
− | === 接続テストを無効にする === |
||
+ | * {{ic|network.captive-portal-service.enabled}} を {{ic|false}} に。 |
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− | Firefox はデフォルトで、接続をテストするために [https://bugzilla.mozilla.org/show_bug.cgi?id=1363651 regular] [https://bugzilla.mozilla.org/show_bug.cgi?id=1359697#c3 intervals] で Amazon や Akamai サーバーへの接続を試行します。例えば、ホテルやレストラン、その他のビジネスでは、インターネットにアクセスするためにパスワードの入力を要求されることがあります。このような [[wikipedia:ja:キャプティブポータル|キャプティブポータル]] が存在し、トラフィックをブロックしている場合、この機能は他のすべての接続試行をブロックします。これにより、あなたの使用習慣が漏れる可能性があります。 |
||
+ | {{Note|[https://www.ghacks.net/2020/02/19/why-is-firefox-establishing-connections-to-detectportal-firefox-com-on-start/ ある報告]によると、接続テストが無効化されている場合、[https://vpn.mozilla.org/ Mozilla VPN] が接続できなくなるそうです。}} |
||
− | キャプティブポータルのテストを無効にするには、{{ic|about:config}} から: |
||
+ | === テレメトリを無効化する === |
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− | * {{ic|network.captive-portal-service.enabled}} を {{ic|false}} にします。 |
||
+ | {{ic|toolkit.telemetry.enabled}} を {{ic|false}} に設定するか、''設定 > プライバシーとセキュリティ > Firefox のデータ収集と利用について'' でテレメトリを無効化してください。または、どちらも設定してください。 |
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− | {{Note|https://vpn.mozilla.org/ Mozilla VPN] を無効にすると接続できなくなるという [https://www.ghacks.net/2020/02/19/why-is-firefox-establishing-connections-to-detectportal-firefox-com-on-start/ レポート] があります。}} |
||
− | === |
+ | === "Do Not Track" ヘッダを有効化する === |
− | {{ic| |
+ | {{ic|privacy.donottrackheader.enabled}} を {{ic|true}} に設定するか、''設定 > プライバシーとセキュリティ > 強化型トラッキング防止機能'' でこの機能をオンにしてください。 |
+ | {{Note|リモートサーバは "Do Not Track" 要求を無視する場合があります。}} |
||
− | === Do Not Track Header (DNT) の有効化 === |
||
+ | {{Warning|"Do Not Track" ヘッダ (DNT) は、逆にブラウザのフィンガープリントとして使用されてしまう場合があります。ほとんどのユーザはこのオプションを無効化しているからです。}} |
||
− | {{Note|リクエストを受け取ったサイトが実際に追跡を止めるかどうかはユーザーから制御できません。}} |
||
+ | === 'Trusted Recursive Resolver' を無効化/強制する === |
||
− | {{ic|privacy.donottrackheader.enabled}} を '''true''' に設定するか、プライバシーの設定から Do Not Track の設定を管理できます。 |
||
+ | Firefox 60 では、[[mozillawiki:Trusted Recursive Resolver|Trusted Recursive Resolver]] (TRR) と呼ばれる機能が追加されました。あなたのシステムで設定されている DNS サーバを使わず、代わりに全ての DNS リクエストを HTTPS で Cloudflare サーバに送ります。この機能は劇的に安全性を高めます ("従来の" DNS リクエストはネットワーク上を平文で送られ、その道中で誰もが覗き見ることができてしまうからです)。しかし、TRR サーバを提供する Cloudflare がすべての DNS リクエストを読むことができてしまいます。 |
||
− | === 'Trusted RecursiveResolver' を無効化/強制します === |
||
+ | * 自分で設定した DNS サーバを Cloudflare のものよりも信頼している場合、{{ic|about:config}} で {{ic|network.trr.mode}} (整数、このオプションがない場合は作成してください) を {{ic|5}} に設定して TTR を無効化できます。(0 はデフォルトで無効化するという意味で、将来のアップデートで上書きされるかもしれません。5 は選択として無効化するという意味で、上書きされることはありません。) |
||
− | Firefox 60 では、[https://wiki.mozilla.org/Trusted_Recursive_Resolver Trusted Recursive Resolver] (TRR) という機能が導入されました。システムに構成されている DNS サーバーを回避し、代わりにすべての DNS リクエストを HTTPS 経由で Cloudflare サーバーに送信します。これは非常に安全ですが(''クラシック'' DNS リクエストはネットワーク経由でプレーンテキストで送信され、途中で誰もがこれらを snoop できるため)、これによりすべての DNS リクエストが Cloudflare で読み取り可能になる為、TRR サーバーが提供されます。 |
||
+ | * Cloudflare の DNS サーバを信頼していて、(暗号化された DNS リクエストによる) さらなるプライバシーの向上を優先する場合、{{ic|network.trr.mode}} を {{ic|3}} (従来の DNS リクエストを完全に無効化する) か {{ic|2}} (TRR をデフォルトで使用する。失敗した場合、従来の DNS リクエストにフォールバックします) に設定することで TRR を強制できます。イントラネットのウェブサイトを使用する場合や、ホスト名を使ってローカルネットワーク内のコンピュータにアクセスする場合、TRR を有効化すると一部のケースで名前解決の機能が破壊される場合があることを留意しておいてください。 |
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+ | * DNS リクエストを暗号化したいが、Cloudflare のサーバは使いたくない場合、{{ic|network.trr.uri}} をリゾルバの URL に設定することで新しい DNS over HTTPS サーバを指定できます。現在利用可能なリゾルバのリストは、[https://github.com/curl/curl/wiki/DNS-over-HTTPS#publicly-available-servers curl wiki] で見られます (TRR 用の他の設定オプションも掲載されています)。 |
||
+ | === 位置情報を無効化する === |
||
− | * Cloudflare よりも自分で構成した DNS サーバーを信頼する場合は、 {{ic|network.trr.mode}} を設定することで {{ic|about:config}} で TRR を無効にできます(整数を指定、ない場合は作成します 0) から {{ic|5}} へ (値0はデフォルトで無効になっていることを意味し、将来の更新によって上書きされる可能性があります。値5は選択によって無効になり、上書きされません。) |
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− | * Cloudflare DNS サーバーを信頼し、追加のプライバシーを希望する場合(暗号化された DNS 要求のおかげで)、{{ic|network.trr.mode}} を {{ic|3}} に設定することでTRRを適用できます (これにより、クラシックが完全に無効になります DNS リクエスト)または {{ic|2}} (デフォルトで TRR を使用し、失敗した場合は従来の DNS リクエストにフォールバックします)。イントラネット Web サイトを使用している場合、またはローカルネットワーク内のコンピューターにホスト名でアクセスしようとしている場合、 TRR を有効にすると、名前の解決が失敗する可能性があることに注意してください。 |
||
− | * DNS リクエストを暗号化するが、Cloudflare サーバーを使用しない場合は、リゾルバー URL に {{ic|network.trr.uri}} を設定することで、 HTTPS サーバーを介した新しい DNS を指定すことができます。現在利用可能なリゾルバーのリストは、 [https://github.com/curl/curl/wiki/DNS-over-HTTPS#publicly-available-servers curl wiki] と、 TRR の他の構成オプションにあります。 |
||
+ | {{ic|about:config}} で {{ic|geo.enabled}} を {{ic|false}} に設定してください。 |
||
− | === Geolocation の無効化 === |
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+ | {{Note|これにより、位置情報にアクセスする必要のあるウェブサイトが壊れる場合があります。位置情報を完全に無効化するよりも、サイト毎に位置情報へのアクセスを許可するほうが良いかもしれません。}} |
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− | {{ic|about:config}} で {{ic|geo.enabled}} を '''false''' に設定してください。 |
||
− | === |
+ | === 'Safe Browsing' サービスを無効化する === |
− | + | Safe Browsing は、フィッシングからの保護とマルウェア検査の機能を提供しますが、ユーザの情報 (例: URL、ファイルハッシュなど) を Google などのサードパーティに送信する場合が有ります。 |
|
− | + | Safe Browsing サービスを無効化するには、{{ic|about:config}} で以下を設定してください: |
|
− | * {{ic|browser.safebrowsing.malware.enabled}} を |
+ | * {{ic|browser.safebrowsing.malware.enabled}} を {{ic|false}} に |
− | * {{ic|browser.safebrowsing.phishing.enabled}} を |
+ | * {{ic|browser.safebrowsing.phishing.enabled}} を {{ic|false}} に |
− | さらに |
+ | さらに、{{ic|browser.safebrowsing.downloads.enabled}} を {{ic|false}} に設定してダウンロードの確認を無効化してください。 |
− | === WebGL |
+ | === WebGL を無効化する === |
− | WebGL は |
+ | WebGL はセキュリティ上のリスクとなりえます。[https://security.stackexchange.com/questions/13799/is-webgl-a-security-concern] WebGL を無効化したい場合は、{{ic|about:config}} で {{ic|webgl.disabled}} を {{ic|true}} に設定してください。 |
+ | === Encrypted Client Hello === |
||
− | == 拡張 == |
||
+ | TLS 接続先のサーバ名を盗み聞きされないようにするために [https://blog.mozilla.org/security/2021/01/07/encrypted-client-hello-the-future-of-esni-in-firefox/ Encrypted Client Hello (ECH)] (以前は encrypted Server Name Indicator (eSNI) と呼ばれていました) を有効化するには、以下を設定してください: |
||
− | 参照 [[ブラウザ拡張機能#プライバシー]] |
||
+ | * {{ic|network.dns.echconfig.enabled}} を {{ic|true}} に |
||
− | === WebAssembly (および JavaScript) を無効にする === |
||
+ | * {{ic|network.dns.http3_echconfig.enabled}} を {{ic|true}} に |
||
+ | また、{{ic|network.trr.mode}} を {{ic|2}} か {{ic|3}} に設定する必要がある場合があります。 |
||
− | Wasm としても知られている [[wikipedia:Webassembly|WebAssembly]] は、比較的新しい言語です。JavaScript とは対照的に、 Wasm はブラウザ上で ''プリコンパイルされたコード'' をネイティブに実行し、高性能なシミュレーションやアプリケーションを実現します。マルウェアの経路を隠したり、[https://trac.torproject.org/projects/tor/ticket/21549 JavaScript と同様に、ユーザーを追跡するために使われることがある] という批判を受けています。Tor Browser は JavaScript と Wasmの 両方をブロックします。 |
||
+ | == 拡張機能 == |
||
− | Tor Browser のように JavaScript をブロックするには [[ブラウザ拡張機能#プライバシー]] の ''NoScript'' を参照してください。 Wasm を無効にするには {{ic|about:config}} で設定してください。 |
||
+ | [[ブラウザ拡張機能#プライバシー]] を参照してください。 |
||
− | * {{ic|javascript.options.wasm}} を {{ic|false}} |
||
+ | |||
− | * {{ic|javascript.options.wasm_baselinejit}} を {{ic|false}} |
||
+ | === WebAssembly (および JavaScript) を無効化する === |
||
− | * {{ic|javascript.options.wasm_ionjit}} を {{ic|false}} |
||
+ | |||
+ | [[Wikipedia:ja:Webassembly|WebAssembly]] (Wasm とも) は、比較的新しい言語です。JavaScript とは異なり、Wasm は''プリコンパイルされたコード''をブラウザ内でネイティブに実行し、ハイパフォーマンスなシミュレーションやアプリケーションを実現します。WebAssembly は、マルウェアの侵入経路を隠してしまうとして批判されており、[https://trac.torproject.org/projects/tor/ticket/21549 JavaScript と同様にユーザの追跡に使用できてしまいます]。Tor Browser は JavaScript と Wasm の両方をブロックします。 |
||
+ | |||
+ | Tor Browser のように JavaScript をブロックするには、[[ブラウザ拡張機能#プライバシー]] の ''NoScript'' を見てください。これは、必要に応じてクイックアクセスを有効化します。Wasm を無効化するには、{{ic|about:config}} で以下を設定してください: |
||
+ | |||
+ | * {{ic|javascript.options.wasm}} を {{ic|false}} に |
||
+ | * {{ic|javascript.options.wasm_baselinejit}} を {{ic|false}} に |
||
+ | * {{ic|javascript.options.wasm_ionjit}} を {{ic|false}} に |
||
=== システム全体の非表示の拡張機能を削除する === |
=== システム全体の非表示の拡張機能を削除する === |
||
− | 一部の拡張機能は非表示になっていて、デフォルトで {{ic|/usr/lib/firefox/browser/features}} にインストールされています。 |
+ | 一部の拡張機能は非表示になっていて、デフォルトで {{ic|/usr/lib/firefox/browser/features}} にインストールされています。これらのうち多くは {{ic|rm ''extension-name''.xpi}} で安全に削除できます。これらの拡張機能はデフォルトでは有効化されていない可能性があり、有効化/無効化するためのメニューオプションがある場合があります。注意点として、削除したファイルは {{Pkg|firefox}} パッケージのアップデート時に復活します。これらの拡張機能を削除したままにするには、{{ic|pacman.conf}} 内の {{ic|1=NoExtract=}} オプションに先のディレクトリを追加することを検討してください ([[Pacman#インストールさせないファイルを設定]] を参照)。該当する拡張機能としては: |
+ | |||
+ | * {{ic|doh-rollout@mozilla.org.xpi}} - DoH Roll-Out ([[#'Trusted Recursive Resolver' を無効化/強制する]] 場合、削除しないでください)。 |
||
+ | * {{ic|screenshots@mozilla.org.xpi}} - Firefox スクリーンショット。 |
||
+ | * {{ic|webcompat-reporter@mozilla.org.xpi}} - Mozilla が Firefox を改善したり、{{ic|webcompat@mozilla.org.xpi}} 拡張機能を使って動的にサイトにパッチを適用したりできるようにするために、Firefox で危険にさらされているサイトを報告できるようにします。 |
||
+ | * ユーザの拡張機能とシステムの拡張機能は全て {{ic|about:support}} に一覧表示されます。システムの拡張機能の完全なリストとそれらの機能についての README ファイルは [https://dxr.mozilla.org/mozilla-release/source/browser/extensions/] を見てください。 |
||
+ | {{ic|/opt}} にインストールされたデフォルトリリースなどのパスへの Firefox インストールでは、{{ic|/firefox/firefox/browser/features}} にシステムの拡張機能がインストールされます。 |
||
− | * {{ic|doh-rollout@mozilla.org.xpi}} - DoH ロールアウト (上記の [[ブラウザ拡張機能#'Trusted RecursiveResolver' を無効化/強制します]] を選択した場合は削除しないでください)。 |
||
− | * {{ic|screenshots@mozilla.org.xpi}} - Firefox のスクリーンショット。 |
||
− | * {{ic|webcompat-reporter@mozilla.org.xpi}} - Firefox で危険にさらされているサイトを報告するために、Mozilla が Firefox を改善したり、{{ic|webcompat@mozilla.org.xpi}} 拡張を使って動的にサイトにパッチを適用したりできるようにするためです。 |
||
− | * ユーザとシステムを合わせたすべての拡張機能は {{ic|about:support}} にリストアップされています。システム拡張の完全なリストとその機能を説明する README ファイルについては [https://dxr.mozilla.org/mozilla-release/source/browser/extensions/] を参照してください。 |
||
+ | == Searx を通してウェブ検索する == |
||
− | {{ic|/opt}} にインストールされたデフォルト リリースなどのパスへの Firefox インストールでは、{{ic|/firefox/firefox/browser/features}} にシステム拡張機能がインストールされています。 |
||
+ | {{Note|2023年9月以降、SearX はメンテナンスされていません。活発に開発されているフォークは [https://docs.searxng.org/ SearxNG] です。}} |
||
− | == Seax での Web 検索 == |
||
− | + | 1つの組織に与える情報の量を減らすことで、プライバシーを向上させることができます。例えば、ウェブ検索を行うごとに別々のランダムに選択されたプロキシを使用することで、1つの検索エンジンがあなたのプロファイルを構築することがほぼ不可能になります。[https://searx.me/ Searx] の公開インスタンス (またはサイト) を使うことで、これを行うことができます。Searx は [https://github.com/searx/searx/blob/master/LICENSE AGPL-3.0] ライセンスの[https://github.com/searx/searx オープンソース]なサイトビルダであり、サイト ('インスタンス' と呼ばれます) を生成します。それぞれの公開 'インスタンス' は、あなたと無数の検索エンジンとの間で仲介役として機能させることができます。 |
|
− | [https://searx.space/ |
+ | [https://searx.space/ 公開インスタンス]と[https://searx.neocities.org/nojs.html その他]のリストから、必要なだけ Searx のサイトをブックマークしてください (JavaScript が無効化されている場合、リストをロードさせるために一時的に有効化する必要があります)。それらのブックマークに素早くアクセスできるようにするために、ブックマークの ''名前'' 入力欄に {{ic|SX1}}、{{ic|SX2}} ... {{ic|SX(n)}} ({{ic|(n)}} はブックマークした Searx インスタンスの数) を追加することを検討してください。 |
− | + | ブックマークしたら、URL バーで {{ic|sx}} とその後に数字を入力して {{ic|Enter}} を押すと、インスタンスがロードされます。 |
|
− | {{Note| |
+ | {{Note|オンラインフィンガープリントを減らすために、これらのブックマークは、時々、あるいはインスタンスの信頼性が損なわれた時に、更新してください。}} |
{{Tip| |
{{Tip| |
||
− | * ウェブサーバ |
+ | * ウェブサーバを持っていて、帯域に余裕がある場合、他の人のプライバシーの向上を手助けするために公開 Searx インスタンスを運営することを検討してください ([https://searx.github.io/searx/ 詳細])。 |
− | * Searx インスタンスと [[ |
+ | * Searx インスタンスと [[Tor Browser]] を併用することで、さらにプライバシーを向上させることができます。Tor Browser は onion ルーティングを使用して、ある程度の匿名性を提供します。 |
− | * |
+ | * Searx の非公開インスタンスをローカルに実行することで、プライバシーをさらに向上させることができます。{{AUR|searx}} パッケージを[[インストール]]し、{{ic|uwsgi@searx.service}} を[[起動]]してください。Searx は http://localhost:8888/ で利用できるようになります。 |
+ | }} |
||
− | == Invidious |
+ | == Invidious を通して動画を見る == |
− | Invidious インスタンスは、YouTube の代替フロントエンドとして機能します。 |
+ | Invidious インスタンスは、YouTube の代替フロントエンドとして機能します。インスタンスは、[https://github.com/iv-org/invidious オープンソースなコード]から構築されたウェブサイトです。コンテンツにアクセスするためにユーザーが YouTube (Google) に送信する情報量を制限することは、一般的に困難でした。 |
− | Invidious を使用する利点 |
+ | Invidious を使用する利点としては以下が挙げられます: |
* スクリプトを実行しなくても動画にアクセスできる。YouTube ではスクリプトの実行を強制されます。 |
* スクリプトを実行しなくても動画にアクセスできる。YouTube ではスクリプトの実行を強制されます。 |
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− | * ビデオは、 |
+ | * ビデオは、オフラインの場合を含め、将来の視聴のため、または他の人が視聴するために保存することができます。これにより、コンテンツがいつ閲覧されたか、または再閲覧されたかについて、Google に送信されるフィードバックが減少します。 |
* 帯域幅の使用量を削減するオプションのオーディオのみのモード。[[Tor]] のようなブラウザと組み合わせると、より軽量なウェブサイトでより少ないデータパケットを使用すると、あなたの匿名性を向上させる可能性があります。 |
* 帯域幅の使用量を削減するオプションのオーディオのみのモード。[[Tor]] のようなブラウザと組み合わせると、より軽量なウェブサイトでより少ないデータパケットを使用すると、あなたの匿名性を向上させる可能性があります。 |
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− | * Invidious は、独立した、プライベート、ビデオホスティングサービスを簡単に設定することができ、フリーでオープンソースのインターフェイスです。このように、Invidious を使用して、独自のコンテンツや YouTube から削除されたコンテンツを提供しているウェブサイトが存在します。そのため、将来的に YouTube のプロフィール作成機能を制限するのに役立つかもしれません( |
+ | * Invidious は、独立した、プライベート、ビデオホスティングサービスを簡単に設定することができ、フリーでオープンソースのインターフェイスです。このように、Invidious を使用して、独自のコンテンツや YouTube から削除されたコンテンツを提供しているウェブサイトが存在します。そのため、将来的に YouTube のプロフィール作成機能を制限するのに役立つかもしれません (ノートを参照)。 |
− | + | 次のリストから、できるだけ多くの ''機能している'' Invidious インスタンスをブックマークしてください ([https://github.com/iv-org/invidious/wiki/Invidious-Instances こちら]、[https://invidio.us/ こちら]、[https://solmu.org/pub/misc/invidio.html こちら])。これらのインスタンスのいくつかは、Cloudflare によってホストされている場合があることに注意してください。 |
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− | {{ic|youtube.com}} の部分を使用したいインスタンスのドメインに置き換えるだけで、 |
+ | YouTube 動画の URL の {{ic|youtube.com}} の部分を使用したいインスタンスのドメインに置き換えるだけで、Invidious の URL に変更できます。 |
− | {{Note|Invidious は、Facebook または Cloudflare サーバーからの動画をインデックスに登録しません。さらに、コンテンツは通常、引き続き Google サーバーからユーザーに送信されます。 |
+ | {{Note|Invidious は、Facebook または Cloudflare サーバーからの動画をインデックスに登録しません。さらに、コンテンツは通常、引き続き Google サーバーからユーザーに送信されます。さらなるプライバシーを実現する方法については、[[Tor Browser]] を参照してください。}} |
== エンタープライズポリシー == |
== エンタープライズポリシー == |
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− | ネットワークとシステム全体のポリシーは、[https://support.mozilla.org/ |
+ | ネットワークとシステム全体のポリシーは、[https://support.mozilla.org/ja/kb/managing-policies-linux-desktops エンタープライズポリシー]を使用して確立することができます。これは、ユーザーの設定プリファレンスを補足し、オーバーライドします。例えば、ベータチャンネルリリースに対するアップデートのチェックを無効にするというユーザー設定は文書化されていません。しかし、回避策として効果的に使用できるエンタープライズポリシーが存在します。単一または複数のポリシーは、以下のように {{ic|policies.json}} を通して管理することができます: |
* アプリケーションの更新を無効にする |
* アプリケーションの更新を無効にする |
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− | * ハードウェア |
+ | * ハードウェアアクセラレーションを強制的に有効にする |
{ |
{ |
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{{ic|about:support}} で {{ic|Enterprise Policies}} が {{ic|Active}} に設定されていることを確認し、{{ic|about:policies}} でリリース固有のポリシーを確認してください。 |
{{ic|about:support}} で {{ic|Enterprise Policies}} が {{ic|Active}} に設定されていることを確認し、{{ic|about:policies}} でリリース固有のポリシーを確認してください。 |
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− | == |
+ | == サニタイズされたプロファイル == |
=== prefs.js === |
=== prefs.js === |
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− | Firefox プロファイルを構成するファイルは、特定のメタデータを取り除くことができます。たとえば、典型的な {{ic|prefs.js}} には、クライアントやユーザ |
+ | Firefox プロファイルを構成するファイルは、特定のメタデータを取り除くことができます。たとえば、典型的な {{ic|prefs.js}} には、クライアントやユーザを識別する文字列が含まれています。 |
user_pref("app.normandy.user_id", "6f469186-12b8-50fb-bdf2-209ebc482c263"); |
user_pref("app.normandy.user_id", "6f469186-12b8-50fb-bdf2-209ebc482c263"); |
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214行目: | 230行目: | ||
user_pref("toolkit.telemetry.cachedClientID", "22e251b4-0791-44f5-91ec-a44d77255f4a"); |
user_pref("toolkit.telemetry.cachedClientID", "22e251b4-0791-44f5-91ec-a44d77255f4a"); |
||
− | これらの文字列をリセットする方法は複数ありますが、マスター {{ic|prefs.js}} を最初にそのような識別子なしで作成し、作業プロファイルに同期する必要があることに注意してください。最も簡単な解決策は、{{ic|prefs.js}} を別の場所にコピーする前に Firefox を閉じることです |
+ | これらの文字列をリセットする方法は複数ありますが、マスター {{ic|prefs.js}} を最初にそのような識別子なしで作成し、作業プロファイルに同期する必要があることに注意してください。最も簡単な解決策は、{{ic|prefs.js}} を別の場所にコピーする前に Firefox を閉じることです: |
$ cp ~/.mozilla/firefox/example.default-release/prefs.js ~/prefs.sanitized.js |
$ cp ~/.mozilla/firefox/example.default-release/prefs.js ~/prefs.sanitized.js |
||
− | + | 識別文字列と日付コードは、0 に設定するか、コピーした {{ic|prefs.js}} からそれらのエントリを完全に削除して、全て取り除いてください。必要に応じて、サニタイズされた {{ic|prefs.js}} を作業プロファイルに同期してください: |
|
$ rsync -v ~/.prefs.sanitized.js ~/.mozilla/firefox/example.default-release/prefs.js |
$ rsync -v ~/.prefs.sanitized.js ~/.mozilla/firefox/example.default-release/prefs.js |
||
− | {{Note|必要な識別子と日付コードのエントリ |
+ | {{Note|必要な識別子と日付コードのエントリや文字列は、Firefox の次回の起動時に自動的に再生成され、新しい値にリセットされます。}} |
− | + | 二次的なプライバシー効果も発生します。サニタイズされた {{ic|prefs.js}} と使用中の {{ic|prefs.js}} を [https://fingerprintjs.com/demo Fingerprint JS API Demo] でテストして結果の文字列を比べると分かります。 |
|
− | === |
+ | === extensions.json === |
− | 拡張機能がインストールされていると仮定 |
+ | 何らかの拡張機能がインストールされていると仮定すると、{{ic|extensions.json}} ファイルには全てのプロファイル拡張機能とそれらの設定が保存されています。注意すべきは、{{ic|.mozilla}} と {{ic|extensions}} がデフォルトで存在するユーザホームディレクトリの場所です。望ましくないバックグラウンドアップデートは、{{ic|applyBackgroundUpdates}} を {{ic|0}} に設定することで無効化できます。ちょっとした注意点は、{{ic|installDate}} と {{ic|updateDate}} です。[[Bubblewrap/例#Firefox|Bubblewrap]] はユーザ名とホームディレクトリの場所を効果的にマスクすることが可能で、それと同時に、{{ic|extensions.json}} ファイルをサニタイズし、サンドボックス化された {{ic|HOME}} を指すように修正することができます。 |
{"schemaVersion":31,"addons":[{"id":"uBlock0@raymondhill.net","syncGUID":"{0}","version":"0","type":"extension","optionsURL":"dashboard.html","optionsType":3,"optionsBrowserStyle":true,"visible":true,"active":true,"userDisabled":false,"appDisabled":false,"embedderDisabled":false,"installDate":0,"updateDate":0,"applyBackgroundUpdates":0,"path":"/home/r/.mozilla/firefox/example.default-release/extensions/uBlock0@raymondhill.net.xpi","skinnable":false,"softDisabled":false,"foreignInstall":true,"strictCompatibility":true}} |
{"schemaVersion":31,"addons":[{"id":"uBlock0@raymondhill.net","syncGUID":"{0}","version":"0","type":"extension","optionsURL":"dashboard.html","optionsType":3,"optionsBrowserStyle":true,"visible":true,"active":true,"userDisabled":false,"appDisabled":false,"embedderDisabled":false,"installDate":0,"updateDate":0,"applyBackgroundUpdates":0,"path":"/home/r/.mozilla/firefox/example.default-release/extensions/uBlock0@raymondhill.net.xpi","skinnable":false,"softDisabled":false,"foreignInstall":true,"strictCompatibility":true}} |
||
− | {{ic|addonStartup.json.lz4}} と {{ic|search.json.mozlz4}} からも |
+ | {{ic|addonStartup.json.lz4}} と {{ic|search.json.mozlz4}} からも似たようなメタデータを削除することができます。[https://github.com/jusw85/mozlz4 mozlz4] は、Mozilla の (非標準の) LZ4 ファイルの圧縮/展開サポートを提供するコマンドラインツールです。 |
== サブシステムの削除 == |
== サブシステムの削除 == |
||
+ | [https://firefox-source-docs.mozilla.org/toolkit/crashreporter/crashreporter/index.html クラッシュレポート]に関連するテレメトリは、以下を削除することで無効にすることができます: |
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− | {{Expansion|The deleted files will be back after upgrading the package, add them to [[pacman#Skip files from being installed to system|NoExtract]] instead.}} |
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− | |||
− | [https://firefox-source-docs.mozilla.org/toolkit/crashreporter/crashreporter/index.html クラッシュ レポート] に関連するテレメトリは、以下を削除することで無効にすることができます: |
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/usr/lib/firefox/crashreporter |
/usr/lib/firefox/crashreporter |
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/usr/lib/firefox/pingsender |
/usr/lib/firefox/pingsender |
||
− | Mozilla の公式ソースから Firefox を手動でインストールすることを選択した場合は、{{ic|firefox}} ディレクトリの {{ic|updater}} を削除することでアップデータシステムを無効にすることができます。 |
+ | Mozilla の公式ソースから Firefox を手動でインストールすることを選択した場合は、{{ic|firefox}} ディレクトリの {{ic|updater}} を削除することでアップデータのシステムを無効にすることができます。 |
== omni.ja の内容を編集する == |
== omni.ja の内容を編集する == |
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254行目: | 268行目: | ||
再圧縮/再圧縮するには、コマンド {{ic|zip -0DXqr omni.ja *}} を使用し、作業ディレクトリが {{ic|omni.ja}} ファイルのルートディレクトリであることを確認します。 |
再圧縮/再圧縮するには、コマンド {{ic|zip -0DXqr omni.ja *}} を使用し、作業ディレクトリが {{ic|omni.ja}} ファイルのルートディレクトリであることを確認します。 |
||
− | == user.js テンプレート |
+ | == 堅牢化された user.js のテンプレート == |
− | + | Firefox のプロファイルディレクトリに置いて Firefox の設定を包括的に堅牢化できる {{ic|user.js}} 設定ファイルを作成しているアクティブなプロジェクトがあります: |
|
* [https://github.com/arkenfox/user.js arkenfox/user.js] ({{AUR|arkenfox-user.js}}) |
* [https://github.com/arkenfox/user.js arkenfox/user.js] ({{AUR|arkenfox-user.js}}) |
||
* [https://github.com/pyllyukko/user.js pyllyukko/user.js] |
* [https://github.com/pyllyukko/user.js pyllyukko/user.js] |
||
− | * [https://ffprofile.com/ ffprofile.com] ([https://github.com/allo-/firefox-profilemaker github]) - オンライン user.js ジェネレータ |
+ | * [https://ffprofile.com/ ffprofile.com] ([https://github.com/allo-/firefox-profilemaker github]) - オンラインの user.js ジェネレータ。有効化/無効化する機能を選択し、最後にプロファイルテンプレートの zip ファイルのダウンロードリンクが出てきます。例えば、Mozilla や Google にデータを送信する機能を無効化したり、Mozilla Hello や Pocket 統合などの迷惑な機能を無効化したりできます。 |
== 参照 == |
== 参照 == |
||
+ | |||
− | * [https://brainfucksec.github.io/firefox-hardening-guide Brainfucksec's firefox hardening guide] - あなたの Firefox を強化するためのよく整備された Firefox ガイド。 |
||
+ | * [https://brainfucksec.github.io/firefox-hardening-guide Brainfucksec's firefox hardening guide] - あなたの firefox を堅牢化するための良く整備された firefox ガイド。 |
||
− | * [https://www.privacyguides.org/ Privacy Guides] - オンラインプライバシーを維持するための、コミュニティが管理するリソース。 |
||
+ | * [https://www.privacyguides.org/ Privacy Guides] - オンラインでのプライバシーを守るための、コミュニティによって管理されているリソース。 |
||
* [https://www.privacytools.io/#addons privacytools.io Firefox Privacy Add-ons] |
* [https://www.privacytools.io/#addons privacytools.io Firefox Privacy Add-ons] |
||
* [https://prism-break.org/en/categories/gnu-linux/#web-browser-addons prism-break.org Web Browser Addons] |
* [https://prism-break.org/en/categories/gnu-linux/#web-browser-addons prism-break.org Web Browser Addons] |
||
* [[MozillaWiki:Privacy/Privacy Task Force/firefox about config privacy tweeks]] - Mozilla が管理する wiki ページで、プライバシー固有の設定について説明しています。 |
* [[MozillaWiki:Privacy/Privacy Task Force/firefox about config privacy tweeks]] - Mozilla が管理する wiki ページで、プライバシー固有の設定について説明しています。 |
||
− | * [https://support.mozilla.org/ |
+ | * [https://support.mozilla.org/ja/kb/how-stop-firefox-making-automatic-connections Firefox が勝手にインターネットに接続するのを防ぐには] - インターネットへの自動アクセスをケースバイケースで無効化するための対応する Firefox の機能と設定の注釈付きリスト |
+ | |||
+ | {{TranslationStatus|Firefox/Privacy|2023-09-16|787574}} |
2024年6月5日 (水) 15:48時点における最新版
この記事では、セキュリティとプライバシーを高めるための Firefox の設定を概説します。
目次
- 1 設定
- 1.1 トラッキング防止機能
- 1.2 フィンガープリント採取防止
- 1.3 ブラウザのタイムゾーンを変更する
- 1.4 ユーザエージェントとプラットフォームを変更する
- 1.5 WebRTC は LAN の IP アドレスを公開してしまいます
- 1.6 HTTP リファラを無効化する
- 1.7 接続テストを無効化する
- 1.8 テレメトリを無効化する
- 1.9 "Do Not Track" ヘッダを有効化する
- 1.10 'Trusted Recursive Resolver' を無効化/強制する
- 1.11 位置情報を無効化する
- 1.12 'Safe Browsing' サービスを無効化する
- 1.13 WebGL を無効化する
- 1.14 Encrypted Client Hello
- 2 拡張機能
- 3 Searx を通してウェブ検索する
- 4 Invidious を通して動画を見る
- 5 エンタープライズポリシー
- 6 サニタイズされたプロファイル
- 7 サブシステムの削除
- 8 omni.ja の内容を編集する
- 9 堅牢化された user.js のテンプレート
- 10 参照
設定
以下は、ブラウザのフィンガープリント採取とトラッキングを防ぐためのプライバシーに重点を置いた設定です。
トラッキング防止機能
Firefox には強化型トラッキング防止機能のオプションがあります。このオプションは、設定 > プライバシーとセキュリティ から GUI で、あるいは about:config
から設定することで、複数のレベルから選択して有効化できます:
privacy.trackingprotection.enabled
true
プライバシー上の利点以外にも、トラッキング防止機能を有効化するとロード時間が 44% 短くなるという効果もあります。
注意点として、この機能は uBlock Origin などの広告ブロック拡張機能を置き換えるものではなく、Firefox のフォークでは動作しない可能性があります。正しいフィルタリストのある広告ブロックをすでに実行している場合、トラッキング防止機能は冗長かもしれません。
フィンガープリント採取防止
Firefox のトラッキング防止機能は、プライバシーの設定が 標準 (デフォルト) か 厳格 に設定されている場合、既知の "フィンガープリント採取者" のリストをブロックします。フィンガープリント採取防止機能は、Firefox で開発中の別の実験的な機能です。
Mozilla は、Tor Browser の機能を取り入れるプロジェクトの一環として、Firefox におけるフィンガープリント採取防止プロジェクトを開始しました。これらのフィンガープリント採取防止機能の多くは、about:config
の以下の設定により有効化されます:
privacy.resistFingerprinting
true
詳細は Firefox のフィンガープリント採取防止機能 を参照してください。
ブラウザのタイムゾーンを変更する
システムのタイムゾーンはブラウザのフィンガープリント採取で使われる可能性があります。Firefox のタイムゾーンを UTC に設定するには、以下のようにして Firefox を起動してください:
$ TZ=UTC firefox
あるいは、上記を実行するスクリプトを設定してください (例えば、/usr/local/bin/firefox
に)。
ユーザエージェントとプラットフォームを変更する
Firefox のユーザエージェントは about:config
の general.useragent.override
プリファレンスで上書きすることができます。
このキーの値はブラウザのユーザエージェントです。既知で一般的なものを選んでください。
Firefox のプラットフォームを変更するには、以下の string
キーを about:config
に追加してください:
general.platform.override
ユーザエージェントに対応する既知の一般的なプラットフォームを選んでください。
WebRTC は LAN の IP アドレスを公開してしまいます
ウェブサイトが WebRTC のピアツーピア (と JavaScript) であなたのローカル IP アドレスを取得できないようにするには、about:config
を開き、以下を設定してください:
media.peerconnection.ice.default_address_only
をtrue
にmedia.peerconnection.enabled
をfalse
に (WebRTC を完全に無効化したい場合のみ)
この WebRTC テストページと WebRTC IP Leak VPN / Tor IP Test で、あなたの内部/外部 IP アドレスが漏洩していないことを確認できます。
HTTP リファラを無効化する
HTTP リファラとは、現在リクエストされているページの前のウェブページのアドレスを指す、オプションの HTTP ヘッダフィールドです。
プリファレンスに応じて、network.http.sendRefererHeader
を 0
か 1
に設定してください。
接続テストを無効化する
デフォルトでは、Firefox は Amazon サーバと Akamai サーバの両方か片方に一定の間隔で接続して、接続をテストします。例えば、ホテルやレストラン、会社では、インターネットに接続するためにパスワードを入力する必要があるかもしれません。そのようなキャプティブポータルが存在してトラフィックをブロックする場合、この機能は他の全ての接続試行をブロックします。これにより、あなたの使用習慣が漏れてしまう可能性があります。
キャプティブポータルのテストを無効化するには、about:config
で以下を設定してください:
network.captive-portal-service.enabled
をfalse
に。
テレメトリを無効化する
toolkit.telemetry.enabled
を false
に設定するか、設定 > プライバシーとセキュリティ > Firefox のデータ収集と利用について でテレメトリを無効化してください。または、どちらも設定してください。
"Do Not Track" ヘッダを有効化する
privacy.donottrackheader.enabled
を true
に設定するか、設定 > プライバシーとセキュリティ > 強化型トラッキング防止機能 でこの機能をオンにしてください。
'Trusted Recursive Resolver' を無効化/強制する
Firefox 60 では、Trusted Recursive Resolver (TRR) と呼ばれる機能が追加されました。あなたのシステムで設定されている DNS サーバを使わず、代わりに全ての DNS リクエストを HTTPS で Cloudflare サーバに送ります。この機能は劇的に安全性を高めます ("従来の" DNS リクエストはネットワーク上を平文で送られ、その道中で誰もが覗き見ることができてしまうからです)。しかし、TRR サーバを提供する Cloudflare がすべての DNS リクエストを読むことができてしまいます。
- 自分で設定した DNS サーバを Cloudflare のものよりも信頼している場合、
about:config
でnetwork.trr.mode
(整数、このオプションがない場合は作成してください) を5
に設定して TTR を無効化できます。(0 はデフォルトで無効化するという意味で、将来のアップデートで上書きされるかもしれません。5 は選択として無効化するという意味で、上書きされることはありません。) - Cloudflare の DNS サーバを信頼していて、(暗号化された DNS リクエストによる) さらなるプライバシーの向上を優先する場合、
network.trr.mode
を3
(従来の DNS リクエストを完全に無効化する) か2
(TRR をデフォルトで使用する。失敗した場合、従来の DNS リクエストにフォールバックします) に設定することで TRR を強制できます。イントラネットのウェブサイトを使用する場合や、ホスト名を使ってローカルネットワーク内のコンピュータにアクセスする場合、TRR を有効化すると一部のケースで名前解決の機能が破壊される場合があることを留意しておいてください。 - DNS リクエストを暗号化したいが、Cloudflare のサーバは使いたくない場合、
network.trr.uri
をリゾルバの URL に設定することで新しい DNS over HTTPS サーバを指定できます。現在利用可能なリゾルバのリストは、curl wiki で見られます (TRR 用の他の設定オプションも掲載されています)。
位置情報を無効化する
about:config
で geo.enabled
を false
に設定してください。
'Safe Browsing' サービスを無効化する
Safe Browsing は、フィッシングからの保護とマルウェア検査の機能を提供しますが、ユーザの情報 (例: URL、ファイルハッシュなど) を Google などのサードパーティに送信する場合が有ります。
Safe Browsing サービスを無効化するには、about:config
で以下を設定してください:
browser.safebrowsing.malware.enabled
をfalse
にbrowser.safebrowsing.phishing.enabled
をfalse
に
さらに、browser.safebrowsing.downloads.enabled
を false
に設定してダウンロードの確認を無効化してください。
WebGL を無効化する
WebGL はセキュリティ上のリスクとなりえます。[1] WebGL を無効化したい場合は、about:config
で webgl.disabled
を true
に設定してください。
Encrypted Client Hello
TLS 接続先のサーバ名を盗み聞きされないようにするために Encrypted Client Hello (ECH) (以前は encrypted Server Name Indicator (eSNI) と呼ばれていました) を有効化するには、以下を設定してください:
network.dns.echconfig.enabled
をtrue
にnetwork.dns.http3_echconfig.enabled
をtrue
に
また、network.trr.mode
を 2
か 3
に設定する必要がある場合があります。
拡張機能
ブラウザ拡張機能#プライバシー を参照してください。
WebAssembly (および JavaScript) を無効化する
WebAssembly (Wasm とも) は、比較的新しい言語です。JavaScript とは異なり、Wasm はプリコンパイルされたコードをブラウザ内でネイティブに実行し、ハイパフォーマンスなシミュレーションやアプリケーションを実現します。WebAssembly は、マルウェアの侵入経路を隠してしまうとして批判されており、JavaScript と同様にユーザの追跡に使用できてしまいます。Tor Browser は JavaScript と Wasm の両方をブロックします。
Tor Browser のように JavaScript をブロックするには、ブラウザ拡張機能#プライバシー の NoScript を見てください。これは、必要に応じてクイックアクセスを有効化します。Wasm を無効化するには、about:config
で以下を設定してください:
javascript.options.wasm
をfalse
にjavascript.options.wasm_baselinejit
をfalse
にjavascript.options.wasm_ionjit
をfalse
に
システム全体の非表示の拡張機能を削除する
一部の拡張機能は非表示になっていて、デフォルトで /usr/lib/firefox/browser/features
にインストールされています。これらのうち多くは rm extension-name.xpi
で安全に削除できます。これらの拡張機能はデフォルトでは有効化されていない可能性があり、有効化/無効化するためのメニューオプションがある場合があります。注意点として、削除したファイルは firefox パッケージのアップデート時に復活します。これらの拡張機能を削除したままにするには、pacman.conf
内の NoExtract=
オプションに先のディレクトリを追加することを検討してください (Pacman#インストールさせないファイルを設定 を参照)。該当する拡張機能としては:
doh-rollout@mozilla.org.xpi
- DoH Roll-Out (#'Trusted Recursive Resolver' を無効化/強制する 場合、削除しないでください)。screenshots@mozilla.org.xpi
- Firefox スクリーンショット。webcompat-reporter@mozilla.org.xpi
- Mozilla が Firefox を改善したり、webcompat@mozilla.org.xpi
拡張機能を使って動的にサイトにパッチを適用したりできるようにするために、Firefox で危険にさらされているサイトを報告できるようにします。- ユーザの拡張機能とシステムの拡張機能は全て
about:support
に一覧表示されます。システムの拡張機能の完全なリストとそれらの機能についての README ファイルは [2] を見てください。
/opt
にインストールされたデフォルトリリースなどのパスへの Firefox インストールでは、/firefox/firefox/browser/features
にシステムの拡張機能がインストールされます。
Searx を通してウェブ検索する
1つの組織に与える情報の量を減らすことで、プライバシーを向上させることができます。例えば、ウェブ検索を行うごとに別々のランダムに選択されたプロキシを使用することで、1つの検索エンジンがあなたのプロファイルを構築することがほぼ不可能になります。Searx の公開インスタンス (またはサイト) を使うことで、これを行うことができます。Searx は AGPL-3.0 ライセンスのオープンソースなサイトビルダであり、サイト ('インスタンス' と呼ばれます) を生成します。それぞれの公開 'インスタンス' は、あなたと無数の検索エンジンとの間で仲介役として機能させることができます。
公開インスタンスとその他のリストから、必要なだけ Searx のサイトをブックマークしてください (JavaScript が無効化されている場合、リストをロードさせるために一時的に有効化する必要があります)。それらのブックマークに素早くアクセスできるようにするために、ブックマークの 名前 入力欄に SX1
、SX2
... SX(n)
((n)
はブックマークした Searx インスタンスの数) を追加することを検討してください。
ブックマークしたら、URL バーで sx
とその後に数字を入力して Enter
を押すと、インスタンスがロードされます。
Invidious を通して動画を見る
Invidious インスタンスは、YouTube の代替フロントエンドとして機能します。インスタンスは、オープンソースなコードから構築されたウェブサイトです。コンテンツにアクセスするためにユーザーが YouTube (Google) に送信する情報量を制限することは、一般的に困難でした。
Invidious を使用する利点としては以下が挙げられます:
- スクリプトを実行しなくても動画にアクセスできる。YouTube ではスクリプトの実行を強制されます。
- ビデオは、オフラインの場合を含め、将来の視聴のため、または他の人が視聴するために保存することができます。これにより、コンテンツがいつ閲覧されたか、または再閲覧されたかについて、Google に送信されるフィードバックが減少します。
- 帯域幅の使用量を削減するオプションのオーディオのみのモード。Tor のようなブラウザと組み合わせると、より軽量なウェブサイトでより少ないデータパケットを使用すると、あなたの匿名性を向上させる可能性があります。
- Invidious は、独立した、プライベート、ビデオホスティングサービスを簡単に設定することができ、フリーでオープンソースのインターフェイスです。このように、Invidious を使用して、独自のコンテンツや YouTube から削除されたコンテンツを提供しているウェブサイトが存在します。そのため、将来的に YouTube のプロフィール作成機能を制限するのに役立つかもしれません (ノートを参照)。
次のリストから、できるだけ多くの 機能している Invidious インスタンスをブックマークしてください (こちら、こちら、こちら)。これらのインスタンスのいくつかは、Cloudflare によってホストされている場合があることに注意してください。
YouTube 動画の URL の youtube.com
の部分を使用したいインスタンスのドメインに置き換えるだけで、Invidious の URL に変更できます。
エンタープライズポリシー
ネットワークとシステム全体のポリシーは、エンタープライズポリシーを使用して確立することができます。これは、ユーザーの設定プリファレンスを補足し、オーバーライドします。例えば、ベータチャンネルリリースに対するアップデートのチェックを無効にするというユーザー設定は文書化されていません。しかし、回避策として効果的に使用できるエンタープライズポリシーが存在します。単一または複数のポリシーは、以下のように policies.json
を通して管理することができます:
- アプリケーションの更新を無効にする
- ハードウェアアクセラレーションを強制的に有効にする
{ "policies": { "DisableAppUpdate": true, "HardwareAcceleration": true } }
about:support
で Enterprise Policies
が Active
に設定されていることを確認し、about:policies
でリリース固有のポリシーを確認してください。
サニタイズされたプロファイル
prefs.js
Firefox プロファイルを構成するファイルは、特定のメタデータを取り除くことができます。たとえば、典型的な prefs.js
には、クライアントやユーザを識別する文字列が含まれています。
user_pref("app.normandy.user_id", "6f469186-12b8-50fb-bdf2-209ebc482c263"); user_pref("security.sandbox.content.tempDirSuffix", "2a02902b-f25c-a9df-17bb-501350287f27"); user_pref("toolkit.telemetry.cachedClientID", "22e251b4-0791-44f5-91ec-a44d77255f4a");
これらの文字列をリセットする方法は複数ありますが、マスター prefs.js
を最初にそのような識別子なしで作成し、作業プロファイルに同期する必要があることに注意してください。最も簡単な解決策は、prefs.js
を別の場所にコピーする前に Firefox を閉じることです:
$ cp ~/.mozilla/firefox/example.default-release/prefs.js ~/prefs.sanitized.js
識別文字列と日付コードは、0 に設定するか、コピーした prefs.js
からそれらのエントリを完全に削除して、全て取り除いてください。必要に応じて、サニタイズされた prefs.js
を作業プロファイルに同期してください:
$ rsync -v ~/.prefs.sanitized.js ~/.mozilla/firefox/example.default-release/prefs.js
二次的なプライバシー効果も発生します。サニタイズされた prefs.js
と使用中の prefs.js
を Fingerprint JS API Demo でテストして結果の文字列を比べると分かります。
extensions.json
何らかの拡張機能がインストールされていると仮定すると、extensions.json
ファイルには全てのプロファイル拡張機能とそれらの設定が保存されています。注意すべきは、.mozilla
と extensions
がデフォルトで存在するユーザホームディレクトリの場所です。望ましくないバックグラウンドアップデートは、applyBackgroundUpdates
を 0
に設定することで無効化できます。ちょっとした注意点は、installDate
と updateDate
です。Bubblewrap はユーザ名とホームディレクトリの場所を効果的にマスクすることが可能で、それと同時に、extensions.json
ファイルをサニタイズし、サンドボックス化された HOME
を指すように修正することができます。
{"schemaVersion":31,"addons":[{"id":"uBlock0@raymondhill.net","syncGUID":"{0}","version":"0","type":"extension","optionsURL":"dashboard.html","optionsType":3,"optionsBrowserStyle":true,"visible":true,"active":true,"userDisabled":false,"appDisabled":false,"embedderDisabled":false,"installDate":0,"updateDate":0,"applyBackgroundUpdates":0,"path":"/home/r/.mozilla/firefox/example.default-release/extensions/uBlock0@raymondhill.net.xpi","skinnable":false,"softDisabled":false,"foreignInstall":true,"strictCompatibility":true}}
addonStartup.json.lz4
と search.json.mozlz4
からも似たようなメタデータを削除することができます。mozlz4 は、Mozilla の (非標準の) LZ4 ファイルの圧縮/展開サポートを提供するコマンドラインツールです。
サブシステムの削除
クラッシュレポートに関連するテレメトリは、以下を削除することで無効にすることができます:
/usr/lib/firefox/crashreporter /usr/lib/firefox/minidump-analyzer /usr/lib/firefox/pingsender
Mozilla の公式ソースから Firefox を手動でインストールすることを選択した場合は、firefox
ディレクトリの updater
を削除することでアップデータのシステムを無効にすることができます。
omni.ja の内容を編集する
/usr/lib/firefox/omni.ja
ファイルには、Firefox で使用されるデフォルトの構成設定のほとんどが含まれています。例として、Firefox 73以降、firefox.settings.services.mozilla.com
および/または content-signature-2.cdn.mozilla.net
へのネットワーク呼び出しをブロックできません。拡張機能を使用するか、設定 URL を "");
に設定します。DNS シンクホールを使用して、解決された IP ブロックをファイアウォールで保護する以外に、1つの解決策として、firefox. settings.services.mozilla.com
および/または cdn.mozilla.net
セキュリティとパフォーマンスの両方の理由から、omni.ja
のサイズを縮小、未使用の辞書やハイフネーションファイルなどの余分なモジュールを削除することもできます。
再圧縮/再圧縮するには、コマンド zip -0DXqr omni.ja *
を使用し、作業ディレクトリが omni.ja
ファイルのルートディレクトリであることを確認します。
堅牢化された user.js のテンプレート
Firefox のプロファイルディレクトリに置いて Firefox の設定を包括的に堅牢化できる user.js
設定ファイルを作成しているアクティブなプロジェクトがあります:
- arkenfox/user.js (arkenfox-user.jsAUR)
- pyllyukko/user.js
- ffprofile.com (github) - オンラインの user.js ジェネレータ。有効化/無効化する機能を選択し、最後にプロファイルテンプレートの zip ファイルのダウンロードリンクが出てきます。例えば、Mozilla や Google にデータを送信する機能を無効化したり、Mozilla Hello や Pocket 統合などの迷惑な機能を無効化したりできます。
参照
- Brainfucksec's firefox hardening guide - あなたの firefox を堅牢化するための良く整備された firefox ガイド。
- Privacy Guides - オンラインでのプライバシーを守るための、コミュニティによって管理されているリソース。
- privacytools.io Firefox Privacy Add-ons
- prism-break.org Web Browser Addons
- MozillaWiki:Privacy/Privacy Task Force/firefox about config privacy tweeks - Mozilla が管理する wiki ページで、プライバシー固有の設定について説明しています。
- Firefox が勝手にインターネットに接続するのを防ぐには - インターネットへの自動アクセスをケースバイケースで無効化するための対応する Firefox の機能と設定の注釈付きリスト