「FAQ」の版間の差分
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{{Related articles start}} |
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{{Related|Arch 用語集}} |
{{Related|Arch 用語集}} |
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{{Related|一般的なトラブルシューティング}} |
{{Related|一般的なトラブルシューティング}} |
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{{Related articles end}} |
{{Related articles end}} |
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− | ここで解決されない問題等については,[[The Arch Way]],[[Arch Linux]] が参考になります.そこでは Arch Linux に関するより多くの情報が扱われています. |
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==一般== |
==一般== |
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=== Arch Linux って何ですか? === |
=== Arch Linux って何ですか? === |
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[[Arch Linux]] を参照してください。 |
[[Arch Linux]] を参照してください。 |
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− | |||
− | === 私は Arch を使うべきですか? === |
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− | あなたが [[The Arch Way]] の理念に賛同し、'do-it-yourself' なアプローチを受け入れることができて、そして、シンプルで、エレガントで、高いカスタマイズ性を持ち、最先端の汎用 GNU/Linux ディストリビューションをお探しなら、Arch が気に入るかもしれません。 |
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=== 私は Arch を使うべきではありませんか? === |
=== 私は Arch を使うべきではありませんか? === |
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+ | 以下のような方は Arch を使いたいとは思わないでしょう: |
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− | あなたが [[The Arch Way]] の理念に賛同できず、'do-it-yourself' な GNU/Linux ディストリビューションを使う能力や時間がない、あるいはそれを求めていないなら、Arch はあなた向けではないかもしれません。 |
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+ | * 'do-it-yourself' な GNU/Linux ディストリビューションを使う能力や時間がない、あるいはそれを求めていない方。 |
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− | |||
− | また、以下のような方も Arch を使いたいとは思わないでしょう: |
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* x86_64 以外のアーキテクチャのサポートが必要な方。 |
* x86_64 以外のアーキテクチャのサポートが必要な方。 |
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* GNU で定義されたフリーウェアのみを提供するディストリビューションを使うことに強いこだわりのある方。 |
* GNU で定義されたフリーウェアのみを提供するディストリビューションを使うことに強いこだわりのある方。 |
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* 今使っている OS に満足している方。 |
* 今使っている OS に満足している方。 |
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− | === Arch |
+ | === なぜ Arch を使いたいですか? === |
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− | Arch は独自に開発され、他のいかなる GNU/Linux ディストリビューションもベースとしていません。Arch を製作する以前、Judd Vinet は Per Lidén による優れた最小主義ディストリビューションである CRUX を賞賛し使用していました。当初は CRUX と同様のアイデアに触発された Arch ですが、スクラッチビルドされており、[[pacman]] は C 言語で開発されました。 |
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+ | [[Arch は最高]] だからです。 |
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=== Arch はどのアーキテクチャをサポートしていますか? === |
=== Arch はどのアーキテクチャをサポートしていますか? === |
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− | Arch は x86_64 (別名 amd64) アーキテクチャのみをサポートしています。i686 のサポートは2017年11月に切られました [https://www.archlinux.jp/news/the-end-of-i686-support/] |
+ | Arch は [[Wikipedia:ja:X64|x86_64]] (別名 amd64) アーキテクチャのみをサポートしています。i686 のサポートは2017年11月に切られました [https://www.archlinux.jp/news/the-end-of-i686-support/]。 |
+ | ''非公式'' の移植プロジェクトとしては、i686 アーキテクチャ向けの [https://archlinux32.org/] や [[Wikipedia:jja:ARMアーキテクチャ|ARM]] CPU 向けの [https://archlinuxarm.org/] などがあり、それぞれ専用のコミュニティを持っています。 |
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− | === Arch は ARM CPU をサポートしていますか? === |
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− | いいえ、ただし [https://archlinuxarm.org/ Arch Linux ARM] プロジェクトによって Arch Linux が ARM プラットフォームに移植されています。 |
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− | === Arch は |
+ | === Arch は Linux Foundation の標準ファイルシステム階層 (FHS) に準拠していますか? === |
− | Arch Linux は [[systemd]] サービスマネージャを使用するオペレーティングシステムの''ファイルシステム階層''を遵守しています。ディレクトリの説明については {{man|7|file-hierarchy}} を見てください。特に Arch では {{ic|/bin}}, {{ic|/sbin}}, {{ic|/usr/sbin}} は {{ic|/usr/bin}} のシンボリックリンクに、{{ic|/lib}} と {{ic|/lib64}} は {{ic|/usr/lib}} のシンボリックリンクになっています |
+ | Arch Linux は [[systemd]] サービスマネージャを使用するオペレーティングシステムの''ファイルシステム階層''を遵守しています。ディレクトリの説明については {{man|7|file-hierarchy}} を見てください。特に Arch では {{ic|/bin}}, {{ic|/sbin}}, {{ic|/usr/sbin}} は {{ic|/usr/bin}} のシンボリックリンクに、{{ic|/lib}} と {{ic|/lib64}} は {{ic|/usr/lib}} のシンボリックリンクになっています。 |
=== 当方全くの GNU/Linux ビギナーなのですが、Arch を使って大丈夫でしょうか? === |
=== 当方全くの GNU/Linux ビギナーなのですが、Arch を使って大丈夫でしょうか? === |
||
− | + | もしあなたが初心者で、それでもなお Arch を使おうとしているのであれば、あなたは十分な時間を費やして学ぶことに喜びを覚えるようでなければなりません。また Arch が全く "Do-It-Yourself" なディストリビューションとして設計されている、ということも肝に命じておくべきでしょう。システムを組み上げ、それをどのようなものにしていくかをコントロールするのはユーザー自身なのです。 |
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+ | 質問をする前にまず自分で調査するようにしてください。Google やフォーラム、そして素晴らしいドキュメントが用意されている Arch Wiki の検索を活用しましょう。''そのような情報が使える状態になっているのには理由があります。'' 途方もない時間がこの貴重な情報を編集するために無償で費やされているのです。 |
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− | === Arch を使うにはとても手間暇がかかるし、コミュニティはといえば、なにかと言うと RTFM って言うし === |
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+ | |||
− | Arch は特定のユーザベースを対象にして設計され、利用されています。おそらくそれがあなたには合っていないのでしょう。[[#当方全くの GNU/Linux ビギナーなのですが、Arch を使って大丈夫でしょうか?|上のセクション]]も参照してください。 |
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+ | [[Arch 用語集#RTFM]] や [[インストールガイド]] も見てください。 |
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=== Arch はどの用途向けに設計されていますか?サーバですか?デスクトップですか?ワークステーションですか? === |
=== Arch はどの用途向けに設計されていますか?サーバですか?デスクトップですか?ワークステーションですか? === |
||
− | Arch は特定の用途向けに設計されているわけではありません。むしろ、特定の "ユーザ" 向けに設計されています。Arch はなんでも自分でやることを楽しみ、各自のニーズに応じたシステムを構築するためにそれをよりよく活用する、やる気のあるユーザを対象にしています。したがって、その目的はユーザの思いのままであり、Arch は事実上あらゆる用途で使用できます。多くの人々が Arch をデスクトップとワークステーション両方で使用しています。そしてもちろん、archlinux.org は Arch で動いています。 |
+ | Arch は特定の用途向けに設計されているわけではありません。むしろ、特定の "ユーザ" 向けに設計されています。Arch はなんでも自分でやることを楽しみ、各自のニーズに応じたシステムを構築するためにそれをよりよく活用する、やる気のあるユーザを対象にしています。したがって、その目的はユーザの思いのままであり、Arch は事実上あらゆる用途で使用できます。多くの人々が Arch をデスクトップとワークステーション両方で使用しています。そしてもちろん、archlinux.org・aur.archlinux.org とほとんど全ての Arch の [https://gitlab.archlinux.org/archlinux/infrastructure インフラストラクチャ] は Arch で動いています。 |
=== Arch はホント好きなんだけどね.開発チームがXの機能さえ実装してくれればなぁ === |
=== Arch はホント好きなんだけどね.開発チームがXの機能さえ実装してくれればなぁ === |
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− | + | どうぞ積極的に参加してください.あなた自身がコードや解決策を提示することで [[コミュニティに貢献]] しましょう.もし,コミュニティや開発チームから認められれば,あなたのコードはマージされるかも知れません.Archコミュニティはコードやツールの提供,シェアによって活性化していきます. |
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− | === いつ新しい |
+ | === いつ新しいリリースが出るんでしょうか? === |
− | Arch Linux における |
+ | Arch Linux におけるリリースは単にインストールおよびレスキュー用のライブ環境で、{{Pkg|base}} メタパッケージとその他いくつかの [https://gitlab.archlinux.org/archlinux/archiso/-/blob/master/configs/releng/packages.x86_64 パッケージ]が含まれています。リリースは通常各月の前半頃に公開されます。 |
− | |||
− | ローリングリリースモデルは、ひとつのコマンド操作によってあらゆる Arch Linux のシステムを最新かつ最先端に保つものです。このことから、Arch におけるメジャーリリースというのはさほど重要な意味を持つものではないと言えます、なぜと言ってローリングリリースシステムは、パッケージがアップデートされるや否や、すぐさま最新のメジャーリリースを旧バージョンにしてしまうわけですから。最新の Arch Linux のメジャーリリースを手に入れたいと思っても、再インストールなどする必要はありません。単にコマンド {{ic|pacman -Syu}} を実行するだけで、あなたのシステムは新規インストールしたのと同様に最新になります。また同じ理由から、新しい Arch Linux のリリースというのは、一般的に理解されているような、真新しくてエキサイティングな機能を満載したものにはなりません。そうした真新しくエキサイティングな機能群のリリースは、必要に応じたパッケージのアップデートによってもたらされるものであり、それは {{ic|pacman -Syu}} のコマンドによって即座に反映されるのです。 |
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=== Arch Linux は堅牢なディストリなのでしょうか?しょっちゅう壊れたりしませんか? === |
=== Arch Linux は堅牢なディストリなのでしょうか?しょっちゅう壊れたりしませんか? === |
||
+ | ローリングリリースで構築された個人のシステムの堅牢性に関して、最終的な責任を負うのは''ユーザー自身''です。ユーザーがいつアップグレードするのかを決め、必要な時に必要な変更をマージするのです。もしユーザーがコミュニティに助けを求めれば、救いの手はすぐに差し伸べられることが多いでしょう。この点に関して、Arch が他のディストリビューションから異なっているのは、Arch が本当に "Do-it-yourself" なディストロであることでしょう。破損についてクレームをつけるのは見当違いであり、非生産的です。アップストリームでの変更に関して Arch 開発チームは責任を負いかねるからです。 |
||
− | 一言で言うと、それは概ね「''あなた''次第」だということです。 |
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+ | 可能な限り安定する Arch Linux システムを構成するための方法やヒントについては、[[システムメンテナンス]]を参照してください。 |
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− | 自分の Arch システムをシンプルな基本環境の上に構築するのは''あなた''であり,システムの成長をコントロールしていくのも''あなた''なのです。当然、多くのカスタマイズパッケージや、色とりどりのツールキット、デスクトップ環境などを統合して巨大に膨れ上がったシステムでは、スリムでよりシンプルなそれに比べてアップストリームの変更による影響を受けやすく、より多くの設定の問題に悩まされることになります。UNIX に関する一般的な知識や、上手なシステム管理、適切なアップグレードの実施といったものは、システムを堅牢にしていく上で非常に大きな役割を担います。Arch のパッケージの大部分はパッチを施されていないのだ、ということにも留意してください。大部分の問題はおおよそアップストリームに起因するものです。 |
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− | |||
− | 従って、ローリングリリースで構築された個人のシステムの堅牢性に関して、最終的な責任を負うのは''ユーザー自身''です。ユーザーがいつアップグレードするのかを決め、必要な時に必要な変更をマージするのです。もしユーザーがコミュニティに助けを求めれば、救いの手は直ちに差し伸べられることでしょう。この点に関して、Arch が他のディストリビューションから異なっているのは、Arch が本当に "Do-it-yourself" なディストロであることでしょう。破損についてクレームをつけるのは見当違いであり、非生産的です。なぜといって、アップストリームでの変更に関して Arch 開発チームは責任を負いかねるからです。 |
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=== Archのレビュー記事がもっと必要だ(宣伝が必要だ) === |
=== Archのレビュー記事がもっと必要だ(宣伝が必要だ) === |
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− | 現状でもう十分な量のArchについての記事が書かれています.Archの目標は巨大になることではなく、 |
+ | 現状でもう十分な量のArchについての記事が書かれています.Archの目標は巨大になることではなく、持続的な成長が対象のユーザーベースの間で自然に起きることです。 |
=== Archの開発者がもっと必要だ === |
=== Archの開発者がもっと必要だ === |
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− | そうかも知れませんね.もっと柔軟にあなたの時間を使って貢献してください! [https://bbs.archlinux.jp/ フォーラム]や,[[IRC チャンネル |
+ | そうかも知れませんね.もっと柔軟にあなたの時間を使って貢献してください! [https://bbs.archlinux.jp/ フォーラム]や,[[IRC チャンネル]],[https://lists.archlinux.org/mailman3/lists/ メーリングリスト]などに参加すれば,成すべきことがわかるはずです.詳細は [[コミュニティに貢献]] を参照してください。 |
+ | |||
+ | ==インストール== |
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+ | |||
+ | === Arch はもっと良いインストーラーを付けるべきだ。たとえば GUI インストーラーとか === |
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+ | Arch には Arch Installation Framework (AIF) と呼ばれる、テキストベースのユーザーインターフェースを持ったインストーラがありました。[https://lists.archlinux.org/archives/list/arch-releng@lists.archlinux.org/thread/4BW5FZZFIOMD3RFMOM4XVHKKEDMLXWPQ/ 最後のメンテナが去った]後、{{Pkg|arch-install-scripts}} の推奨により [[Arch_Linux#Arch_Install_Scripts|廃止]] されました。 |
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+ | [https://www.archlinux.jp/news/installation-medium-with-installer/ 2021年4月1日 から]、Arch はインストーラを再度含むようになりました。詳細は [[archinstall]] を参照してください。 |
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+ | === Arch をインストールしたんですが、シェルのログイン画面が表示されてます! どうすれば良いのでしょう? === |
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+ | [[一般的な推奨事項]]を参照してください。 |
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+ | |||
+ | === デスクトップ環境やウィンドウマネージャはどれを使えばいいですか? === |
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+ | たくさんありますので、あなたに一番あったものを使えばいいのです。[[デスクトップ環境]]や[[ウィンドウマネージャ]]も参照してください。 |
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+ | |||
+ | === 他の「ミニマル」なディストリビューションと比べて Arch のどこがユニークなんですか? === |
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+ | [[Arch と他のディストリビューションの比較]] を参照してください。 |
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+ | |||
+ | == システムメンテナンス == |
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+ | |||
+ | [[システムメンテナンス]] も参照してください。 |
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=== 他のOSに比べてインターネットの速度が遅いんだけど、どうして? === |
=== 他のOSに比べてインターネットの速度が遅いんだけど、どうして? === |
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ネットワークは正しく設定されていますか?[[ネットワーク設定]]のページを参照してください。 |
ネットワークは正しく設定されていますか?[[ネットワーク設定]]のページを参照してください。 |
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− | また、Arch ではデフォルトで[[Wikipedia:ja:トラフィックシェーピング|トラフィックシェーピング]]が有効になっていないことも注意してださい。従って、ネットワーク帯域を |
+ | また、Arch ではデフォルトで[[Wikipedia:ja:トラフィックシェーピング|トラフィックシェーピング]]が有効になっていないことも注意してださい。従って、(P2P 上か通常のクライアント-サーバー通信かに関わらず)ネットワーク帯域を使い果たすプログラムは、ローカルの他のソフトの通信を妨げ、ひどいラグやタイムアウトのような結果になる可能性があります。 Shorewall や Vuurmuur などの[[ファイアウォール]]や、 {{Pkg|iproute2}} の静的なスクリプト(例えば ''Wondershaper'' の [http://serendipity.ruwenzori.net/index.php/2008/06/01/modified-wondershaper-for-better-voip-qos 派生]) によってネットワークレイヤーのシェーピングを行うことができます。 |
=== なんで Arch は RAM を全部使っちゃうわけ? === |
=== なんで Arch は RAM を全部使っちゃうわけ? === |
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− | そもそも、使わない RAM は無駄な RAM です。 |
+ | そもそも、使わない RAM は無駄な RAM です。 |
− | 新米ユーザの方の多くは、Linux カーネルのメモリの扱い方が |
+ | 新米ユーザの方の多くは、Linux カーネルのメモリの扱い方が以前の方法と必ずしも同じにはならないことに気がつきます。RAM 上のデータへのアクセスはディスクに比べ非常に高速なので、カーネルは最近アクセスされたデータをメモリ上にキャッシュします。キャッシュされたデータは、利用可能なメモリを使い果たして、新しいデータがロードされる必要のある時のみクリアされます。 |
− | + | {{ic|free}} コマンドによって違いを見分けることができます: |
|
− | {{hc|$ free - |
+ | {{hc|$ free -h| |
− | total used free |
+ | total used free shared buff/cache available |
− | Mem: |
+ | Mem: 2.8Gi 1.1Gi 283Mi 224Mi 1.4Gi 1.2Gi |
− | + | Swap: 3.0Gi 881Mi 2.1Gi |
|
+ | }} |
||
− | Swap: 1537 0 1537}} |
||
+ | "free" と "available" メモリの違いは重要です。上の例において、ラップトップは 2.8GiB の RAM をほとんど使っていて、free なメモリはたった 283MiB しかありません。しかし、そのうち 1.4GiB は "buff/cache" です。スワップなしで 1.2GiB の available なメモリが新しいアプリケーションの起動に利用可能です。詳しくは {{man|1|free}} を参照してください。これらは結果としてパフォーマンスを向上させます! |
||
− | {{ic|-/+ buffers/cache:}} の行に注目してください —— メモリ量の表現は、実際には「現在使用中」と「利用可能」なメモリ量であり、「未使用」なのではありません。 |
||
+ | もしあなたの好奇心が刺激されたなら、[https://www.linuxjournal.com/article/2770 こちらの素晴らしい記事]も読んでみてください。こちらのウェブサイトでもこの混乱を整理して説明しています: https://www.linuxatemyram.com/ 。 |
||
− | 上記の例では、1GB の RAM を積んだラップトップで、アイドル状態のターミナルとウェブブラウザを開いただけでその 741MB を使用しています! しかし、上記の "-/+ buffers/cache:" で始まる行を見てください。「現在使用中」なのは 278MB に過ぎません。実際には 731MB は新しいデータのために「利用可能」なのです。一見すると、「使用中」メモリの内の 104MB がバッファデータであり、359MB がキャッシュデータであるかのように見えてしまいますが、それぞれは必要なときにクリアされます。全メモリ中の 267MB のみが真の意味で「free」なのです。 |
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− | |||
− | もしあなたの好奇心が刺激されたなら、[https://www.linuxjournal.com/article/2770 こちらの素晴らしい記事]も読んでみてください。 |
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− | |||
− | こちらのウェブサイトでもこの混乱を整理して説明しています: http://www.linuxatemyram.com/ |
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=== わたしのディスクの空き領域はどこへ行ってしまったの? === |
=== わたしのディスクの空き領域はどこへ行ってしまったの? === |
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124行目: | 119行目: | ||
==パッケージ管理== |
==パッケージ管理== |
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+ | [[pacman]], [[Pacman ヒント]], [[公式リポジトリ]] により多くの答えがあります。 |
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− | === ファイル〇〇はどのパッケージに含まれていますか? === |
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− | {{Pkg|pkgfile}} コマンドで確認できます。 |
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− | |||
− | 例: |
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− | {{hc|$ pkgfile glxinfo|extra/mesa-demos}} |
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=== Xのパッケージにエラーがあったんだけど,どうしたらいいの? === |
=== Xのパッケージにエラーがあったんだけど,どうしたらいいの? === |
||
− | まず,そのエラーはそもそもArch開発チームが修正できるものなのかどうかを見極めなければなりません.そうでない場合が往々にしてあります(例えばFirefoxのクラッシュは大抵の場合Mozillaチームのミスです).これをアップストリーム・エラーと言います.もしArchの問題であるならば以下の手順を参考に対処してください.: |
+ | まず,そのエラーはそもそもArch開発チームが修正できるものなのかどうかを見極めなければなりません.そうでない場合が往々にしてあります(例えばFirefoxのクラッシュは大抵の場合Mozillaチームのミスです).これを ''アップストリーム・エラー'' と言います.もしArchの問題であるならば以下の手順を参考に対処してください.: |
− | #フォーラムに情報がないか探してみましょう.誰かが同じ問題について |
+ | # フォーラムに情報がないか探してみましょう.誰かが同じ問題について気付いていないかチェックしてください. |
− | #詳細な情報を書いたバグレポートを |
+ | # 詳細な情報を書いた[[バグ報告ガイドライン|バグレポート]]を https://bugs.archlinux.org に投稿してください. |
− | #もしお望みならば,フォーラムに質問を投げてみてもよいでしょう.その際,問題の詳細と,あなたが既にバグ・レポートを送った旨を明記してください.それによって同じエラーに関する報告が大量に投 |
+ | # もしお望みならば,フォーラムに質問を投げてみてもよいでしょう.その際,問題の詳細と,あなたが既にバグ・レポートを送った旨を明記してください.それによって同じエラーに関する報告が大量に投稿されるようなケースを回避できます. |
− | === Archのパッケージにはもっと適切な命名規則が必要だ。".pkg.tar. |
+ | === Archのパッケージにはもっと適切な命名規則が必要だ。".pkg.tar.zst" なんて長すぎるし、ややこしい === |
− | これに関しては、Arch のメーリングリスト上で議論されています。{{Ic|.pac}} のような拡張子を提案する人もいますが、現段階では、パッケージの拡張子を変更する具体的な計画はありません。Arch 開発者の一人である Tobias Kieslich の発言は示唆的です。 |
+ | これに関しては、Arch のメーリングリスト上で議論されています。{{Ic|.pac}} のような拡張子を提案する人もいますが、現段階では、パッケージの拡張子を変更する具体的な計画はありません。Arch 開発者の一人である Tobias Kieslich の発言は示唆的です。「事実 package は ''[圧縮された]'' tarball ファイルなわけじゃないか! だいたい tar が扱えるアプリケーションなら何だって開くことができるし、覗いて弄ることだってできるんだしさ。もっと言えば、mime-type なんてたいがいのアプリケーションが問題なく自動判別できるだろ?」 |
=== Pacman には他のアプリケーションがパッケージ情報を簡単に参照するためのライブラリが必要だ === |
=== Pacman には他のアプリケーションがパッケージ情報を簡単に参照するためのライブラリが必要だ === |
||
− | + | [[pacman]] は {{man|3|libalpm}} ("Arch Linux Package Management" library) のフロントエンドになっています。このライブラリは代替のフロントエンドの開発を可能にしています (例えばGUIフロントエンドのような)。 |
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− | |||
− | === どうして Pacman にはオフィシャルの GUI フロントエンドがないの? === |
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− | [[The Arch Way]],[[Arch Linux]] を読んでください.強いて言うならArch開発者チームが提供しようと思わないからです.ユーザー達が開発したものの中からご自由に選択して使ってください.[[Pacman GUI フロントエンド]]には選りすぐりがリストアップされています. |
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=== Pacman に X の機能を付けるべきだ! === |
=== Pacman に X の機能を付けるべきだ! === |
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+ | そのアイデアにメリットがあると思うのであれば、[https://lists.archlinux.org/mailman3/lists/pacman-dev.lists.archlinux.org/ pacman-dev] で議論することができます。既存の機能リクエストがないか https://gitlab.archlinux.org/pacman/pacman/-/issues や https://bugs.archlinux.org/index.php?project=3 も確認してみてください。 |
||
− | [[The Arch Way]],[[Arch Linux]]を読んでください.Archの哲学は「シンプルたれ」です.もしあなたがご自身のアイデアにメリットがあると考え,それがくだんのシンプルのお題目を毀損しないものなら,是非フォーラムに投げて議論してください.また,フォーラムをちゃんとチェックしてしかるべきです.ここは重要だと思われる機能について要望を出す,まさにそのための場所なのです. |
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もっとも,ある機能をPacmanやArch Linuxに追加するために一番良い方法は,あなた自身がそれを実装することです.そのパッチがオフィシャルに取り込まれるかどうかはわかりませんが,いずれにせよあなたの骨折りは他のユーザーによって吟味され,検討されるでしょう. |
もっとも,ある機能をPacmanやArch Linuxに追加するために一番良い方法は,あなた自身がそれを実装することです.そのパッチがオフィシャルに取り込まれるかどうかはわかりませんが,いずれにせよあなたの骨折りは他のユーザーによって吟味され,検討されるでしょう. |
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− | |||
− | === Arch には,安定版パッケージの branch が必要だ === |
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− | 何事にも絶対はありません。これに関してはいくつかの議論があります:<br> |
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− | https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?id=11288 |
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− | |||
− | また、より安定したサーバ運用のためのコミュニティプロジェクト [http://www.archserver.org/ ArchServer]{{dead link|2014|04|04}} もあります。 |
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− | |||
− | === 数種のリポジトリがありますが,どんな違いがあるんでしょうか? === |
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− | [[公式リポジトリ]] を参照してください. |
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=== X のパッケージをインストールしたんだけど,どうやって起動するの? === |
=== X のパッケージをインストールしたんだけど,どうやって起動するの? === |
||
− | あなたが KDE や GNOME のようなデスクトップ環境を導入しているのなら、そのプログラムは自動的にメニューに登録されている筈です。ターミナルから起動しようとしていて、バイナリの名前がわからないというような場合は、次のコマンドで確認してください: |
+ | あなたが [[KDE]] や [[GNOME]] のようなデスクトップ環境を導入しているのなら、そのプログラムは自動的にメニューに登録されている筈です。ターミナルから起動しようとしていて、バイナリの名前がわからないというような場合は、次のコマンドで確認してください: |
$ pacman -Qlq ''パッケージ名'' | grep /usr/bin/ |
$ pacman -Qlq ''パッケージ名'' | grep /usr/bin/ |
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168行目: | 147行目: | ||
Debian などの一部のディストリビューションは、共用ライブラリパッケージにおいて {{ic|libfoo1}}、{{ic|libfoo2}}、{{ic|libfoo3}} といったように複数のバージョンを用意しています。この方法では同一のシステム上で異なるバージョンの libfoo ごとにアプリケーションのコンパイルが可能となります。 |
Debian などの一部のディストリビューションは、共用ライブラリパッケージにおいて {{ic|libfoo1}}、{{ic|libfoo2}}、{{ic|libfoo3}} といったように複数のバージョンを用意しています。この方法では同一のシステム上で異なるバージョンの libfoo ごとにアプリケーションのコンパイルが可能となります。 |
||
− | + | Arch のようなディストリビューションの場合、最新のパッケージされたバージョンのみが公式にサポートされています。過去のソフトウェアをサポートしないことで、パッケージメンテナは最新のバージョンが期待通りに動くことの検証に割く時間をより多くとることができます。共有ライブラリの新しいバージョンがアップストリームからリリースされると、それはすぐにリポジトリに追加され、影響を受けるパッケージは新しいライブラリに合わせてリビルドされます。 |
|
− | === |
+ | === システムの完全アップグレードを実行すると、共有ライブラリの更新は行われるが、それに依存するアプリケーションの更新は行われない場合はどうなりますか? === |
− | それは起こってはならないシナリオです。公式リポジトリに {{ic|foobaz}} というアプリケーションがあり、{{ic|libbaz}} という共用ライブラリの新バージョンを使用してビルドされているとして、それは {{ic|libbaz}} のアップデートに合わせてアップデートされます。しかしもし、 |
+ | それは起こってはならないシナリオです。公式リポジトリに {{ic|foobaz}} というアプリケーションがあり、{{ic|libbaz}} という共用ライブラリの新バージョンを使用してビルドされているとして、それは {{ic|libbaz}} のアップデートに合わせてアップデートされます。しかしもし、ビルドに失敗した場合は、そのパッケージ {{ic|foobaz}} にはバージョン制限のある依存関係 (例: libbaz=1.5) が指定され、{{ic|libbaz}} のアップグレードの際に pacman によってコンフリクトを理由に削除されます。 |
もし {{ic|foobaz}} が、あなた自身でビルドした、あるいは AUR からインストールしたパッケージであった場合には、新バージョンの {{ic|libbaz}} で {{ic|foobaz}} をリビルドしてみてください。ビルドが失敗した場合には {{ic|foobaz}} の開発者にそのバグを報告してください。 |
もし {{ic|foobaz}} が、あなた自身でビルドした、あるいは AUR からインストールしたパッケージであった場合には、新バージョンの {{ic|libbaz}} で {{ic|foobaz}} をリビルドしてみてください。ビルドが失敗した場合には {{ic|foobaz}} の開発者にそのバグを報告してください。 |
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178行目: | 157行目: | ||
=== リポジトリのカーネルにメジャーアップデートがあったのに、ドライバが最新カーネル用にアップデートされないことはあり得ますか? === |
=== リポジトリのカーネルにメジャーアップデートがあったのに、ドライバが最新カーネル用にアップデートされないことはあり得ますか? === |
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− | いいえ、ありえません。例えば {{ic|3.5.x}} から {{ic|3.6.x}} といったカーネルのメジャーアップデートは常にすべてのサポートカーネルドライバのリビルドを伴います。ただし、 |
+ | いいえ、ありえません。例えば {{ic|3.5.x}} から {{ic|3.6.x}} といったカーネルのメジャーアップデートは常にすべてのサポートカーネルドライバのリビルドを伴います。ただし、非サポートパッケージ (例えば [[AUR]] のパッケージ) を使用している場合には、最新のカーネルでそれをリビルドしなければトラブルが発生するかもしれません。サポートされていないドライバパッケージは、インストールしているユーザーがアップデートに全ての責任を負います。 |
− | |||
− | === Arch はパッケージに署名を採用していますか? === |
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− | はい、パッケージ署名は pacman バージョン 4 から実装されました。詳しい情報は [[pacman-key]] をご覧ください。 |
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=== アップグレードの前にやっておいたほうがいい事はありますか? === |
=== アップグレードの前にやっておいたほうがいい事はありますか? === |
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+ | [[システムメンテナンス#システムのアップグレード]] セクションに従ってください。 |
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− | それは Arch Linux にとってとても大事なことです。アップグレード時、Enter を叩く前に、公式サイトの [https://www.archlinux.jp/ Arch news] (RSS で購読できます) と [https://lists.archlinux.org/listinfo/arch-announce/ アナウンスメントメーリングリスト]を、あとできれば [https://bbs.archlinux.org/ フォーラム]や[https://lists.archlinux.org/listinfo/ その他のメーリングリスト]もチェックしてください。なにがしかの特殊な作業が必要な場合にはそれについて説明されています。 |
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=== パッケージのアップデートがリリースされているのに、pacman はシステムは最新だと出力する === |
=== パッケージのアップデートがリリースされているのに、pacman はシステムは最新だと出力する === |
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− | ''pacman'' のミラーはすぐに同期されるわけではありません。アップデートが利用できるようになるまで24時間以上かかることもあります。 |
+ | ''pacman'' のミラーはすぐに同期されるわけではありません。アップデートが利用できるようになるまで24時間以上かかることもあります。取り得る選択肢は辛抱強く待つか、別のミラーを使うことだけです。[https://archlinux.org/mirrors/status/ MirrorStatus] で最新のミラーを確認できます。 |
− | === 上流のプロジェクト |
+ | === 上流のプロジェクト X が新しいバージョンをリリースしています。Arch パッケージとして新しいバージョンにアップデートできるようになるまでにかかる時間は? === |
− | パッケージアップデートは準備ができ次第リリースされます。上流リリースがマイナーなバグ修正のみであれば数時間でパッケージがアップデートされることもありますし、メジャーアップデートであれば数週間後となることもあります。上流の新しいバージョンが Arch にリリースされるまでの時間はそのパッケージとパッケージメンテナによって変わります。一部のパッケージは [[testing]] リポジトリでしばらくテストされるため、パッケージが更新されるまでの時間が長い傾向にあります。[[Arch 用語集#パッケージメンテナ|パッケージメンテナ]]は安定版のアップデートをリポジトリで素早く提供できるように尽力しています。公式リポジトリのパッケージが古くなっていることに気づいたら、[https:// |
+ | パッケージアップデートは準備ができ次第リリースされます。上流リリースがマイナーなバグ修正のみであれば数時間でパッケージがアップデートされることもありますし、メジャーアップデートであれば数週間後となることもあります。上流の新しいバージョンが Arch にリリースされるまでの時間はそのパッケージとパッケージメンテナによって変わります。一部のパッケージは [[testing]] リポジトリでしばらくテストされるため、パッケージが更新されるまでの時間が長い傾向にあります。[[Arch 用語集#パッケージメンテナ|パッケージメンテナ]]は安定版のアップデートをリポジトリで素早く提供できるように尽力しています。公式リポジトリのパッケージが古くなっていることに気づいたら、[https://archlinux.org/packages/ パッケージウェブサイト] から out-of-date フラグを立てて報告してください。 |
+ | === インストールしているライブラリの古いバージョンが必要なときは、新しいバージョンにシンボリックリンクを貼るだけでいいですか? === |
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− | ==インストール== |
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+ | 幸運であれば少しの間それで動くかもしれません。動いたとしても、以下の理由でそれは正しい解決法ではありません: |
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+ | * ライブラリは意味もなくバージョンを変えません。API/ABI が変更されたり(いくつか削除されたり)することがあり、それが使用に影響するかは単に運次第です。 |
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− | === Arch はもっと良いインストーラーを付けるべきだ。たとえば GUI インストーラーとか === |
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+ | * シンボリックリンクはパッケージマネージャによって管理されません。すぐにシステムライブラリのファイルをハックしようとする初心者は、診断・修正が不可能な意図していない変更を加える大きなリスクを持っています。パッケージマネージャはこのような問題から守る手助けをしています。 |
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− | ローリングリリースモデルを採用している Arch ではインストールそのものを滅多に行わないため、その優先度は開発者やユーザにとって高くありません。[[インストールガイド]]はコマンドラインから行う方式に全面的に改められました。それでもインストーラに興味のある方は [[Archboot]] の利用も検討してみてください。 |
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+ | * 古いライブラリファイルをファイルシステムにコピーする代替手段もありますが、追跡されない上に忘れられやすく、潜在的なセキュリティのバグが気付かれず、また修正されません。 |
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+ | 代わりに、例えば必要なライブラリのバージョンを提供する[https://aur.archlinux.org/packages/?SeB=n&K=compat 互換パッケージ]を使うか、もしくは作ってください。 |
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− | === Arch をインストールしたんですが、シェルのログイン画面が表示されてます! どうすれば良いのでしょう? === |
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− | [[一般的な推奨事項]]を参照してください。 |
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− | |||
− | === デスクトップ環境やウィンドウマネージャはどれを使えばいいですか? === |
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− | たくさんありますので、あなたに一番あったものを使えばいいのです。どのようなデスクトップ環境やウィンドウマネージャがあるかは、[[デスクトップ環境]]や[[ウィンドウマネージャ]]で説明されています。 |
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− | |||
− | === Arch は「ミニマルな基本システムから構築していくディストリビューションで、ユーザが本当に望むものだけをインストールできる」ということをうたい文句にしていますが、これって他のディストリビューションでもできますよね?この点に関して一体 Arch のどこがユニークなんですか? === |
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− | |||
− | 確かに一部のディストリビューションは Arch と近い設計理念を持っており、同じようにミニマルなインストール・メソッドを提供してるかも知れませんが、いくつかの相違は指摘しておかねばなりません: |
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− | #Arch は骨の髄まで軽量でミニマルな環境を構築することを想定してデザインされています。 |
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− | #Arch はこのミニマルな基本システムから構築する以外に方法を提供していません。 |
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− | #ディストリビューション全体と同様、インストレーションに関しても原則的に K.I.S.S.("Keep It Simple and Stupid") の設計理念に基づいています。これによって Arch のベースシステムは、対象となるユーザーベースとの間に、これ以上はないというくらいの親和性を獲得しています。 |
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− | # サービス及びパッケージのインストールでは、手動あるいは対話式に構成設定を行わなければなりません。他のディストリビューションと異なり、サービスの構成や起動設定を自動で行ったりはしません。Arch の哲学は、そのような責任を扱う権利をユーザーから奪わず、ユーザの力量に任せることに重きをおいています。 |
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− | #Arch のパッケージングはミニマルであるよう設計されており、利用状況によっては必要となる“任意の”依存パッケージは自動インストールされません。それらはパッケージのインストール時に通知されるだけなので、結果的によりスリムなシステムになるのです。 |
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− | #Arch は完全なドキュメント群を提供しており、これによって各ユーザーのシステム構築のプロセスを一通り補助しています。 |
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== 64ビット == |
== 64ビット == |
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=== 私のプロセッサが x86_64 に対応しているかどうかを知る方法は? === |
=== 私のプロセッサが x86_64 に対応しているかどうかを知る方法は? === |
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+ | 使っているプロセッサが [[Wikipedia:ja:X64|x86_64]] に対応している場合、{{ic|/proc/cpuinfo}} の中に{{ic|lm}} ([[Wikipedia:ja:X64#Longモード|Longモード]]) フラグがあります。例えば以下のコマンドを実行してください: |
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− | ==== Linux ユーザー ==== |
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− | 以下のコマンドを実行してください: |
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− | $ less /proc/cpuinfo |
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+ | $ grep -w lm /proc/cpuinfo |
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− | {{ic|flags}} エントリーを探してください。 {{ic|lm}} フラグがあったら、あなたのプロセッサーは x86_64 対応です。 |
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+ | Windows 上では、 フリーウェアである [https://www.cpuid.com/cpuz.php CPU-Z] を使って、64ビット互換があるかどうか確認できます。AMD の命令セットである AMD64 または Intel の命令セット EM64T は x86_64 のバイナリと互換性があります。 |
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− | もしくは以下のコマンドを実行してみることも出来ます: |
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− | $ grep -q "^flags.*\blm\b" /proc/cpuinfo && echo "x86_64" || echo "not x86_64" |
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− | |||
− | ==== Windows ユーザー ==== |
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− | フリーウェアである [http://www.cpuid.com/cpuz.php CPU-Z] を使って、64ビット互換があるかどうか確認できます。AMD の命令セットである AMD64 または Intel の命令セット EM64T は x86_64 のバイナリと互換性があります。 |
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=== 64ビットにする理由は? === |
=== 64ビットにする理由は? === |
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− | 多くの状況下で (32ビットに比べて) 高速であり、通常の i686 カーネルでは PAE が無効化されているために利用できない[[wikipedia:ja:アドレス空間配置のランダム化|アドレス空間配置のランダム化 (ASLR)]] や [[wikipedia:ja:位置独立コード|位置独立コード (PIC)]]、[[wikipedia:ja:NXビット|NX ビット]]を使用することによりセキュリティが向上することが挙げられます。もしコンピューターに 4GB 以上のメモリが載っている場合、 |
+ | 多くの状況下で (32ビットに比べて) 高速であり、通常の i686 カーネルでは [[wikipedia:ja:物理アドレス拡張|物理アドレス拡張 (PAE)]] が無効化されているために利用できない[[wikipedia:ja:アドレス空間配置のランダム化|アドレス空間配置のランダム化 (ASLR)]] や [[wikipedia:ja:位置独立コード|位置独立コード (PIC)]]、[[wikipedia:ja:NXビット|NX ビット]]を使用することによりセキュリティが向上することが挙げられます。もしコンピューターに 4GB 以上のメモリが載っている場合、64ビットの OS のみが全てを活用することができます。 |
更に、64ビットの拡張をサポートしている新しい x86 CPU に対して、レガシーな32ビットの CPU をプログラマーがサポートしなくなってきているというのもあります。 |
更に、64ビットの拡張をサポートしている新しい x86 CPU に対して、レガシーな32ビットの CPU をプログラマーがサポートしなくなってきているというのもあります。 |
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− | 以上の理由が32ビット環境を避けるべきという我々のアドバイスですが、カーネルやユーザースペース、個々のプログラムなど、64ビットの方が優れているものは他にもたくさんあり、全てをここに書き出す事は |
+ | 以上の理由が32ビット環境を避けるべきという我々のアドバイスですが、カーネルやユーザースペース、個々のプログラムなど、64ビットの方が優れているものは他にもたくさんあり、全てをここに書き出す事はできません。 |
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− | [https://www.archlinux.org/packages/differences/ 差異のレポート]も見てください。32/64ビットのパッケージバージョンの比較を行うことが出来ます。 |
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− | |||
− | === 再インストールせずに i686 環境から x86_64 環境にアップグレード出来ますか? === |
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− | できません。厳格に言えば、環境の移行とは、全てのパッケージを新しいアーキテクチャ向けに再インストールするということを意味します。ただし、新規インストールをすることなく、現在インストールされているシステムから、環境を移行することは可能です。[https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?id=64485 この]フォーラムスレッドの手順に従えば、設定やデータを失うことなく、32ビットから64ビットに移行できます。移行には外付けのハードドライブを使用するので注意してください。 |
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− | |||
− | もしくは、Arch64 インストール CD でシステムを起動し、ディスクをマウントして、32ビットバイナリ以外の、残しておきたいデータ (例えば {{ic|/home}} や {{ic|/etc}} など) をバックアップして、インストールします。 |
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+ | {{TranslationStatus|Frequently asked questions|2023-02-10|767066}} |
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− | 詳しくは[[再インストールせずにアーキテクチャを移行]]を読んでください。 |
2024年7月10日 (水) 20:45時点における最新版
目次
- 1 一般
- 1.1 Arch Linux って何ですか?
- 1.2 私は Arch を使うべきではありませんか?
- 1.3 なぜ Arch を使いたいですか?
- 1.4 Arch はどのアーキテクチャをサポートしていますか?
- 1.5 Arch は Linux Foundation の標準ファイルシステム階層 (FHS) に準拠していますか?
- 1.6 当方全くの GNU/Linux ビギナーなのですが、Arch を使って大丈夫でしょうか?
- 1.7 Arch はどの用途向けに設計されていますか?サーバですか?デスクトップですか?ワークステーションですか?
- 1.8 Arch はホント好きなんだけどね.開発チームがXの機能さえ実装してくれればなぁ
- 1.9 いつ新しいリリースが出るんでしょうか?
- 1.10 Arch Linux は堅牢なディストリなのでしょうか?しょっちゅう壊れたりしませんか?
- 1.11 Archのレビュー記事がもっと必要だ(宣伝が必要だ)
- 1.12 Archの開発者がもっと必要だ
- 2 インストール
- 3 システムメンテナンス
- 4 パッケージ管理
- 4.1 Xのパッケージにエラーがあったんだけど,どうしたらいいの?
- 4.2 Archのパッケージにはもっと適切な命名規則が必要だ。".pkg.tar.zst" なんて長すぎるし、ややこしい
- 4.3 Pacman には他のアプリケーションがパッケージ情報を簡単に参照するためのライブラリが必要だ
- 4.4 Pacman に X の機能を付けるべきだ!
- 4.5 X のパッケージをインストールしたんだけど,どうやって起動するの?
- 4.6 公式リポジトリにある共用ライブラリはそれぞれどうして一つのバージョンしか用意されてないんですか?
- 4.7 システムの完全アップグレードを実行すると、共有ライブラリの更新は行われるが、それに依存するアプリケーションの更新は行われない場合はどうなりますか?
- 4.8 リポジトリのカーネルにメジャーアップデートがあったのに、ドライバが最新カーネル用にアップデートされないことはあり得ますか?
- 4.9 アップグレードの前にやっておいたほうがいい事はありますか?
- 4.10 パッケージのアップデートがリリースされているのに、pacman はシステムは最新だと出力する
- 4.11 上流のプロジェクト X が新しいバージョンをリリースしています。Arch パッケージとして新しいバージョンにアップデートできるようになるまでにかかる時間は?
- 4.12 インストールしているライブラリの古いバージョンが必要なときは、新しいバージョンにシンボリックリンクを貼るだけでいいですか?
- 5 64ビット
一般
Arch Linux って何ですか?
Arch Linux を参照してください。
私は Arch を使うべきではありませんか?
以下のような方は Arch を使いたいとは思わないでしょう:
- 'do-it-yourself' な GNU/Linux ディストリビューションを使う能力や時間がない、あるいはそれを求めていない方。
- x86_64 以外のアーキテクチャのサポートが必要な方。
- GNU で定義されたフリーウェアのみを提供するディストリビューションを使うことに強いこだわりのある方。
- オペレーティングシステム自身が構成設定を行うべきであり、"箱から出してすぐ使える" べきであり、インストールメディア上でソフトウェアやデスクトップ環境のデフォルト設定が完全になされているべきであるとお考えの方。
- 最先端で、ローリングリリースな GNU/Linux を求めていない方。
- 今使っている OS に満足している方。
なぜ Arch を使いたいですか?
Arch は最高 だからです。
Arch はどのアーキテクチャをサポートしていますか?
Arch は x86_64 (別名 amd64) アーキテクチャのみをサポートしています。i686 のサポートは2017年11月に切られました [1]。
非公式 の移植プロジェクトとしては、i686 アーキテクチャ向けの [2] や ARM CPU 向けの [3] などがあり、それぞれ専用のコミュニティを持っています。
Arch は Linux Foundation の標準ファイルシステム階層 (FHS) に準拠していますか?
Arch Linux は systemd サービスマネージャを使用するオペレーティングシステムのファイルシステム階層を遵守しています。ディレクトリの説明については file-hierarchy(7) を見てください。特に Arch では /bin
, /sbin
, /usr/sbin
は /usr/bin
のシンボリックリンクに、/lib
と /lib64
は /usr/lib
のシンボリックリンクになっています。
当方全くの GNU/Linux ビギナーなのですが、Arch を使って大丈夫でしょうか?
もしあなたが初心者で、それでもなお Arch を使おうとしているのであれば、あなたは十分な時間を費やして学ぶことに喜びを覚えるようでなければなりません。また Arch が全く "Do-It-Yourself" なディストリビューションとして設計されている、ということも肝に命じておくべきでしょう。システムを組み上げ、それをどのようなものにしていくかをコントロールするのはユーザー自身なのです。
質問をする前にまず自分で調査するようにしてください。Google やフォーラム、そして素晴らしいドキュメントが用意されている Arch Wiki の検索を活用しましょう。そのような情報が使える状態になっているのには理由があります。 途方もない時間がこの貴重な情報を編集するために無償で費やされているのです。
Arch 用語集#RTFM や インストールガイド も見てください。
Arch はどの用途向けに設計されていますか?サーバですか?デスクトップですか?ワークステーションですか?
Arch は特定の用途向けに設計されているわけではありません。むしろ、特定の "ユーザ" 向けに設計されています。Arch はなんでも自分でやることを楽しみ、各自のニーズに応じたシステムを構築するためにそれをよりよく活用する、やる気のあるユーザを対象にしています。したがって、その目的はユーザの思いのままであり、Arch は事実上あらゆる用途で使用できます。多くの人々が Arch をデスクトップとワークステーション両方で使用しています。そしてもちろん、archlinux.org・aur.archlinux.org とほとんど全ての Arch の インフラストラクチャ は Arch で動いています。
Arch はホント好きなんだけどね.開発チームがXの機能さえ実装してくれればなぁ
どうぞ積極的に参加してください.あなた自身がコードや解決策を提示することで コミュニティに貢献 しましょう.もし,コミュニティや開発チームから認められれば,あなたのコードはマージされるかも知れません.Archコミュニティはコードやツールの提供,シェアによって活性化していきます.
いつ新しいリリースが出るんでしょうか?
Arch Linux におけるリリースは単にインストールおよびレスキュー用のライブ環境で、base メタパッケージとその他いくつかの パッケージが含まれています。リリースは通常各月の前半頃に公開されます。
Arch Linux は堅牢なディストリなのでしょうか?しょっちゅう壊れたりしませんか?
ローリングリリースで構築された個人のシステムの堅牢性に関して、最終的な責任を負うのはユーザー自身です。ユーザーがいつアップグレードするのかを決め、必要な時に必要な変更をマージするのです。もしユーザーがコミュニティに助けを求めれば、救いの手はすぐに差し伸べられることが多いでしょう。この点に関して、Arch が他のディストリビューションから異なっているのは、Arch が本当に "Do-it-yourself" なディストロであることでしょう。破損についてクレームをつけるのは見当違いであり、非生産的です。アップストリームでの変更に関して Arch 開発チームは責任を負いかねるからです。
可能な限り安定する Arch Linux システムを構成するための方法やヒントについては、システムメンテナンスを参照してください。
Archのレビュー記事がもっと必要だ(宣伝が必要だ)
現状でもう十分な量のArchについての記事が書かれています.Archの目標は巨大になることではなく、持続的な成長が対象のユーザーベースの間で自然に起きることです。
Archの開発者がもっと必要だ
そうかも知れませんね.もっと柔軟にあなたの時間を使って貢献してください! フォーラムや,IRC チャンネル,メーリングリストなどに参加すれば,成すべきことがわかるはずです.詳細は コミュニティに貢献 を参照してください。
インストール
Arch はもっと良いインストーラーを付けるべきだ。たとえば GUI インストーラーとか
Arch には Arch Installation Framework (AIF) と呼ばれる、テキストベースのユーザーインターフェースを持ったインストーラがありました。最後のメンテナが去った後、arch-install-scripts の推奨により 廃止 されました。 2021年4月1日 から、Arch はインストーラを再度含むようになりました。詳細は archinstall を参照してください。
Arch をインストールしたんですが、シェルのログイン画面が表示されてます! どうすれば良いのでしょう?
一般的な推奨事項を参照してください。
デスクトップ環境やウィンドウマネージャはどれを使えばいいですか?
たくさんありますので、あなたに一番あったものを使えばいいのです。デスクトップ環境やウィンドウマネージャも参照してください。
他の「ミニマル」なディストリビューションと比べて Arch のどこがユニークなんですか?
Arch と他のディストリビューションの比較 を参照してください。
システムメンテナンス
システムメンテナンス も参照してください。
他のOSに比べてインターネットの速度が遅いんだけど、どうして?
ネットワークは正しく設定されていますか?ネットワーク設定のページを参照してください。
また、Arch ではデフォルトでトラフィックシェーピングが有効になっていないことも注意してださい。従って、(P2P 上か通常のクライアント-サーバー通信かに関わらず)ネットワーク帯域を使い果たすプログラムは、ローカルの他のソフトの通信を妨げ、ひどいラグやタイムアウトのような結果になる可能性があります。 Shorewall や Vuurmuur などのファイアウォールや、 iproute2 の静的なスクリプト(例えば Wondershaper の 派生) によってネットワークレイヤーのシェーピングを行うことができます。
なんで Arch は RAM を全部使っちゃうわけ?
そもそも、使わない RAM は無駄な RAM です。
新米ユーザの方の多くは、Linux カーネルのメモリの扱い方が以前の方法と必ずしも同じにはならないことに気がつきます。RAM 上のデータへのアクセスはディスクに比べ非常に高速なので、カーネルは最近アクセスされたデータをメモリ上にキャッシュします。キャッシュされたデータは、利用可能なメモリを使い果たして、新しいデータがロードされる必要のある時のみクリアされます。
free
コマンドによって違いを見分けることができます:
$ free -h
total used free shared buff/cache available Mem: 2.8Gi 1.1Gi 283Mi 224Mi 1.4Gi 1.2Gi Swap: 3.0Gi 881Mi 2.1Gi
"free" と "available" メモリの違いは重要です。上の例において、ラップトップは 2.8GiB の RAM をほとんど使っていて、free なメモリはたった 283MiB しかありません。しかし、そのうち 1.4GiB は "buff/cache" です。スワップなしで 1.2GiB の available なメモリが新しいアプリケーションの起動に利用可能です。詳しくは free(1) を参照してください。これらは結果としてパフォーマンスを向上させます!
もしあなたの好奇心が刺激されたなら、こちらの素晴らしい記事も読んでみてください。こちらのウェブサイトでもこの混乱を整理して説明しています: https://www.linuxatemyram.com/ 。
わたしのディスクの空き領域はどこへ行ってしまったの?
その答えはあなたのシステムによって変わります。こちらに優れたユーティリティの一覧がありますので試してみてください。
パッケージ管理
pacman, Pacman ヒント, 公式リポジトリ により多くの答えがあります。
Xのパッケージにエラーがあったんだけど,どうしたらいいの?
まず,そのエラーはそもそもArch開発チームが修正できるものなのかどうかを見極めなければなりません.そうでない場合が往々にしてあります(例えばFirefoxのクラッシュは大抵の場合Mozillaチームのミスです).これを アップストリーム・エラー と言います.もしArchの問題であるならば以下の手順を参考に対処してください.:
- フォーラムに情報がないか探してみましょう.誰かが同じ問題について気付いていないかチェックしてください.
- 詳細な情報を書いたバグレポートを https://bugs.archlinux.org に投稿してください.
- もしお望みならば,フォーラムに質問を投げてみてもよいでしょう.その際,問題の詳細と,あなたが既にバグ・レポートを送った旨を明記してください.それによって同じエラーに関する報告が大量に投稿されるようなケースを回避できます.
Archのパッケージにはもっと適切な命名規則が必要だ。".pkg.tar.zst" なんて長すぎるし、ややこしい
これに関しては、Arch のメーリングリスト上で議論されています。.pac
のような拡張子を提案する人もいますが、現段階では、パッケージの拡張子を変更する具体的な計画はありません。Arch 開発者の一人である Tobias Kieslich の発言は示唆的です。「事実 package は [圧縮された] tarball ファイルなわけじゃないか! だいたい tar が扱えるアプリケーションなら何だって開くことができるし、覗いて弄ることだってできるんだしさ。もっと言えば、mime-type なんてたいがいのアプリケーションが問題なく自動判別できるだろ?」
Pacman には他のアプリケーションがパッケージ情報を簡単に参照するためのライブラリが必要だ
pacman は libalpm(3) ("Arch Linux Package Management" library) のフロントエンドになっています。このライブラリは代替のフロントエンドの開発を可能にしています (例えばGUIフロントエンドのような)。
Pacman に X の機能を付けるべきだ!
そのアイデアにメリットがあると思うのであれば、pacman-dev で議論することができます。既存の機能リクエストがないか https://gitlab.archlinux.org/pacman/pacman/-/issues や https://bugs.archlinux.org/index.php?project=3 も確認してみてください。
もっとも,ある機能をPacmanやArch Linuxに追加するために一番良い方法は,あなた自身がそれを実装することです.そのパッチがオフィシャルに取り込まれるかどうかはわかりませんが,いずれにせよあなたの骨折りは他のユーザーによって吟味され,検討されるでしょう.
X のパッケージをインストールしたんだけど,どうやって起動するの?
あなたが KDE や GNOME のようなデスクトップ環境を導入しているのなら、そのプログラムは自動的にメニューに登録されている筈です。ターミナルから起動しようとしていて、バイナリの名前がわからないというような場合は、次のコマンドで確認してください:
$ pacman -Qlq パッケージ名 | grep /usr/bin/
公式リポジトリにある共用ライブラリはそれぞれどうして一つのバージョンしか用意されてないんですか?
Debian などの一部のディストリビューションは、共用ライブラリパッケージにおいて libfoo1
、libfoo2
、libfoo3
といったように複数のバージョンを用意しています。この方法では同一のシステム上で異なるバージョンの libfoo ごとにアプリケーションのコンパイルが可能となります。
Arch のようなディストリビューションの場合、最新のパッケージされたバージョンのみが公式にサポートされています。過去のソフトウェアをサポートしないことで、パッケージメンテナは最新のバージョンが期待通りに動くことの検証に割く時間をより多くとることができます。共有ライブラリの新しいバージョンがアップストリームからリリースされると、それはすぐにリポジトリに追加され、影響を受けるパッケージは新しいライブラリに合わせてリビルドされます。
システムの完全アップグレードを実行すると、共有ライブラリの更新は行われるが、それに依存するアプリケーションの更新は行われない場合はどうなりますか?
それは起こってはならないシナリオです。公式リポジトリに foobaz
というアプリケーションがあり、libbaz
という共用ライブラリの新バージョンを使用してビルドされているとして、それは libbaz
のアップデートに合わせてアップデートされます。しかしもし、ビルドに失敗した場合は、そのパッケージ foobaz
にはバージョン制限のある依存関係 (例: libbaz=1.5) が指定され、libbaz
のアップグレードの際に pacman によってコンフリクトを理由に削除されます。
もし foobaz
が、あなた自身でビルドした、あるいは AUR からインストールしたパッケージであった場合には、新バージョンの libbaz
で foobaz
をリビルドしてみてください。ビルドが失敗した場合には foobaz
の開発者にそのバグを報告してください。
リポジトリのカーネルにメジャーアップデートがあったのに、ドライバが最新カーネル用にアップデートされないことはあり得ますか?
いいえ、ありえません。例えば 3.5.x
から 3.6.x
といったカーネルのメジャーアップデートは常にすべてのサポートカーネルドライバのリビルドを伴います。ただし、非サポートパッケージ (例えば AUR のパッケージ) を使用している場合には、最新のカーネルでそれをリビルドしなければトラブルが発生するかもしれません。サポートされていないドライバパッケージは、インストールしているユーザーがアップデートに全ての責任を負います。
アップグレードの前にやっておいたほうがいい事はありますか?
システムメンテナンス#システムのアップグレード セクションに従ってください。
パッケージのアップデートがリリースされているのに、pacman はシステムは最新だと出力する
pacman のミラーはすぐに同期されるわけではありません。アップデートが利用できるようになるまで24時間以上かかることもあります。取り得る選択肢は辛抱強く待つか、別のミラーを使うことだけです。MirrorStatus で最新のミラーを確認できます。
上流のプロジェクト X が新しいバージョンをリリースしています。Arch パッケージとして新しいバージョンにアップデートできるようになるまでにかかる時間は?
パッケージアップデートは準備ができ次第リリースされます。上流リリースがマイナーなバグ修正のみであれば数時間でパッケージがアップデートされることもありますし、メジャーアップデートであれば数週間後となることもあります。上流の新しいバージョンが Arch にリリースされるまでの時間はそのパッケージとパッケージメンテナによって変わります。一部のパッケージは testing リポジトリでしばらくテストされるため、パッケージが更新されるまでの時間が長い傾向にあります。パッケージメンテナは安定版のアップデートをリポジトリで素早く提供できるように尽力しています。公式リポジトリのパッケージが古くなっていることに気づいたら、パッケージウェブサイト から out-of-date フラグを立てて報告してください。
インストールしているライブラリの古いバージョンが必要なときは、新しいバージョンにシンボリックリンクを貼るだけでいいですか?
幸運であれば少しの間それで動くかもしれません。動いたとしても、以下の理由でそれは正しい解決法ではありません:
- ライブラリは意味もなくバージョンを変えません。API/ABI が変更されたり(いくつか削除されたり)することがあり、それが使用に影響するかは単に運次第です。
- シンボリックリンクはパッケージマネージャによって管理されません。すぐにシステムライブラリのファイルをハックしようとする初心者は、診断・修正が不可能な意図していない変更を加える大きなリスクを持っています。パッケージマネージャはこのような問題から守る手助けをしています。
- 古いライブラリファイルをファイルシステムにコピーする代替手段もありますが、追跡されない上に忘れられやすく、潜在的なセキュリティのバグが気付かれず、また修正されません。
代わりに、例えば必要なライブラリのバージョンを提供する互換パッケージを使うか、もしくは作ってください。
64ビット
私のプロセッサが x86_64 に対応しているかどうかを知る方法は?
使っているプロセッサが x86_64 に対応している場合、/proc/cpuinfo
の中にlm
(Longモード) フラグがあります。例えば以下のコマンドを実行してください:
$ grep -w lm /proc/cpuinfo
Windows 上では、 フリーウェアである CPU-Z を使って、64ビット互換があるかどうか確認できます。AMD の命令セットである AMD64 または Intel の命令セット EM64T は x86_64 のバイナリと互換性があります。
64ビットにする理由は?
多くの状況下で (32ビットに比べて) 高速であり、通常の i686 カーネルでは 物理アドレス拡張 (PAE) が無効化されているために利用できないアドレス空間配置のランダム化 (ASLR) や 位置独立コード (PIC)、NX ビットを使用することによりセキュリティが向上することが挙げられます。もしコンピューターに 4GB 以上のメモリが載っている場合、64ビットの OS のみが全てを活用することができます。
更に、64ビットの拡張をサポートしている新しい x86 CPU に対して、レガシーな32ビットの CPU をプログラマーがサポートしなくなってきているというのもあります。
以上の理由が32ビット環境を避けるべきという我々のアドバイスですが、カーネルやユーザースペース、個々のプログラムなど、64ビットの方が優れているものは他にもたくさんあり、全てをここに書き出す事はできません。