「ファンスピード制御」の版間の差分

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{{AUR|i8kutils}} は Dell Inspiron や Latitude ノートパソコンでファンの速度を制御するデーモンです。{{ic|dell_smm_hwmon}} ドライバー (旧名 {{ic|i8k}}) による {{ic|/proc/i8k}} インターフェイスが利用されます。ノートパソコンの機種によって結果は変わります。
 
{{AUR|i8kutils}} は Dell Inspiron や Latitude ノートパソコンでファンの速度を制御するデーモンです。{{ic|dell_smm_hwmon}} ドライバー (旧名 {{ic|i8k}}) による {{ic|/proc/i8k}} インターフェイスが利用されます。ノートパソコンの機種によって結果は変わります。
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''i8kutils'' は、一部の Dell Inspiron および Latitude ラップトップの CPU 温度に応じてファン速度を設定するデーモンです。これは、{{ic|i8k}} ドライバー ({{ic|dell_smm_hwmon}} のエイリアス) によって提供される {{ic|/proc/i8k}} インターフェイスを使用します。結果はラップトップの正確なモデルによって異なります。
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fancontrol がシステムで動作しない場合は、{{ic|1=ignore_dmi=1}} [[カーネルモジュールパラメータ]] を使用して {{ic|dell_smm_hwmon}} をロードします。
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{{Warning|1=''i8kutils'' BIOS システムコールは、一部のシステムでカーネルを一時的に停止します (Dell 9560 で確認) これにより、オーディオのドロップアウトなどの副作用が発生する可能性があります。https://bugzilla.kernel.org/show_bug.cgi?id=201097 を参照してください。}}
   
 
=== インストール ===
 
=== インストール ===
   
ファン速度を制御するメインパッケージは {{AUR|i8kutils}} です。必要応じて以下パッケージもインストールしてください:
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{{AUR|i8kutils}} ファン速度を制御するためのメインパッケージです。さら、次のものをインストールすることもできます。
   
* ({{ic|--daemon}} オプションを使用して) {{ic|i8kmon}}バックグラウンドサービスとして実行するには {{Pkg|tcl}} のインストール必要す。
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* {{Pkg|acpi}} ''i8kmon''使用するには、''i8kmon'' インストールする必要があります。
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* {{Pkg|tcl}} — ''i8kmon'' をバックグラウンドサービスとして実行する為に必要です。 ({{ic|--daemon}} オプションを使用)
* X11 デスクトップアプレットを実行するには {{Pkg|tk}} と {{Pkg|tcl}} も必要です。
 
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* {{Pkg|tk}} — X11 デスクトップアプレットとして実行するには、{{Pkg|tcl}} と一緒にインストールする必要があります。
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* {{AUR|dell-bios-fan-control-git}} — BIOS がファン制御をオーバーライドする場合に推奨されます。
   
 
=== 設定 ===
 
=== 設定 ===
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{{ic|i8kmon}} で制御できない場合は BIOS によるファンの速度コントロールをオフにする必要があります。ノートパソコンによっては {{ic|smm}} ユーティリティを使ってオフにできます。このユーティリティは I/O ポートに直接書き込みを行ってプロセッサの [[Wikipedia:System_Management_Mode|System Management Mode]] を呼び出すため非常に危険です。自己責任で使ってください。
 
{{ic|i8kmon}} で制御できない場合は BIOS によるファンの速度コントロールをオフにする必要があります。ノートパソコンによっては {{ic|smm}} ユーティリティを使ってオフにできます。このユーティリティは I/O ポートに直接書き込みを行ってプロセッサの [[Wikipedia:System_Management_Mode|System Management Mode]] を呼び出すため非常に危険です。自己責任で使ってください。
   
{{ic|smm}} は手動でコンパイル・インストールする必要があります。64ビット環境では、{{Pkg|gcc-multilib}} が必要です。{{ic|i8kutils}} のソースにある {{ic|smm.c}} ファイルを見つけてコンパイルしてください:
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{{ic|smm}} は手動でコンパイル・インストールする必要があります。64ビット環境では、{{Pkg|gcc-multilib}}{{Broken package link|置換パッケージ: {{Pkg|gcc}}}} が必要です。{{ic|i8kutils}} のソースにある {{ic|smm.c}} ファイルを見つけてコンパイルしてください:
   
 
$ gcc -m32 -o smm smm.c
 
$ gcc -m32 -o smm smm.c
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設定ファイルが生成されたら、watch コマンドを実行しているコンソールは止めてください。[[#Fancontrol_.28lm-sensors.29|Fancontrol (lm-sensors)]] に進んでください。
 
設定ファイルが生成されたら、watch コマンドを実行しているコンソールは止めてください。[[#Fancontrol_.28lm-sensors.29|Fancontrol (lm-sensors)]] に進んでください。
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== AMDGPU の sysfs によるファン制御 ==
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[[AMDGPU]] カーネルドライバは ''sysfs'' の ''hwmon'' を通して、グラフィックカードのファン制御を提供します。
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=== 手動制御の設定 ===
  +
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ファンの制御を自動から手動に切り替えるために以下を実行してください:
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# echo "1" > /sys/class/drm/card0/device/hwmon/hwmon0/pwm1_enable
  +
例えば、ファンの速度を 50% に設定するには(100% は 255 PWM サイクルなので、希望するファン速度のパーセンテージに 2.55 を掛けて計算します):
  +
# echo "128" > /sys/class/drm/card0/device/hwmon/hwmon0/pwm1
  +
ファン制御を自動に戻すには:
  +
# echo "2" > /sys/class/drm/card0/device/hwmon/hwmon0/pwm1_enable
  +
{{Warning|ファンの速度を自動に戻すと、ドライバのバグにより正しく動作しない場合があります。回避策として、ファンの速度を自動に戻す代わりにドライバの再起動が必要である場合があります。}}
  +
  +
=== amdgpu-fan ===
  +
  +
{{AUR|amdgpu-fan}} パッケージは AMDGPU 対応のビデオカード用の、Python で書かれた自動ファンコントローラです。"speed-matrix" を使って、GPU の温度とファンの回転数を対応付けます。例えば:
  +
  +
{{bc|
  +
speed_matrix: # -[temp(*C), speed(0-100%)]
  +
- [0, 0]
  +
- [40, 30]
  +
- [60, 50]
  +
- [80, 100]
  +
}}
  +
  +
{{ic|amdgpu-fan.service}} を[[起動/有効化]]してファン制御サービスを起動してください。
  +
  +
=== amdfand-bin ===
  +
  +
{{AUR|amdfand-bin}} パッケージは {{AUR|amdgpu-fan}} のネイティブな代替です。{{ic|amdfand.service}} を[[起動/有効化]]してファン制御サービスを起動してください。
  +
  +
このツールには GUI クライアントもあります: {{AUR|amdguid-glow-bin}} (Xorg) と {{AUR|amdguid-wayland-bin}} (Wayland) です。クライアントを起動する前に、{{ic|amdgui-helper.service}} を[[起動/有効化]]する必要があります。
  +
  +
=== ファンカーブスクリプト ===
  +
  +
''hwmon'' の''sysfs'' が提供する機能はファンの制御だけでなく、GPU 温度の読み出しも提供します:
  +
  +
cat /sys/class/drm/card0/device/hwmon/hwmon0/temp1_input
  +
  +
これは GPU の温度を °C + 3つのゼロで出力します(例: 33°C の場合 {{ic|33000}})。
  +
  +
grmat による [https://github.com/grmat/amdgpu-fancontrol amdgpu-fancontrol] bash スクリプトは、説明した ''sysfs hwmon'' 機能を使って完全自動のファン制御を行います。また、スクリプトの先頭で抽象化された設定フィールドを提供することにより、ファンカーブの温度/PWM サイクルの割当やヒステリシスをかんたんに調整できます。
  +
  +
{{Tip|正しく機能させるためには、スクリプトに温度/PWM サイクルが少なくとも3つ割り当てられている必要があります。}}
  +
  +
安全上の理由により、スクリプトはシャットダウン時にファン制御を再び自動に設定します。これにより、ファンの回転数が上がる場合があります。これは、{{ic|function reset_on_fail}} セクションで {{ic|set_fanmode 1}} を設定すれば、セキュリティを犠牲にして回避することができます。
  +
  +
==== ファンカーブスクリプトを設定 ====
  +
  +
スクリプトの起動は [[systemd]] init システムを通して行うことが推奨されます。この方法ではスクリプトの上長出力を [[journalctl]]/systemctl status で読むことができます。この目的のための ''.service'' ユニットファイルが GitHub リポジトリにすでに含まれています。
  +
  +
また、場合によっては、ハイバネート後にスクリプトが自動的に再び正しく機能するようにするために、[[電源管理#スリープフック|root-resume.service]] を通してスクリプトを再起動する必要があります:
  +
  +
{{hc|/etc/systemd/system/root-resume.service|2=
  +
[Unit]
  +
Description=Local system resume actions
  +
After=suspend.target
  +
  +
[Service]
  +
Type=simple
  +
ExecStart=/usr/bin/systemctl restart amdgpu-fancontrol.service
  +
  +
[Install]
  +
WantedBy=suspend.target
  +
}}

2024年9月3日 (火) 22:43時点における最新版

この記事あるいはセクションは翻訳の途中です。
ノート: 翻訳が古くなっています。 (議論: トーク:ファンスピード制御#)

関連記事

ファン制御はシステムに様々な恩恵をもたらします。CPU があまり使われていないときにファンを完全に停止することでシステムを静かにしたり電力を節約することが可能です。

警告: 負担が重いときにファンを完全に停止するとハードウェアに致命的なダメージを与える可能性があります。警告しましたよ。

概要

ノート: ノートパソコンを使っている場合はハードウェアに搭載されている冷却システムがどのように機能しているのかに注意してください。ノートパソコンによっては CPU と GPU の両方がシングルファンで同時に冷やされていたり、あるいはファンが2個存在していて、片方は CPU と GPU を同時に冷やしつつ、もう片方は CPU だけを冷やしていたりします。場合によっては、冷却アーキテクチャに互換性がないために Fancontrol スクリプトを利用できないことがあります (例: GPU と CPU で同じファンを使用している)。詳しくは こちら を参照してください。

デスクトップやノートパソコンのファンをコントロールする方法は複数存在します。必要に応じて選択してください:

  • Fancontrol (lm-sensors) - ファンの速度を設定するスクリプト (Bash で書かれています)。デスクトップやシングルファンのディスクリートグラフィックカードが載っていないノートパソコンに適しています。
  • NoteBook Fan Control (NBFC) - ノートパソコンのファンを制御するクロスプラットフォームのソリューション。C# で書かれており Mono ランタイムで動作します。Fancontrol でサポートされていない最新のノートパソコンに適しています。
  • Dell ノートパソコン - 一部の Dell のノートパソコンで使用できるファン制御デーモン。
  • ThinkPad ノートパソコン - 一部の ThinkPad ノートパソコンで使用できるファン設定。
  • Asus ノートパソコン - Fancontrol や手動制御で一部の Asus ノートパソコンを設定。

Fancontrol (lm-sensors)

lm_sensors に含まれている fancontrol を使うことで CPU やケースのファンの速度や音をコントロールできます。

新しいマザーボードの場合、サポートが Linux カーネルにまだ入っていない可能性があります。公式の lm-sensors デバイス表 を確認して、そのようなマザーボードの場合、実験的なドライバーが使えるかどうか見て下さい。

fancontrol に必要なモジュールをロードするのに lm_sensors.service を使うのは推奨されません。代わりに、モジュールを /etc/modules-load.d/load_these.conf に手動で記述してください。モジュールがロードされる順番によって hwmon に必要なシンボリックリンクが作成される順番が決まるからです。言い換えれば、lm_sensors.service を使用すると起動する度に何が起きるかわからなくなり、一貫性の観点からファンコントロールの設定ファイルが無意味になってしまいます。

/etc/conf.d/lm_sensors でモジュールを確認できます。モジュールが存在しない場合、root で sensors-detect を実行してください。modules-load.d ファイルでは1行毎に1つのモジュールを記述します。モジュールを指定すると再現可能な順番が作成されます。設定ファイルで絶対的なデバイス名を使用するという方法もあります [1]

lm-sensors

lm_sensors をセットアップしてください。

$ sensors
coretemp-isa-0000
Adapter: ISA adapter
Core 0:      +29.0°C  (high = +76.0°C, crit = +100.0°C)  

[...]

it8718-isa-0290
Adapter: ISA adapter
Vcc:         +1.14 V  (min =  +0.00 V, max =  +4.08 V)   
VTT:         +2.08 V  (min =  +0.00 V, max =  +4.08 V)   
+3.3V:       +3.33 V  (min =  +0.00 V, max =  +4.08 V)   
NB Vcore:    +0.03 V  (min =  +0.00 V, max =  +4.08 V)   
VDRAM:       +2.13 V  (min =  +0.00 V, max =  +4.08 V)   
fan1:        690 RPM  (min =   10 RPM)
temp1:       +37.5°C  (low  = +129.5°C, high = +129.5°C)  sensor = thermistor
temp2:       +25.0°C  (low  = +127.0°C, high = +127.0°C)  sensor = thermal diode

出力に CPU ファンの RPM の値が表示されない場合、fan divisor を増やす必要があります。ファンの速度が表示され0よりも高い場合は、次のステップにスキップしてください。

fan_div の増加

sensors の出力の1行目は温度や電圧を調べるためにマザーボードによって使用されるチップセットです。

/etc/sensors.d/ にファイルを作成してください:

/etc/sensors.d/fan-speed-control.conf
chip "coretemp-isa-*"
set fanX_div 4

coretemp-isa- はチップセットの名前に、X は変更する CPU の番号に置き換えてください。

ファイルを保存して、root で実行:

# sensors -s

このコマンドは設定ファイルをリロードします。もう一度 sensors を実行して、RPM が正しく読み出されたか確認して下さい。読み出されない場合は、divisor を 8, 16, 32 と増やしていってください。

設定

ノート: 経験者はこのセクションをスキップして /etc/fancontrol を自分で書くことで、ファンが最大速度で回らないようにすることができます。

sensors を正しく設定できたら、pwmconfig を実行してテストを行い、速度のコントロールを設定します。pwmconfig の手順にしたがって基本速度をセットアップしてください。デフォルトの設定オプションで新しいファイル /etc/fancontrol が作成されるはずです。

調整

ノート: 環境によっては、スクリプトがエラーを報告することがあります。エラーは無視して問題ありません。問題は PWM が上下するまでスクリプトが待てないことです。

生成された設定をもっと細かく調整したい場合、以下が設定ファイルの例です:

INTERVAL=10
DEVPATH=hwmon0=devices/platform/coretemp.0 hwmon2=devices/platform/w83627ehf.656
DEVNAME=hwmon0=coretemp hwmon2=w83627dhg
FCTEMPS=hwmon0/device/pwm1=hwmon0/device/temp1_input
FCFANS= hwmon0/device/pwm1=hwmon0/device/fan1_input
MINTEMP=hwmon0/device/pwm1=20
MAXTEMP=hwmon0/device/pwm1=55
MINSTART=hwmon0/device/pwm1=150
MINSTOP=hwmon0/device/pwm1=105
  • INTERVAL: デーモンが CPU 温度を問い合せてファンの速度を調整する頻度。INTERVAL は秒数で指定します。

設定ファイルの残りの部分は設定オプションごとに (少なくとも) 2つの値に分けられます。それぞれの設定オプションではまずファンの速度を設定するのに書き出される PWM デバイスが指定されており、次の"フィールド"が実際に設定する値となっています。これによって複数のファンと温度の監視・コントロールが可能です。

  • FCTEMPS: CPU 温度を読み込むための温度インプットデバイス。上記の例では /sys/class/hwmon/hwmon0/device/temp1_input
  • FCFANS: (温度と同じように) /sys/class/hwmon/hwmon0/device/fan1_input で読み込むことができる、現在のファン速度。
  • MINTEMP: CPU ファンを止める温度 (°C)。効率的な CPU はアイドル状態のときファンを必要としません。安全だということが確認できる温度の範囲内で設定してください。この値を0に設定するのは推奨されません。ハードウェアが壊れてしまう可能性があります。
  • MAXTEMP: ファンを最大速度で回す温度 (°C)。CPU が壊れたりシャットダウンする温度から10か20ほど低い温度に設定するべきです (°C)。この値を MINTEMP に近づけるとファンがずっと高回転することになります。
  • MINSTOP: ファンが回転を停止する PWM の値。ファンごとに値を少し変えます。/sys/class/hwmon/hwmon0/device/pwm1 に異なる値を echo (0 から 255 の間) して CPU ファンを監視することで調整できます。CPU ファンが停止したら、その値を使って下さい。
  • MINSTART: ファンが回転をもう一度開始する PWM の値。大きな電圧が必要になるので普通は MINSTOP より高い値にします。

さらに設定ファイルが最新であることを fancontrol が検証するのに必要な2つの設定があります。設定名とイコール記号で始まって、スペースで区切られた hwmon-class-device=setting のグループが後ろに付く行です。設定のどこかに使用する hwmon クラスデバイスごとに設定を指定しないと、fancontrol は動作しません。

  • DEVPATH: 物理デバイスを設定。次のコマンドを実行することで確認できます:
readlink -f /sys/class/hwmon/[your-hwmon-device]/device | sed -e 's/^\/sys\///'
  • DEVNAME: デバイスの名前を設定。次を実行して下さい:
$ sed -e 's/[[:space:]=]/_/g' /sys/class/hwmon/[your-hwmon-device]/device/name
ヒント:
  • MAXPWMMINPWM オプションを使ってファンの速度の範囲を制限できます。詳しくは fancontrol のマニュアルページを見て下さい。
  • モジュールのロードのタイミングによって、再起動で DEVPATH だけでなく温度センサーのパスも変わることがあります (hwmon0/device/temp1_input が hwmon0/temp1_input になる)。これは大抵カーネルの更新時に起こります。システムログをチェックしてトラブルメーカーが誰なのか確認して下さい: # systemctl status fancontrol.service。そして設定ファイルを適切に修正して下さい。

fancontrol

ノート: カーネルのアップグレードをしたときに fancontrol を実行するとデバイスパスに関するエラーが表示されることがあります。sensors-detect を再度実行してシステムを再起動することで問題は解決します。

fancontrol を実行するには:

# /usr/bin/fancontrol

正しく設定できていればエラーが表示されずにシステムファンのコントロールが開始されます。このコマンドを実行した後、すぐにシステムファンが遅くなるのが聞こえるはずです。

fancontrol を起動時に自動的に動作させるには、fancontrol.service有効化してください。

非公式の GUI として fancontrol-guiAUR または fancontrol-kcmAURインストールして使うこともできます。

NBFC

NBFC はノートパソコンのためのクロスプラットフォームのファン制御ソリューションです。強力な設定システムを備えており、最新のノートパソコンを含めて様々なモデルのノートパソコンにあわせて調整できます。

インストール

NBFC は nbfcAUR または nbfc-gitAUR パッケージでインストールできます。インストールしたら nbfc.service を起動・有効化してください。

ヒント: 最新の設定プロファイルが含まれている開発版 (nbfc-gitAUR) を使うことを推奨します。nbfcAUR パッケージのプロファイルは古かったり最新のノートパソコンに対応していなかったりすることがあります。

設定

NBFC にはあらかじめプロファイルが付属しています。プロファイルは /opt/nbfc/Configs/ ディレクトリにインストールされます。プロファイルを使うときは、拡張子を付けずに正確なプロファイル名を使ってください (例えば some profile.xml なら "some profile" となります)。

NBFC が推奨するプロファイルが存在しないか確認:

$ nbfc config -r

プロファイルが存在した場合、プロファイルを使ってみてファンの速度がどのように管理されるか確認してみてください。例:

$ nbfc config -a "Asus Zenbook UX430UA"

推奨モデルが存在しない場合、NBFC の git リポジトリ/opt/nbfc/Configs/ を開いて同じメーカーから製造された類似機種が存在しないか確認してください。例えば Asus Zenbook UX430UQ の場合、Asus Zenbook UX430UA の設定は全く機能しませんが (ファンが常に停止した状態になります)、Asus Zenbook UX410UQ の設定は上手く機能します。

オプションを確認するには nbfc を実行してください。詳しい情報は 上流のページ を参照してください。

Dell ノートパソコン

i8kutilsAUR は Dell Inspiron や Latitude ノートパソコンでファンの速度を制御するデーモンです。dell_smm_hwmon ドライバー (旧名 i8k) による /proc/i8k インターフェイスが利用されます。ノートパソコンの機種によって結果は変わります。

i8kutils は、一部の Dell Inspiron および Latitude ラップトップの CPU 温度に応じてファン速度を設定するデーモンです。これは、i8k ドライバー (dell_smm_hwmon のエイリアス) によって提供される /proc/i8k インターフェイスを使用します。結果はラップトップの正確なモデルによって異なります。

fancontrol がシステムで動作しない場合は、ignore_dmi=1 カーネルモジュールパラメータ を使用して dell_smm_hwmon をロードします。

警告: i8kutils BIOS システムコールは、一部のシステムでカーネルを一時的に停止します (Dell 9560 で確認) これにより、オーディオのドロップアウトなどの副作用が発生する可能性があります。https://bugzilla.kernel.org/show_bug.cgi?id=201097 を参照してください。

インストール

i8kutilsAUR ファン速度を制御するためのメインパッケージです。さらに、次のものをインストールすることもできます。

  • acpii8kmon を使用するには、i8kmon をインストールする必要があります。
  • tcli8kmon をバックグラウンドサービスとして実行する為に必要です。 (--daemon オプションを使用)
  • tk — X11 デスクトップアプレットとして実行するには、tcl と一緒にインストールする必要があります。
  • dell-bios-fan-control-gitAUR — BIOS がファン制御をオーバーライドする場合に推奨されます。

設定

デフォルトでは i8kmon は CPU の温度やファンの速度を受動的に監視することしかしません。ファン速度の制御を有効にするには、--auto オプションを使用して実行するか、あるいは /etc/i8kutils/i8kmon.conf で永続的にオプションを有効にしてください:

set config(auto)       1

同じ設定ファイルでファンの速度が変化する温度を調整できます。使用できるファンの速度は3つだけです (high, low, off)。以下のようになっているセクションを見てください:

set config(0)  {{0 0}  -1  55  -1  55}
set config(1)  {{1 1}  45  75  45  75}
set config(2)  {{2 2}  65 128  65 128}

上記の例では CPU 温度が 55 °C に達したらファンを低速で回し始め、75 °C で高速に切り替えます。65 °C まで温度が落ちたら低速に戻り、45 °C になったらファンは完全に停止します。

BIOS によるファンスピード制御を無効化

i8kmon で制御できない場合は BIOS によるファンの速度コントロールをオフにする必要があります。ノートパソコンによっては smm ユーティリティを使ってオフにできます。このユーティリティは I/O ポートに直接書き込みを行ってプロセッサの System Management Mode を呼び出すため非常に危険です。自己責任で使ってください。

smm は手動でコンパイル・インストールする必要があります。64ビット環境では、gcc-multilib[リンク切れ: 置換パッケージ: gcc] が必要です。i8kutils のソースにある smm.c ファイルを見つけてコンパイルしてください:

$ gcc -m32 -o smm smm.c

BIOS によるファンの速度制御を無効化するには、以下のコマンドを root で実行:

# ./smm 30a3

再度有効化するには:

# ./smm 31a3
ノート: 上記のコマンドは BIOS による他の電源管理機能も無効化してしまうことがあり、電源ボタンが押されたことを Linux から認識できなくなったりする可能性があります。

サービスとしてインストール

以下のようなユニットファイルを使うことで systemd サービスとして i8kmon を自動で起動できます:

/etc/systemd/system/i8kmon.service
[Unit]
Description=i8kmon

[Service]
#ExecStartPre=/usr/bin/smm 30a3  # uncomment to disable BIOS fan control
#ExecStopPost=/usr/bin/smm 31a3  # ... and re-enable it afterwards
ExecStart=/usr/bin/i8kmon -d
Restart=always
RestartSec=5

[Install]
WantedBy=multi-user.target

ThinkPad ノートパソコン

デフォルトでは、組み込みコントローラ (EC) がファンの速度を制御します。速度が遅すぎる、または音がうるさい場合、デーモンを使用することで制御を乗っ取ることができます。ただし危険性も伴います: あなたが責任を持って温度をコントロールしなければならなくなります。過度の高温はノートパソコンの寿命が縮まったり、致命的なダメージを与える可能性があります。安全上の理由からファンの制御はデフォルトで無効になっています。ファンの制御を有効にするには、カーネルパラメータfan_control=1 を追加してください。

現在 AUR からインストールすることができるファン制御デーモンは simpfand-gitAURthinkfanAUR です。

インストール

thinkfanAUR をインストールしてください。インストールしたら、パッケージに含まれているファイルを確認してください:

# pacman -Ql thinkfan

thinkfan パッケージは以下の内容の /usr/lib/modprobe.d/thinkpad_acpi.conf をインストールするため、ファン制御はデフォルトで有効になります:

options thinkpad_acpi fan_control=1

ファンのレベルを確認するには:

$ su
# modprobe thinkpad_acpi
# cat /proc/acpi/ibm/fan

デフォルトではファンレベルが "auto" になっているはずです。/proc/acpi/ibm/fan に設定したいレベルを echo することで手動でファンの速度を制御できます。thinkfan デーモンは自動的に設定を行います。

サンプル設定ファイルのどれか (例: /usr/share/doc/thinkfan/examples/thinkfan.conf.simple) を /etc/thinkfan.conf にコピーして、必要に応じて編集してください。このファイルではどのセンサーを読み込むのか指定したり、ファンを制御するのに使用するインターフェイスを指定します。/proc/acpi/ibm/fan が使用できない場合、汎用の hwmon センサーが使われるように以下のように指定する必要があります:

hwmon /sys/devices/virtual/thermal/thermal_zone0/temp

実行

thinkfan を手動で (root で) 実行して設定をテストできます:

# thinkfan -n

他のプログラムを実行してみて負担によってどのようにファンが変わるか確認してください。

適切に設定できたら、以下のコマンドで thinkfan コマンドを起動できます (root で実行):

# systemctl start thinkfan

もしくはシステムの起動時に自動的にロードするには:

# systemctl enable thinkfan

消滅した古いパッケージ

tpfandAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror]tpfand-no-halAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror] (HAL 不要版) はすでに開発が止まっており、インストールできません。AUR に存在していた GTK+ フロントエンドの tpfan-adminAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror] パッケージは温度の監視や分岐点を視覚的に変更することができました。

tpfand が開発されなくなったことにより、tpfanco と呼ばれるフォークが存在していました (実行ファイルの名前は tpfand と同じです): tpfanco-svnAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror]

tpfand の設定ファイルは /etc/tpfand.conf でした (tpfanco も同じファイルを使用します)。

さらに、AURtpfand-profilesAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror] パッケージは様々な thinkpad モデルの最新のファンプロファイルを提供していました。

Asus ノートパソコン

このセクションでは Fancontrol (lm-sensors) の Asus ノートパソコンでのドライバー設定について説明します。

カーネルモジュールの概要

  • asus-nb-wmi は Linux カーネルに含まれているカーネルモジュールで、Asus 製ノートパソコンでは自動的にロードされます。制御できるのはシングルファンだけで、ファンがふたつある場合、制御することはできません。このモジュールをブラックリストに追加するとキーボードバックライトが動作しなくなります。
  • asus_fan は一部の古い Asus ノートパソコンのファンを制御できるカーネルモジュールです。最新のモデルでは機能しません。

設定ファイルでは sysfs ファイルのフルパスを使います (例: /sys/devices/platform/asus-nb-wmi/hwmon/hwmon[[:print:]]*/pwm1)。hwmon1 という名前は再起動した後に他の番号に変わってしまう可能性があるためです。Fancontrol (lm-sensors)Bash で書かれているため、設定ファイルではフルパスを使うことが可能です。完全な /etc/fancontrol の設定例は ASUS N550JV#Fan control を参照してください。

asus-nb-wmi

asus-nb-wmi カーネルモジュールはカーネルに含まれているため特にパッケージのインストールは必要ありません。

以下が制御するコマンドです。ファンを制御できるかどうか確認してください:

# echo 255 > /sys/devices/platform/asus-nb-wmi/hwmon/hwmon[[:print:]]*/pwm1           # Full fan speed (Value: 255)
# echo 0 > /sys/devices/platform/asus-nb-wmi/hwmon/hwmon[[:print:]]*/pwm1             # Fan is stopped (Value: 0)
# echo 2 > /sys/devices/platform/asus-nb-wmi/hwmon/hwmon[[[:print:]]*/pwm1_enable     # Change fan mode to automatic
# echo 1 > /sys/devices/platform/asus-nb-wmi/hwmon/hwmon[[:print:]]*/pwm1_enable      # Change fan mode to manual

上記のコマンドでファンを制御できたら #pmwconfig で設定ファイルを生成に進んでください。

asus_fan

asus-fan-dkms-gitAUR をインストールしてください。カーネルモジュールをロード:

# modprobe asus_fan
ノート: 何らかの理由で上記のコマンドが失敗することがあります。大抵は initramfs を再生成してシステムを再起動すれば問題は解決します。

ファンを制御できるかどうか確認してください:

# echo 255 > /sys/devices/platform/asus_fan/hwmon/hwmon[[:print:]]*/pwm1          # Full CPU fan speed (Value: 255)
# echo 0 > /sys/devices/platform/asus_fan/hwmon/hwmon[[:print:]]*/pwm1            # CPU fan is stopped (Value: 0)
# echo 255 > /sys/devices/platform/asus_fan/hwmon/hwmon[[:print:]]*/pwm1          # Full GFX fan speed (Value: 255)
# echo 0 > /sys/devices/platform/asus_fan/hwmon/hwmon[[:print:]]*/pwm1            # GFX fan is stopped (Value: 0)
# echo 2 > /sys/devices/platform/asus_fan/hwmon/hwmon[[:print:]]*/pwm1_enable     # Change CPU fan mode to automatic
# echo 1 > /sys/devices/platform/asus_fan/hwmon/hwmon[[:print:]]*/pwm1_enable     # Change CPU fan mode to manual
# echo 2 > /sys/devices/platform/asus_fan/hwmon/hwmon[[:print:]]*/pwm2_enable     # Change GFX fan mode to automatic
# echo 1 > /sys/devices/platform/asus_fan/hwmon/hwmon[[:print:]]*/pwm2_enable     # Change GFX fan mode to manual
# cat /sys/devices/platform/asus_fan/hwmon/hwmon[[:print:]]*/temp1_input          # Display GFX temperature (will always be 0 when GFX is disabled/unused)

問題なく機能するようであれば、起動時にカーネルモジュールをロードするように設定すると良いでしょう:

/etc/modules-load.d/asus_fan.conf
# Load asus_fan module on boot:
asus_fan

#pmwconfig で設定ファイルを生成に進んでください。

pmwconfig で設定ファイルを生成

pwmconfig で設定ファイルを生成したときに There are no working fan sensors, all readings are 0 というエラーが表示される場合、コンソールを開いて以下のコマンドを実行してください:

# watch -n 1 "echo 2 > /sys/devices/platform/<kernel_module>/hwmon/hwmon[[:print:]]*/pwm1_enable"

asus_fan カーネルモジュールを使っていてファンが2個搭載されている場合、別のコンソールで以下のコマンドを実行してください:

# watch -n 1 "echo 2 > /sys/devices/platform/<kernel_module>/hwmon/hwmon[[:print:]]*/pwm2_enable"

最後に、別のコンソールで以下のコマンドを実行:

# pwmconfig

設定ファイルが生成されたら、watch コマンドを実行しているコンソールは止めてください。Fancontrol (lm-sensors) に進んでください。

AMDGPU の sysfs によるファン制御

AMDGPU カーネルドライバは sysfshwmon を通して、グラフィックカードのファン制御を提供します。

手動制御の設定

ファンの制御を自動から手動に切り替えるために以下を実行してください:

# echo "1" > /sys/class/drm/card0/device/hwmon/hwmon0/pwm1_enable

例えば、ファンの速度を 50% に設定するには(100% は 255 PWM サイクルなので、希望するファン速度のパーセンテージに 2.55 を掛けて計算します):

# echo "128" > /sys/class/drm/card0/device/hwmon/hwmon0/pwm1

ファン制御を自動に戻すには:

# echo "2" > /sys/class/drm/card0/device/hwmon/hwmon0/pwm1_enable
警告: ファンの速度を自動に戻すと、ドライバのバグにより正しく動作しない場合があります。回避策として、ファンの速度を自動に戻す代わりにドライバの再起動が必要である場合があります。

amdgpu-fan

amdgpu-fanAUR パッケージは AMDGPU 対応のビデオカード用の、Python で書かれた自動ファンコントローラです。"speed-matrix" を使って、GPU の温度とファンの回転数を対応付けます。例えば:

speed_matrix:  # -[temp(*C), speed(0-100%)]
- [0, 0]
- [40, 30]
- [60, 50]
- [80, 100]

amdgpu-fan.service起動/有効化してファン制御サービスを起動してください。

amdfand-bin

amdfand-binAUR パッケージは amdgpu-fanAUR のネイティブな代替です。amdfand.service起動/有効化してファン制御サービスを起動してください。

このツールには GUI クライアントもあります: amdguid-glow-binAUR (Xorg) と amdguid-wayland-binAUR (Wayland) です。クライアントを起動する前に、amdgui-helper.service起動/有効化する必要があります。

ファンカーブスクリプト

hwmonsysfs が提供する機能はファンの制御だけでなく、GPU 温度の読み出しも提供します:

cat /sys/class/drm/card0/device/hwmon/hwmon0/temp1_input

これは GPU の温度を °C + 3つのゼロで出力します(例: 33°C の場合 33000)。

grmat による amdgpu-fancontrol bash スクリプトは、説明した sysfs hwmon 機能を使って完全自動のファン制御を行います。また、スクリプトの先頭で抽象化された設定フィールドを提供することにより、ファンカーブの温度/PWM サイクルの割当やヒステリシスをかんたんに調整できます。

ヒント: 正しく機能させるためには、スクリプトに温度/PWM サイクルが少なくとも3つ割り当てられている必要があります。

安全上の理由により、スクリプトはシャットダウン時にファン制御を再び自動に設定します。これにより、ファンの回転数が上がる場合があります。これは、function reset_on_fail セクションで set_fanmode 1 を設定すれば、セキュリティを犠牲にして回避することができます。

ファンカーブスクリプトを設定

スクリプトの起動は systemd init システムを通して行うことが推奨されます。この方法ではスクリプトの上長出力を journalctl/systemctl status で読むことができます。この目的のための .service ユニットファイルが GitHub リポジトリにすでに含まれています。

また、場合によっては、ハイバネート後にスクリプトが自動的に再び正しく機能するようにするために、root-resume.service を通してスクリプトを再起動する必要があります:

/etc/systemd/system/root-resume.service
[Unit]
Description=Local system resume actions
After=suspend.target

[Service]
Type=simple
ExecStart=/usr/bin/systemctl restart amdgpu-fancontrol.service

[Install]
WantedBy=suspend.target