「.NET」の版間の差分

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最後に、ASP.NET Core を使用して動的な Web サイト、アプリケーション、およびサービスを構築するには、{{Pkg|aspnet-runtime}}をインストールします。
 
最後に、ASP.NET Core を使用して動的な Web サイト、アプリケーション、およびサービスを構築するには、{{Pkg|aspnet-runtime}}をインストールします。
   
Microsoft は .NET Core アプリをビルド・デバッグするときは [[Electron]] ベースのオープンソース IDE である [[Visual Studio Code]]使うことを推奨しています。
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Microsoft は [[Visual Studio Code]](同社の [https://www.electronjs.org/ Electron] ベースの IDE)を使用して .NET アプリ構築・デバッグすることを推奨しています。
   
 
{{Tip|{{ic|PATH}} に {{ic|~/.dotnet/tools}} を追加してください。追加しない場合は、 dotnet ツールはシェルから使うことができません。}}
 
{{Tip|{{ic|PATH}} に {{ic|~/.dotnet/tools}} を追加してください。追加しない場合は、 dotnet ツールはシェルから使うことができません。}}
   
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.NET 6.0、7.0、8.0 を使用したい場合は、上記パッケージにそれぞれ "-6.0"、"-7.0"、"-8.0" をサフィックスとして付けてください(例:{{Pkg|dotnet-runtime-8.0}}、{{Pkg|dotnet-sdk-8.0}}、{{Pkg|aspnet-runtime-8.0}})
=== 手動による複数バージョンのインストール ===
 
   
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=== バージョンの違い ===
.NET Foundation が提供する [https://dot.net/v1/dotnet-install.sh dotnet-install.sh] スクリプトを使用して、.NET SDK またはランタイムの複数のバージョンをインストールできます。スクリプトのドキュメントは[https://docs.microsoft.com/en-us/dotnet/core/tools/dotnet-install-script ここ]にあります。
 
   
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.NET SDK は複数のバージョン体系で公開されています。{{ic|1xx}} バージョンの SDK のみがソースからビルド可能で、公式リポジトリで提供されます。それ以外のバージョンが必要な場合は、AUR にある {{ic|*-bin}} パッケージを使用する必要があります。
例えば、以下のコマンドは、{{ic|/usr/share/dotnet}} の "STS"(Standard Term Support) チャネルにある最新バージョンをインストールします:
 
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=== 複数バージョンの手動インストール ===
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複数の .NET SDK やランタイムを共存させるには、.NET Foundation が提供する [https://dot.net/v1/dotnet-install.sh dotnet-install.sh] スクリプトを使用します。スクリプトのドキュメントは [https://docs.microsoft.com/en-us/dotnet/core/tools/dotnet-install-script こちら] にあります。
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たとえば、以下のコマンドで STS(Standard Term Support)チャンネルの最新版を {{ic|/usr/share/dotnet}} にインストールできます:
   
 
# ./dotnet-install.sh --install-dir /usr/share/dotnet -channel STS -version latest
 
# ./dotnet-install.sh --install-dir /usr/share/dotnet -channel STS -version latest
   
{{ic|-Dryrun}} を使用して、最初にインストールをシミュレートすることお勧めします。
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インストールをシミュレーションしたい場合は、{{ic|-Dryrun}} フラグ使用します。
   
インストールしたら、利用可能な SDK を確認できます:
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インストール、利用可能な SDK を確認できます
   
 
{{hc|$ dotnet --list-sdks|
 
{{hc|$ dotnet --list-sdks|
2.2.108 [/usr/share/dotnet/sdk]
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2.2.108 [/usr/share/dotnet/sdk]
 
3.0.103 [/usr/share/dotnet/sdk]
 
3.0.103 [/usr/share/dotnet/sdk]
 
}}
 
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=== 手動インストールしたバージョンアンインストールする ===
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=== 手動インストールしたバージョンアンインストール ===
   
{{ic|dotnet-install.sh}} でインストールした古いバージョン削除することをお勧めします。自動化された [https://docs.microsoft.com/en-us/dotnet/core/additional-tools/uninstall-tool .NET Uninstall Tool] はまだ Linux をサポートしていないため、削除は手動で行う必要があります。
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{{ic|dotnet-install.sh}} でインストールした古いバージョン削除したい場合があります。[https://docs.microsoft.com/en-us/dotnet/core/additional-tools/uninstall-tool .NET Uninstall Tool] は現在 Linux をサポートしていないため、手動でアンインストールする必要があります。
   
 
{{hc|$ dotnet --list-sdks|
 
{{hc|$ dotnet --list-sdks|
5.0.100 [/usr/share/dotnet/sdk]
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5.0.100 [/usr/share/dotnet/sdk]
 
5.0.102 [/usr/share/dotnet/sdk]
 
5.0.102 [/usr/share/dotnet/sdk]
 
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}}
   
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SDK の削除:
sdk のアンインストール:
 
   
 
$ SDK_VERSION="5.0.100"
 
$ SDK_VERSION="5.0.100"
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# rm -rf $DOTNET_UNINSTALL_PATH/sdk/$SDK_VERSION
 
# rm -rf $DOTNET_UNINSTALL_PATH/sdk/$SDK_VERSION
   
{{ic|dotnet-install.sh}} を使用すると、dotnet ホストと共有パッケージもインストールされますが、リリースによっ追加で削除しなければならない場合もあります。
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{{ic|dotnet-install.sh}} を使用した場合、dotnet ホストや shared パッケージもインストールされているため、リリースに応じこれらも追加で削除する必要があります。
   
.NETバージョン ( sdk, host, shared ) の完全なアンインストール:
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.NET バージョン全体(sdk、host、shared)の完全な削除:
   
 
$ SDK_VERSION="5.0.100"
 
$ SDK_VERSION="5.0.100"
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# rm -rf $DOTNET_UNINSTALL_PATH/host/fxr/$DOTNET_VERSION
 
# rm -rf $DOTNET_UNINSTALL_PATH/host/fxr/$DOTNET_VERSION
   
=== AURによる複数バージョンのインストール ===
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=== AUR による複数バージョンのインストール ===
   
AUR dotnet パッケージのいくつか、並行してインストールするように作られています。コマンドラインツールを含むホストパッケージ({{aur|dotnet-host-bin}} または {{pkg|dotnet-host}}) は一だけが必要で、隣に利用可能な SDK ランタイム(すべてのメジャーバージョンの最新パッケージ)をインストールできます。互換性のあるパッケージのリストは以下の通りです
+
AUR にある一部の dotnet パッケージは共存できるように設計されています。コマンドラインツールを含むホストパッケージ{{aur|dotnet-host-bin}} または {{pkg|dotnet-host}})が 1 つ必要で、あとは任意の SDK ランタイム(各メジャーバージョンの最新版)追加でインストールできます。以下は互換性のあるパッケージ一覧です
   
 
* {{aur|dotnet-host-bin}}, {{aur|dotnet-runtime-bin}}, {{aur|aspnet-runtime-bin}}, {{aur|dotnet-sdk-bin}}
 
* {{aur|dotnet-host-bin}}, {{aur|dotnet-runtime-bin}}, {{aur|aspnet-runtime-bin}}, {{aur|dotnet-sdk-bin}}
 
* {{aur|dotnet-host-preview-bin}}, {{aur|dotnet-runtime-preview-bin}}, {{aur|aspnet-runtime-preview-bin}}, {{aur|dotnet-sdk-preview-bin}}
 
* {{aur|dotnet-host-preview-bin}}, {{aur|dotnet-runtime-preview-bin}}, {{aur|aspnet-runtime-preview-bin}}, {{aur|dotnet-sdk-preview-bin}}
* {{aur|dotnet-runtime-3.0}}, {{aur|aspnet-runtime-3.0}}, {{aur|dotnet-sdk-3.0}},
+
* {{aur|dotnet-runtime-8.0-bin}}, {{aur|aspnet-runtime-8.0-bin}}, {{aur|dotnet-sdk-8.0-bin}}
  +
* {{aur|dotnet-runtime-7.0-bin}}, {{aur|aspnet-runtime-7.0-bin}}, {{aur|dotnet-sdk-7.0-bin}}
  +
* {{aur|dotnet-runtime-3.0}}, {{aur|aspnet-runtime-3.0}}, {{aur|dotnet-sdk-3.0}}
 
* {{aur|dotnet-runtime-2.2}}, {{aur|aspnet-runtime-2.2}}, {{aur|dotnet-sdk-2.2}}, {{aur|dotnet-sdk-2.2-vs2017}}
 
* {{aur|dotnet-runtime-2.2}}, {{aur|aspnet-runtime-2.2}}, {{aur|dotnet-sdk-2.2}}, {{aur|dotnet-sdk-2.2-vs2017}}
 
* {{aur|dotnet-runtime-2.1}}, {{aur|aspnet-runtime-2.1}}, {{aur|dotnet-sdk-2.1}}
 
* {{aur|dotnet-runtime-2.1}}, {{aur|aspnet-runtime-2.1}}, {{aur|dotnet-sdk-2.1}}
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=== PowerShell Core のインストール ===
 
=== PowerShell Core のインストール ===
   
PowerShell Core を「グローバルツールとしてインストールすることもできます[https://devblogs.microsoft.com/powershell/introducing-powershell-as-net-global-tool/] [https://github.com/powershell/powershell]。
+
PowerShell Core は "グローバル" ツールとしてインストールできます
  +
[https://devblogs.microsoft.com/powershell/introducing-powershell-as-net-global-tool/]
 
  +
[https://github.com]()
# dotnet tool install --global PowerShell
 
 
現在のバージョンを更新するには、
 
 
# dotnet tool update --global PowerShell
 
   
 
== テレメトリ ==
 
== テレメトリ ==

2025年7月31日 (木) 20:13時点における最新版

.NET(以前の名前は .NET Core) は Microsoft が提供する C#, Visual Basic, F# のための FOSS ソフトウェアフレームワークです。先行の .NET Framework と異なり、クロスプラットフォームでモジュール化され、近代的なアプリケーションに適した設計が行われています。

インストール

.NET マネージドアプリケーションを実行したいだけの場合は dotnet-runtime パッケージをインストールしてください。

.NET でアプリをビルドする場合は dotnet-sdk パッケージもインストールしてください。

最後に、ASP.NET Core を使用して動的な Web サイト、アプリケーション、およびサービスを構築するには、aspnet-runtimeをインストールします。

Microsoft は Visual Studio Code(同社の Electron ベースの IDE)を使用して .NET アプリを構築・デバッグすることを推奨しています。

ヒント: PATH~/.dotnet/tools を追加してください。追加しない場合は、 dotnet ツールはシェルから使うことができません。

.NET 6.0、7.0、8.0 を使用したい場合は、上記パッケージにそれぞれ "-6.0"、"-7.0"、"-8.0" をサフィックスとして付けてください(例:dotnet-runtime-8.0dotnet-sdk-8.0aspnet-runtime-8.0

バージョンの違い

.NET SDK は複数のバージョン体系で公開されています。1xx バージョンの SDK のみがソースからビルド可能で、公式リポジトリで提供されます。それ以外のバージョンが必要な場合は、AUR にある *-bin パッケージを使用する必要があります。

複数バージョンの手動インストール

複数の .NET SDK やランタイムを共存させるには、.NET Foundation が提供する dotnet-install.sh スクリプトを使用します。スクリプトのドキュメントは こちら にあります。

たとえば、以下のコマンドで STS(Standard Term Support)チャンネルの最新版を /usr/share/dotnet にインストールできます:

# ./dotnet-install.sh --install-dir /usr/share/dotnet -channel STS -version latest

インストールをシミュレーションしたい場合は、-Dryrun フラグを使用します。

インストール後、利用可能な SDK を確認できます:

$ dotnet --list-sdks
2.2.108 [/usr/share/dotnet/sdk]  
3.0.103 [/usr/share/dotnet/sdk]
$ dotnet --version
3.0.103

手動インストールしたバージョンのアンインストール

dotnet-install.sh でインストールした古いバージョンを削除したい場合があります。.NET Uninstall Tool は現在 Linux をサポートしていないため、手動でアンインストールする必要があります。

$ dotnet --list-sdks
5.0.100 [/usr/share/dotnet/sdk]  
5.0.102 [/usr/share/dotnet/sdk]

SDK の削除:

$ SDK_VERSION="5.0.100"
$ DOTNET_UNINSTALL_PATH="/usr/share/dotnet"
# rm -rf $DOTNET_UNINSTALL_PATH/sdk/$SDK_VERSION

dotnet-install.sh を使用した場合、dotnet ホストや shared パッケージもインストールされているため、リリースに応じてこれらも追加で削除する必要があります。

.NET バージョン全体(sdk、host、shared)の完全な削除:

$ SDK_VERSION="5.0.100"
$ DOTNET_VERSION="5.0.0"
$ DOTNET_UNINSTALL_PATH="/usr/share/dotnet"
# rm -rf $DOTNET_UNINSTALL_PATH/sdk/$SDK_VERSION
# rm -rf $DOTNET_UNINSTALL_PATH/shared/Microsoft.NETCore.App/$DOTNET_VERSION
# rm -rf $DOTNET_UNINSTALL_PATH/shared/Microsoft.AspNetCore.All/$DOTNET_VERSION
# rm -rf $DOTNET_UNINSTALL_PATH/shared/Microsoft.AspNetCore.App/$DOTNET_VERSION
# rm -rf $DOTNET_UNINSTALL_PATH/host/fxr/$DOTNET_VERSION

AUR による複数バージョンのインストール

AUR にある一部の dotnet パッケージは共存できるように設計されています。コマンドラインツールを含むホストパッケージ(dotnet-host-binAUR または dotnet-host)が 1 つ必要で、あとは任意の SDK やランタイム(各メジャーバージョンの最新版)を追加でインストールできます。以下は互換性のあるパッケージ一覧です:

PowerShell Core のインストール

PowerShell Core は "グローバル" ツールとしてもインストールできます: [1] [2]()

テレメトリ

テレメトリはデフォルトで有効になっていますが、環境変数の設定により無効にできます。DOTNET_CLI_TELEMETRY_OPTOUT=1

タブ補完

System.CommandLine.Parser を使用して引数を解析するすべての dotnet プログラムはオートコンプリートをサポートしています。これを有効にするには、それぞれのドキュメントに記載されているように、.bashrc / .zshrc ファイルに数行追加するだけです。スタンドアロン・バイナリについては、 こちらで説明されています。

トラブルシューティング

対応するフレームワークのバージョンを見つけることができませんでした

新しく作成したプロジェクトを実行しようとしたとき、次のエラーが発生した場合、GitHub のさまざまな問題の解決策に記載されているように、DOTNET_ROOT 変数を設定する必要がなくなりました。Arch の dotnet パッケージは(3.1現在)、Microsoft が推奨する /usr/share/dotnet にインストールされます。

$ dotnet run
It was not possible to find any compatible framework version
The framework 'Microsoft.AspNetCore.App', version '3.1.0' was not found.
  - No frameworks were found.

You can resolve the problem by installing the specified framework and/or SDK.

The specified framework can be found at:
  - https://aka.ms/dotnet-core-applaunch?framework=Microsoft.AspNetCore.App&framework_version=3.1.0&arch=x64&rid=arch-x64

これは、Arch ではランタイムが別パッケージとして出荷されているために起こるものです。aspnet-runtime パッケージがインストールされていることを確認する必要があります。

"the required library libhostfxr.so could not be found" エラー

一部の dotnet SDK ツール(例えば、libman, dotnet-watch など)では、環境変数 DOTNET_ROOT が事前に設定されていることを期待している場合があります。そうでない場合、このようなエラーが発生する可能性があります。[3]

A fatal error occurred, the required library libhostfxr.so could not be found.
If this is a self-contained application, that library should exist in [/home/my_user/.dotnet/tools/.store/microsoft.web.librarymanager.cli/1.0.172/microsoft.web.librarymanager.cli/1.0.172/tools/netcoreapp2.1/any/].
If this is a framework-dependent application, install the runtime in the default location [/usr/share/dotnet] or use the DOTNET_ROOT environment variable to specify the runtime location.

回避策としては、手動でシェルに DOTNET_ROOT をエクスポートします。

~/.bashrc
export DOTNET_ROOT=/opt/dotnet

Error MSB4019: The imported project "/usr/share/dotnet/sdk/.../Sdks/Microsoft.NET.Sdk/targets/Microsoft.NET.Sdk.Common.targets" was not found. Confirm that the expression in the Import declaration ... is correct, and that the file exists on disk.

これはアップデート後に発生します。現在実行中のシェル/ログインセッションは、インストールされているものとは異なる dotnet SDK バージョンの環境変数が納められています。シェルを再起動するか、再度ログインすると直ります。

指定された SDK が見つからない

これは Mono と MSBuild SDK ライブラリと dotnet のライブラリが競合していることが原因だと思われます。これを修正するには、シェルでパスを手動で export します(必要に応じてバージョン番号を置き換えてください)。

~/.bashrc
export MSBuildSDKsPath=$( echo /usr/share/dotnet/sdk/3.*/Sdks );

dotnet コマンドがインストールされたままになっている

インストールされたパッケージは dotnet-host をアンインストールしないので、dotnet-host をアンインストールしてください。

参照

翻訳ステータス: このページは en:.NET の翻訳バージョンです。最後の翻訳日は 2023/2/6 です。もし英語版に 変更 があれば、翻訳の同期を手伝うことができます。