「Chromebook Pixel 2」の版間の差分
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{{Warning|この記事ではサードパーティ製のスクリプトなどを使用するため、ハードウェアやデータに修復不可能なダメージを与える可能性があります。自己責任で使用してください。}} |
{{Warning|この記事ではサードパーティ製のスクリプトなどを使用するため、ハードウェアやデータに修復不可能なダメージを与える可能性があります。自己責任で使用してください。}} |
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− | Chromebook Pixel 2 は Google によって販売されている2015年製の [[Chromebook]] です。このページでは Pixel 2 に Arch Linux をインストールする方法を説明します。 |
+ | Chromebook Pixel 2 は Google によって販売されている2015年製の [[Chromebook]] です。このページでは Pixel 2 に Arch Linux をインストールする方法を説明します。Pixel 2 はコードネームの Samus という名前で呼ばれたり、Chromebook Pixel LS と呼ばれることもあります。 |
フォーラムスレッドも参照してください: [https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?id=194962]。 |
フォーラムスレッドも参照してください: [https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?id=194962]。 |
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== インストール == |
== インストール == |
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− | + | {{Note|USB 3.0 では問題が起こることがあります。インストールメディアは USB 2.0 を使用してください。}} |
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+ | [[Chrome OS デバイス#デベロッパーモードの有効化|デベロッパーモードを有効化]]してから、[[Chrome OS デバイス#スーパーユーザーシェルにアクセス|スーパーユーザーシェル]]を使って [[Chrome OS デバイス#SeaBIOS の有効化|SeaBIOS を有効化]]してください。「デフォルトで SeaBIOS を起動」セクションの警告に書いてあることは Chromebook Pixel (2015) では起こらないので心配する必要はありません。最後に [[Chrome OS デバイス#Arch Linux のインストール|Arch Linux をインストール]]してください。ただし GRUB には注意が必要です。 |
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− | === |
+ | === Grub === |
− | デフォルトではメニューが表示されません。GRUB_GFXMODE が auto に設定されていて Grub が適切なビデオモードを認識できないためです。grub コマンドラインで vbeinfo を使うと 1280x850x16 と検出されます。メニューを表示するには {{ic|/etc/default/grub}} で GRUB_GFXMODE をオフにするか適切なディスプレイを設定してください: |
+ | デフォルトではメニューが表示されません。{{ic|GRUB_GFXMODE}} が auto に設定されていて Grub が適切なビデオモードを認識できないためです。grub コマンドラインで {{ic|vbeinfo}} を使うと {{ic|1280x850x16}} と検出されます。メニューを表示するには {{ic|/etc/default/grub}} で {{ic|GRUB_GFXMODE}} をオフにするか適切なディスプレイを設定してください: |
GRUB_TERMINAL_OUTPUT=console |
GRUB_TERMINAL_OUTPUT=console |
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もしくは次を設定: |
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設定後、次を実行: |
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# grub-mkconfig -o /boot/grub/grub.cfg |
# grub-mkconfig -o /boot/grub/grub.cfg |
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+ | |||
+ | インストール時に上記の設定をしなかった場合、もういちどインストールメディアを起動してディスクをマウントし [[arch-chroot]] してから設定できます。 |
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=== ChromeOS と Arch Linux のデュアルブート === |
=== ChromeOS と Arch Linux のデュアルブート === |
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== タッチパッドとタッチスクリーン、オーディオ == |
== タッチパッドとタッチスクリーン、オーディオ == |
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− | === Linux 4. |
+ | === Linux 4.9 (標準カーネル) === |
+ | タッチパッド・タッチスクリーン・オーディオは全て上流の 4.9 カーネルで問題なく動作します。 |
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− | Linux 4.1 を使用する場合 {{AUR|linux-samus4}} パッケージを[[インストール]]してください。linux-samus4 をインストールしたら GRUB の設定を再生成する必要があります。音声出力やマイクのサポートを有効にする方法は [https://github.com/raphael/linux-4.1-samus] を参照。 |
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+ | [https://github.com/raphael/linux-samus#sound linux-samus README] にスピーカーをミュートする方法がありますが、コマンドの中で使われているカード ID は変更する必要があります ({{ic|-c 0}})。カードの ID は {{ic|aplay -l | grep bdw-rt5677 | sed -E 's/card ([0-9]):.*/\1/'}} で確認できます。 |
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− | === Linux 3.19 === |
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+ | === Linux 4.9 (Samus) === |
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− | {{AUR|linux-samus}}{{Broken package link|{{aur-mirror|linux-samus}}}} パッケージを[[インストール]]してください。gpg を使って2つのカーネル署名鍵をインポートする必要があります。Pixel 2 のサポートは Linux 4.1 で追加されています。linux-samus をインストールしたら GRUB の設定を再生成してください。 |
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+ | {{AUR|linux-samus4}} パッケージを[[インストール]]してください。インストールしたら {{AUR|linux-samus4}} イメージを起動できるように[[ブートローダー]]を設定する必要があります。詳しくは [https://github.com/raphael/linux-4.1-samus] を参照。 |
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− | タッチパッドを修正するには、以下の内容で {{ic|/etc/X11/xorg.conf.d/25-touchpad.conf}} ファイルを追加します。また、{{Pkg|xf86-input-synaptics}} をインストールしてください。 |
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+ | {{ic|linux-samus4}} カーネルで起動したときに画面が表示されない場合、{{ic|/etc/mkinitcpio.conf}} の {{ic|MODULES}} に {{ic|i915}} を追加して {{ic|mkinitcpio -p linux-samus4}} でイメージを再生成してみてください。詳しくは [[Intel Graphics]] を見てください。 |
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− | Section "InputClass" |
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− | Identifier "touchpad" |
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− | MatchIsTouchpad "on" |
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− | MatchDevicePath "/dev/input/event*" |
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− | Driver "synaptics" |
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− | EndSection |
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+ | {{Note|{{ic|mkinitcpio -p linux-samus4}} を実行するときは {{ic|/boot}} がマウントされていることを確認してください。}} |
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− | 音声出力については [https://github.com/tsowell/linux-samus] を参照。 |
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− | == |
+ | == バックライト == |
− | + | ディスプレイのバックライトは {{ic|/sys/class/backlight/intel_backlight/}} で制御できます。{{AUR|linux-samus4}} に含まれている [https://raw.githubusercontent.com/raphael/linux-samus/master/build/brightness brightness] スクリプトを見てください。 |
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+ | キーボードのバックライトは {{ic|/sys/class/leds/chromeos::kbd_backlight/}] で制御できます。同じく [https://raw.githubusercontent.com/raphael/linux-samus/master/scripts/setup/brightness/keyboard_led keyboard_led] スクリプトを見てください。 |
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== キーボードのバインド == |
== キーボードのバインド == |
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+ | |||
+ | {{Pkg|xkeyboard-config}} の 2.16-1 から {{ic|chromebook}} モデルが追加され、ファンクションキーを Chrome OS と同じように機能するように設定できるようになりました。例えば {{ic|localectl set-x11-keymap us chromebook}} で使用することができます。マッピングについて詳しくは {{ic|/usr/share/X11/xkb/symbols/inet}} の {{ic|chromebook}} の定義を参照してください。 |
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検索ボタンは {{ic|Super_L}} キーとして機能します。[[xmodmap]] を使うことで、好きなキーにバインドすることができます。6層のキーボードレイアウトで {{ic|Tab}} を使う例: |
検索ボタンは {{ic|Super_L}} キーとして機能します。[[xmodmap]] を使うことで、好きなキーにバインドすることができます。6層のキーボードレイアウトで {{ic|Tab}} を使う例: |
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上記を {{ic|.xinitrc}} に追加すればログイン時にロードされます。 |
上記を {{ic|.xinitrc}} に追加すればログイン時にロードされます。 |
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+ | |||
+ | == 参照 == |
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+ | |||
+ | * [https://www.chromium.org/chromium-os/developer-information-for-chrome-os-devices/chromebook-pixel-2015 Chromium OS Developer Information for Chromebook Pixel (2015)] |
2017年3月11日 (土) 00:03時点における版
Chromebook Pixel 2 は Google によって販売されている2015年製の Chromebook です。このページでは Pixel 2 に Arch Linux をインストールする方法を説明します。Pixel 2 はコードネームの Samus という名前で呼ばれたり、Chromebook Pixel LS と呼ばれることもあります。
フォーラムスレッドも参照してください: [1]。
目次
デベロッパーモードの有効化
他の Chrome OS デバイスと同じようにデベロッパーモードを有効化してください。Esc と F3 (更新アイコン) を押しながら電源を切り、電源ボタンを押してから Ctrl-D でデベロッパーモードが有効になります。
デベロッパーモードが有効になると全てのデータが消去されます。
ハードウェア書き込み保護の無効化
Chromebook の電源を切って下さい。慎重に粘着テープを剥がします。よく伸びるので、剥がすときは押し上げます。粘着テープの端っこを引っ張ってはいけません。そして粘着テープの下にあるネジを全て外して下さい。ネジを緩めるとフタが外れます。
デバイスを開いたら、金色のワッシャーが付いているネジを探してください。左のスピーカーと USB タイプ A 端子の間にあります。そして完全にネジを取り外して下さい。もう一度 Chromebook を組み立てて電源を入れます。
インストール
デベロッパーモードを有効化してから、スーパーユーザーシェルを使って SeaBIOS を有効化してください。「デフォルトで SeaBIOS を起動」セクションの警告に書いてあることは Chromebook Pixel (2015) では起こらないので心配する必要はありません。最後に Arch Linux をインストールしてください。ただし GRUB には注意が必要です。
Grub
デフォルトではメニューが表示されません。GRUB_GFXMODE
が auto に設定されていて Grub が適切なビデオモードを認識できないためです。grub コマンドラインで vbeinfo
を使うと 1280x850x16
と検出されます。メニューを表示するには /etc/default/grub
で GRUB_GFXMODE
をオフにするか適切なディスプレイを設定してください:
GRUB_TERMINAL_OUTPUT=console
もしくは次を設定:
GRUB_GFXMODE=1280x850x16
設定後、次を実行:
# grub-mkconfig -o /boot/grub/grub.cfg
インストール時に上記の設定をしなかった場合、もういちどインストールメディアを起動してディスクをマウントし arch-chroot してから設定できます。
ChromeOS と Arch Linux のデュアルブート
Chrome OS デバイス#別のインストール方法: Chrome OS に加えて Arch Linux をインストールを見て下さい。
タッチパッドとタッチスクリーン、オーディオ
Linux 4.9 (標準カーネル)
タッチパッド・タッチスクリーン・オーディオは全て上流の 4.9 カーネルで問題なく動作します。
linux-samus README にスピーカーをミュートする方法がありますが、コマンドの中で使われているカード ID は変更する必要があります (-c 0
)。カードの ID は aplay -l
で確認できます。
Linux 4.9 (Samus)
linux-samus4AUR パッケージをインストールしてください。インストールしたら linux-samus4AUR イメージを起動できるようにブートローダーを設定する必要があります。詳しくは [2] を参照。
linux-samus4
カーネルで起動したときに画面が表示されない場合、/etc/mkinitcpio.conf
の MODULES
に i915
を追加して mkinitcpio -p linux-samus4
でイメージを再生成してみてください。詳しくは Intel Graphics を見てください。
バックライト
ディスプレイのバックライトは /sys/class/backlight/intel_backlight/
で制御できます。linux-samus4AUR に含まれている brightness スクリプトを見てください。
キーボードのバックライトは {{ic|/sys/class/leds/chromeos::kbd_backlight/}] で制御できます。同じく keyboard_led スクリプトを見てください。
キーボードのバインド
xkeyboard-config の 2.16-1 から chromebook
モデルが追加され、ファンクションキーを Chrome OS と同じように機能するように設定できるようになりました。例えば localectl set-x11-keymap us chromebook
で使用することができます。マッピングについて詳しくは /usr/share/X11/xkb/symbols/inet
の chromebook
の定義を参照してください。
検索ボタンは Super_L
キーとして機能します。xmodmap を使うことで、好きなキーにバインドすることができます。6層のキーボードレイアウトで Tab
を使う例:
$ xmodmap -e "keycode 133 = Tab Tab Tab Tab Tab Tab"
上記を .xinitrc
に追加すればログイン時にロードされます。