「ディスクのクローン」の版間の差分
(→ddrescue を使う: リンク切れを修正) |
Kusanaginoturugi (トーク | 投稿記録) (校正(でき・出来)) |
||
(他の1人の利用者による、間の9版が非表示) | |||
2行目: | 2行目: | ||
[[Category:システムリカバリ]] |
[[Category:システムリカバリ]] |
||
[[en:Disk cloning]] |
[[en:Disk cloning]] |
||
− | [[ |
+ | [[es:Disk cloning]] |
− | [[ |
+ | [[pt:Disk cloning]] |
[[zh-hans:Disk cloning]] |
[[zh-hans:Disk cloning]] |
||
{{Related articles start}} |
{{Related articles start}} |
||
10行目: | 10行目: | ||
{{Related|Rsync によるフルシステムバックアップ}} |
{{Related|Rsync によるフルシステムバックアップ}} |
||
{{Related articles end}} |
{{Related articles end}} |
||
− | ディスクのクローンとはパーティションやハードドライブ全体のイメージを作成することを言います。[[バックアッププログラム|バックアップ]]や[[ファイルリカバリ|リカバリ]]用に他のコンピューターにドライブをコピーするのに役立ちます。 |
+ | ディスクのクローンとはパーティションやハードドライブ全体のイメージを作成することを言います。[[バックアッププログラム|バックアップ]] や [[ファイルリカバリ|リカバリ]] 用に他のコンピューターにドライブをコピーするのに役立ちます。 |
+ | {{Note|論理セクタサイズが異なる [[Advanced Format|ドライブ]] 間のディスククローニングはお勧めしません。 |
||
− | {{Tip|時間の経過とともに [[ファイルシステム]] は新しい機能を取得し、 [https://wiki.archlinux.org/index.php/File_systems#Create_a_file_system mkfs] ユーティリティはデフォルトを変更しますが、すべての新機能を再フォーマットせずに有効にできるわけではありません。 したがって、データを新しいドライブに移動するときは、ブロックデバイスやファイルシステムのクローンを作成する代わりに、新しいファイルシステムを作成し、 [[rsync#Full system backup|rsync]] などを使ってファイル (およびその属性、ACL、拡張属性など) のみをコピーすることを検討してください。}} |
||
+ | * 論理セクタサイズが小さいドライブ (例:4096バイトから512バイト) への移行は、セクタ番号でパーティション境界を指定するため、パーティションテーブルの再作成が必要です。 |
||
− | == dd を使う == |
||
+ | * ファイルシステムのブロックサイズが対象ドライブの論理セクタサイズより小さいか、割り切れない場合、論理セクタサイズの大きいドライブ (例:512バイトから4096バイト) への移動ができない場合があります。 |
||
+ | }} |
||
+ | {{Tip|時間の経過とともに [[ファイルシステム]] は新しい機能を取得し、[https://wiki.archlinux.org/index.php/File_systems#Create_a_file_system mkfs] ユーティリティはデフォルトを変更しますが、すべての新機能を再フォーマットせずに有効にできるわけではありません。したがって、データを新しいドライブに移動するときは、ブロックデバイスやファイルシステムのクローンを作成する代わりに、新しいファイルシステムを作成し、[[rsync#Full system backup|rsync]] などを使ってファイル (およびその属性、ACL、拡張属性など) のみをコピーすることを検討してください。}} |
||
− | [[dd#ディスクの複製と復元]]を参照してください。 |
||
+ | == ブロックレベルのクローニング == |
||
− | == ddrescue を使う == |
||
+ | === dd を使う === |
||
− | {{pkg|ddrescue}} は、データの複製と復元のために設計されたツールです。あるファイルやブロックデバイス(ハードディスクや cdrom など)から別のデバイスにデータをコピーし、読み取りエラーが発生した場合は、無事な部分を最初に救い出すようにして、復元データを最大化します。 |
||
+ | |||
+ | [[dd#ディスクの複製と復元]] と [[Core utilities#dd の代替]] を参照してください。 |
||
+ | |||
+ | === ddrescue を使う === |
||
+ | |||
+ | 可能であれば、ディスクからのデータリカバリは、ネイティブインターフェイスを使用して実行する必要があります。SATA または古いドライブの場合は IDE です。USB アダプターを使用すると、結果が異なる場合があります。 |
||
+ | |||
+ | GNU {{Pkg|ddrescue}} は、読み取りエラーを無視できるデータ回復ツールです。''ddrescue'' は、あるデバイスから別のデバイスにデータをコピーするために両方を使用できることを除いて、dd とはまったく関係がありません。主な違いは、''ddrescue'' は洗練されたアルゴリズムを使用して故障したドライブからデータをコピーし、追加の損傷を可能な限り少なくすることです。詳細は [https://www.gnu.org/software/ddrescue/manual/ddrescue_manual.html ddrescue マニュアル] を参照してください。 |
||
故障したり死にかけているドライブのクローンを作るには、''ddrescue'' を2回実行します。1回目では、読み取りエラーが存在しないブロックを全てコピーして、エラーを {{ic|rescue.map}} にマッピングします。 |
故障したり死にかけているドライブのクローンを作るには、''ddrescue'' を2回実行します。1回目では、読み取りエラーが存在しないブロックを全てコピーして、エラーを {{ic|rescue.map}} にマッピングします。 |
||
− | # ddrescue -n /dev/sd''X'' /dev/sd''Y'' rescue.map |
+ | # ddrescue --force -n /dev/sd''X'' /dev/sd''Y'' rescue.map |
− | ここで{{ic|''X''}} は |
+ | ここで {{ic|''X''}} はソースのパーティションであり、{{ic|''Y''}} はコピー先の [[デバイスファイル#ブロックデバイス|ブロックデバイス]] のパーティションレターです。 |
2回目では、不良ブロックだけをコピーして、ソースからの読み込みを3回試してからあきらめます。 |
2回目では、不良ブロックだけをコピーして、ソースからの読み込みを3回試してからあきらめます。 |
||
− | # ddrescue -d -r3 /dev/sd''X'' /dev/sd''Y'' rescue.map |
+ | # ddrescue --force -d -r3 -n /dev/sd''X'' /dev/sd''Y'' rescue.map |
+ | |||
+ | 状況によっては、特定のセクタを読み取ろうとしているときに、ディスク コントローラまたは USB アダプタがロックすることがあります。{{ic|-i}} オプションを使用して、''ddrescue'' にその位置の後で読み取りを開始するように指示できます。 |
||
− | + | これで、ファイルシステムの破損をチェックし、新しいドライブをマウントできます。 |
|
# fsck -f /dev/sd''Y'' |
# fsck -f /dev/sd''Y'' |
||
48行目: | 60行目: | ||
{{Tip|[[GParted]]は ''e2image''を使って効率的に ext2/3/4 パーティションを複製します。}} |
{{Tip|[[GParted]]は ''e2image''を使って効率的に ext2/3/4 パーティションを複製します。}} |
||
+ | === xfs_copy を使う === |
||
− | == ディスククローンソフトウェア == |
||
+ | {{Pkg|xfsprogs}} の {{man|8|xfs_copy}} を使用すると、[[XFS]] ファイルシステムを 1 つ以上のブロックデバイスに並行してコピーできます。 |
||
− | 以下のアプリケーションはファイルシステム全体をバックアップして、故障したときに簡単に復元することができます。ほとんどが Live CD や USB ドライブとして使えます。1つまたは複数の特定の時点での完全なシステムイメージが含まれており、既存の良い設定を記録するときによく使われます。これらの比較については[[Wikipedia:Comparison of disk cloning software]]を参照してください。 |
||
+ | {{Note|デフォルトでは、''xfs_copy'' は新しいファイルシステム用に新しい [[UUID]] を生成します。同じ UUID のクローンを作成するには、{{ic|-d}} オプションを使用します。これにより、ディスク交換に適した複製ファイルシステムが作成されます。}} |
||
− | 完全なシステムバックアップを作成できる他のアプリケーションについては[[バックアッププログラム]]を参照してください。 |
||
+ | |||
+ | {{Tip|XFS のクローンを複数のブロックデバイスに並行して作成するには、それらをすべて {{ic|xfs_copy}} コマンドに追加するだけです。}} |
||
+ | |||
+ | たとえば、{{ic|/dev/sda1}} 上のファイルシステムのクローンを {{ic|/dev/sdb1}} に作成するには、次のコマンドを実行します: |
||
+ | |||
+ | # xfs_copy /dev/sda1 /dev/sdb1 |
||
+ | |||
+ | == 汎用性の高いクローニングソリューション == |
||
+ | |||
+ | 以下のアプリケーションはファイルシステム全体をバックアップして、故障したときに簡単に復元することができます。ほとんどが Live CD や USB ドライブとして使えます。1つまたは複数の特定の時点での完全なシステムイメージが含まれており、既存の良い設定を記録するときによく使われます。これらの比較については [[Wikipedia:Comparison of disk cloning software]] を参照してください。 |
||
+ | |||
+ | 完全なシステムバックアップを作成できる他のアプリケーションについては [[バックアッププログラム]] を参照してください。 |
||
* {{App|Arch Backup|シンプルな設定を使用する平凡なバックアップスクリプト。 |
* {{App|Arch Backup|シンプルな設定を使用する平凡なバックアップスクリプト。 |
||
60行目: | 84行目: | ||
* {{App|[[Wikipedia:Clonezilla|Clonezilla]]|障害復旧、ディスククローン、ディスクイメージング、デプロイメントソリューション。 |
* {{App|[[Wikipedia:Clonezilla|Clonezilla]]|障害復旧、ディスククローン、ディスクイメージング、デプロイメントソリューション。 |
||
+ | ** 完全なバックアップとリカバリソリューション:ブートセクタ、ブートローダ、パーティションテーブルを含むドライブ全体のイメージと復元が可能です。 |
||
+ | ** BIOS と UEFI、MBR と GPT をサポートします。 |
||
** ライブ CD, USB フラッシュドライブ, PXE サーバーから起動。 |
** ライブ CD, USB フラッシュドライブ, PXE サーバーから起動。 |
||
− | ** ext2 |
+ | ** ほとんどのファイルシステム (ext2-3-4、reiserfs、reiser4、xfs、jfs、btrfs、f2fs、FAT12-16-32、NTFS、HFS+、UFS など) と LVM2 をサポート。 |
− | ** Partclone (デフォルト) |
+ | ** Partclone (デフォルト)、Partimage (オプション)、ntfsclone (オプション) を使用する場合は空き領域を認識し、それ以外の場合は dd にフォールバックしてブロックレベルのコピーを行います (dm-crypt/LUKS コンテナー、サポートされていないファイルシステムなど。) |
+ | ** さまざまな形式 (zstd を含む) とレベルのマルチスレッド圧縮をサポート。 |
||
+ | ** バックアップの暗号化をサポート。 |
||
** 多数のマシンを一度にリストアするマルチキャストサーバー。 |
** 多数のマシンを一度にリストアするマルチキャストサーバー。 |
||
** Arch Linux のインストールメディアに同梱されています。 |
** Arch Linux のインストールメディアに同梱されています。 |
||
|https://clonezilla.org/|{{Pkg|clonezilla}}}} |
|https://clonezilla.org/|{{Pkg|clonezilla}}}} |
||
− | * {{App|Deepin Clone|Deepin によるバックアップとリストアのツール。ディスクまたはパーティションのクローン作成、バックアップ、リストアをサポートします。|https://www.deepin.org/en/original/deepin-clone/ |
+ | * {{App|Deepin Clone|Deepin によるバックアップとリストアのツール。ディスクまたはパーティションのクローン作成、バックアップ、リストアをサポートします。|https://www.deepin.org/en/original/deepin-clone/|{{Pkg|deepin-clone}}}} |
* {{App|FSArchiver|安全で柔軟性のあるファイルシステムバックアップ・デプロイメントツール |
* {{App|FSArchiver|安全で柔軟性のあるファイルシステムバックアップ・デプロイメントツール |
||
− | ** 基本的なファイル属性をサポート (パーミッション, 所有者, ...) |
+ | ** 基本的なファイル属性をサポート (パーミッション, 所有者, ...) |
** ひとつのアーカイブで複数のファイルシステムをサポート。 |
** ひとつのアーカイブで複数のファイルシステムをサポート。 |
||
** (SELinux によって使われる)拡張属性のサポート。 |
** (SELinux によって使われる)拡張属性のサポート。 |
||
− | ** 全ての Linux ファイルシステムで共通のファイルシステム属性をサポート (ラベル, uuid, ブロックサイズ) |
+ | ** 全ての Linux ファイルシステムで共通のファイルシステム属性をサポート (ラベル, uuid, ブロックサイズ) |
− | ** [https://www.fsarchiver.org/Cloning-ntfs NTFSファイルシステム] をサポート(Windowsパーティションの柔軟なクローンを作成する機能) |
+ | ** [https://www.fsarchiver.org/Cloning-ntfs NTFSファイルシステム] をサポート(Windows パーティションの柔軟なクローンを作成する機能) |
− | ** アーカイブに書き込まれたデータのチェックサムを作成 (ヘッダ, データブロック |
+ | ** アーカイブに書き込まれたデータのチェックサムを作成 (ヘッダ, データブロック、ファイル全体) |
− | ** 破損しているアーカイブの復旧ができます (作業ファイルをスキップ) |
+ | ** 破損しているアーカイブの復旧ができます (作業ファイルをスキップ) |
** lzo, gzip, bzip2, lzma のマルチスレッド圧縮。 |
** lzo, gzip, bzip2, lzma のマルチスレッド圧縮。 |
||
** 巨大なアーカイブを複数のファイルに分割することでファイルの最大容量を固定することができます。 |
** 巨大なアーカイブを複数のファイルに分割することでファイルの最大容量を固定することができます。 |
||
** パスワードによるアーカイブの暗号化。[[OpenSSL]] の libcrypto による blowfish を使用。 |
** パスワードによるアーカイブの暗号化。[[OpenSSL]] の libcrypto による blowfish を使用。 |
||
− | ** マウントされている root ファイルシステムのバックアップのサポート ({{ic|-A}} オプション) |
+ | ** マウントされている root ファイルシステムのバックアップのサポート ({{ic|-A}} オプション) |
− | ** [https://www.sysresccd.org/Main_Page System Rescue CD]に同梱されています。 |
+ | ** [https://www.sysresccd.org/Main_Page System Rescue CD] に同梱されています。 |
|https://www.fsarchiver.org/|{{Pkg|fsarchiver}}}} |
|https://www.fsarchiver.org/|{{Pkg|fsarchiver}}}} |
||
89行目: | 117行目: | ||
** ライブ環境をバックアップできます (システムを止める必要がありません)。 |
** ライブ環境をバックアップできます (システムを止める必要がありません)。 |
||
** イメージを多数のファイルに分割可能。 |
** イメージを多数のファイルに分割可能。 |
||
− | ** Live CD で起動することで完全なリストアが |
+ | ** Live CD で起動することで完全なリストアができます。 |
** NFS, CD, テープドライブなどのメディアからバックアップ・リストアできます。 |
** NFS, CD, テープドライブなどのメディアからバックアップ・リストアできます。 |
||
** バックアップの検証ができます。 |
** バックアップの検証ができます。 |
||
95行目: | 123行目: | ||
* {{App|[[Partclone]]|使用しているブロックだけを考慮してパーティションをバックアップ・リストアできるツール。 |
* {{App|[[Partclone]]|使用しているブロックだけを考慮してパーティションをバックアップ・リストアできるツール。 |
||
− | ** ext2, ext3, ext4, hfs+, reiserfs, reiser4, btrfs, vmfs3, vmfs5, xfs, jfs, ufs, ntfs, fat(12/16/32), exfat をサポート。 |
+ | ** ext2, ext3, ext4, hfs+, reiserfs, reiser4, btrfs, vmfs3, vmfs5, xfs, jfs, ufs, ntfs, fat(12/16/32), exfat, f2fs, nilfs をサポート。 |
+ | ** 特別な機能 (圧縮、暗号化など) をスクリプト化するためのパイプ、標準入力、および標準出力をサポートします。 |
||
− | ** 圧縮をサポート。 |
||
+ | ** レスキューモードでは、不良ブロックをスキップして正常なブロックのみをバックアップしようとします。ソース デバイスから GNU Ddrescue ドメイン ログ ファイルを作成するオプション。 |
||
− | ** ''ncurses'' インターフェイスで使うこともできます。 |
||
+ | ** ''ncurses'' インターフェイスが利用可能。 |
||
+ | ** バックアップされたすべてのブロックは、crc32 でチェックサムされます。 |
||
+ | ** Arch Linux インストール メディアに含まれています。 |
||
|https://partclone.org/|{{Pkg|partclone}}}} |
|https://partclone.org/|{{Pkg|partclone}}}} |
||
103行目: | 134行目: | ||
** ライブ CD が存在します。 |
** ライブ CD が存在します。 |
||
** Linux, Windows, macOS の最も一般的なファイルシステムをサポート。 |
** Linux, Windows, macOS の最も一般的なファイルシステムをサポート。 |
||
− | ** 圧縮 |
+ | ** 圧縮 |
** Samba/NFS を使用してネットワーク経由で保存したり複数の CD や DVD に保存できます。 |
** Samba/NFS を使用してネットワーク経由で保存したり複数の CD や DVD に保存できます。 |
||
** 開発は停止して FSArchiver に移っています。 |
** 開発は停止して FSArchiver に移っています。 |
||
|http://www.partimage.org|{{Pkg|partimage}}}} |
|http://www.partimage.org|{{Pkg|partimage}}}} |
||
− | * {{App|J7Z|Linux 向けの JavaによるGUIでデータの圧縮やバックアップを楽にします。7z, BZip2, Zip, GZip, Tar アーカイブを作成することができます。 |
+ | * {{App|J7Z|Linux 向けの Java による GUI でデータの圧縮やバックアップを楽にします。7z, BZip2, Zip, GZip, Tar アーカイブを作成することができます。 |
** 既存のアーカイブを素早くアップデート。 |
** 既存のアーカイブを素早くアップデート。 |
||
** 複数のフォルダを一つのストレージにバックアップ。 |
** 複数のフォルダを一つのストレージにバックアップ。 |
||
127行目: | 158行目: | ||
** Grub2, Syslinux, EFISTUB/efibootmgr, Systemd/bootctl をサポート。 |
** Grub2, Syslinux, EFISTUB/efibootmgr, Systemd/bootctl をサポート。 |
||
|https://github.com/tritonas00/system-tar-and-restore|{{AUR|system-tar-and-restore}}}} |
|https://github.com/tritonas00/system-tar-and-restore|{{AUR|system-tar-and-restore}}}} |
||
− | |||
− | === dd のスピンオフ === |
||
− | |||
− | ; dcfldd : {{AUR|dcfldd}} は dd の代替品で、オンザフライのハッシュ機能を持ち、完全性を保証します。dd のほとんどのパラメータを受け入れ、ステータス出力も備えています。安定版の ''dcfldd'' は [http://dcfldd.sourceforge.net/ 最後のリリースは 2006 年] です。 |
||
− | |||
− | ; ddrescue : GNU {{Pkg|ddrescue}} は、読み込みエラーを無視できるデータ復旧ツールです。''ddrescue''は、あるデバイスから別のデバイスへのデータのコピーに使用できることを除いて、ddとは何の関係もありません。重要な違いは、''ddrescue''が高度なアルゴリズムを使用して、故障したドライブからデータをコピーし、できるだけ追加のダメージを与えないことです。詳しくは、[https://www.gnu.org/software/ddrescue/manual/ddrescue_manual.html ddrescue manual]を参照してください。 |
||
== 参照 == |
== 参照 == |
2024年7月10日 (水) 20:37時点における最新版
ディスクのクローンとはパーティションやハードドライブ全体のイメージを作成することを言います。バックアップ や リカバリ 用に他のコンピューターにドライブをコピーするのに役立ちます。
目次
ブロックレベルのクローニング
dd を使う
dd#ディスクの複製と復元 と Core utilities#dd の代替 を参照してください。
ddrescue を使う
可能であれば、ディスクからのデータリカバリは、ネイティブインターフェイスを使用して実行する必要があります。SATA または古いドライブの場合は IDE です。USB アダプターを使用すると、結果が異なる場合があります。
GNU ddrescue は、読み取りエラーを無視できるデータ回復ツールです。ddrescue は、あるデバイスから別のデバイスにデータをコピーするために両方を使用できることを除いて、dd とはまったく関係がありません。主な違いは、ddrescue は洗練されたアルゴリズムを使用して故障したドライブからデータをコピーし、追加の損傷を可能な限り少なくすることです。詳細は ddrescue マニュアル を参照してください。
故障したり死にかけているドライブのクローンを作るには、ddrescue を2回実行します。1回目では、読み取りエラーが存在しないブロックを全てコピーして、エラーを rescue.map
にマッピングします。
# ddrescue --force -n /dev/sdX /dev/sdY rescue.map
ここで X
はソースのパーティションであり、Y
はコピー先の ブロックデバイス のパーティションレターです。
2回目では、不良ブロックだけをコピーして、ソースからの読み込みを3回試してからあきらめます。
# ddrescue --force -d -r3 -n /dev/sdX /dev/sdY rescue.map
状況によっては、特定のセクタを読み取ろうとしているときに、ディスク コントローラまたは USB アダプタがロックすることがあります。-i
オプションを使用して、ddrescue にその位置の後で読み取りを開始するように指示できます。
これで、ファイルシステムの破損をチェックし、新しいドライブをマウントできます。
# fsck -f /dev/sdY
ファイルシステムのクローン
e2image を使う
e2image は e2fsprogs にデバッグ用として含まれているツールです。使用ブロックのみをコピーして効率的に ext2, ext3, ext4 パーティションをコピーできます。e2image が使えるのは ext2, ext3, ext4 ファイルシステムだけです。未使用ブロックはコピーされないため、削除したファイルを復元するのには役に立ちません。
e2image を使って、物理ディスク /dev/sda
の1番目のパーティションを物理ディスク /dev/sdb
の1番目のパーティションに複製するには:
# e2image -ra -p /dev/sda1 /dev/sdb1
xfs_copy を使う
xfsprogs の xfs_copy(8) を使用すると、XFS ファイルシステムを 1 つ以上のブロックデバイスに並行してコピーできます。
たとえば、/dev/sda1
上のファイルシステムのクローンを /dev/sdb1
に作成するには、次のコマンドを実行します:
# xfs_copy /dev/sda1 /dev/sdb1
汎用性の高いクローニングソリューション
以下のアプリケーションはファイルシステム全体をバックアップして、故障したときに簡単に復元することができます。ほとんどが Live CD や USB ドライブとして使えます。1つまたは複数の特定の時点での完全なシステムイメージが含まれており、既存の良い設定を記録するときによく使われます。これらの比較については Wikipedia:Comparison of disk cloning software を参照してください。
完全なシステムバックアップを作成できる他のアプリケーションについては バックアッププログラム を参照してください。
- Arch Backup — シンプルな設定を使用する平凡なバックアップスクリプト。
- 圧縮方法を設定可能。
- 複数の場所にバックアップ。
- Clonezilla — 障害復旧、ディスククローン、ディスクイメージング、デプロイメントソリューション。
- 完全なバックアップとリカバリソリューション:ブートセクタ、ブートローダ、パーティションテーブルを含むドライブ全体のイメージと復元が可能です。
- BIOS と UEFI、MBR と GPT をサポートします。
- ライブ CD, USB フラッシュドライブ, PXE サーバーから起動。
- ほとんどのファイルシステム (ext2-3-4、reiserfs、reiser4、xfs、jfs、btrfs、f2fs、FAT12-16-32、NTFS、HFS+、UFS など) と LVM2 をサポート。
- Partclone (デフォルト)、Partimage (オプション)、ntfsclone (オプション) を使用する場合は空き領域を認識し、それ以外の場合は dd にフォールバックしてブロックレベルのコピーを行います (dm-crypt/LUKS コンテナー、サポートされていないファイルシステムなど。)
- さまざまな形式 (zstd を含む) とレベルのマルチスレッド圧縮をサポート。
- バックアップの暗号化をサポート。
- 多数のマシンを一度にリストアするマルチキャストサーバー。
- Arch Linux のインストールメディアに同梱されています。
- Deepin Clone — Deepin によるバックアップとリストアのツール。ディスクまたはパーティションのクローン作成、バックアップ、リストアをサポートします。
- FSArchiver — 安全で柔軟性のあるファイルシステムバックアップ・デプロイメントツール
- 基本的なファイル属性をサポート (パーミッション, 所有者, ...)
- ひとつのアーカイブで複数のファイルシステムをサポート。
- (SELinux によって使われる)拡張属性のサポート。
- 全ての Linux ファイルシステムで共通のファイルシステム属性をサポート (ラベル, uuid, ブロックサイズ)
- NTFSファイルシステム をサポート(Windows パーティションの柔軟なクローンを作成する機能)
- アーカイブに書き込まれたデータのチェックサムを作成 (ヘッダ, データブロック、ファイル全体)
- 破損しているアーカイブの復旧ができます (作業ファイルをスキップ)
- lzo, gzip, bzip2, lzma のマルチスレッド圧縮。
- 巨大なアーカイブを複数のファイルに分割することでファイルの最大容量を固定することができます。
- パスワードによるアーカイブの暗号化。OpenSSL の libcrypto による blowfish を使用。
- マウントされている root ファイルシステムのバックアップのサポート (
-A
オプション) - System Rescue CD に同梱されています。
- Mondo Rescue — バックアップメディアを作成する障害復旧ソリューション。損害を受けたシステムを再配置することができます。
- イメージベースのバックアップ。Linux/Windows をサポート。
- 圧縮率は調整可能。
- ライブ環境をバックアップできます (システムを止める必要がありません)。
- イメージを多数のファイルに分割可能。
- Live CD で起動することで完全なリストアができます。
- NFS, CD, テープドライブなどのメディアからバックアップ・リストアできます。
- バックアップの検証ができます。
- Partclone — 使用しているブロックだけを考慮してパーティションをバックアップ・リストアできるツール。
- ext2, ext3, ext4, hfs+, reiserfs, reiser4, btrfs, vmfs3, vmfs5, xfs, jfs, ufs, ntfs, fat(12/16/32), exfat, f2fs, nilfs をサポート。
- 特別な機能 (圧縮、暗号化など) をスクリプト化するためのパイプ、標準入力、および標準出力をサポートします。
- レスキューモードでは、不良ブロックをスキップして正常なブロックのみをバックアップしようとします。ソース デバイスから GNU Ddrescue ドメイン ログ ファイルを作成するオプション。
- ncurses インターフェイスが利用可能。
- バックアップされたすべてのブロックは、crc32 でチェックサムされます。
- Arch Linux インストール メディアに含まれています。
- Partimage — Linux/UNIX 環境向けの ncurses ディスク複製ユーティリティ。
- ライブ CD が存在します。
- Linux, Windows, macOS の最も一般的なファイルシステムをサポート。
- 圧縮
- Samba/NFS を使用してネットワーク経由で保存したり複数の CD や DVD に保存できます。
- 開発は停止して FSArchiver に移っています。
- J7Z — Linux 向けの Java による GUI でデータの圧縮やバックアップを楽にします。7z, BZip2, Zip, GZip, Tar アーカイブを作成することができます。
- 既存のアーカイブを素早くアップデート。
- 複数のフォルダを一つのストレージにバックアップ。
- 保護されたアーカイブを作成・展開。
- アーカイブのプロファイル・リストを使うことで負担を軽減。
- http://j7z.xavion.name/ || j7zAUR
- Redo Backup and Recovery — Linux CD ブータブルイメージから実行できるバックアップ・障害復旧アプリケーション。
- System Tar & Restore — tar を使ったシステムのバックアップとリストア、または rsync による転送。
- GUIおよびCLIインターフェース。
- .tar.gz, .tar.bz2, .tar.xz, .tar アーカイブを作成。
- openssl / gpg 暗号化をサポート。
- rsync を使って実行中のシステムを転送。
- Grub2, Syslinux, EFISTUB/efibootmgr, Systemd/bootctl をサポート。