「IBus」の版間の差分

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[[Category:国際化]]
+
[[Category:インプットメソッド]]
 
[[en:IBus]]
 
[[en:IBus]]
[[zh-CN:IBus]]
+
[[zh-hans:IBus]]
[[zh-TW:IBus]]
 
 
{{Related articles start}}
 
{{Related articles start}}
 
{{Related|Fcitx}}
 
{{Related|Fcitx}}
  +
{{Related|Fcitx5}}
  +
{{Related|インプットメソッド}}
 
{{Related|SCIM}}
 
{{Related|SCIM}}
 
{{Related|UIM}}
 
{{Related|UIM}}
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==インストール==
 
==インストール==
   
[[公式リポジトリ]]から {{pkg|ibus}} パッケージをインストールしてください。
+
{{pkg|ibus}} パッケージをインストールしてください。
   
  +
さらに、使用可能なインプットメソッドの包括的なリストについては、[[インプットメソッド#使用可能なインプトメソッドエディターの一覧]] を参照してください。
さらに、Qt アプリケーションで IBus を有効にするために、{{pkg|ibus-qt}} ライブラリをインストールしましょう。
 
   
  +
{{Note|[[GNOME]] にはバージョン 3.6 以降 IBus が [https://help.gnome.org/misc/release-notes/3.6/i18n-ibus.html 統合] され、デフォルトでそれを利用します。[[デスクトップ環境]] の場合は、[[#統合]] をスキップして [[#設定方法]] に直接進むことができます。}}
===インプットメソッドエンジン===
 
   
  +
== 統合 ==
あなたが入力したい言語にあわせて、最低ひとつのインプットメソッドが必要です。利用できるインプットメソッドは以下の通り:
 
   
  +
少なくとも以下の [[環境変数]] を設定してください。
* {{Pkg|ibus-anthy}}: {{Pkg|anthy}} ベースの日本語 IME。
 
* [[mozc|ibus-mozc]]: Google によって開発されている日本語 IME。{{AUR|mozc}} パッケージに含まれています。
 
* {{Pkg|ibus-kkc}}: {{Pkg|libkkc}} ベースの日本語 IME。
 
* {{Pkg|ibus-pinyin}}: 拼音と注音(字母)ユーザーのためのインテリジェント中国語フォネティック IME。IBus のメイン開発者によって設計されており英語のスペルチェックなど高度な機能を持っています。
 
* {{Pkg|ibus-rime}}: パワフル・スマートな中国人のための中国語インプットメソッド (pinyin, zhuyin, double pinyin, Jyutping, Wugniu, Cangjie5, Wubi 86)。
 
* {{Pkg|ibus-chewing}}: {{Pkg|libchewing}} ベースの注音(字母)ユーザーのためのインテリジェント中国語フォネティック IME。
 
* {{Pkg|ibus-hangul}}: {{Pkg|libhangul}} ベースの韓国語 IME。
 
* {{Pkg|ibus-unikey}}: ベトナム文字を入力するための IME。
 
* {{Pkg|ibus-table}}: テーブルベースの IM を使うための IME。
 
* {{Pkg|ibus-m17n}}: {{Pkg|m17n-db}} のインプットメソッドを使って多くの言語を入力できる m17n IME。
 
   
  +
{{hc|/etc/environment|2=
全ての利用可能なインプットメソッドを見るには:
 
  +
GTK_IM_MODULE=ibus
$ pacman -Ss '^ibus-*'
 
  +
QT_IM_MODULE=ibus
  +
XMODIFIERS=@im=ibus
  +
}}
   
  +
ユーザーログイン時に IBus を起動するには、以下のコマンドで [[自動起動]] エントリを作成します。
[[Arch User Repository|AUR]] から利用できるパッケージもあります。
 
   
  +
ibus-daemon -rxRd
===初期設定===
 
   
  +
次回ログイン時に、ユーザーセッションとともに IBus が開始されます。
まず、(IBus を使うユーザーで) ibus-setup を実行:
 
$ ibus-setup
 
デーモンが起動し以下のメッセージが表示されます:
 
IBus has been started! If you cannot use IBus, please add below lines in $HOME/.bashrc, and relogin your desktop.
 
export GTK_IM_MODULE=ibus
 
export XMODIFIERS=@im=ibus
 
export QT_IM_MODULE=ibus
 
{{Note|
 
* IBus はデーモンを使っていますが、これは [[systemd]] によって管理されるようなデーモンではありません: 通常ユーザーとしてログインしたときに実行される類のものです。
 
* ログインしたときに ibus が''自動では起動しない''場合、上の “export …” の部分を $HOME/.[[xprofile]] (もしくは .[[xinitrc]]) に移動し、同じファイルに次の行を加えて下さい: {{ic|ibus-daemon -drx}}、そしてデスクトップに再ログインしてください。{{ic|ibus-daemon -drx}} は {{ic|$HOME/.bashrc}} の {{ic|export ...}} の後にも追加できます。}}
 
   
  +
{{Tip|
それから設定画面が表示されるはずです; IBus が起動している間はシステムトレイのアイコンからいつでもこの設定画面を開くことができます(右クリック→設定)。[[#設定]] を見て下さい。
 
  +
* {{AUR|ibus-autostart}} パッケージはこれを [[自動起動]] するエントリを提供します。
  +
* {{AUR|ibus-daemon}} パッケージは {{ic|ibus@$DISPLAY.service}} を提供し、これを [[有効化]] することで実現できます。
  +
* [[KDE]] には Input Method Panel という plasmoid があり、IBus のフロントエンドとして動作し、より良い統合体験を提供できる可能性があります。
  +
** Input Method Panel で IBus を起動するには、上記の ''ibus-daemon'' コマンドで {{ic|1=--panel=/usr/lib/kimpanel-ibus-panel}} オプションを使用します。入力メソッドパネル ウィジェットを設定するには、[https://userbase.kde.org/Tutorials/Kimpanel KDE UserBase Wiki] と [[KDE#ウィジェット]] を参照してください。
  +
** {{AUR|ibus-autostart-kimpanel}} パッケージは、[[自動起動]] するエントリを提供します。
  +
}}
   
  +
== 設定方法 ==
IBus が Qt/KDE アプリケーションで動作しない場合、''ibus-qt'' ライブラリがインストールされているか確認して Qt の設定エディタから IBus をデフォルトの IME に設定してください:
 
$ qtconfig-qt4
 
"インターフェース" -> "デフォルトのインプットメソッド" から、{{ic|xim}} のかわりに {{ic|ibus}} を選択です。
 
   
  +
システムに非ラテン語の言語をサポートするためのヘルプは [[ロケール]] を参照してください。
=== GNOME ===
 
   
  +
利用可能な非ラテン語フォントの非網羅的なリストについては [[フォント#ラテン文字]] を参照してください。
GNOME にはデフォルトで IBus が含まれているので、あなたの言語に必要なパッケージをインストールするだけで動かせます。入力を有効にするには、''地域と言語''設定の''入力ソース''セクションに追加してください。入力ソースを追加した後、GNOME はトレイに入力切り替えアイコンを表示します。GNOME でインプットメソッドを切り替えるデフォルトのショートカットは {{ic|Super+space}} です。''ibus-setup'' で設定した''次のインプットメソッド''のショートカットは無視されます。
 
   
==設定==
+
=== GNOME ===
   
  +
[[GNOME]] はデフォルトで IBus を使用しているので、''設定 > キーボード > 入力ソース'' で好きな言語のキーボードレイアウトを追加することができます。
=== IBus ===
 
   
  +
=== その他のデスクトップ環境 ===
{{Note|中国語、日本語、韓国語、ベトナム語の文字を入力するには[[フォント#漢字、日本語、ハングル、ベトナム語|東アジアのフォント]]をインストールする必要があります。}}
 
"一般" の設定はデフォルトのままでかまいませんが、"インプットメソッド"タブではドロップダウンボックスからあなたのインプットメソッドを選び、"追加"を押してください。必要なら複数のインプットメソッドを使うこともできます。
 
一度 IBus をセットアップすれば、{{ic|Super+space}} を押すことでインプットメソッドを使うことができます(押すたびにインプットメソッドが変わります)。IBus はどのインプットメソッドが使われているかをそれぞれのウィンドウ毎に記憶するので、ウィンドウ毎にインプットメソッドを有効にする必要があります。この挙動はシステムトレイアイコンを右クリックして ''Preferences'' を選択して ''Advanced'' タブから変更することができます。
 
   
  +
IBus の環境設定ウィンドウを起動するには、以下の方法があります。
=== Ibus-rime ===
 
   
  +
* IBus のトレイアイコンを右クリックし、''Preferences''を選択します。
''ibus-rime'' IME を使う場合、以下がインストールや設定に役立つかもしれません。
 
  +
* GUI アプリケーションの IBus Preferences を見つけて起動するか、または
  +
* ターミナルでコマンド {{ic|ibus-setup}} を実行する。
   
  +
ここで注目すべき点は、''次のインプットメソッド'' (デスクトップ環境が提供するデフォルトのショートカットの代わりに使用したいもの) のキーボードショートカットと、異なるキーボードレイアウトを追加または削除できる ''インプットメソッド'' タブ (デスクトップ環境のデフォルトレイアウトマネージャの代わりに実行したいもの) です。
Rime はスキーマに依存しており動かすためにはユーザーが編集する必要があります。ただし、デフォルトのピンイン入力スキーマが付いているのでそれを使うこともできます。
 
   
  +
== ヒントとテクニック ==
他のインプットメソッドのスキーマを使いたい場合、以下がその一覧です:
 
* Luna Pinyin (Standard Mandarin)
 
* Terra Pinyin (with tones)
 
* Bopomofo (Mandarin Phonetic Symbol)
 
* Double Pinyin (Ziranma, MSPY)
 
* Jyutping (Cantonese)
 
* Wugniu (Wuu)
 
* Cangjie5
 
* Wubi86
 
   
  +
=== 絵文字入力 ===
例えば、四声を使ってピンインを入力したい場合、Terra Pinyin インプットメソッドを使います。このために、まずディレクトリを作成する必要があります:
 
$ mkdir ~/.config/ibus/rime
 
   
  +
IBus は絵文字アイコンの入力をサポートしています。{{ic|Ctrl+.}} または {{ic|Ctrl+;}} と入力すると、入力プロンプトが下線付きの <u>'''e'''</u> 文字に変わります。次に、必要な絵文字の記号または名前 (例''' :)''' または '''face''') を入力し、{{ic|Space}} を押してレンダリングします。結果に満足したら、{{ic|Enter}} を押して送信し、絵文字入力モードを終了するか、もう一度 {{ic|Space}} を押してダイアログを開き、目的の絵文字をさらにカスタマイズできます。
このディレクトリの中に、{{Ic|default.custom.yaml}} という名前のファイルを作成して以下の行をファイルに加えて下さい:
 
{{hc|default.custom.yaml|
 
patch:
 
schema_list:
 
- schema: terra_pinyin
 
}}
 
インデントは意味があるので注意してください。これで Rime はスキーマのリストを Terra Pinyin だけを含むリストに置き換えます。
 
   
最後、変更が自動的に適用されな場合は、実行してください:
+
詳細は、{{man|7|ibus-emoji}} 参照してください
$ rm ~/.config/ibus/rime/default.yaml && ibus-daemon -drx
 
   
  +
=== Unicode 入力 ===
Note: 任意で四声を入力してリストにフィルターをかけることができます。四声を入力するには:
 
一声: -
 
ニ声: /
 
三声: <
 
四声: \
 
   
  +
IBus は複雑な Unicode 文字の入力をサポートしています。 {{ic|Ctrl+Shift+u}} と入力すると、入力プロンプトが下線付きの <u>'''u'''</u> 文字に変わります。次に、必要な Unicode 文字のコードを入力し、{{ic|Space}} または {{ic|Enter}} を押して、レンダリングして送信します。
Example: {{Ic|hǎo}} と入力して発音どおりの中国語だけを表示するには、{{Ic|hao<}} と入力すれば自動的に hǎo に変換されます。
 
   
==== 使用方法 ====
+
=== トレイアイコンの色 ===
   
  +
デフォルトでは、IBus は濃い青色を使用して、現在アクティブなレイアウトの言語記号を表示します(例:'''EN''')色の値は [[GNOME#設定|gsettings schema]] に保存されているため、変更する場合は次のコマンドを実行できます。
Rime は中国語やその句読点を全て書くための機能を提供しています。
 
   
  +
$ gsettings set org.freedesktop.ibus.panel xkb-icon-rgba 'COLOR'
===== 基本的な設定 =====
 
   
  +
文字列 ''COLOR'' は​​、次のガイドラインに準拠している必要があります。
Rime の実行中はいつでも {{Ic|F4}} で基本的なオプションにアクセスできます。表示されるオプションは以下の通りです:
 
1. Method name
 
2. 中文 -› 西文
 
3. 全角 -› 半角
 
4. 漢字 -› 汉字
 
etc.
 
   
  +
The RGBA value can be 1. a color name from X11, 2. a hex value in form '#rrggbb' where 'r', 'g' and 'b' are hex digits of the red, green, and blue, 3. a RGB color in form 'rgb(r,g,b)' or 4. a RGBA color in form 'rgba(r,g,b,a)' where 'r', 'g', and 'b' are either integers in the range 0 to 255 or percentage values in the range 0% to 100%, and 'a' is a floating point value in the range 0 to 1 of the alpha.
最初のオプションは選択できるメソッドの名前を示します (例: 地球拼音 for Terra Pinyin)。多くのメソッドを使う場合、このメニューに表示されます。
 
   
  +
{{Tip|{{Pkg|dconf-editor}} を使用して、よりユーザーフレンドリーな方法で gsettings テーマを編集することもできます。}}
2番目のオプションは入力したい言語を選択します。
 
   
  +
{{Note|これは、[[GNOME]] と [[KDE]] のどちらにも KDE 入力方式パネルでは適用されません。どちらも IBus に独自のアイコンを提供するためです。}}
3番目のオプションは句読点を全角・半角どちらで入力するか選択します。
 
   
  +
=== レイアウトスイッチャーの表示遅延 ===
最後のオプションは繁体字(漢字)と簡体字(汉字)どちらを入力するか選択します。
 
   
  +
'''次の入力方法''' ホットキーを押すと、IBus はレイアウトスイッチを示す小さなダイアログを表示します。デフォルトでは、このダイアログはキーを押してから400ミリ秒後に表示されますが、この値はユーザーが変更できます。興味深い選択肢として、ダイアログをすぐに表示するための ''0'' または負の値(''-1'' など)があります。ウィンドウをまったく表示せずにレイアウトを切り替える (2つのレイアウトのみを使用し、一方から他方に切り替える場合に便利な場合があります。)
===== 中国語の句読点 =====
 
   
  +
値は [[GNOME#設定|gsettings schema]] に保存されるため、変更する場合は次のコマンドを実行できます。
Rime を使って中国語の句読点全てを打てます。以下の表は句読点の入力方法を示しています:
 
[ -> 「 【 〔 [
 
] -> 」 】 〕 ]
 
{ -> 『 〖 {
 
} -> 』 〗 }
 
< -> 《 〈 « ‹
 
> -> 》 〉 » ›
 
@ -> @ @ ☯
 
/ -> / / ÷
 
* -> * * ・ × ※
 
% -> % % ° ℃
 
$ -> ¥ $ € £ ¥
 
| -> ・ | | § ¦
 
_ -> ——
 
\ -> 、 \ \
 
^ -> ……
 
~ -> 〜 ~ ~ 〰
 
   
  +
$ gsettings set org.freedesktop.ibus.general switcher-delay-time 'VALUE'
===== 高度な設定 =====
 
   
  +
現在保存されている値を表示するには、次のコマンドを実行します。
Rime はありとあらゆるものを変更することができ、プロジェクトのウェブサイト (中国語) に例がたくさん置いてあります: https://code.google.com/p/rimeime/wiki/CustomizationGuide
 
   
  +
$ gsettings get org.freedesktop.ibus.general switcher-delay-time
==Tips and tricks==
 
   
  +
文字列 'VALUE' は、次のガイドラインに準拠している必要があります。
===Pinyin の使用方法===
 
   
  +
IME スイッチャーウィンドウを表示するポップアップ遅延ミリ秒を設定します。デフォルトは 400 です。
''ibus-pinyin'' を使っている場合
 
* まず入力したい文字のピンイン (sans tones) を入力してください。
 
* {{ic|Up}} や {{ic|Down}} を繰り返し押して文字を選択します (必要なら次のページに進みます)。
 
* {{ic|Space}} を押して文字を使います。
 
* {{ic|PageUp}} や {{ic|PageDown}} を使ってページをスクロールでき、1-5 の数字キーを使うことで必要な文字を選択します。
 
* 一度に複数の文字を入力して単語・句を書けます (例: "zhongwen" で "中文" を入力)。ibus-pinyin は頻繁に入力した文字を記憶し、あなたのタイピングプロファイルにあわせてサジェストを作成します。
 
   
  +
* 0 = Show the window immediately.
==トラブルシューティング==
 
  +
* 0 < Delay milliseconds.
  +
* 0 > Do not show the window and switch prev/next engines.
   
  +
{{Tip|{{Pkg|dconf-editor}} を使用して、よりユーザーフレンドリーな方法で gsettings テーマを編集することもできます。}}
=== Plasma 5 ===
 
   
  +
=== 修飾キーの組み合わせを使用してレイアウトを切り替える ===
Plasma 5 アプリケーションは IBus を使っている場合に Mozc から日本語の (つまり直接入力ではない) 文章を入力できないことがあります。この問題を解決するには {{ic|~/.xprofile}} に以下を追加してから X ユーザーセッションを再起動してください:
 
   
  +
何らかの理由で、IBus 設定 GUI では、修飾キーの組み合わせのサブセット({{ic|Alt+Shift_R}} など)をレイアウト切り替えホットキーとして使用できません。ただし、IBus はホットキーを文字列として [[GNOME#設定|gsettings schema]] に保存するため、その文字列を直接編集することで、このような組み合わせを引き続き使用できます。
export QT_IM_MODULE=ibus
 
   
  +
$ gsettings set org.freedesktop.ibus.general.hotkey triggers "['VALUE']"
===Kimpanel===
 
   
  +
文字列 {{ic|'VALUE'}} は、IBus が認識できる形式で記述された有効な修飾キーの組み合わせである必要があります。例えば {{ic|AltShift_R}} など。
IBus のメインインターフェイスは現在 GTK+ でのみ利用可能ですが、{{Pkg|Kimpanel}} はネイティブの Qt/KDE インプットインターフェイスを提供しています。パッケージ {{Pkg|kdeplasma-addons-applets-kimpanel}} は IBus をサポートするようにコンパイルされていますが、パネルと通信を行うために次のコマンドで IBus を起動する必要があります:
 
   
  +
{{Tip|{{Pkg|dconf-editor}} を使用して、よりユーザーフレンドリーな方法で gsettings テーマを編集することもできます。}}
$ ibus-daemon --xim --panel=/usr/lib/kde4/libexec/kimpanel-ibus-panel
 
   
  +
=== rxvt-unicode ===
この方法で ibus を起動するメニューエントリを作るには、下のファイルを {{ic|~/.local/share/applications/ibus-kimpanel.desktop}} に保存してください:
 
{{bc|<nowiki>
 
[Desktop Entry]
 
Encoding=UTF-8
 
Name=IBus (KIMPanel)
 
GenericName=Input Method Framework
 
Comment=Start IBus Input Method Framework
 
Exec=ibus-daemon --xim --panel=/usr/lib/kde4/libexec/kimpanel-ibus-panel
 
Icon=ibus
 
Terminal=false
 
Type=Application
 
Categories=System;Utility;
 
X-GNOME-Autostart-Phase=Applications
 
X-GNOME-AutoRestart=false
 
X-GNOME-Autostart-Notify=true
 
X-KDE-autostart-after=panel
 
</nowiki>}}
 
   
  +
''rxvt-unicode'' が IBus で正しく機能するためには、次の行を {{ic|~/.Xresources}} に追加する必要がある場合があります。
これで KDE に ibus を自動起動させたり、Kimpanel でインプットメソッドとして ibus を設定することができるようになり、kimpanel からクリックすることで手動で起動できます。どちらにしても、アプリケーションの選択ダイアログでは Utility/Ibus (Kimpanel) を選択してください。
 
   
===rxvt-unicode===
 
 
IBus と ''rxvt-unicode'' の問題が発生した場合、以下の手順を踏むことで解決できます。.
 
 
以下を {{ic|~/.Xdefaults}} に追加してください (これは必要ないかもしれません):
 
 
URxvt.inputMethod: ibus
 
URxvt.inputMethod: ibus
 
URxvt.preeditType: OverTheSpot
 
URxvt.preeditType: OverTheSpot
   
  +
==トラブルシューティング==
そして次のコマンドで IBus を起動してください:
 
$ ibus-daemon --xim
 
   
  +
=== pyenvが原因でパッケージが欠落している ===
''ibus-daemon'' を自動的に起動させていて (例: {{ic|~/.xinitrc}} や {{ic|~/.xsession}})、{{ic|--xim}} オプションを使わずに {{ic|ibus-daemon &}} を実行している場合は、新しいコマンドをテストするために既に実行中のプロセスを kill してください。
 
   
  +
python のバージョンと設定を管理するために {{ic|pyenv}} を使用している場合、 {{ic|ibus}} の依存関係が設定されたグローバルな python バージョンにインストールされないことがあります。これは、グローバルバージョンがシステムで管理されているもの (ibusが依存する依存関係、例えば {{ic|gi}} がインストールされるもの) ではない場合に起こり得ます。その結果、ibus のセットアップが起動しているが機能しない (システムトレイに ibus があるが、環境設定が開けない、など) ことがあります。この問題を確認する一つの方法は、{{ic|ibus-setup}}を実行してみて、依存関係の欠如のエラーが発生するかどうかを確認することです。
===GTK+ アプリケーション===
 
   
  +
この問題を修正するには、pyenv グローバルバージョンをシステムバージョンに変更します。:
GTK アプリケーションでインプットメソッドを使うと問題がおこることがあります。おそらくそれは gtk.immodules ファイルが見つけられないことが原因です。
 
問題を修正するには、GTK+2 なら:
 
export GTK_IM_MODULE_FILE=/etc/gtk-2.0/gtk.immodules
 
GTK+3 なら:
 
export GTK_IM_MODULE_FILE=/usr/lib/gtk-3.0/3.0.0/immodules.cache
 
を {{ic|$HOME/.bashrc}} に追加することで問題を修正できます。
 
   
  +
pyenv global system
{{note|gtk2 に設定すると、gedit などの gtk3 アプリケーションが使えなくなります。gtk3 に設定すると xfce などの gtk2 アプリケーションが使えなくなります。}}
 
   
  +
=== 再起動後に設定が削除される ===
===中国語の入力===
 
   
  +
再起動後に設定が一貫して削除されている (入力メソッドが元に戻されている) 場合は、プリロードされるように設定されているエンジンと、それらがロードされる順序を確認します:
中国語の入力に問題が起こるときは、ロケールの設定を確認してください。例えば Hong Kong なら、LANG=zh_HK.utf8 を export してください。
 
   
  +
$ gsettings get org.freedesktop.ibus.general preload-engines
{{Note|IBus 1.4 以降大きな更新が行われているので、C で書かれている ''ibus-pinyin'' や ''ibus-sunpinyin'' で中国語を入力できなくなっているかもしれません。解決方法は {{Pkg|ibus-libpinyin}} をインストールすることです。}}
 
  +
['xkb:us::eng']
  +
$ gsettings get org.freedesktop.ibus.general engines-order
  +
['xkb:us::eng', 'anthy']
   
  +
この場合に {{ic|anthy}} が確実に読み込まれるようにするには、{{ic|org.freedesktop.ibus.preload-engines}} リストに追加します。
GNOME で ibus を起動するには、以下を {{ic|~/.profile}} に加えて GNOME を再起動してください。
 
   
  +
$ gsettings set org.freedesktop.ibus.general preload-engines "['xkb:us::eng', 'anthy']"
export GTK_IM_MODULE=ibus
 
export XMODIFIERS=@im=ibus
 
export QT_IM_MODULE=ibus
 
ibus-daemon -d -x
 
   
  +
変更はすぐに反映され、再起動後も保持されます。
このバグに関する詳しい説明は [http://forum.ubuntu.org.cn/viewtopic.php?f=155&t=346639 このページ] を参照してください。
 
  +
  +
=== Ibus IME のパッケージはキーボードのネイティブ文字セットのみを入力します ===
  +
  +
考えられる修正は、GTK_IM_MODULE [[環境変数]] を ibus ではなく xim に設定することです。
  +
  +
{{hc|/etc/environment|2=
  +
GTK_IM_MODULE=xim
  +
QT_IM_MODULE=ibus
  +
XMODIFIERS=@im=ibus
  +
}}
   
  +
=== キーを押し続けると "固着" する ===
===LibreOffice===
 
   
  +
特定のゲーム、特に Proton 経由で実行されるゲームでは、キーを数秒間押し続けると、そのキーが再度押されて離されるまで "固着" (押されたものとして押され続ける) することがあります。限られたテスト [https://github.com/ValveSoftware/Proton/issues/5294#issuecomment-1455434318] では、IBus デーモンを kill するだけでこの問題が解決することがわかりました。
IBus がロードされているのに [[LibreOffice]] にインプットウィンドウが出ない場合、以下を {{ic|~/.bashrc}} に追加してください:
 
export XMODIFIERS=@im=ibus
 
それから、ibus を {{ic|--xim -d}} で起動する必要があります。例えば、以下を {{ic|~/.xinitrc}} に追加してください:
 
ibus-daemon --xim -d
 
ただしこの修正を適用するにはターミナルから LibreOffice を起動しなくてはなりません。
 
   
  +
== 参照 ==
KDE を使っていて上述の修正がきかない場合、{{Pkg|libreoffice-gnome}} をインストールして以下の行を {{ic|~/.xprofile}} に追加してください。ただし LibreOffice が GTK2 モードで起動するようになります:
 
export OOO_FORCE_DESKTOP="gnome"
 
   
  +
* [https://github.com/ibus/ibus GitHub リポジトリ]
後者の修正では LibreOffice をターミナル以外からも起動できます。
 

2024年11月10日 (日) 18:22時点における最新版

関連記事

IBus ("Intelligent Input Bus") は様々な言語の文字を入力するためのシステムである、インプットメソッドフレームワークのひとつです。IBus は Fcitx, SCIM, UIM と同等の機能を持っています。

インストール

ibus パッケージをインストールしてください。

さらに、使用可能なインプットメソッドの包括的なリストについては、インプットメソッド#使用可能なインプトメソッドエディターの一覧 を参照してください。

ノート: GNOME にはバージョン 3.6 以降 IBus が 統合 され、デフォルトでそれを利用します。デスクトップ環境 の場合は、#統合 をスキップして #設定方法 に直接進むことができます。

統合

少なくとも以下の 環境変数 を設定してください。

/etc/environment
GTK_IM_MODULE=ibus
QT_IM_MODULE=ibus
XMODIFIERS=@im=ibus

ユーザーログイン時に IBus を起動するには、以下のコマンドで 自動起動 エントリを作成します。

ibus-daemon -rxRd

次回ログイン時に、ユーザーセッションとともに IBus が開始されます。

ヒント:
  • ibus-autostartAUR パッケージはこれを 自動起動 するエントリを提供します。
  • ibus-daemonAUR パッケージは ibus@$DISPLAY.service を提供し、これを 有効化 することで実現できます。
  • KDE には Input Method Panel という plasmoid があり、IBus のフロントエンドとして動作し、より良い統合体験を提供できる可能性があります。
    • Input Method Panel で IBus を起動するには、上記の ibus-daemon コマンドで --panel=/usr/lib/kimpanel-ibus-panel オプションを使用します。入力メソッドパネル ウィジェットを設定するには、KDE UserBase WikiKDE#ウィジェット を参照してください。
    • ibus-autostart-kimpanelAUR パッケージは、自動起動 するエントリを提供します。

設定方法

システムに非ラテン語の言語をサポートするためのヘルプは ロケール を参照してください。

利用可能な非ラテン語フォントの非網羅的なリストについては フォント#ラテン文字 を参照してください。

GNOME

GNOME はデフォルトで IBus を使用しているので、設定 > キーボード > 入力ソース で好きな言語のキーボードレイアウトを追加することができます。

その他のデスクトップ環境

IBus の環境設定ウィンドウを起動するには、以下の方法があります。

  • IBus のトレイアイコンを右クリックし、Preferencesを選択します。
  • GUI アプリケーションの IBus Preferences を見つけて起動するか、または
  • ターミナルでコマンド ibus-setup を実行する。

ここで注目すべき点は、次のインプットメソッド (デスクトップ環境が提供するデフォルトのショートカットの代わりに使用したいもの) のキーボードショートカットと、異なるキーボードレイアウトを追加または削除できる インプットメソッド タブ (デスクトップ環境のデフォルトレイアウトマネージャの代わりに実行したいもの) です。

ヒントとテクニック

絵文字入力

IBus は絵文字アイコンの入力をサポートしています。Ctrl+. または Ctrl+; と入力すると、入力プロンプトが下線付きの e 文字に変わります。次に、必要な絵文字の記号または名前 (例 :) または face) を入力し、Space を押してレンダリングします。結果に満足したら、Enter を押して送信し、絵文字入力モードを終了するか、もう一度 Space を押してダイアログを開き、目的の絵文字をさらにカスタマイズできます。

詳細については、ibus-emoji(7) を参照してください。

Unicode 入力

IBus は複雑な Unicode 文字の入力をサポートしています。 Ctrl+Shift+u と入力すると、入力プロンプトが下線付きの u 文字に変わります。次に、必要な Unicode 文字のコードを入力し、Space または Enter を押して、レンダリングして送信します。

トレイアイコンの色

デフォルトでは、IBus は濃い青色を使用して、現在アクティブなレイアウトの言語記号を表示します(例:EN)色の値は gsettings schema に保存されているため、変更する場合は次のコマンドを実行できます。

$ gsettings set org.freedesktop.ibus.panel xkb-icon-rgba 'COLOR'

文字列 COLOR は​​、次のガイドラインに準拠している必要があります。

The RGBA value can be 1. a color name from X11, 2. a hex value in form '#rrggbb' where 'r', 'g' and 'b' are hex digits of the red, green, and blue, 3. a RGB color in form 'rgb(r,g,b)' or 4. a RGBA color in form 'rgba(r,g,b,a)' where 'r', 'g', and 'b' are either integers in the range 0 to 255 or percentage values in the range 0% to 100%, and 'a' is a floating point value in the range 0 to 1 of the alpha.
ヒント: dconf-editor を使用して、よりユーザーフレンドリーな方法で gsettings テーマを編集することもできます。
ノート: これは、GNOMEKDE のどちらにも KDE 入力方式パネルでは適用されません。どちらも IBus に独自のアイコンを提供するためです。

レイアウトスイッチャーの表示遅延

次の入力方法 ホットキーを押すと、IBus はレイアウトスイッチを示す小さなダイアログを表示します。デフォルトでは、このダイアログはキーを押してから400ミリ秒後に表示されますが、この値はユーザーが変更できます。興味深い選択肢として、ダイアログをすぐに表示するための 0 または負の値(-1 など)があります。ウィンドウをまったく表示せずにレイアウトを切り替える (2つのレイアウトのみを使用し、一方から他方に切り替える場合に便利な場合があります。)

値は gsettings schema に保存されるため、変更する場合は次のコマンドを実行できます。

$ gsettings set org.freedesktop.ibus.general switcher-delay-time 'VALUE'

現在保存されている値を表示するには、次のコマンドを実行します。

$ gsettings get org.freedesktop.ibus.general switcher-delay-time

文字列 'VALUE' は、次のガイドラインに準拠している必要があります。

IME スイッチャーウィンドウを表示するポップアップ遅延ミリ秒を設定します。デフォルトは 400 です。

  • 0 = Show the window immediately.
  • 0 < Delay milliseconds.
  • 0 > Do not show the window and switch prev/next engines.
ヒント: dconf-editor を使用して、よりユーザーフレンドリーな方法で gsettings テーマを編集することもできます。

修飾キーの組み合わせを使用してレイアウトを切り替える

何らかの理由で、IBus 設定 GUI では、修飾キーの組み合わせのサブセット(Alt+Shift_R など)をレイアウト切り替えホットキーとして使用できません。ただし、IBus はホットキーを文字列として gsettings schema に保存するため、その文字列を直接編集することで、このような組み合わせを引き続き使用できます。

$ gsettings set org.freedesktop.ibus.general.hotkey triggers "['VALUE']"

文字列 'VALUE' は、IBus が認識できる形式で記述された有効な修飾キーの組み合わせである必要があります。例えば AltShift_R など。

ヒント: dconf-editor を使用して、よりユーザーフレンドリーな方法で gsettings テーマを編集することもできます。

rxvt-unicode

rxvt-unicode が IBus で正しく機能するためには、次の行を ~/.Xresources に追加する必要がある場合があります。

URxvt.inputMethod: ibus
URxvt.preeditType: OverTheSpot

トラブルシューティング

pyenvが原因でパッケージが欠落している

python のバージョンと設定を管理するために pyenv を使用している場合、 ibus の依存関係が設定されたグローバルな python バージョンにインストールされないことがあります。これは、グローバルバージョンがシステムで管理されているもの (ibusが依存する依存関係、例えば gi がインストールされるもの) ではない場合に起こり得ます。その結果、ibus のセットアップが起動しているが機能しない (システムトレイに ibus があるが、環境設定が開けない、など) ことがあります。この問題を確認する一つの方法は、ibus-setupを実行してみて、依存関係の欠如のエラーが発生するかどうかを確認することです。

この問題を修正するには、pyenv グローバルバージョンをシステムバージョンに変更します。:

pyenv global system

再起動後に設定が削除される

再起動後に設定が一貫して削除されている (入力メソッドが元に戻されている) 場合は、プリロードされるように設定されているエンジンと、それらがロードされる順序を確認します:

$ gsettings get org.freedesktop.ibus.general preload-engines
['xkb:us::eng']
$ gsettings get org.freedesktop.ibus.general engines-order
['xkb:us::eng', 'anthy']

この場合に anthy が確実に読み込まれるようにするには、org.freedesktop.ibus.preload-engines リストに追加します。

$ gsettings set org.freedesktop.ibus.general preload-engines "['xkb:us::eng', 'anthy']"

変更はすぐに反映され、再起動後も保持されます。

Ibus IME のパッケージはキーボードのネイティブ文字セットのみを入力します

考えられる修正は、GTK_IM_MODULE 環境変数 を ibus ではなく xim に設定することです。

/etc/environment
GTK_IM_MODULE=xim
QT_IM_MODULE=ibus
XMODIFIERS=@im=ibus

キーを押し続けると "固着" する

特定のゲーム、特に Proton 経由で実行されるゲームでは、キーを数秒間押し続けると、そのキーが再度押されて離されるまで "固着" (押されたものとして押され続ける) することがあります。限られたテスト [1] では、IBus デーモンを kill するだけでこの問題が解決することがわかりました。

参照