「Dhcpcd」の版間の差分

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== 実行 ==
 
== 実行 ==
   
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すべてのネットワークインターフェースでデーモンを起動するには、{{ic|dhcpcd.service}} を[[起動/有効化]]します。
''dhcpcd'' は基本的にサービスファイル {{ic|dhcpcd@.service}} で操作します、インターフェイス名を引数として指定します (詳しくは [[systemd#ユニットを使う]]を見て下さい):
 
   
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特定のインターフェースのみでデーモンを起動するには、テンプレートユニット {{ic|dhcpcd@''interface''.service}} を[[起動/有効化]]します。ここで ''interface'' は [[ネットワーク設定#ネットワークインターフェイスを表示|ネットワークインターフェースの一覧表示]]で確認できます。
# systemctl start dhcpcd@''interface''.service
 
# systemctl enable dhcpcd@''interface''.service
 
   
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テンプレートユニットを使用することを推奨します。詳細は [[#dhcpcd と systemd ネットワークインターフェイス|dhcpcd と systemd ネットワークインターフェース]] を参照してください。どちらの場合でも、動的な IP アドレスが割り当てられます。静的な IP アドレスを割り当てるには、[[#静的プロファイル|静的プロファイル]]を参照してください。
手動で ''dhcpcd'' を起動するには、次のコマンドを実行してください:
 
   
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{{Note|各ネットワークインターフェースは、1つの[[ネットワーク設定#ネットワークマネージャ|DHCPクライアントまたはネットワークマネージャ]]によってのみ管理されるべきです。そのため、システム上で実行する DHCP クライアントまたはネットワークマネージャは1つだけにすることをお勧めします。現在実行中のサービスの一覧を {{ic|1=systemctl --type=service}} で確認し、競合するものを[[停止]]または再設定してください。}}
{{hc|# dhcpcd ''interface''|
 
dhcpcd: version 5.1.1 starting
 
dhcpcd: ''interface'': broadcasting for a lease
 
...
 
dhcpcd: ''interface'': leased 192.168.1.70 for 86400 seconds
 
}}
 
 
ネットワークインターフェイスの名前を確認する方法は[[ネットワーク設定#現在のデバイス名を取得]]を見てください。全てのネットワークインターフェイスでデーモンを起動するには {{ic|dhcpcd.service}} を[[起動]]・[[有効化]]してください。
 
 
{{Tip|{{ic|dhcpcd.service}} が起動に失敗する場合は、[[#dhcpcd と systemd ネットワークインターフェイス]]を見てください。}}
 
   
 
== 設定 ==
 
== 設定 ==
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[[Wikipedia:ja:ダイナミックドメインネームシステム|Dynamic DNS]] を使っているネットワークでは3つの ID がそれぞれ異なっていることに注意を払ってください。重複する DUID の値が DNS サーバーに渡された場合 (仮想マシンを複製したときにホストネームと MAC は変更したのに DUID を変更しなかった場合など)、重複した DUID を持ったクライアントがリースをリクエストすることになり、サーバーはクライアントを DNS レコードから削除してしまいます。
 
[[Wikipedia:ja:ダイナミックドメインネームシステム|Dynamic DNS]] を使っているネットワークでは3つの ID がそれぞれ異なっていることに注意を払ってください。重複する DUID の値が DNS サーバーに渡された場合 (仮想マシンを複製したときにホストネームと MAC は変更したのに DUID を変更しなかった場合など)、重複した DUID を持ったクライアントがリースをリクエストすることになり、サーバーはクライアントを DNS レコードから削除してしまいます。
   
=== 固定プロファイル ===
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=== 静的プロファイル ===
   
必要な設定情報は[[ネットワーク設定#固 IP アドレス]]で説明ています。基本的には[[ネットワーク設定#デバイス|デバイス]], ''IP アドレス'', ''ルーターアドレス'', ''ネームサーバー''が必要になります。
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必要な設定は[[ネットワーク設定|ネットワーク設定]]で説明されています。これらの設定には通常、[[ネットワーク設定#ネットワークインターフェイス|ネットワークンターフェース]]名、''IPアドレス''''ルーターアドレス''、および''ネームサーバー''が含まれます。
   
''dhcpcd'' の固定プロファイルは {{ic|/etc/dhcpcd.conf}} で以下のように設定します:
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例えば、{{ic|/etc/dhcpcd.conf}} で ''dhcpcd'' の静的プロファイルを以下のように設定します:
   
 
{{hc|1=/etc/dhcpcd.conf|2=
 
{{hc|1=/etc/dhcpcd.conf|2=
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{{ic|arping}} オプションを使うなど、もっと複雑な設定をすることもできます。詳しくは {{man|5|dhcpcd.conf}} を見て下さい。
 
{{ic|arping}} オプションを使うなど、もっと複雑な設定をすることもできます。詳しくは {{man|5|dhcpcd.conf}} を見て下さい。
   
==== 予備プロファイル ====
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==== フォールバックプロファイル ====
   
''dhcpcd'' の中固定プロファイルを設定しDHCP リースが失敗したときそのプロファイルにフォールバックすることができます。にマシンに接続きるようにるために固定プロファイル"リカバリ"プロファイルとして使うことで、 [[Raspberry Pi]] などの [[wikipedia:Headless computer|ヘッドレスマシン]]で役立ちます。
+
''dhcpcd'' 静的プロファイルを設定しDHCP リースが失敗した場合にそのプロファイルにフォールバックすることができます。これは特[[wikipedia:Headless computer|ヘッドレスマシン]]役立ちま。静的プロファイル"リカバリ" プロファイルとして使にマシンに接続できることを保証するためです。
   
以下の例では IP アドレス {{ic|192.168.1.1}}、ゲートウェイとネームサーバ {{ic|192.168.1.23}} {{ic|static_eth0}} プロファイルを設定しており、このプロファイルを {{ic|eth0}} インターフェイスのフォールバックに指定しています。
+
の例ではIP アドレス {{ic|192.168.1.23}}、ゲートウェイとネームサーバ {{ic|192.168.1.1}} を持つ {{ic|static_eth0}} プロファイルを設定し、このプロファイルをインターフェース {{ic|eth0}} のフォールバックしています。
   
{{hc|/etc/dhcpcd.conf|<nowiki>
+
{{hc|1=/etc/dhcpcd.conf|2=
 
# define static profile
 
# define static profile
 
profile static_eth0
 
profile static_eth0
static ip_address=192.168.1.1
+
static ip_address=192.168.1.23/24
static routers=192.168.1.23
+
static routers=192.168.1.1
static domain_name_servers=192.168.1.23
+
static domain_name_servers=192.168.1.1
   
 
# fallback to static profile on eth0
 
# fallback to static profile on eth0
interface eth0
+
interface ''eth0''
 
fallback static_eth0
 
fallback static_eth0
  +
}}
</nowiki>}}
 
   
 
== フック ==
 
== フック ==
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=== /etc/resolv.conf ===
 
=== /etc/resolv.conf ===
   
デフォルトの設定''dhcpcd''' [[resolv.conf]] を上書きます。
+
[[resolvconf]] が利用可能な場合、DNS情報はそちらに送信されます。そうない場合、''dhcpcd'' 自身が {{ic|/etc/resolv.conf}} 書き込みます。
   
{{ic|/etc/dhcpcd.conf}} の最後のセクションに以下を追加することで上書きようにすることができます:
+
{{ic|/etc/resolv.conf}} の上書きは、フック {{ic|/usr/lib/dhcpcd/dhcpcd-hooks/20-resolv.conf}} を無効にすることで停止できます。{{ic|/etc/dhcpcd.conf}} の最後のセクションに以下を追加してくださ
   
 
nohook resolv.conf
 
nohook resolv.conf
   
  +
このフックを無効にすると、dhcpcd による resolvconf の使用も全体的に無効になることに注意してください。
もしくは {{ic|/etc/resolv.conf.head}} という名前のファイルを作成して DNS サーバーを記述してください。''dhcpcd'' はこのファイルの中身を {{ic|/etc/resolv.conf}} の冒頭に追加します。
 
   
  +
あるいは、DNSサーバーを含む {{ic|/etc/resolv.conf.head}} というファイルを作成することもできます。''dhcpcd'' はこのファイルを {{ic|/etc/resolv.conf}} の先頭に追加します。
dhcpcd が毎回同じ DNS サーバーを使うように設定したい場合、{{ic|/etc/dhcpcd.conf}} の末尾に以下の行を追加してください ({{ic|''dns-server-ip-addressses''}} は DNS の IP アドレスをスペースで区切ったリストに置き換えてください):
 
  +
  +
または、dhcpcd が常に同じ DNS サーバーを使用するように設定できます。これを行うには、{{ic|/etc/dhcpcd.conf}} の最後に次の行を追加します。{{ic|''dns-server-ip-addressses''}} は、スペースで区切られた DNS IP アドレスのリストです。
   
 
static domain_name_servers=''dns-server-ip-addresses''
 
static domain_name_servers=''dns-server-ip-addresses''
   
例えば、Google の DNS サーバーに設定したい場合:
+
例えば、Google の DNS サーバーに設定するには、次のようにます。
   
 
static domain_name_servers=8.8.8.8 8.8.4.4
 
static domain_name_servers=8.8.8.8 8.8.4.4
  +
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{{Tip|[[openresolv]] を使用している場合、DNS サーバーは代わりに {{ic|/etc/resolvconf.conf}} で設定できます。このようにすると、''resolvconf'' をサポートするソフトウェアによって上書きされることはありません。}}
   
 
== トラブルシューティング ==
 
== トラブルシューティング ==

2025年2月14日 (金) 06:58時点における最新版

関連記事

dhcpcd は DHCP と DHCPv6 のクライアントです。現在は最も機能豊富なオープンソースの DHCP クライアントであり、ホームページに全ての機能のリストが載っています。

ノート: Roy Marples氏 の dhcpcd (DHCP クライアントデーモン) は Internet Systems Consortium の dhcpd (DHCP (サーバー)デーモン) とは違います。

インストール

dhcpcd パッケージをインストールします。

dhcpcd-uiAURdhcpcd デーモンの GTK フロントエンドで、オプションで wpa_supplicant にも対応しています。設定ダイアログと、無線ネットワークのパスフレーズを入力する機能があります。

実行

すべてのネットワークインターフェースでデーモンを起動するには、dhcpcd.service起動/有効化します。

特定のインターフェースのみでデーモンを起動するには、テンプレートユニット dhcpcd@interface.service起動/有効化します。ここで interfaceネットワークインターフェースの一覧表示で確認できます。

テンプレートユニットを使用することを推奨します。詳細は dhcpcd と systemd ネットワークインターフェース を参照してください。どちらの場合でも、動的な IP アドレスが割り当てられます。静的な IP アドレスを割り当てるには、静的プロファイルを参照してください。

ノート: 各ネットワークインターフェースは、1つのDHCPクライアントまたはネットワークマネージャによってのみ管理されるべきです。そのため、システム上で実行する DHCP クライアントまたはネットワークマネージャは1つだけにすることをお勧めします。現在実行中のサービスの一覧を systemctl --type=service で確認し、競合するものを停止または再設定してください。

設定

メインの設定は /etc/dhcpcd.conf で行います、詳細は dhcpcd.conf(5) を参照してください。よく使われるオプションについては以下で説明します。

DHCP スタティックルート

スタティックルートをクライアント側に追加する必要がある場合、/etc/dhcpcd.exit-hook に新しい dhcpcd フックスクリプトを作成してください。以下の例は 192.168.192.5 のゲートウェイマシンを通じて VPN サブネットにスタティックルートを追加するフックスクリプトです:

/etc/dhcpcd.exit-hook
ip route add 10.11.12.0/24 via 192.168.192.5

上記のファイルには複数のルートを追加できます。

DHCP クライアント ID

複数の方法を使って DHCP クライアントをサーバーから一意に識別させることが可能です:

  • ホストネーム (またはクライアントから送信されたホストネームの値)
  • 接続を作成するのに使われたネットワークインターフェイスコントローラの MAC アドレス
  • Identity Association ID (IAID)、ホストのユースケースやインターフェイスを区別するための抽象レイヤー
  • DHCP Unique Identifier (DUID)

詳しい解説は RFC 3315 を見てください。

DHCP サーバーの設定によって、オプションは設定する必要がなかったり、もしくは DHCP IP リースをリクエストするのに必須であったりします。

ノート: 大抵は dhcpcd のデフォルト設定で問題ありません。記載されている識別子は自動的に処理されるので、問題が発生しときにだけ手動で設定を変更してください。

dhcpcd のデフォルト設定で IP が取得できない場合、dhcpcd.conf で以下のオプションを使うことができます:

  • hostname/etc/hostname で設定されたホストネームを送信します。
  • clientid は MAC アドレスを識別子として送信します。
  • iaid <interface> は DHCP ディスカバリに使われる IAID を取得します。interface ブロックで使用します (interface <interface> で始まるブロック、詳しくは [1] を参照)。ただし、次のオプションの方がよく使われます:
  • duid は DUID と IAID の組み合わせを識別子として使用します。

DUID の値は /var/lib/dhcpcd/duid で設定します。効率的な DHCP リース操作のために DUID はシステム固有の値にして全てのネットワークインターフェイスに適用することが重要です。逆に IAID は各々のインターフェイスを表す識別子です (RFC 4361 を参照)。

Dynamic DNS を使っているネットワークでは3つの ID がそれぞれ異なっていることに注意を払ってください。重複する DUID の値が DNS サーバーに渡された場合 (仮想マシンを複製したときにホストネームと MAC は変更したのに DUID を変更しなかった場合など)、重複した DUID を持ったクライアントがリースをリクエストすることになり、サーバーはクライアントを DNS レコードから削除してしまいます。

静的プロファイル

必要な設定はネットワーク設定で説明されています。これらの設定には通常、ネットワークインターフェース名、IPアドレスルーターアドレス、およびネームサーバーが含まれます。

例えば、/etc/dhcpcd.confdhcpcd の静的プロファイルを以下のように設定します:

/etc/dhcpcd.conf
interface eth0
static ip_address=192.168.0.10/24	
static routers=192.168.0.1
static domain_name_servers=192.168.0.1 8.8.8.8

arping オプションを使うなど、もっと複雑な設定をすることもできます。詳しくは dhcpcd.conf(5) を見て下さい。

フォールバックプロファイル

dhcpcd 内で静的プロファイルを設定し、DHCP リースが失敗した場合にそのプロファイルにフォールバックすることができます。これは特にヘッドレスマシンで役立ちます。静的プロファイルは "リカバリー" プロファイルとして使用でき、常にマシンに接続できることを保証するためです。

次の例では、IP アドレス 192.168.1.23、ゲートウェイとネームサーバー 192.168.1.1 を持つ static_eth0 プロファイルを設定し、このプロファイルをインターフェース eth0 のフォールバックとしています。

/etc/dhcpcd.conf
# define static profile
profile static_eth0
static ip_address=192.168.1.23/24
static routers=192.168.1.1
static domain_name_servers=192.168.1.1

# fallback to static profile on eth0
interface eth0
fallback static_eth0

フック

dhcpcd/usr/lib/dhcpcd/dhcpcd-hooks/ にあるスクリプトを辞書順で全て実行します。詳しくは dhcpcd(5)dhcpcd-run-hooks(8) を見て下さい。

ノート:
  • dhcpcd.confnohook オプションを使うことで個別のスクリプトを無効化できます。
  • env オプションを使うことですべてのフックに環境変数を設定することが可能です。例えば、env force_hostname=YES を使えば hostname フックに常時ホストネームを設定するように指定できます。

10-wpa_supplicant

10-wpa_supplicant フックは無線インターフェイスで WPA supplicant を自動的に起動します。起動するのは以下の条件を満たした場合に限られます:

  • インターフェイスを使っている wpa_supplicant プロセスがまだない場合。
  • wpa_supplicant 設定ファイルが存在する場合。dhcpcd はデフォルトで以下のファイルを (この順番で) チェックします:
/etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant-"$interface".conf
/etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf
/etc/wpa_supplicant-"$interface".conf
/etc/wpa_supplicant.conf

ただし、/etc/dhcpcd.confenv wpa_supplicant_conf=configuration_file_path と追加することでカスタムパスを追加することもできます。

ノート: 設定ファイルが最初に見つかった時点でフックは停止します。そのため、wpa_supplicant の設定ファイルが複数存在する場合は注意が必要です。dhcpcd が間違ったファイルを使ってしまう可能性があります。

wpa_supplicant で無線接続を管理している場合、フックによって望ましくない接続イベントが作成されてしまう可能性があります。例えば、wpa_supplicant を停止したときにフックによってインターフェイスが再度立ち上げられてしまうかもしれません。また、netctl-auto を使用している場合、/run/network/wpa_supplicant_"$interface".conf によって wpa_supplicant は自動的に起動するため、フックから起動する必要はなくなり、結果としてデフォルトのパッケージに含まれているダミーの値しか記述されていない /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf ファイルのパースエラーが起動時に発生します。

フックを無効にするには、dhcpcd.confnohook wpa_supplicant を追加してください。

ヒントとテクニック

ARP プローブを無効にして DHCP を高速化

dhcpcd には DHCP 標準 (RFC2131 section 2.2) で勧告されている実装が含まれており、割り当てられた IP アドレスが実際に取得できているかどうか ARP でチェックを行います。ホームネットワークではこの機能はあまり意味がないので、/etc/dhcpcd.conf に以下の行を追加することで、5秒ほど接続のときにかかる時間を減らすことができます:

noarp

上記の設定は dhcpcd--noarp を指定するのと同一の効果を持ち、ARP プローブを無効化します。これにより DHCP によるネットワークの接続が高速化されます。

古い DHCP リースを削除

/var/lib/dhcpcd/interface.lease (interface はリースを得るインターフェイスの名前) ファイルには DHCP サーバーから送信された実際の DHCP リースの応答が含まれています。無線インターフェイスの場合、ファイル名は /var/lib/dhcpcd/interface-ssid.lease になります (ssid は無線ネットワークの名前に置き換えてください)。このファイルを使ってサーバーからの最後のリースを判別することができ、また、ファイルの mtime 属性を使ってリースの発行日時が確認されます。最後のリース情報を使用することで、前回ネットワーク上で確保されたのと同じ IP アドレスをリクエストします。リース情報を使用して欲しくない場合、ファイルを削除してください。

ファイルを削除しても DHCP サーバーから同じ IP アドレスが割り当てられる場合、割り当てを安定化するためにリクエストしてくる DHCP クライアントの ID や DUID を識別するように設定されている可能性があります (#DHCP クライアント ID を参照)。dhcpcd を停止して /var/lib/dhcpcd/duid を削除あるいは名前を変更することでテストができます。dhcpcd は次回の起動時に新しいファイルを生成します。

DUID は再起動しても変わらない永続的なマシンの識別子であることに注意してください。システムを新しいコンピュータに移動する場合、ファイルをそのまま持っていくと古いコンピュータとして認識されます。

マルチブートするときに IP を変える

Arch と OS X あるいは Windows をデュアルブートしていて、それぞれ別の IP アドレスを割り当てたい場合、オペレーティングシステムごとに別々の DUID を指定することでリースされる IP を制御することができます。

(XP 以降の) Windows では以下のレジストリキーに DUID が保存されています:

\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Tcpip6\Parameters\Dhcpv6DUID 

OS X では Network\adapter\dhcp preferences panel から直接アクセスできます。

dnsmasq DHCP サーバーを使っている場合、dnsmasq の設定で適切な dhcp-host= ルールを使うことで別々の DUID を使えます。

/etc/resolv.conf

resolvconf が利用可能な場合、DNS情報はそちらに送信されます。そうでない場合、dhcpcd 自身が /etc/resolv.conf に書き込みます。

/etc/resolv.conf の上書きは、フック /usr/lib/dhcpcd/dhcpcd-hooks/20-resolv.conf を無効にすることで停止できます。/etc/dhcpcd.conf の最後のセクションに以下を追加してください。

nohook resolv.conf

このフックを無効にすると、dhcpcd による resolvconf の使用も全体的に無効になることに注意してください。

あるいは、DNSサーバーを含む /etc/resolv.conf.head というファイルを作成することもできます。dhcpcd はこのファイルを /etc/resolv.conf の先頭に追加します。

または、dhcpcd が常に同じ DNS サーバーを使用するように設定できます。これを行うには、/etc/dhcpcd.conf の最後に次の行を追加します。dns-server-ip-addressses は、スペースで区切られた DNS IP アドレスのリストです。

static domain_name_servers=dns-server-ip-addresses

例えば、Google の DNS サーバーに設定するには、次のようにします。

static domain_name_servers=8.8.8.8 8.8.4.4
ヒント: openresolv を使用している場合、DNS サーバーは代わりに /etc/resolvconf.conf で設定できます。このようにすると、resolvconf をサポートするソフトウェアによって上書きされることはありません。

トラブルシューティング

クライアント ID

また、MAC アドレスに基づくクライアント ID をフィルタリングしている DHCPv4 ネットワークを使う場合は、次の行を:

/etc/dhcpcd.conf
# Use the same DUID + IAID as set in DHCPv6 for DHCPv4 Client ID as per RFC4361. 
duid

以下のように変更してください:

/etc/dhcpcd.conf
# Use the hardware address of the interface for the Client ID (DHCPv4).
clientid

こうしないと、DHCP サーバーがあなたの DHCPv6 クライアント ID を正しく読み込めない可能性があります。詳しくは RFC 4361 を見て下さい。

まず IP を開放して DHCP の問題を確認する

DHCP が間違った IP の割り当てを取得している時、問題が起こることがあります。例えば2つのルーターが VPN で結び付けられている場合が考えられます。修正するには、コンソールで、root 権限を使って IP アドレスを開放してください:

# dhcpcd -k

それから新しい IP アドレスをリクエストしてください:

# dhcpcd

おそらくこの2つのコマンドを何度も実行する必要があります。

強情なルーターの問題

(厄介な) ルーターによっては、/etc/dhcpcd.conf にある以下の行をコメントアウトしないと接続が上手くいかないことがあります:

require dhcp_server_identifier

ネットワーク上に複数の DHCP サーバーがあるという状況でないかぎり (こういうことは稀です)、コメントアウトすることで問題が発生することはありません。詳しくは このページ を参照。

dhcpcd と systemd ネットワークインターフェイス

インターフェイスを指定しないで dhcpcd.service有効にすることもできますが、predictable network interface name を適用する systemd-udevd と起動時に競合状態になる可能性があります:

error changing net interface name wlan0 to wlp4s0: Device or resource busy" 

これを避けるために、dhcpcd を有効にするときは#実行で説明されているようにインターフェイスを指定して下さい。ただしテンプレートユニットでは有線接続のホットプラグをサポートしていないため、ネットワークケーブルが接続されていないと起動に失敗します。問題を回避したい場合、#タイムアウトを見てください。

dhcpcd.conf(5)denyinterfaces または allowinterfaces を使って dhcpcd がカーネル名にバインドしないようにすることもできます。例:

denyinterfaces wlan* eth*

タイムアウトと遅延

dhcpcd が単一のインタフェースで動作して30秒後にリースを取得できない場合(たとえば、サーバーが準備ができていない場合、またはケーブルが接続されていない場合)、エラーで終了します。

dhcpcd を1回限り無期限に待機させる場合、ユニットを 編集 設定し timeout オプションを 0 に設定します。

/etc/systemd/system/dhcpcd@.service.d/timeout.conf
[Service]
ExecStart=
ExecStart=/usr/bin/dhcpcd -w -q -t 0 %I

無期限に待機させるには、ユニットの終了後に再起動させます。

/etc/systemd/system/dhcpcd@.service.d/dhcpcdrestart.conf
[Service]
Restart=always

既知の問題

dhcpcd@.service によって起動が遅くなる

デフォルトでは dhcpcd@.service は IP アドレスが取得されるまで待機して、それから -w フラグを使って dhcpcd をバックグラウンドにフォークします。ユニットを有効化すると、IP アドレスが取得されるまで起動が進まなくなってしまう可能性があります。解決するには、以下の内容でユニットのドロップインファイルを作成してください:

/etc/systemd/system/dhcpcd@.service.d/no-wait.conf
[Service]
ExecStart=
ExecStart=/usr/bin/dhcpcd -b -q %I

詳しくは FS#49685 を参照。

参照