「JWM」の版間の差分
(英語版と同期) |
(序文を更新) |
||
2行目: | 2行目: | ||
[[en:JWM]] |
[[en:JWM]] |
||
[[it:JWM]] |
[[it:JWM]] |
||
− | '''JWM''' (Joe's Window Manager) は [[Wikipedia:ja:C言語|C]] で書かれた |
+ | '''JWM''' (Joe's Window Manager) は [[Wikipedia:ja:C言語|C]] で書かれた [[Xorg]] 向けの軽量 [[ウィンドウマネージャ]] です。現在開発が進められており [http://joewing.net/about.html Joe Wingbermuehle] によって保守されています。 |
− | |||
− | JWM は通常状態で約 5 MB しかメモリを使用しません。2009年1月現在、[[公式リポジトリ]]に含まれている JWM のパッケージの容量は 76 KB を切っており ([[dwm]] は 17 KB 以下)、インストールしても 171 KB にしかなりません (dwm は 68 KB)。さらに小さくなるようにコンパイルした場合、ディスク容量は約 136 KB、常駐メモリ使用量は 1500 KB を下回ります。 |
||
== インストール == |
== インストール == |
2023年12月23日 (土) 03:58時点における版
JWM (Joe's Window Manager) は C で書かれた Xorg 向けの軽量 ウィンドウマネージャ です。現在開発が進められており Joe Wingbermuehle によって保守されています。
目次
インストール
JWM の起動
xinit プログラムを実行して X サーバーと JWM クライアントプログラムを起動してください:
$ xinit /usr/bin/jwm
もしくは、xinitrc に exec /usr/bin/jwm
を追加してください。詳しくはログイン時に X を起動を参照。
設定
設定は単一の XML ファイルで行います。パネルやボタンやシステムトレイドックの設定がカスタマイズできます。サンプル設定ファイルが /etc/system.jwmrc
にあり、これをユーザーごとの設定ファイル ~/.jwmrc
にコピーできます:
$ cp -i /etc/system.jwmrc ~/.jwmrc
このファイルを編集することで環境を作成します。利用できるタグ・属性・値の完全なリストは JWM Configuration を見て下さい。
選択タグの概要
JWM Configuration を参照。
ヒントとテクニック
<Tasklist> のコントラストの改善
デフォルトの <Tasklist>
の設定を変更することでデフォルトの <MenuStyle>
とアクティブ時の <WindowStyle>
のコントラストスタイルを調和させることができます:
<TaskListStyle><ActiveForeground>black</ActiveForeground><ActiveBackground>gray90:gray70</ActiveBackground></TaskListStyle> <TaskListStyle> <ActiveForeground>white</ActiveForeground> <ActiveBackground>#70849d:#2e3a67</ActiveBackground> </TaskListStyle>
ログアウトとリフレッシュ
<Exit/>
(Logout) は現在の X サーバーからログアウトするメニューコマンドです。
<Restart/>
(Refresh) は設定ファイルを再初期化してメニューとキーバインドを更新するメニューコマンドタグです。
<Restart/>
と <Exit/>
は以下のような記述を使うことで Ctrl+Alt
修飾キーにバインドすることができます:
<Key mask="CA" key="r">exec:jwm -restart</Key> <Key mask="CA" key="e">exec:jwm -exit</Key>
再起動とシャットダウン
systemd が入っている環境では Restart
と Poweroff
メニューオプションを使って再起動・シャットダウンできます。
<Program label="Restart">systemctl reboot</Program> <Program label="Poweroff">systemctl poweroff</Program>
もしくは、<Key>
を使ってコマンドを適当なキーにバインドしてください。
詳しくはユーザーにシャットダウンを許可を参照。
Conky
<StartupCommand>
から Conky を実行することで様々なデータを表示することが可能です (例: ノートパソコンのバッテリー残量や AC アダプタの状態)。xfdesktop が Conky と衝突することがあります。以下の方法で回避できます:
- Conky FAQ を見て
~/.conkyrc
を編集 ~/.jwmrc
で<Group>
Conky を作成して以下の<Option>
タグを指定:
<Group> <Class>Conky</Class> <Option>nolist</Option> <Option>noborder</Option> <Option>notitle</Option> <Option>sticky</Option> </Group>
最小ビルド
メニューアイコンを使わないようにしたり Xft フォントを無効化することで UI のレスポンスを少しだけ向上させることができます。さらに、カスタムビルドによって外部ライブラリのサポートを削除することで反応性が上がります。副次効果としてリソースの消費量も減ります。Xft サポートを有効にして Xft フォントを使うようにコンパイルした最小ビルドでは、常駐メモリを約 3MB、共有メモリを約 1.5 MB 使用します。Xft サポートを省いてコンパイルすると使用メモリがそれぞれ 1.5 MB 以下、約 1.2 MB になります。詳しくは Arch Build System のページを見て下さい。
PKGBUILD の例
PKGBUILD
pkgname=jwm pkgver=2.1.0 pkgrel=3 pkgdesc="A lightweight window manager for the X11 Window System" arch=('i686' 'x86_64') url="http://joewing.net/programs/jwm/" license=('GPL2') depends=('libx11') backup=('etc/system.jwmrc') source=(http://joewing.net/programs/jwm/releases/jwm-$pkgver.tar.bz2) md5sums=('e8fab21b2410eb82032b7c3472af642c') build() { cd "$srcdir/$pkgname-$pkgver" ./configure --prefix=/usr --sysconfdir=/etc --disable-fribidi \ --disable-confirm --disable-icons --disable-png \ --disable-xpm --disable-jpeg --disable-xinerama \ --disable-xft --disable-xrender --disable-debug make } package() { cd "$srcdir/$pkgname-$pkgver" make BINDIR="$pkgdir/usr/bin" MANDIR="$pkgdir/usr/share/man" \ SYSCONF="$pkgdir/etc" install }
最小フォント
<WindowStyle> -*-fixed-*-r-*-*-10-*-*-*-*-*-*-* <TaskListStyle> -*-fixed-*-r-*-*-13-*-*-*-*-*-*-* <TrayStyle> -*-fixed-*-r-*-*-13-*-*-*-*-*-*-*
- 詳しくは
xfontsel
の man ページや X Logical Font Description の記事を読んで下さい。
手動タイル
Poor Man's Tiling Window Manager を使うことで JWM にタイリングのサポートを追加することができます。manage.py
に PATH
を通すことで、様々なタイリング操作をキーに割り当てることができます。例:
<Key mask="H" key="Up">exec:manage.py swap</Key> <Key mask="H" key="Down">exec:manage.py cycle</Key> <Key mask="H" key="Left">exec:manage.py left</Key> <Key mask="H" key="Right">exec:manage.py right</Key>
トラブルシューティング
ログの確認
X が tty1
で動作していない場合、Ctrl+Alt+F1
で標準出力のエラーとメッセージを確認できます。ターミナルに出力された文字をログに記録する方法は script(1) を見て下さい。
compton を使用している場合に全てのウィンドウが透過する
~/.jwmrc
でウィンドウの透過度を設定してください:
<Inactive> <Opacity>1,0</Opacity> </Inactive>
ターミナルウィンドウが完全に最大化しない
~/.jwmrc
にグループを追加して iignore
オプションを設定してください。例:
<Group> <Class>URxvt</Class> <Option>iignore</Option> </Group>
設定の変更の確認
JWM の設定をチェックしたい場合は、次を実行してください、構文エラーがある場合は行番号付きで表示されます:
$ jwm -p