「Wake-on-LAN」の版間の差分
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{{hc|<nowiki># ethtool net0 | grep Wake-on</nowiki>|<nowiki> |
{{hc|<nowiki># ethtool net0 | grep Wake-on</nowiki>|<nowiki> |
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− | Supports Wake-on: |
+ | Supports Wake-on: pumbg |
Wake-on: d |
Wake-on: d |
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</nowiki>}} |
2021年4月16日 (金) 19:46時点における版
Wake-on-LAN (WOL) はネットワーク接続 (インターネットまたはイントラネット) からコンピュータの電源を入れる機能です。
ハードウェア設定
Wake-on-LAN を使うにはコンピュータのマザーボードや NIC が Wake-on-LAN をサポートしている必要があります。無線カードは Wake-on-LAN をサポートしていないため、ルーターや他のコンピュータに物理的に (ケーブルで) 接続しなくてはなりません。
また、Wake-on-LAN 機能は PC の BIOS で有効にする必要があります。マザーボードのメーカーによって Wake-on-LAN 機能には様々な名前がつけられています。"PCI Power up" や "Allow PCI wake up event"、あるいは "Boot from PCI/PCI-E" というような単語を追って下さい。
一部のマザーボードには厄介なバグが存在し、BIOS で WoL が有効にされている限りシャットダウン後すぐに(またはランダムに)コンピュータが起動するという問題を引き起こすことがあります。
ソフトウェア設定
ハードウェアによっては、ネットワークドライバーによって WOL がデフォルトでオフになっていることがあります。WOL の状態を確認したり、設定を変更するために、ethtool をインストールして下さい。
次のコマンドを使ってネットワークデバイスの状態を確認します:
# ethtool net0 | grep Wake-on
Supports Wake-on: pumbg Wake-on: d
上記の値はどのアクティビティが動作するかを定義しています: d
(無効), p
(PHY アクティビティ), u
(ユニキャストアクティビティ), m
(マルチキャストアクティビティ), b
(ブロードキャストアクティビティ), a
(ARP アクティビティ), g
(マジックパケットアクティビティ)。WOL を使うには g
が必要です。
ドライバーの WOL 機能を有効化するには:
# ethtool -s net0 wol g
上記のコマンドは再起動してしまうと効果を失ってしまうため、何らかの方法で自動的に実行されるようにする必要があります。以下のサブセクションに一般的な方法を載せています。
netctl を使う
netctl を使う場合、以下の設定を netctl のプロファイルに追加することで永続化させることができます:
/etc/netctl/profile
ExecUpPost='/usr/bin/ethtool -s net0 wol g'
systemd.link を使う
systemd を使うことでリンクレベルの設定ができます。実際の設定は systemd に組み込まれている net_setup_link
udev によって行われます。ネットワークリンクファイルに WakeOnLan
オプションを追加してください:
/etc/systemd/network/50-wired.link
[Link] WakeOnLan=magic ...
詳しくは systemd-networkd#link ファイルや man systemd.link
を参照。
systemd サービスを使う
上述の systemd.link
オプションと同じ効果がありますが、スタンドアロンの systemd サービスを使っています。
/etc/systemd/system/wol@.service
[Unit] Description=Wake-on-LAN for %i Requires=network.target After=network.target [Service] ExecStart=/usr/bin/ethtool -s %i wol g Type=oneshot [Install] WantedBy=multi-user.target
もしくは wol-systemdAUR パッケージをインストールして下さい。
その後 wol@interface.service
を起動することで新しいサービスを有効にして下さい。
udev を使う
udev を使うことでデバイスが認識されたときにコマンドを実行することができます。以下のルールは enp*
にマッチする全てのネットワークインターフェースで WOL を有効にします:
/etc/udev/rules.d/99-wol.rules
ACTION=="add", SUBSYSTEM=="net", NAME=="enp*", RUN+="/usr/bin/ethtool -s $name wol g"
$name
はマッチしたデバイスの NAME
変数の値に置き換えられます。
cron を使う
crontab で "@reboot" を使うことでコンピュータを起動するたびにコマンドを実行させることができます。まず、cron をインストールして、それから root ユーザーの crontab を編集して以下の行を記述して下さい:
@reboot /usr/bin/ethtool -s [net-device] wol g
NetworkManager
バージョン 1.0.6 から NetworkManager には Wake-on-LAN の制御が追加されました [1]。nmcli を使ってマジックパケットで Wake-on-LAN を有効にできます。
まず、有線接続の名前を検索してください:
# nmcli con show
NAME UUID TYPE DEVICE wired1 612e300a-c047-4adb-91e2-12ea7bfe214e 802-3-ethernet enp0s25
Wake-on-LAN の現在の設定は以下のようにして確認できます:
# nmcli c show "wired1" | grep 802-3-ethernet.wake-on-lan
802-3-ethernet.wake-on-lan: default 802-3-ethernet.wake-on-lan-password: --
マジックパケットを使って Wake-on-LAN を有効にするには:
# nmcli c modify "wired1" 802-3-ethernet.wake-on-lan magic
設定したら再起動してください。設定を有効にするには再起動が2回必要な場合があります。
バージョン 1.2.0 から nm-connection-editor を使ってグラフィカルに Wake-on-LAN の設定を変えることも可能です。
電源の投入
マシンの WOL を実行するには、マシンの MAC アドレスと外部・内部 IP が必要です。
コンピュータの内部 IP アドレスと MAC アドレスを取得するには、次のコマンドを実行:
$ ip addr
1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN group default link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00 inet 127.0.0.1/8 scope host lo valid_lft forever preferred_lft forever inet6 ::1/128 scope host valid_lft forever preferred_lft forever 2: enp1s0: <BROADCAST,MULTICAST,PROMISC,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc fq_codel master br0 state UP group default qlen 1000 link/ether 48:05:ca:09:0e:6a brd ff:ff:ff:ff:ff:ff inet 192.168.1.20/24 brd 192.168.1.255 scope global br0 valid_lft forever preferred_lft forever inet6 fe80::6a05:caff:fe09:e6a/64 scope link valid_lft forever preferred_lft forever
上記の場合、内部 IP アドレスは 192.168.1.20
で MAC アドレスは 48:05:ca:09:0e:6a
です。
WOL を実行するためにマジックパケットを送信できるプログラムとして wol が存在します。
同一の LAN 上にある場合
ネットワークケーブルによって他のコンピュータと直接接続している場合、または LAN の中の通信がファイアウォールで遮断されていない場合、ポートのリダイレクトについて考える必要がないため簡単に Wake-on-LAN を使うことができます。
一番シンプルなケース、デフォルトのブロードキャストアドレス 255.255.255.255
を使用:
$ wol target_MAC_address
特定のサブネットやホストにだけマジックパケットを送信するには、-i
スイッチを使用:
$ wol -i target_IP target_MAC_address
インターネットを経由する
送信元と送信先のコンピュータがルーターで区切られている場合、ポートフォワーディングによって Wake-on-LAN を使うことができます。
2つの方法が考えられます:
- 別のポートを送信先のマシンに転送するようにルーターを設定 (LAN 上で送信先のマシンに固定 IP アドレスを割り当てる必要があります)。
- 特定のポートをブロードキャストアドレスに転送するようにルーターを設定 (ルーターによっては設定できない場合があります)。
どちらの場合でも電源を投入するには以下のコマンドを実行します:
$ wol -p forwarded_port -i router_IP target_MAC_address
ポートをブロードキャストアドレスに転送する
ほとんどのルーターはブロードキャストアドレスへの転送を設定できませんが、ルーターにシェルでアクセスすることができれば以下のコマンドで転送させることができます (192.168.1.0/24 と net0 はネットワークに合わせて適切なアドレス・インターフェイスに置き換えてください):
$ ip neighbor add 192.168.1.254 lladdr FF:FF:FF:FF:FF:FF dev net0
上記のコマンドで UDP のポート 9 は 192.168.1.254 に転送されるようになります。Tomato ファームウェアの Linksys WRT54G や Verizon FIOS ActionTec ルーターで上手く行くことを確認済みです。
DD-WRT ルーターで設定する方法については こちらのチュートリアル を見てください。
その他
バッテリーが食われる問題
ノートパソコンによってはシャットダウン後にバッテリーを消費する問題が存在します [2]。WOL が有効になっているのが原因です。問題を解決するには、ethtool を使って無効化して下さい:
# ethtool -s net0 wol d
WOL サンプルスクリプト
以下は複数のマシンで自動的に WOL を使うスクリプトです:
#!/bin/bash # definition of MAC addresses monster=01:12:46:82:ab:4f chronic=00:3a:53:21:bc:30 powerless=1a:32:41:02:29:92 ghost=01:1a:d2:56:6b:e6 while true; do echo "Which PC to wake?" echo "p) powerless" echo "m) monster" echo "c) chronic" echo "g) ghost" echo "b) wake monster, wait 40sec, then wake chronic" echo "q) quit and take no action" read input1 case $input1 in p) /usr/bin/wol $powerless ;; m) /usr/bin/wol $monster ;; c) /usr/bin/wol $chronic ;; g) # this line requires an IP address in /etc/hosts for ghost # and should use wol over the internet provided that port 9 # is forwarded to ghost on ghost's router /usr/bin/wol -v -h -p 9 ghost $ghost ;; b) /usr/bin/wol $monster echo "monster sent, now waiting for 40sec then waking chronic" sleep 40 /usr/bin/wol $chronic ;; Q|q) echo "later!" break ;; esac done echo "this is the (quit) end!! c-ya!"
トラブルシューティング
シャットダウン後にコンピュータが起動する
一部のマザーボードには厄介なバグが存在し、BIOS で WoL が有効にされている限りシャットダウン後すぐに(またはランダムに)コンピュータが起動するという問題を引き起こすことがあります (このスレッドなどを参照)。
BIOS の設定を変更して修正する
次の設定を BIOS で変更すると、いくつかのマザーボードでは問題が解決することがあります。
- USB の設定に関する "xHCI" を全て無効化する (これは起動時の USB 3.0 を無効にしてしまいます)。
- EuP 2013 がオプションとして存在する場合に無効化する。
- (任意) キーボードによる WOL を有効化する。
カーネルの quirks を使用して修正する
次の文をカーネルのブートパラメーターに追加することでも問題を解決できます: xhci_hcd.quirks=270336
これは次の quirks を有効にします:
XHCI_SPURIOUS_REBOOT
XHCI_SPURIOUS_WAKEUP
Realtek
Realtek 8168 8169 8101 8111(C) が搭載された NIC (カード/オンボード) を使っている場合、起動時に NIC が無効になってしまって接続ランプが灯らないことがあります。ネットワーク設定#Realtek が使えない / WOL の問題を見て下さい。
MSI B85M-E45 マザーボード (BIOS バージョン V10.9) のオンボードチップセット Realtek 8111G では、コンピュータの電源が切れているときにネットワークスイッチのリンクライトは光っているのに Wake-on-LAN が機能しない場合、一度 r8168 カーネルモジュールを使ってシステムを起動してから、カーネルに組み込まれている r8169 に戻すことで問題が解決する場合があります。
サスペンド/復帰
TLP を使っている場合に、サスペンド・ハイバネート後にコンピュータが立ち上がらないときは /etc/default/tlp
で WOL_DISABLE
の値を N
に設定してください。