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以下の方法を使って ''marco'' ウィンドウマネージャを他のウィンドウマネージャに置き換えることが可能です: |
以下の方法を使って ''marco'' ウィンドウマネージャを他のウィンドウマネージャに置き換えることが可能です: |
2022年8月12日 (金) 16:40時点における版
MATE のホームページ より:
- MATE デスクトップ環境は GNOME2 のフォークであり、伝統的なやり方を好む Linux ユーザーに魅力的で直感的なデスクトップを提供します。新しい技術をサポートしつつ伝統的なデスクトップを維持するために MATE は活発に開発されています。
目次
- 1 インストール
- 2 MATE を起動
- 3 設定
- 4 ヒントとテクニック
- 4.1 コンポジットを無効にする
- 4.2 新規ウィンドウを中央に置かないようにする
- 4.3 ウィンドウのスナップを無効にする
- 4.4 最大化されたウインドウで装飾を表示しない
- 4.5 デスクトップアイコンを表示・隠す
- 4.6 別のウィンドウマネージャを使う
- 4.7 Caja にデスクトップを管理させないようにする
- 4.8 ウィンドウのボタンの順番を変更する
- 4.9 ドライブをマウントしたらファイルマネージャを自動で開くのを止める
- 4.10 スクリーンセーバー
- 4.11 Caja の空間モード
- 4.12 フォントの DPI 設定を変更
- 4.13 アプリケーションメニューのアイコンを変更
- 4.14 パネルの速度設定
- 4.15 caja-open-terminal で使用するターミナルを設定
- 5 トラブルシューティング
- 6 参照
インストール
MATE は公式リポジトリから使うことができ以下のパッケージからインストールできます:
- mate グループには標準的な MATE を使うのに必要なコアのデスクトップ環境が含まれています。
- mate-extra グループには MATE デスクトップと統合された追加のユーティリティ・アプリケーションが含まれています。mate-extra グループをインストールするだけでは依存として mate グループ全体がインストールされることはありません。全ての MATE パッケージをインストールしたい場合は、両方のパッケージをインストールする必要があります。
基本的なデスクトップは marco, mate-panel, mate-session-manager で構成されます。
MATE のアプリケーション
MATE は主に GNOME2 のアプリケーションとユーティリティで構成されており、GNOME 3 のアプリケーションとの衝突を避けるためにフォークされて名前が変更されています。以下は MATE で名前が変更された GNOME のアプリケーションの一覧です。
アプリケーション | GNOME 2 | MATE |
---|---|---|
メニューエディタ | Alacarte | mozo |
ファイルマネージャ | Nautilus | caja |
ウィンドウマネージャ | Metacity | marco |
テキストエディタ | Gedit | pluma |
画像ビューア | Eye of GNOME | Eye of MATE (eom) |
ドキュメントビューア | Evince | atril |
アーカイブマネージャ | File Roller | engrampa |
GNOME の名を冠した他のアプリケーションや主要なコンポーネント (GNOME Panel, GNOME Menus など) はそのまま GNOME を MATE に変えられています (MATE Panel, Mate Menus など)。
追加の MATE パッケージ
以下は MATE コミュニティによって作成・管理されている非公式の MATE アプリケーションで、mate や mate-extra グループには含まれていません。
- Dock Applet — MATE パネルのアプリケーションドック。
- Online Radio Applet — ワンクリックで好きなネットラジオを再生することができる MATE パネルアプレット。
- MATE Menu — MATE パネル用の先進的なメニュー。MintMenu のフォーク。
- MATE Tweak — MATE の設定ツール。mintDesktop のフォーク。
- BriskMenu — SolusOS ディストリビューションの MATE デスクトップ環境用の新しい効率的なメニュー。
また、Caja の高度な機能を活用するためにインストールする必要があるパッケージもあります。ファイルマネージャの機能を参照。
MATE を起動
ディスプレイマネージャのメニューから MATE を選んでください。
あるいは、startx で MATE を起動させるには、~/.xinitrc
ファイルに exec mate-session
を追加してください。logind セッションの保存などの詳細は xinitrc を見てください。
設定
MATE の設定は Control Center アプリケーション (mate-control-center) から行うことができます。このアプリケーションは mate-control-center パッケージに入っています。ハードウェアを管理したい場合、追加でツールをインストールする必要があります。
- オーディオ
- mate-media パッケージは ALSA と PulseAudio バックエンドをサポートしています。
- Bluetooth
- Bluetooth 端末のサポートが必要な場合、blueman パッケージをインストールしてください。Blueman を参照。
- ネットワーク
- ネットワークを設定したい場合、network-manager-applet パッケージをインストールしてください。NetworkManager を参照。
- 電源管理
- mate-power-manager パッケージは UPower バックエンドをサポートしています。
- プリンター
- プリンターを設定したい場合、system-config-printer パッケージをインストールしてください。
アクセシビリティ
MATE は視覚や身体に障害を持つ人も使用することができます。orca や espeakAUR (目が見えない人のためのスクリーンリーダー)、そして onboard (身体に障害を持つ人のためのオンスクリーンキーボード) をインストールしてください。
そして MATE を起動する前にアクセシビリティ機能が必要なユーザーで次のコマンドを実行してください:
$ gsettings set org.mate.interface accessibility true
MATE を再起動すれば、System > Preferences > Assistive Technologies でアクセシビリティアプリケーションを設定できるようになります。しかし、Orca が必要な場合、文章の読み上げ機能を使うには Alt-F2
から Orca を実行する必要があります。
通知
- バッテリーの放電
バッテリー使用時の通知を無効にするには:
$ gsettings set org.mate.power-manager notify-discharging false
- 輝度
バックライト#カーネルコマンドラインオプションを見てください。
ヒントとテクニック
コンポジットを無効にする
コンポジットはデフォルトで有効になっています。無効化するには、システム設定の ルック&フィール > ウインドウ > コンポジットマネージャ を開き、ソフトウェアコンポジットのウインドウ・マネージャを有効にする の横にあるチェックを解除してください。あるいは、以下をターミナルから実行することでも可能です:
$ gsettings set org.mate.Marco.general compositing-manager false
新規ウィンドウを中央に置かないようにする
デフォルトでは、新規ウインドウは中央に配置されます。新規ウインドウを中央に配置しないようにするには、システム設定の ウインドウ > 場所 を開き、新規ウインドウを中央に配置する の横にあるチェックを解除してください。あるいは、以下をターミナルから実行することでも可能です:
$ gsettings set org.mate.Marco.general center-new-windows false
ウィンドウのスナップを無効にする
ウインドウスナップはデフォルトで有効になっています。無効にするには、システム設定の ウインドウ > 場所 を開き、ウインドウのタイルを有効にする の横にあるチェックを解除してください。あるいは、以下をターミナルから実行することでも可能です:
$ gsettings set org.mate.Marco.general allow-tiling false
最大化されたウインドウで装飾を表示しない
最大化されたウインドウで装飾を表示させないようにするには、mate-tweakAUR ツールを使ってください。インストール後に、システム設定の ルック&フィール > MATE Tweak > ウインドウ を開き、ウインドウの挙動 セクションにある 最大化されたウインドウを装飾しない を有効化してください。
デスクトップアイコンを表示・隠す
デフォルトで、MATE はデスクトップに複数のアイコンを表示します: デスクトップディレクトリの中身、コンピュータ、ホーム、ネットワークディレクトリ、ゴミ箱、マウントされたデバイス。gsettings
を使ってアイコンを個別に、もしくはまとめて表示・隠すことができます。
全てのデスクトップアイコンを隠す
$ gsettings set org.mate.background show-desktop-icons false
これにより2番目のモニターにグラフィックの問題が発生するかもしれません。
個々のアイコンを隠す
コンピューターのアイコンを隠す:
$ gsettings set org.mate.caja.desktop computer-icon-visible false
ユーザーディレクトリのアイコンを隠す:
$ gsettings set org.mate.caja.desktop home-icon-visible false
ネットワークのアイコンを隠す:
$ gsettings set org.mate.caja.desktop network-icon-visible false
ゴミ箱のアイコンを隠す:
$ gsettings set org.mate.caja.desktop trash-icon-visible false
マウントボリュームのアイコンを隠す:
$ gsettings set org.mate.caja.desktop volumes-visible false
逆にアイコンを表示させるには false
を true
に置き換えてください。
別のウィンドウマネージャを使う
以下の方法を使って marco ウィンドウマネージャを他のウィンドウマネージャに置き換えることが可能です:
- gsettings を使う (推奨)
以下のコマンドを実行して MATE で使うウィンドウマネージャを指定してください:
$ gsettings set org.mate.session.required-components windowmanager WMの名前
- MATE セッションの自動起動を使う
mate-session-properties を使ってウィンドウマネージャを自動起動させることができます。自動起動されたウィンドウマネージャがログイン時にデフォルトになっていたウィンドウマネージャを置き換えます。システム メニューを開いて、設定 メニューまで行き 自動起動するアプリ をクリックしてください。ダイアログで 追加 をクリックして名前とコメントを入力して次のような形式でコマンドを追加してください: wm-name --replace
。
Caja にデスクトップを管理させないようにする
Caja にデスクトップを管理させないようにするには以下を実行してください:
$ gsettings set org.mate.background show-desktop-icons false $ killall caja # セッションマネージャによって Caja が再起動されます
ウィンドウのボタンの順番を変更する
グラフィカルの dconf-editor を使うか gsettings コマンドラインツールを使って変更してください:
$ gsettings set org.mate.Marco.general button-layout 'close,maximize,minimize:'
menu, close, minimize, maximize をお望みの順番でカンマで区切って指定してください。コロンはウィンドウのタイトルになります (変更を適用するのに必要です)。
ドライブをマウントしたらファイルマネージャを自動で開くのを止める
デフォルトで、ドライブがマウントされたとき MATE は新しいファイルマネージャのウィンドウを自動で開きます。これを無効にするには、gsettings で以下のキーを変更してください:
$ gsettings set org.mate.media-handling automount-open false
自動マウントを無効化するには:
$ gsettings set org.mate.media-handling automount false
スクリーンセーバー
MATE は mate-screensaver を使ってセッションをロックします。デフォルトでは限られた数のロック画面しか使うことができません。もっと多くのロック画面を使うには、mate-screensaver-hacksAUR パッケージをインストールしてください。これで mate-screensaver で Xscreensaver のロック画面を使えるようになります。
Caja の空間モード
新しいフォルダは新しいウィンドウで開くようにするには (空間モード)、Caja の設定ダイアログを開いて、'動作' タブをクリックして '各フォルダーをそれぞれ別のウインドウで開く' オプションにチェックを入れて下さい。もしくは、以下のコマンドを実行することでも同じ設定が行われます:
$ gsettings set org.mate.caja.preferences always-use-browser false
フォントの DPI 設定を変更
デスクトップを右クリックして 背景の変更 > フォント > 詳細 > 解像度 を選択することで MATE におけるフォントの DPI (dots per inch) を変更することができます。
アプリケーションメニューのアイコンを変更
デフォルトでは、アプリケーションメニューのアイコンは start-here
に設定されています。別のアイコンを使いたい場合、アイコンを /usr/local/share/pixmaps
などのフォルダにコピーして次のコマンドを実行してください:
$ gsettings set org.mate.panel.menubar icon-name icon
icon はアイコンの名前に置き換えて下さい。アイコンの名前にファイルの拡張子を含めてはいけません。最後に、MATE Panel を再起動してください。
パネルの速度設定
- 表示が出たり消えるときの時間
自動的に隠すようにしている場合にパネルが消えたり現れたりするのにかかる時間を調整したい場合、次のコマンドを実行:
$ dconf write /org/mate/panel/toplevels/panel/(un)hide-delay time
panel は top か bottom に、time はミリ秒の値に置き換えて下さい (例: 300)。
- アニメーション速度
パネルのアニメーションの速度を設定したい場合、次を実行:
$ dconf write /org/mate/panel/toplevels/panel/animation-speed value
panel は top か bottom に value は "'fast'"
, "'medium'"
, "'slow'"
のどれかに置き換えて下さい。
caja-open-terminal で使用するターミナルを設定
caja-open-terminal
拡張は GSettings を使って使用するターミナルを決定します。デフォルトは mate-terminal です。使用するターミナルを変更するには、以下のコマンドを実行してください:
$ gsettings set org.mate.applications-terminal exec my-terminal
my-terminal は実行したいターミナルの実行ファイルの名前に置き換えてください。例: xterm。
トラブルシューティング
コンポジットの切り替え
nvidia のプロプライエタリドライバーとコンポジット型ウィンドウマネージャを使用している環境では、ソフトウェアのグラフィックレンダリングに問題が発生することがあります。
コンポジット機能を簡単に切り替えられるようにしたい場合、以下のスクリプトをホームディレクトリのどこかに保存してください、例: ~/.scripts/compositing.sh
:
~/.scripts/compositing.sh
#!/bin/sh if [ "$(gsettings get org.mate.Marco.general compositing-manager)" = "true" ] then gsettings set org.mate.Marco.general compositing-manager false else gsettings set org.mate.Marco.general compositing-manager true fi
そしてこのファイルを実行するカスタムキーボードショートカットを作成してください。例: Ctrl+Alt+C
で sh ~/.scripts/compositing.sh
を実行。
コンポジットの垂直同期
Mate のウィンドウマネージャである marco は DRI3/Xpresent によってちらつきを抑えるソフトウェアコンポジットをサポートしています [1]。
グラフィックドライバーが DRI3 をサポートしていない場合 (例: NVIDIA のプロプライエタリドライバー)、marco は OpenGL による垂直同期をサポートしていません。そのためコンポジットを有効にするとティアリングが発生することがあります [2]。その場合は Picom など OpenGL をサポートしている別のコンポジットマネージャを使用してみてください。
カーソルテーマの修正
カーソルテーマ#デスクトップ環境 を見てください。
LightDM でグラデーション背景を使う
LightDM から MATE にシームレスな移行ができるように、デフォルトの MATE (1.8) の Stripes 壁紙を LightDM の背景としても使いたい場合、MATE がグレイスケール PNG から動的に作成することがわかり、それを LightDM がサポートしていないということが判明するでしょう。どうしても使いたい場合、/org/mate/desktop/background/show-desktop-icons
を一時的に false
を設定して、System Tools
メニューの dconf-editor
ツールを使うか、Alt-F2 を押して出る Run Application
から以下を実行してください:
$ gsettings set org.mate.background show-desktop-icons false
そしてダイアログから killall mate-panel
を実行してパネルが再度表示される前に Print Screen
を押します。LightDM にピッタリ合う画面サイズの PNG を保存する Save As
ダイアログが表示されます。その後、もう一度デスクトップアイコンを表示させるために次を実行してください:
$ gsettings set org.mate.background show-desktop-icons true
パネルの影の有効化
競合状態があるために、コンポジットを有効にしても、MATE デスクトップにログインした後にパネルの影は表示されません [3]。
/usr/share/applications/marco.desktop
をコピーして遅延時間を追加してください:
~/.local/share/applications/marco.desktop
X-MATE-Autostart-Phase=Applications X-MATE-Autostart-Delay=2 X-MATE-Provides=windowmanager X-MATE-Autostart-Notify=true
効果がない場合は、遅延時間を増やしてください。
タスクバーのスクロールを無効化
MATE のパネルのウィンドウリストでは、マウスやタッチパッドを使ってウィンドウをスクロールすることができます。この機能は時には迷惑であったり、あるいは誤ってウィンドウをスクロールしてしまう可能性もあります。
MATE の設定からこの機能を無効化することはできませんが、Arch Build System を使って libwnck3 にパッチをあてることで無効化することが可能です。その場合、こちらの パッチ を使って libwnck3 をリビルドしてください。パッチを適用してパッケージをリビルドする方法の詳細は ABS でパッチを適用#パッチの適用を参照。
at-spi-registryd によってログアウトやシャットダウンが遅くなる
ログアウトやシャットダウン時に、A program is still running: at-spi-registryd.desktop
というポップアップが表示されることがあります。at-spi-registryd を起動しないようにすることでポップアップを回避できます。GTK+#accessibility bus に関する警告を表示させないを見てください。ただしアクセシビリティの機能に影響があるかもしれません。
Caja のテキストファイルプレビュー
GTK 3 への移行後、この機能は動作していません[4]。
GTK 2 アプリケーションがデフォルトの MATE テーマを適用しない
mate-themes のテーマは、GTK2 のテーマを適切に機能させるために任意の依存パッケージである gtk-engines と gtk-engine-murrine を必要とします。
CSD アプリケーションに余分な装飾が付く
ウインドウの最大化を解除すると、余分な装飾が CSD アプリケーション(Firefox, Visual Studio Code...)に現れることがあります。[5]
mate-netbook をアンインストールすることでこの問題は解決します。
キーボードレイアウトセレクタ
複数のキーボードレイアウトを有効化していると、システムトレイにレイアウト選択のアイコンが表示されます。バグ([6]) により、現在使用しているテーマによっては、明るい背景に白いフォントでアイコンが表示されることが時々あります(または、緑のフォントなどのように読みにくい状態になります)。
この問題はフォントの色を手動で設定することで回避できます(例: 黒色の '0 0 0'
):
$ gsettings set org.mate.peripherals-keyboard-xkb.indicator foreground-color '0 0 0'
参照
- MATE ホームページ
- MATE wiki の Arch Linux
- MATE デスクトップスクリーンショット
- The MATE Desktop Environment - MATE に関する Arch Linux フォーラムの議論