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引数を手動で設定する代わりに、設定マネージャーを使用して、単純な設定から自動的に bubblewrap を構成できます。 |
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{{App|Crabjail|Simple bubblewrap launcher|https://codeberg.org/crabjail/crabjail|}} |
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2023年2月22日 (水) 22:11時点における版
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bubblewrap は Flatpak から発展した軽量な setuid サンドボックスアプリケーションです。インストール容量が小さくリソース要件は最小限です。アプリケーションパッケージ自体は bubblewrap と呼ばれますが、実際の実行バイナリや man ページで使われている名前は bwrap(1) です。bubblewrap は将来的に Tor Browser (Linux 版) の サンドボックス機構 として使われることが期待されています。特徴として cgroup/IPC/マウント/ネットワーク/PID/ユーザー/UTS 名前空間や seccomp フィルタリングをサポートしています。bubblewrap はサンドボックス内の全てのケイパビリティを破棄して子タスクが親以上の権限を得られないようにします。ファイルパスベースのブラックリストやホワイトリストは対応していません。
目次
インストール
bubblewrap または bubblewrap-gitAUR をインストールしてください。
設定
bubblewrap はコマンドラインから直接起動したり、複雑なラッパー に含まれる シェルスクリプト で呼び出すことができます。サンドボックス内の /var
や /etc
を自動的に読み取り専用に設定する Firejail などのアプリケーションと違って、bubblewrap はそのような操作を行いません。サンドボックス化したいアプリケーションにあわせてどのような設定オプションを指定するかはユーザー次第です。setuid 特権で実行された場合でも bubblewrap は自動的にユーザー名前空間を作成しないので $HOME
や $USER
などの環境変数を利用することが可能です。
strace をダウンロードして、サンドボックス化しようとしているプログラムがどのファイルにアクセスする必要があるかを確認することを強くお勧めします。
bubblewrap の設定マネージャー
引数を手動で設定する代わりに、設定マネージャーを使用して、単純な設定から自動的に bubblewrap を構成できます。
Bubblejail — リソースベースのパーミッションモデルを備えた bubblewrap ベースのサンドボックス (パーミッションを微調整するための GUI を提供)
Crabjail — Simple bubblewrap launcher
使用例
bubblewrap の使用例については、Bubblewrap/例 を参照してください。
また bubblewrap を一般的なアプリケーションに使用する方法を示すさまざまなプロジェクトがあります。
No-op
以下のように何もせずに bubblewrap を呼び出すことができます:
$ bwrap --dev-bind / / bash
サンドボックスの外のように振る舞う bash プロセスが生成されます。サンドボックス化したプログラムがおかしくなってしまう場合、上記の no-op から段々と設定をセキュアにしていくことができます。
Bash
シンプルな Bash のサンドボックスを作成:
- 利用可能なカーネル名前空間を確認:
$ ls /proc/self/ns cgroup ipc mnt net pid user uts
$ bwrap --ro-bind / / --unshare-user --uid 256 --gid 512 bash bash-4.4$ id uid=256 gid=512 groups=512,65534(nobody) bash-4.4$ ls -l /usr/bin/bash -rwxr-xr-x 1 nobody nobody 811752 2017-01-01 04:20 /usr/bin/bash
トラブルシューティング
X11 を使う
ホストの X11 ソケットを別の X11 ソケットにバインドマウントしても上手く行かないことがあります:
--bind /tmp/.X11-unix/X0 /tmp/.X11-unix/X8 --setenv DISPLAY :8
ホストの X11 ソケットをサンドボックス内の同じソケットにバインドマウントすることで解決します:
--bind /tmp/.X11-unix/X0 /tmp/.X11-unix/X0 --setenv DISPLAY :0
X11 のサンドボックス化
bwrap はアプリケーションをサンドボックス化するための素晴らしい隔離機能を備えていますが、X11 ソケットにアクセスできてしまえば簡単に離脱することができます。X11 にはアプリケーション間の分離が存在しないためセキュリティ的に危険です。サンドボックスから X サーバーにアクセスできないようにする方法として Wayland コンポジタに切り替える方法があります。
また、xpra や xephyr を使って新しい X11 環境で実行させるという方法もあります。この方法で bwrap を使うこともできます。
X11 の隔離化をテストするには、xinput test <id>
を実行してください (<id> は xinput list
で確認できるキーボード ID に置き換えてください)。X11 が分離化されていない場合、X11 にアクセスできるアプリケーションはキーロガーのように他のアプリケーションのキーボード入力を盗聴することができてしまいます。
ラッピングしたアプリケーションから URL を開く
ラッピングした IRC やメールクライアントで URL を開くと、起動するブラウザプロセスも同じサンドボックス内で動作します。アプリケーションの分離が強固な場合、うまく機能しないことがあります。Firejail では ラッピングしたアプリケーションにブラウザと同じ権限を与える ことで解決しますが、パーミッションがゆるくなってしまいます。
開いた URL をサンドボックスの外と通信するほうが良手です。以下のように snapd-xdg-open
を使ってください:
- snapd-xdg-open-gitAUR をインストール
bwrap
コマンドラインで以下を追加:
$ bwrap ... \ --ro-bind /run/user/$UID/bus /run/user/$UID/bus \ --ro-bind /usr/lib/snapd-xdg-open/xdg-open /usr/bin/xdg-open \ --ro-bind /usr/lib/snapd-xdg-open/xdg-open /usr/bin/chromium \ ...
/usr/bin/chromium
のバインドは Mozilla Thunderbird など XDG に準拠していないプログラムでのみ必要です。
新規セッション
TIOCSTI にはサンドボックスから脱出できるセキュリティ問題が存在します (CVE-2017-5226)。この問題に対応するために、bubblewrap には setsid() を呼び出す新しいオプション '--new-session' が追加されています。ただしこのオプションはときとして扱いにくい挙動上の問題を起こすことがあります。例えば bwrap コマンドでシェルのジョブ制御が機能しなくなります。
可能であればオプションを使用することが推奨されていますが、そうでない場合は別の方法で問題を解決することが推奨されます。例えば flatpak は SECCOMP を使用します: https://github.com/flatpak/flatpak/commit/902fb713990a8f968ea4350c7c2a27ff46f1a6c4
ネストされた名前空間
Chromium などの特定のアプリケーションは、suid ヘルパーファイルを使って独自のサンドボックス環境をすでに実装しています。この仕組みは、bubblewrap container 内で実行されるとブロックされます。
1つの解決策は、アプリケーションに bubblewrap によって作成された名前空間を使用させることです。これは zypakAUR によって実現できます。これは flatpak でも使われていて、追加の名前空間の中で電子ベースのアプリを実行します。Chromium/Electron で zypak を使用する方法を示すサンプルコードは [1] で見ることができます。