「SLiM」の版間の差分
Kusakata.bot (トーク | 投稿記録) 細 (文字列「http://sourceforge.net/」を「https://sourceforge.net/」に置換) |
細 (フィンランド語を追加) |
||
3行目: | 3行目: | ||
[[en:SLiM]] |
[[en:SLiM]] |
||
[[es:SLiM]] |
[[es:SLiM]] |
||
+ | [[fi:SLiM]] |
||
[[fr:SLiM]] |
[[fr:SLiM]] |
||
[[hu:SLiM]] |
[[hu:SLiM]] |
2020年10月6日 (火) 03:49時点における版
関連記事
SLiM は Simple Login Manager の頭文字から名付けられました。SLiM は軽量で、設定が容易です。SLiM は最小限の依存しか要求せず、 GNOME や KDE デスクトップ環境は不要です。そのため、たとえば Xfce や Openbox, Fluxbox などの軽量なデスクトップを好むユーザーのためのシステムにも適しています。
目次
- 1 インストール
- 2 設定
- 3 他のオプション
- 3.1 カーソルを変更する
- 3.2 SLiM とデスクトップの壁紙を同じにする
- 3.3 SLiM からのシャットダウン・再起動・サスペンド・終了・ターミナルの起動
- 3.4 Splashy でのパワーオフエラー
- 3.5 パワーオフのトレイアイコンが使えない
- 3.6 SLiM のログイン情報
- 3.7 カスタム SLiM ログインコマンド
- 3.8 SLiM と Gnome Keyring
- 3.9 SLiM で DPI を設定
- 3.10 テーマをランダムに使う
- 3.11 全てのセッションを他の VT に移動する
- 3.12 暗号化した /home をログイン時に自動でマウントする
- 3.13 キーボードレイアウトの変更
- 4 全ての Slim オプション
- 5 アンインストール
- 6 既知の問題
- 7 参照
インストール
設定
1.3.6-2 バージョンで、 SLiM はインストール済みのデスクトップ環境とウインドウマネージャを自動的に認識するようになりました。このことは、/etc/slim.conf
の中の sessiondir /usr/share/xsessions/
に記載されています。したがって、それ以前のバージョンの SLiM をインストールしている方は、/etc/slim.conf
と ~/.xinitrc
を修正する必要があります。
.xinitrc ファイル
もし ~/.xinitrc
ファイルがまだないようであれば、nano や然るべきテキストエディタ(例えば Leafpad や Geany)で、ファイルを作成しましょう。あるいは以下のようにして、スケルトンファイルをテンプレートとして使用することができます。
$ cp /etc/skel/.xinitrc ~
まだであれば、 ~/.xinitrc
ファイルに実行可能権限を与えましょう。
chmod +x ~/.xinitrc
SLiM を有効にする
SLiM デーモンを有効にするには次のコマンドを実行します: systemctl enable slim.service
。この前提として、すでにインストールして有効にしてあるディスプレイマネージャがあればそれをまず無効化しておくか、systemctl enable slim.service -f
を実行して既存のディスプレイマネージャを無効にすると同時に SLiM を有効にしましょう。
単一のデスクトップ環境
SLiM バージョン 1.3.6-2 以降を設定して特定の環境をロードするには、/etc/slim.conf
と ~/.xinitrc
の両方を編集する必要があります。
まず、/etc/slim.conf
を編集して sessiondir /usr/share/xsessions/
をコメント化します。そうすると、インストール済み環境の自動認識が無効になります。
# Set directory that contains the xsessions. # slim reads xsesion from this directory, and be able to select. # sessiondir /usr/share/xsessions/
つぎに、~/.xinitrc
を編集して、お望みのセッションを指定します。
#!/bin/sh # # ~/.xinitrc # # Executed by startx (run your window manager from here) # exec <session-command>
<session-command>
をお望みのセッションのコマンドに置き換えてください。例えば以下のように:
exec awesome exec dwm exec startfluxbox exec fvwm2 exec gnome-session exec openbox-session exec startkde exec startlxde exec startxfce4 exec enlightenment_start exec mate-session
以上のそれぞれのデスクトップ環境やウインドウマネージャの詳細な解説は、この Wiki のそれぞれの記事を参照してください。
複数のデスクトップ環境
複数のデスクトップ環境を選択可能なようにするには、 /etc/slim.conf
と ~/.xinitrc
を修正します。1.3.6-2 以前の SLiM にも適用可能です。
まず /etc/slim.conf
を編集して、 sessiondir /usr/share/xsessions/
があることを確認し、コメント化から外します。
# Set directory that contains the xsessions. # slim reads xsesion from this directory, and be able to select. sessiondir /usr/share/xsessions/
SLiM の古いバージョンのユーザーは、 sessions
の項目を新たなコマンドに差し替えねばなりません。
つぎに、~/.xinitrc
を編集して、指定されたセッションが起動するようにします。
exec $1
SLiM の古いバージョンのユーザーは、case $1 in [...] esac
の部分を置き換えねばならないでしょう。より具体的に言うと、複数のセッションから選択していた古い手段として以下のような例が問題となります。以下のこのコードまるごとが、ただ単なる exec $1
に置き換えられます。
DEFAULTSESSION=openbox-session case "$1" in openbox) exec openbox-session ;; xfce) exec xfce4-session ;; gnome3) exec gnome-session ;; kde) exec startkde ;; cinnamon) exec gnome-session-cinnamon ;; razor-qt) exec razor-session ;; lxde) exec lxsession ;; mate) exec mate-session ;; *) exec $DEFAULTSESSION ;; esac
デフォルトユーザー名の指定
SLiM では、お望みのユーザー名が自動的に入力されているように設定可能です。最初からパスワード欄が表示されているようになります。/etc/slim.conf
内の以下の行を変更しましょう。
# default_user simone
この行のコメント化を外して、 "simone" を希望のユーザ名に変更しましょう。
default_user <your username>
自動ログインの有効化
/etc/slim.conf
を編集して、auto_login
のコメント化を外し、no
を yes
に変更しましょう。
auto_login yes
テーマ
slim-themes パッケージをインストールします:
# pacman -S slim-themes archlinux-themes-slim
archlinux-themes-slim パッケージにはテーマが複数入っています (slimthemes.png)。 /usr/share/slim/themes
ディレクトリで ls して利用できるテーマを見て下さい。/etc/slim.conf
の current_theme
行に使いたいテーマ名を入力します:
#current_theme default current_theme archlinux-simplyblack
起動している Xorg サーバーインスタンスでテーマをプレビューするには:
$ slim -p /usr/share/slim/themes/<theme name>
終了するには、Login 行に "exit" と入力して Enter を押して下さい。
また、追加のテーマパッケージが AUR にあります。
デュアルスクリーンの設定
/usr/share/slim/themes/<your-theme>/slim.theme
で slim テーマのパーセント値をカスタマイズできます。ボックス自体は 450 px × 250 px です:
input_panel_x 50% input_panel_y 50%
ピクセル値にする:
# この設定は "archlinux-simplyblack" パネルを 1440x900 スクリーンの中央に設定します input_panel_x 495 input_panel_y 325
# この設定は "archlinux-retro" パネルを 1680x1050 スクリーンの中央に設定します input_panel_x 615 input_panel_y 400
テーマに壁紙画像がある場合は background_style 設定 ('stretch', 'tile', 'center', 'color') を使って正しく壁紙を表示してください。詳しい説明は slim テーマについての公式ドキュメントを見て下さい。
他のオプション
カーソルを変更する
インストールした後、/etc/slim.conf
を開き次の行をアンコメントします:
cursor left_ptr
代わりに矢印が使われるようになります。この設定は xsetroot -cursor_name
に優先します。使うことができるカーソルの名前はここや /usr/share/icons/<your-cursor-theme>/cursors/
の中で見ることができます。
ログイン画面で使われるカーソルを変更するには、/usr/share/icons/default/index.theme
という名のファイルを次の内容で作って下さい:
[Icon Theme] Inherits=<your-cursor-theme>
<your-cursor-theme> は使いたいカーソルテーマの名前に置き換えて下さい (例: whiteglass)。
SLiM とデスクトップの壁紙を同じにする
SLiM とデスクトップで壁紙を共有するには、使っているテーマの壁紙をリネームして、デスクトップの壁紙ファイルからデフォルトの SLim テーマへのリンクを作成します:
# mv /usr/share/slim/themes/default/background.jpg{,.bck} # ln -s /path/to/mywallpaper.jpg /usr/share/slim/themes/default/background.jpg
SLiM からのシャットダウン・再起動・サスペンド・終了・ターミナルの起動
SLiM のログイン画面からシャットダウン・再起動・サスペンド・終了・ターミナルの起動をすることができます。ユーザー名にこれらを意味する変数を、パスワードに root パスワードを入力してください:
- ターミナルを起動するには、ユーザー名に console と入力します (デフォルトは xterm で予めインストールしておく必要があります、利用するターミナルを変えるには
/etc/slim.conf
を編集して下さい) - シャットダウンするには、ユーザー名に halt と入力します
- 再起動するには、ユーザー名に reboot と入力します
- slim を終了して bash に戻るには、ユーザー名に exit と入力します
- サスペンドをするには、ユーザー名に suspend と入力します (サスペンドはデフォルトでは無効になっています、
/etc/slim.conf
を root 権限で開きsuspend_cmd
行をアンコメントしてください、必要ならサスペンドコマンドも変更してください (例:/usr/sbin/suspend
をsudo /usr/sbin/pm-suspend
にする))
Splashy でのパワーオフエラー
Splashy と SLiM を使っていて、ときどき GNOME, Xfce, LXDE などのメニューからパワーオフ・再起動ができなくなるかもしれません。/etc/slim.conf
と /etc/splash.conf
を開いて、DEFAULT_TTY=7
を xserver_arguments vt07
と同じように設定してください。
パワーオフのトレイアイコンが使えない
パワーオフのトレイアイコンが失敗する場合、root 権限がないのが原因かもしれません。トレイアイコンを root 権限を使って実行するには、/etc/slim.conf
を以下のように編集します:
sessionstart_cmd /path/to/tray/icon/program &
SLiM のログイン情報
デフォルトでは、SLiM はログイン情報のログを utmp と wtmp に記録することに失敗し、そのため who や last などがログイン情報の報告を誤ります。これを修正するためには、 slim.conf
を編集し、以下のようにします:
sessionstart_cmd /usr/bin/sessreg -a -l $DISPLAY %user sessionstop_cmd /usr/bin/sessreg -d -l $DISPLAY %user
カスタム SLiM ログインコマンド
セッションやユーザー、slim が使うテーマなどの情報のログを残すために /etc/slim.conf
の sessionstart_cmd/sessionstop_cmd を使うこともできます:
sessionstop_cmd /usr/bin/logger -i -t ASKAPACHE "(sessionstop_cmd: u:%user s:%session t:%theme)" sessionstart_cmd /usr/bin/logger -i -t ASKAPACHE "(sessionstart_cmd: u:%user s:%session t:%theme)"
また、slim がロードされたときに (beep プログラムを使って) 曲を再生するには:
sessionstart_cmd /usr/bin/beep -f 659 -l 460 -n -f 784 -l 340 -n -f 659 -l 230 -n -f 659 -l 110
SLiM と Gnome Keyring
カスタムセッションにGNOME キーリングを利用したい場合には、GNOME Keyring#GNOME は使わないがディスプレイマネージャは使用する を参照してください。
SLiM で DPI を設定
一般的に DPI の設定は Xorg で行いますが、SLiM で指定することもできます。/etc/X11/xinit/xserverrc
内で -dpi 96 を使って DPI を設定しても、それが SLiM に反映されない場合、これを修正するには slim.conf
内の:
xserver_arguments -nolisten tcp vt07
を
xserver_arguments -nolisten tcp vt07 -dpi 96
に変えてください。
テーマをランダムに使う
current_theme
にカンマで区切った複数のテーマをセットすると、ランダムに選ばれます。
全てのセッションを他の VT に移動する
tty ターミナル 3−6 を使用しないようにしたいかもしれません (screen を使用するとき、ターミナルは一つしか必要ないからです)。
それで、X サーバに移動するには、 /etc/slim.conf
ファイル内の数字を一つ編集する必要があります。以下の行です。
xserver_arguments -nolisten tcp vt07
vt07 を vt03 に変更するだけで、agetty が起動しないようになります。
暗号化した /home をログイン時に自動でマウントする
pam_mount を使うことができます。
キーボードレイアウトの変更
/etc/X11/xorg.conf.d/10-evdev.conf
を開いて、以下のセクションを探し、太字の部分 (dvorak はあなたのキーマップに置き換えて下さい) を追加してください:
Section "InputClass" Identifier "evdev keyboard catchall" MatchIsKeyboard "on" MatchDevicePath "/dev/input/event*" Driver "evdev" # Keyboard layouts Option "XkbLayout" "dvorak" EndSection
全ての Slim オプション
slim の全ての設定オプションとそのデフォルト値の一覧です。
オプション名 | デフォルト値 |
---|---|
default_path | /bin:/usr/bin:/usr/local/bin
|
default_xserver | /usr/bin/X
|
xserver_arguments | vt07 -auth /var/run/slim.auth
|
numlock | |
daemon | yes
|
xauth_path | /usr/bin/xauth
|
login_cmd | exec /bin/bash -login ~/.xinitrc %session
|
halt_cmd | /sbin/shutdown -h now
|
reboot_cmd | /sbin/shutdown -r now
|
suspend_cmd | |
sessionstart_cmd | |
sessionstop_cmd | |
console_cmd | /usr/bin/xterm -C -fg white -bg black +sb -g %dx%d+%d+%d -fn %dx%d -T
|
screenshot_cmd | import -window root /slim.png
|
welcome_msg | Welcome to %host
|
session_msg | Session:
|
default_user | |
focus_password | no
|
auto_login | no
|
current_theme | default
|
lockfile | /var/run/slim.lock
|
logfile | /var/log/slim.log
|
authfile | /var/run/slim.auth
|
shutdown_msg | The system is halting...
|
reboot_msg | The system is rebooting...
|
sessiondir | /usr/share/xsessions/
|
hidecursor | false
|
input_panel_x | 50%
|
input_panel_y | 40%
|
input_name_x | 200
|
input_name_y | 154
|
input_pass_x | -1
|
input_pass_y | -1
|
input_font | Verdana:size=11
|
input_color | #000000
|
input_cursor_height | 20
|
input_maxlength_name | 20
|
input_maxlength_passwd | 20
|
input_shadow_xoffset | 0
|
input_shadow_yoffset | 0
|
input_shadow_color | #FFFFFF
|
welcome_font | Verdana:size=14
|
welcome_color | #FFFFFF
|
welcome_x | -1
|
welcome_y | -1
|
welcome_shadow_xoffset | 0
|
welcome_shadow_yoffset | 0
|
welcome_shadow_color | #FFFFFF
|
intro_msg | |
intro_font | Verdana:size=14
|
intro_color | #FFFFFF
|
intro_x | -1
|
intro_y | -1
|
background_style | stretch
|
background_color | #CCCCCC
|
username_font | Verdana:size=12
|
username_color | #FFFFFF
|
username_x | -1
|
username_y | -1
|
username_msg | Please enter your username
|
username_shadow_xoffset | 0
|
username_shadow_yoffset | 0
|
username_shadow_color | #FFFFFF
|
password_x | -1
|
password_y | -1
|
password_msg | Please enter your password
|
msg_color | #FFFFFF
|
msg_font | Verdana:size=16:bold
|
msg_x | 40
|
msg_y | 40
|
msg_shadow_xoffset | 0
|
msg_shadow_yoffset | 0
|
msg_shadow_color | #FFFFFF
|
session_color | #FFFFFF
|
session_font | Verdana:size=16:bold
|
session_x | 50%
|
session_y | 90%
|
session_shadow_xoffset | 0
|
session_shadow_yoffset | 0
|
session_shadow_color | #FFFFFF
|
アンインストール
完全に SLiM を削除するには:
# pacman -Rns slim # rm /etc/systemd/system/display-manager.service
既知の問題
systemd との非互換性
ディスプレイマネージャ#systemd との非互換性を参照してください。