Alpine
Alpine は1991年にワシントン大学によってリリースされたテキストベースのメール・ニュースクライアントである pine をベースに、mutt よりも使いやすい軽量なメールクライアントです。
この記事では IMAP を使って Alpine でリモートのメールサーバーを使用する方法を説明します。
インストール
alpineAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません] パッケージをインストールしてください。任意でスペルチェッカーもインストールしてください。Alpine は aspell と hunspell に対応しています。
設定
Alpine はホームディレクトリの .pinerc
というファイルで直接設定できますが、設定ツールを使用するほうが簡単です (ほとんどの設定ができます)。また、必要であればシステム全体で共通の pinerc ファイルを作成することもできます。
alpine を起動するにはコンソールやターミナルエミュレータを開いて以下のコマンドを実行してください:
$ alpine
alpine のメインメニューが表示され、方向キーでカーソルを移動してサブメニューを選択できます。nano を使ったことがあれば、すぐにコツをつかめるはずです。また、画面下部には便利なコマンドのリストが表示されます。"?" は内蔵ヘルプです (下を参照)。
設定オプションを変更するには "S" ("setup") と "C" ("config") を入力してください。方向キーで選択して Enter を押すのでもかまいません。画面上部に、様々な行が表示されるので "C" ("change value") を押すことで設定できます。ユーザーの名前、メールサーバーの名前、メールを送信するための SMTP サーバー、メッセージを保存するフォルダの場所などを設定してください。
SMTP サーバーを指定する際、サーバー上のユーザー名 (通常はメールアドレスです) と、SSL や TLS による暗号化を使用している場合、暗号方式を指定してください:
mailserver.org:portnumber/user=username/ssl (または tls)
以下のように設定することでメッセージをローカルに保存する代わりに、メッセージがメールサーバーに残るようになります:
{mailserver.org:portnumber/user=username/ssl}/path/to/folder
メールサーバーのフォルダのパス名の前の "{}" に SMTP サーバーを使うのに必要なエントリを記入してください:
Personal Name = Jim Bob User Domain = mailserver.org SMTP Server (for sending) = mailserver.org:465/user=jimbob123/ssl NNTP Server (for news) = <No Value Set> Inbox Path = <No Value Set: using "inbox"> Incoming Archive Folders = <No Value Set> Pruned Folders = <No Value Set> Default Fcc (File carbon copy) = {mailserver.org:465/user=jimbob123/ssl}~/mail/sent-mail Default Saved Message Folder = <No Value Set: using "saved-messages"> Postponed Folder = {mailserver.org:465/user=jimbob123/ssl}~/mail/drafts Read Message Folder = <No Value Set> Form Letter Folder = <No Value Set> Trash Folder = <No Value Set: using "Trash"> Literal Signature = <No Value Set> Signature File = <No Value Set: using ".signature"> Feature List =
今日では、IMAP や POP を使用して他のサーバーからメールを受信するように Alpine を設定したいと思うかもしれません。複数の設定を有効にする必要があります。"Folder Preferences" セクションで "Enable Incoming Folders Collection" や "Enable Incoming Folders Checking" オプションを有効にしてください。設定を適用するには Alpine の再起動が必要です。
メインメニューから "L" を押して "Folder List" を開き、"Incoming Folders" を選択してください。デフォルトの受信ボックスが表示されます。リモートサーバーからメールを受信するためにフォルダを追加するには "A" を押します。
Alpine はフォルダを保存するサーバーの名前を要求するので、以下の形式でメールサーバーを入力してください:
"mailserver.org:993/user=jimbob123/ssl"
mailserver.org は使用しているメールサーバーのドメイン名や IP アドレスに置き換えてください。993 は同じく接続に使用するポートに置き換えてください。jimbob123 はユーザー名 (メールアドレス) に、SSL ではなく TLS を使用している場合は SSL を TLS に置き換えてください。
メールサーバーで使用するフォルダの名前が要求されますが、通常は "INBOX" です。そうでない場合はメールプロバイダーから確認を取ってください。
ニックネームの入力に対しては自由に付けてください。その後にメールサーバーのパスワードを入力します。入力したらメールが読めるようになっているはずです。
他の IMAP フォルダの設定
"E" を押してセットアップを終了したら変更を保存してください。メインメニューに戻るので再度 "S" を押してセットアップメニューを立ち上げたら "L" でコレクションリストを開いてください。
今まで使っていた形式にあわせてメールサーバーの情報を入力してください:
Nickname : My Mailserver Server : mailserver.org:993/user=jimbob123/ssl Path : ~/mail/ View :
"Path" はリモートサーバーのパスであり記述する必要はありません:
{mailserver.org:993/user=jimbob123/ssl}~/mail/
指定する必要があるのはメールサーバーのローカルのパスだけです (上記の場合であれば ~/mail/
)。
返信アドレスの設定
返信先アドレスを修正するには設定画面を開いて "Customized Headers" を探して以下のように値を変更してください:
From: Jim Bob <jimbob123@mailserver.org>
上記の Jim Bob やメールアドレスは適切な値に置き換えてください。
ビルトインヘルプ
内蔵のヘルプファイルを見るには、アイテムがハイライトされている状態で "?" と入力してください。
ヒントとテクニック
上記の他にも使用する色の指定 (メインメニューから "S" を押して "K")、外部リンクを開くブラウザ、使用するテキストブラウザ、フォルダビューなどが設定できます。
"W" を押すことでオプションの検索ができます。"Convert Dates to Localtime" オプションを有効にするとメッセージが地域時で並べられます。オプションの切り替えは Enter キーで行なえます。
Alpine から印刷する
Alpine から lpr
に直接印刷した場合、メールの中に含まれているドイツ語のウムラウトのような特殊文字が印刷されません。a2ps プログラムを使うことで解決できます。~/.pinerc
を以下のように編集してください:
# Your default printer selection printer=YOURPRINTER [] a2ps -q --center-title --footer -PYOURPRINTER # List of special print commands personal-print-command=YOURPRINTER [] a2ps -q --center-title --footer -PYOURPRINTER # Which category default print command is in personal-print-category=3
YOURPRINTER はプリンターの名前に置き換えてください。上記の設定は Alpine の設定 UI から適用することもできます。設定オプションについては a2ps
の man ページを見てください。
参照
- http://www.washington.edu/alpine/ - Alpine の公式ページ。チュートリアルが載っている非公式な Alpine のページへのリンクもあります。