Infinality

提供: ArchWiki
2015年1月12日 (月) 20:46時点におけるKusakata (トーク | 投稿記録)による版 (→‎インストール)
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Infinality-bundle は Arch Linux のテキストレンダリングを改善させる、簡単で"インストールしたら忘れることができる"手段を提供するソフトウェアのコレクションです。パッケージは extra リポジトリのシステムライブラリと完全な互換性があるため、簡単に置き換えることが可能です。

現在、このバンドルに含まれているのは:

  • freetype2-infinality-ultimate - Infinality などのパッチをあててビルドされた freetype2
  • fontconfig-infinality-ultimate - freetype2-infinality-ultimate 用に最適化された fontconfig。free (デフォルト)、MS、custom フォントコレクションの個別の設定プリセットが含まれています。
  • cairo-infinality-ultimate - Ubuntu のパッチをあててビルドされた cairo

全てのライブラリはクリーンな chroot 環境でビルドされ、i686 と x86_64 アーキテクチャ両方で利用でき、multilib もサポートしています。

最高の結果を得るため、またユーザーの利便性を向上させるため、ハイパーテキストドキュメントを作成・再現するのに必要な幅広い数の書体を全て提供する、補足のリポジトリ infinality-bundle-fonts が利用できます。フォントは全て手動で選択し、ウェブやオフィスで使われているプロプライエタリのフォントと互換性があるだけでなく、高品質のテキストレンダリングを保証します。全てのフォントは 100% フリーで利用可能であり GPL, OFL, Apache やその他の互換性がある非制限的なライセンスが使われています。

通常は、インストール後の設定は必要ありません。とはいえ、柔軟性は最大限確保されておりユーザーは必要に応じてバンドルを簡単にカスタマイズすることができます。

インストール

典型的な推奨のセットアップは、選択したアーキテクチャのライブラリとフォントの基本的なコレクションから成ります:

  1. infinality-bundle, infinality-bundle-multilib (x86_64 の場合) と infinality-bundle-fonts リポジトリを /etc/pacman.conf に追加してください。非公式ユーザーリポジトリに書かれている指示に従って下さい。
  2. ライブラリや最小限のフォントコレクションを含んでいる、次のグループ・メタパッケージをインストールしてください: infinality-bundle, infinality-bundle-multilib, ibfonts-meta-base
  3. X サーバーを再起動して下さい

pacman が依存関係を解決するとパッケージの衝突が検出されます、例:

resolving dependencies...
looking for inter-conflicts...
:: freetype2-infinality-ultimate and freetype2 are in conflict. Remove freetype2? [y/N]

yes と答えて下さい。

MS Windows や MS Office などに入っているプロプライエタリの Microsoft フォントのフリー代替になる、拡張フォントコレクションをインストールしたい場合は、代わりに ibfonts-meta-extended メタパッケージを使って下さい。もちろん、infinality-bundle-multilib は任意です。

サーバーがダウンしているときのために、Dropbox からリポジトリのバックアップコピーをいつでも利用することができます。

制限ライセンスの推奨フォント

以下は自由に再配布することができないフォントのリストで、そのためバイナリパッケージの infinality-bundle-fonts には含まれていません。しかしながら、特定の条件下では無料でインストールして利用することが可能です。ソースパッケージが AUR にあります。フォントを使う前には EULA を読んで詳細を確認してください。

カスタマイズとトラブルシューティング

  • さらにフォントをインストールしたい人のために、追加の infinality-bundle-fonts-extra コレクションが存在します。利用できるパッケージを表示するには次を実行してください:
# pacman -Ss infinality-bundle-fonts-extra
ノート:
  • 公式リポジトリAUR からサードパーティのフォントをインストールするときは、その前に毎回 infinality-bundle-fonts コレクションからそのフォントがインストールできないか確認してください。
  • infinality-bundle-fonts-extra グループ全体をインストールしようとするのはやめてください。利用できるフォント全てが必要であるという場合でなければ、ハードドライブのクラッタを不必要に増やしフォントキャッシュのパフォーマンスを下げるだけの結果になります。ほとんどの場合 ibfonts-meta-extended で十分で、複雑ですが、シナリオを使って下さい。
  • /etc/fonts/conf.d/37-repl-global-preset.conf で設定されているデフォルトフォントの置き換えを上書きしたり新しい置き換えを追加したい場合、/etc/fonts/conf.d/36-repl-custom.conf を使って下さい。置き換えるフォントファミリーの数だけテンプレート (16行のコード) を複製して適当なフォント名を指定する必要があります。
  • このリポジトリを使っているとパッケージデータベースや署名が一致しないという問題に遭遇することがあるかもしれません。通常はパッケージリストを強制的に更新 (pacman -Syy) することで問題は解決します。問題が解決しない場合、/var/lib/pacman/sync から infinality-bundle のファイルを削除してからもう一度リポジトリを再同期してみてください。
  • Microsoft のプロプライエタリフォントを使いたい場合 infinality-bundle-fonts のインストールを省略することができます。この場合、fontconfig の MS プリセットを有効にして正しいフォントセットが選択されるようにする必要があります。プリセットを有効にするには、次を実行して:
# fc-presets set
1) custom
2) ms
3) free
4) reset
5) quit
Enter your choice...

2 を選択してください。

詳細を見るには fc-presets help を実行してください。

  • カスタムフォントコレクションを使いたい場合、fontconfig パラメータを適宜に調整する custom プリセットが利用できます。custom プリセットを有効にすると、'custom' 設定ファイル (/etc/fonts/conf.avail.infinality/custom) の中身を自由に変更できるようになります。変更する時は、'custom' ディレクトリのバックアップコピーを作成するのを忘れないで下さい。
  • この投稿で説明されている Google Chrome ブラウザのレンダリング問題を解決するには、/etc/fonts/fonts.conf ファイルを編集して以下のエントリをアンコメントしてください:
<!--match target="pattern">
<edit name="dpi" mode="assign">
<double>72</double>
</edit>
</match-->
  • infinality-bundle-fonts をインストールするとデフォルトの可変ピッチの書体で問題が発生すると Emacs ユーザーが報告しています。フリーフォントで Emacs を正しく使えるようにするには、$HOME/.emacs で可変ピッチファミリーを指定してください。Noto Sans (別名 'sans' もしくは 'system font') 以外なら何でもかまいません、例:
(custom-set-faces
 '(default ((t (:family "Liberation Mono" :slant normal :weight regular :height 98))))
 '(variable-pitch ((t (:family "Liberation Sans" :slant normal :weight regular :height 98 )))))
  • 画像の中のテキストのサブピクセルレンダリングに問題が起こると GIMP ユーザーが報告しています。一番良い解決法は GIMP のサブピクセルレンダリングを完全に無効にすることです。以下の内容のファイル /etc/gimp/2.0/fonts.conf (ユーザー別なら ~/gimp-2.8/fonts.conf) を追加してください:
/etc/gimp/2.0/fonts.conf
<fontconfig>
  <match target="font">
    <edit name="rgba" mode="assign">
      <const>none</const>
    </edit>
  </match>
</fontconfig>
  • 人気のデスクトップ環境 (Gnome, KDE, Xfce4, Cinnamon, LXDE) のユーザーは DE のコントロールパネルからフォント設定を調整してください。基本的に、設定は freetype2 の設定ファイル (/etc/profile.d/infinality-settings.sh) にあるものを複製します:
Xft.antialias: 1
Xft.autohint: 0
Xft.dpi: 96
Xft.hinting: 1
Xft.hintstyle: hintfull
Xft.lcdfilter: lcddefault
Xft.rgba: rgb

DE のコントロールパネルで上記全てが設定できない場合は、設定できるものだけ調整してください。

  • 言語によっては特別なダイアクリティカルマークや記号がデフォルトフォントでは正しく表示されないことがあります。

これは拡張ラテン文字 (A と B) をサポートしていないウェブフォントを利用する定義済みの CSS テンプレートを使うウェブサイト (特にブログ) で問題になります。infinality-bundle の問題ではないため、本当は問題が起こるサイトの作者・管理者が修正すべき事柄ですが、fontconfig で該当するフォントを置き換えるルールを作成することで問題を回避することができます。この方法を使いたいときは、まず 36-repl-missing-glyphs.conf を有効にしてください:

$ cd /etc/fonts/conf.d
$ ln -s ../conf.avail.infinality/36-repl-missing-glyphs.conf .

それからサンプルにそってファイルを編集してください。

ノート: Default fonts for non-Latin scripts are set in 65-non-latin-preset.conf (default settings) and 93-final-lang-spec-preset.conf (to override default rules).
  • デフォルトの置き換えルールの上書きとカスタムルールの追加は 35-repl-custom.conf を使って行えます。このファイルはデフォルトで有効になっているので、使いたいときは編集するだけで終わります。
  • フォントに問題が発生する (例: PDF 文章で、適切なフォントファミリーをインストールしているはずなのに特定の記号がロードされない) ときは、まず次を実行してみてください:
# fc-cache -fr

このコマンドはフォントキャッシュを全て削除してもう一度初めから再作成します。

参照