systemd-resolved

提供: ArchWiki
2021年11月29日 (月) 16:10時点におけるKusanaginoturugi (トーク | 投稿記録)による版 (→‎DNSSEC: 記事を差し替え)
ナビゲーションに移動 検索に移動
この記事あるいはセクションは翻訳の途中です。
ノート: 翻訳のご協力、もしくは英語版を参照してください。 (議論: トーク:Systemd-resolved#)

関連記事

systemd-resolvedD-Bus インターフェイスと resolve NSS サービス (nss-resolve(8))、127.0.0.53 のローカル DNS スタブリスナによるネットワーク名前解決をローカルアプリケーションに提供する systemd サービスです。使用方法については systemd-resolved(8) を見てください。

インストール

systemd-resolved はデフォルトでインストールされる systemd パッケージの一部です。

設定

systemd-resolvedDomain Name System (DNS) (DNSSECDNS over TLS を含む) と Multicast DNS (mDNS) そして Link-Local Multicast Name Resolution (LLMNR) のリゾルバサービスを提供します。

リゾルバは /etc/systemd/resolved.conf を編集するか、あるいは /etc/systemd/resolved.conf.d/ 中のドロップイン .conf ファイルで設定できます。resolved.conf(5) を参照してください。

systemd-resolved を使うには systemd-resolved.service起動有効化してください。

ヒント: systemd#特定のサービスの問題を診断に書かれているようにして systemd-resolved のデバッグ情報を有効にすることで、挙動を理解することができます。

DNS

glibc の getaddrinfo(3) (または同等のもの)に依存するソフトウェアは、デフォルトで nss-resolve(8) が使用可能な場合、/etc/nsswitch.conf を使用するように設定されているため、そのまま使用できます。

ウェブブラウザGnuPG など、/etc/resolv.conf を直接読み取るソフトウェアにドメイン名前解決を提供するために、systemd-resolved にはファイルを処理するための 4 つの異なるモード( スタブ、スタティック、アップリンク そしてフォーリン )があります。それらは、systemd-resolved(8) § /ETC/RESOLV.CONF で説明されています。ここでは推奨モード、すなわち、/run/systemd/resolve/stub-resolv.conf を使用するスタブモードにのみ注目します。

/run/systemd/resolve/stub-resolv.conf には唯一の DNS サーバとしてのローカルスタブ 127.0.0.53 と検索ドメインのリストが含まれています。これは、systemd-resolved で管理された設定をすべてのクライアントに伝達する推奨の操作モードです。これを使用するには、/etc/resolv.conf をそのシンボリックリンクに置き換えます。

# ln -sf /run/systemd/resolve/stub-resolv.conf /etc/resolv.conf
ノート:
  • Failure to properly configure /etc/resolv.conf will result in broken DNS resolution.
  • Creating the /etc/resolv.conf symlink will not be possible while inside arch-chroot, since the file is bind-mounted from the outside system. Instead, create the symlink from outside the chroot. E.g.
    # ln -sf /run/systemd/resolve/stub-resolv.conf /mnt/etc/resolv.conf

DNS サーバーの設定

ヒント: systemd-resolved によって DNS が使われているかチェックするには、resolvectl status を実行します
自動

systemd-resolved/etc/resolv.conf によってネットワークマネージャでは自動的に使用されます。systemd-resolved/etc/resolv.conf シンボリックリンクで認識されるため特に設定は必要ありません。systemd-networkdNetworkManager がその場合に該当します。

ただし DHCPVPN クライアントが resolvconf プログラムを使用して名前サーバーや検索ドメインを設定する場合 (resolvconf を使用するソフトウェアの一覧については openresolv#使用プログラムを見てください)、/usr/bin/resolvconf シンボリックリンクを作るために追加パッケージ systemd-resolvconf が必要です。

ノート:
  • systemd-resolvedresolvconf インターフェイスには制限がありクライアントによっては動作しない可能性があります。詳しくは resolvectl(1) § COMPATIBILITY WITH RESOLVCONF(8) を参照。
  • systemd-resolvconfsystemd-resolved.service が実行されている場合のみ機能します。systemd-resolved を使用していない場合は、systemd-resolvconf パッケージがアンインストールされている事を確認してください。そうでない場合、/usr/bin/resolvconf バイナリを期待するネットワークソフトウェアで問題が発生します。
手動

スタブモードとスタティックモードでは、カスタム DNS サーバを resolved.conf(5) ファイルで設定できます。

/etc/systemd/resolved.conf.d/dns_servers.conf
[Resolve]
DNS=192.168.35.1 fd7b:d0bd:7a6e::1
Domains=~.
ノート:
  • Without the Domains=~. option in resolved.conf(5), systemd-resolved might use the per-link DNS servers, if any of them set Domains=~. in the per-link configuration.
  • This option will not affect queries of domain names that match the more specific search domains specified in per-link configuration, they will still be resolved using their respective per-link DNS servers.

For more information on per-link configuration see systemd-networkd#network files.

フォールバック

systemd-resolvedネットワークマネージャから DNS サーバーアドレスを受信できず手動でも DNS サーバーが設定されていない場合、DNS 解決が常に機能するように systemd-resolved はフォールバック DNS アドレスにフォールバックします。

ノート: フォールバック DNS は次の順番で使われます: Cloudflare, Quad9 (フィルタリングや DNSSEC なし), Google。サーバーがどこに定義されているかどうかは systemd の PKGBUILD を見てください。

resolved.conf(5)FallbackDNS= を設定することでフォールバックのアドレスは変更できます。例:

/etc/systemd/resolved.conf.d/fallback_dns.conf
[Resolve]
FallbackDNS=127.0.0.1 ::1

フォールバック DNS 機能を無効化したい場合は特にアドレスを指定せずに FallbackDNS オプションを設定してください:

/etc/systemd/resolved.conf.d/fallback_dns.conf
[Resolve]
FallbackDNS=

DNSSEC

DNSSEC validation can be enabled by changing DNSSEC= setting in resolved.conf(5).

  • Set DNSSEC=allow-downgrade to validate DNSSEC only if the upstream DNS server supports it.
  • Set DNSSEC=true to always validate DNSSEC, thus breaking DNS resolution with name servers that do not support it. For example:
/etc/systemd/resolved.conf.d/dnssec.conf
[Resolve]
DNSSEC=true
ノート:
  • DNS サーバーが DNSSEC をサポートしておらずデフォルトの allow-downgrade モードでは問題が発生するとき (例: systemd issue 10579)、DNSSEC=false を設定することで systemd-resolved の DNSSEC サポートを明示的に無効化できます。
  • systemd-resolved may disable DNSSEC after a few unsuccessful validations. If the DNSSEC option is set to true, then DNS resolution will stop working entirely. See systemd issue 9867.

不正な署名のドメインを問い合わせて DNSSEC 検証をテスト:

$ resolvectl query sigfail.verteiltesysteme.net
sigfail.verteiltesysteme.net: resolve call failed: DNSSEC validation failed: invalid

正しい署名を使っているドメインをテスト:

$ resolvectl query sigok.verteiltesysteme.net
sigok.verteiltesysteme.net: 134.91.78.139

-- Information acquired via protocol DNS in 266.3ms.
-- Data is authenticated: yes

DNS over TLS

DNS over TLS はデフォルトでは無効になっています。有効にするには resolved.conf(5)[Resolve] セクションの DNSOverTLS= 設定を変更してください。To enable validation of your DNS provider's server certificate, include their hostname in the DNS= setting in the format ip_address#hostname. For example:

/etc/systemd/resolved.conf.d/dns_over_tls.conf
[Resolve]
DNSOverTLS=yes
ノート: 使用する DNS サーバーが DNS over TLS をサポートしていない場合、DNS リクエストが全て失敗するようになります。

ngrep can be used to test if DNS over TLS is working since DNS over TLS always uses port 853 and never port 53. The command ngrep port 53 should produce no output when a hostname is resolved with DNS over TLS and ngrep port 853 should produce encrypted output.

Wireshark can be used for more detailed packet inspection of DNS over TLS queries.

mDNS

systemd-resolvedマルチキャスト DNS リゾルバ・レスポンダとして使えます。

リゾルバは "hostname.local" 命名規則によるホストネーム解決を提供します。

mDNS は systemd-resolved の全体設定 (resolved.conf(5)MulticastDNS=) とネットワークマネージャの接続毎の設定の両方が有効になっている場合にのみ使われます。デフォルトで systemd-resolved は mDNS レスポンダを有効にしますが systemd-networkdNetworkManager はどちらも接続毎の設定で有効にしません:

  • systemd-networkd の場合、[Network] セクションに MulticastDNS= 設定があります。systemd.network(5) を見てください。
  • NetworkManager の場合、設定は [connection] セクションの mdns= です。利用可能な値: 0 - 無効, 1 - リゾルバのみ, 2 - リゾルバとレスポンダ [1]
ノート: If Avahi をインストールしている場合、systemd-resolved と衝突しないようにするため avahi-daemon.serviceavahi-daemon.socket無効化してください。
ヒント: NetworkManager の接続設定は /etc/NetworkManager/conf.d/ に設定ファイルを作成して [connection] セクションで connection.mdns= を設定することで設定できます。例えば以下の設定で全ての接続で mDNS リゾルバが有効になります:
/etc/NetworkManager/conf.d/mdns.conf
[connection]
connection.mdns=1

NetworkManager.conf(5) を見てください。

mDNS とファイアウォールを使う場合は、UDP ポート 5353 が開いていることを確認してください。

LLMNR

Link-Local Multicast Name Resolution は Microsoft によって作られたホストネーム解決プロトコルです。

LLMNR は systemd-resolved の全体設定 (resolved.conf(5)LLMNR=) とネットワークマネージャの接続毎の設定の両方が有効になっている場合にのみ使われます。デフォルトで systemd-resolved は LLMNR レスポンダを有効にし、systemd-networkdNetworkManager は接続の設定も有効にします。

  • systemd-networkd の場合、設定は [Network] セクションの LLMNR= です。systemd.network(5) を見てください。
  • NetworkManager の場合、[connection] セクションの llmnr= が設定です。nm-settings(5) を見てください。利用可能な値: 0 - 無効化, 1 - リゾルバのみ, 2 - リゾルバとレスポンダ。
ヒント: NetworkManager の接続設定は /etc/NetworkManager/conf.d/ に設定ファイルを作成して [connection] セクションで connection.llmnr= を設定することで設定できます。例えば以下の設定で全ての接続で LLMNR が無効になります:
/etc/NetworkManager/conf.d/llmnr.conf
[connection]
connection.llmnr=0

NetworkManager.conf(5) を参照。

LLMNR とファイアウォールを使う場合、UDP と TCP のポート 5355 を開いてください。

検索

DNS レコードや mDNS あるいは LLMNR ホストを問い合わせるには resolvectl ユーティリティを使います。

例えば DNS レコードを確認するには:

$ resolvectl query archlinux.org
archlinux.org: 2a01:4f8:172:1d86::1
               138.201.81.199

-- Information acquired via protocol DNS in 48.4ms.
-- Data is authenticated: no

resolvectl(1) § EXAMPLES には他の例が存在します。

トラブルシューティング

​system-resolved がローカルドメインを検索しない

systemd-resolved は、 UseDomains = yes または Domains=[domain-list] が存在する場合でも、ホスト名のみが指定されているとローカルドメインを検索しない場合があります。適切な systemd-networkd.network ファイルにあり、そのファイルは resolv.conf によって search[domain-list] を生成します。 networkctlstatus または resolvectl status を実行して、検索ドメインが実際に取得されているかどうかを確認できます。

考えられる回避策:

  • LLMNR を無効にすると、「systemd-resolved」がすぐに DNS サフィックスの追加を続行できるようになります。
  • /etc/nsswitch.confhosts データベースをトリミングします (たとえば、resolve service の [!UNAVAIL=return] オプションを削除します)
  • 完全修飾ドメイン名の使用に切り替えます。
  • ホスト名を解決するには /etc/hosts を使用します。
  • systemdの resolve を使用する代わりに、 glibc の dns を使用するようにフォールバックします。

systemd-resolved がサフィックスがないホスト名を解決できない

完全修飾ドメイン名ではないシステム解決ホスト名を解決するには、 R olveUnicastSingleLabel=yes/etc/systemd/resolved.conf に追加します。

警告: これにより、ユーザーの制御下にないグローバル DNS サーバーに単一ラベル名が転送されます。この動作は標準に準拠しておらず、プライバシーとセキュリティのリスクを引き起こす可能性があります。詳細については、 resolved.conf(5) を参照してください。

これは、 LLMR がディセーブル (LLMR=no) の場合にのみ発生するようです。

systemd-networkd を使用している場合、DHCP サーバーまたは IPv6 ルーター通知によって提供されるドメインを検索ドメインとして使用できます。デフォルトでは無効になっており、インターフェイスの .network ファイルに追加して有効にします。

[DHCPv4]
UseDomains=true

[IPv6AcceptRA]
UseDomains=yes

各インターフェイスの systemd-resolved の内容を確認するには、次のコマンドを使用します。

$ resolvectl domain

参照