Pantheon
Pantheon は elementary OS ディストリビューションのために作成されたデスクトップ環境です。Vala と GTK3 ツールキットを使ってスクラッチから書かれています。ユーザビリティと外観に関して言うと、GNOME Shell や macOS と似ているところをいくつか持っているデスクトップです。
インストール
Pantheon は複数のパッケージに分割されており、上流から毎日更新している非公式リポジトリが存在します。このリポジトリを使用するには以下の行を /etc/pacman.conf のソースの一番上に追加してください:
[pantheon] SigLevel = Optional Server = https://pkgbuild.com/~alucryd/$repo/$arch
また、ソースからパッケージをビルドしたいユーザーのために、リポジトリにあるパッケージは全て AUR からも入手できます。
pantheon-session-bzrAUR のインストールから始めれば、最小のデスクトップインターフェイスを作ることができます。このパッケージによって以下のコアコンポーネントがインストールされます:
- cerbere-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません]: Pantheon のコアアプリが動いているのを監視するサービス
- gala-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません]: ウィンドウマネージャ
- wingpanel-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません]: トップパネル
- slingshot-launcher-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません]: アプリケーションランチャー
- plank-bzrAUR: ドック
さらに、Pantheon Shell を完全に動作させるために以下のパッケージもインストールすることを推奨します:
- audience-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません]: ビデオプレーヤー
- contractor-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません]: アプリ間でデータを共有するためのサービス
- dexter-contacts-bzrAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror]: 連絡先マネージャ (ビルドされません)
- eidete-bzrAUR: シンプルなスクリーンキャスター
- elementary-icon-theme-bzrAUR: elementary アイコン
- elementary-scan-bzrAUR: シンプルなスキャンユーティリティ (ビルドされません)
- elementary-wallpapers-bzrAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror]: elementary 壁紙コレクション
- gtk-theme-elementaryAUR: elementary GTK テーマ
- feedler-bzrAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror]: RSS フィードリーダー (ビルドされません)
- footnote-bzrAUR: メモアプリ
- geary: Email クライアント
- indicator-pantheon-session-bzrAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror]: セッションインジケータ
- lightdm-pantheon-greeter-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません]: LightDM greeter
- maya-calendar-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません]: カレンダー
- midori-granite-bzrAUR: ウェブブラウザ
- noise-player-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません]: オーディオプレーヤー
- pantheon-backgrounds-bzrAUR: 壁紙コレクション
- pantheon-calculator-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません]: 電卓
- pantheon-default-settings-bzrAUR: Pantheon デフォルト設定 (外観など)
- pantheon-files-bzrAUR: ファイルエクスプローラー
- pantheon-notify-bzrAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror]: 通知デーモン
- pantheon-print-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません]: プリント設定
- pantheon-terminal-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません]: ターミナルエミュレータ
- plank-theme-pantheon-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません]: plank の Pantheon テーマ
- scratch-text-editor-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません]: テキストエディタ
- snap-photobooth-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません]: ウェブカメラアプリ
- switchboard-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません]: 設定マネージャ
以下のフォントのインストールも推奨されます:
- ttf-opensansAUR: Open Sans フォント
- ttf-raleway-font-familyAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror]: Raleway フォントファミリー
- ttf-dejavu: Bitstream Vera フォントベースのフォントファミリー
- ttf-droid: Google によって Android の一部としてリリースされている多目的フォント
- ttf-freefont: Unicode 文字セットをカバーしているフリーのアウトラインフォントのセット
- ttf-liberation: Red Hat の Liberation フォント
追加情報
古い evolution-data-server を使用するパッケージ
dexter-contacts-bzrAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror] と feedler-bzrAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror] は evolution-data-server 3.2 を使っているためビルドされません。Arch Linux はバージョン 3.10 を提供しており、異なる Vala API が使われています。
Pantheon を起動する
ディスプレイマネージャを使う
pantheon-session-bzrAUR に gdm や lightdm などのディスプレイマネージャのためのセッションエントリが入っています。
.xinitrc を使う
~/.xinitrc を使って Pantheon シェルを起動することも可能です。以下のコードは Pantheon セッションを起動します:
#!/bin/sh
if [ -d /etc/X11/xinit/xinitrc.d ]; then
for f in /etc/X11/xinit/xinitrc.d/*; do
[ -x "$f" ] && . "$f"
done
unset f
fi
gsettings-data-convert &
xdg-user-dirs-gtk-update &
/usr/lib/polkit-gnome/polkit-gnome-authentication-agent-1 &
/usr/lib/gnome-settings-daemon/gnome-settings-daemon &
/usr/lib/gnome-user-share/gnome-user-share &
eval $(gnome-keyring-daemon --start --components=pkcs11,secrets,ssh,gpg)
export GNOME_KEYRING_CONTROL GNOME_KEYRING_PID GPG_AGENT_INFO SSH_AUTH_SOCK
exec cerbere
アプリケーションの自動起動
Pantheon は ~/.xinitrc で起動した場合、XDG の自動起動をサポートしていません。しかしながら、systemd ユニットを提供していないアプリケーションを自動起動するための方法が3つ存在します:
~/.xinitrcに (できれば exec cerbere 行の直前に) プログラムを追加することができます。単発のプログラムの場合この方法が好ましいでしょう。- もしくは dconf-editor を使って
org.pantheon.cerbere.monitored-processesキーを編集して自動起動したいプログラムを追加することができます。この方法はバックグラウンドで動作し続けるアプリケーションで最適です。 - dapperAUR, dex-gitAUR, fbautostartAUR などのプログラムを使って
~/.xinitrcに XDG の自動起動のサポートを追加するという方法もあります。
設定
Pantheon の設定は switchboard-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません] と plug によって行います。ほとんどは AUR やカスタムリポジトリから利用できます。pantheon の設定は全て dconf によって変更することも可能で、設定は org.pantheon キーにあります。簡単な編集には dconf-editor を使って下さい。
設定の一部は特定の plug から gnome-control-center で扱われますが、残念ながら 3.6 までの GNOME しかサポートしていません。代わりに gnome-control-center 本体や gnome-tweak-tool を使って下さい。
Pantheon Files
コンテクストメニューのエントリを有効にする
file-roller でアーカイブを展開・圧縮したりするためにコンテクストメニューのエントリを有効にしたい場合、contractor-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません] を追加でインストールする必要があります。
Terminal
透明度
Pantheon Terminal には透明度を設定することができます。dconf-editor を開いて org.pantheon.terminal.settings.opacity から自由に透明度を設定してください。
既知の問題
wingpanel のインジケータが動作しない
/etc/xdg/autostart/indicator-[name].desktop ファイルの OnlyShowIn= に Pantheon を含めて下さい
OnlyShowIn=Unity;XFCE;GNOME;Pantheon;
Indicator-session のメニューが動作しない
Indicator-session メニューが動作しない
- indicator-session-bzrAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror]
このバージョンの indicator-session は Unity からの dbus メソッドを使っています。パッチを適用することで動作させることが可能です: indicator-session-pantheon-bzr。
このバージョンの indicator-session はセッションマネージャと対話することができません。代わりに systemd/logind を使用するバージョンが存在します: indicator-session-systemdAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror]。
About This Computer, Lock, Sound Settings (indicator-soundAUR または indicator-sound-pantheon-bzr) は gnome-control-center や gnome-screensaver といった gnome のコンポーネントを使用します。
Lock 機能については、gnome-screensaver を XScreenSaver や light-locker と gnome-screensaver dbus をエミュレートするスクリプト で置き換えることができます。
pantheon-terminal で透過がされない
pantheon-terminal の透過は elmentaryOS テーマ以外の GTK テーマでは完全には動作しません。gtk-theme-elementaryAUR を使うか このコード をテーマに追加してください。
pantheon-files のアイコンが白い
現在テーマにバグがあって黒の代わりに白色で一番上にアイコンが表示されるようです。この問題は gtk-theme-elementary-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません] をインストールするか gtk-theme-elementaryAUR テーマの gtk-widgets.css か gtk-widgets.css に次の行を追加することで修正できます:
GtkToolItem { color: @text_color; }
Wingpanel が表示されない
使用する GTK テーマによっては、wingpanel が完全に透明になってしまうことがあります。例えば elementary テーマでこれが起こります。Numix テーマはちゃんとパネルを表示しますが、特定のイベントで透明になることがあり、wingpanel をリロードすることでまた表示されます。
他のテーマで前の挙動に戻すには、テーマの CSS の末尾に以下の行を追加してください。テーマの CSS は大抵 /usr/share/themes/<theme-name> か ~/.themes/<theme-name> にあります。テーマによってファイルの名前は apps.css と gtk.css のどちらかになります:
/*********************
* wingpanel support *
********************/
.panel {
background-color: transparent;
transition: all 1s ease-in-out;
}
.panel.maximized {
background-color: #000;
}
標準のインジケータでグラフィックが壊れる
確認されている全てのテーマでインジケータが上手く動きません。インジケータはどれも古くなっています。新しいインジケータが Ubuntu のパッチに依存しているため、インジケータは全て2012年まで遡っており、何かの拍子に終了してしまいます。次のメジャーリリースで Wingpanel に新しいプラグインシステムが作られれば良いのですが。
LightDM Pantheon greeter が使えない
/var/lib/lightdm/.pam_environment を削除してください。ただし、このファイルは次の LightDM バグの回避策です: https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+source/unity-greeter/+bug/1024482
トラブルシューティング
GTK+ アプリケーションの回りに黒い影が表示される
Elementary の GTK テーマは独自のファイルを使用して ~/.config/gtk-3.0/gtk.css ファイルの設定を無視します。/usr/share/themes/elementary/gtk-3.0/gtk-widgets.css ファイルを開いて以下の部分を見てください (3669行目付近):
decoration,
.window-frame {
border-radius: 4px 4px 0 0;
box-shadow: 0 0 0 1px alpha (#000, 0.3),
0 14px 28px rgba(0,0,0,0.35),
0 10px 10px rgba(0,0,0,0.22);
margin: 12px;
}
上記のコードを以下のように置き換えてください:
decoration,
.window-frame {
box-shadow: none;
border: none;
padding: 0;
margin: 0;
}
詳しくは https://bugs.launchpad.net/elementaryos/+bug/1592441 を参照。
Gala が起動時にクラッシュする
未設定の gala は背景としてデフォルトの gnome の壁紙を使おうとします。しかし、gnome-themes-standard をインストールしていないと適切なファイルが存在しません。そのため、クラッシュを回避するには gnome-themes-standard をインストールしてください。pantheon の設定をした後はこのパッケージを削除しても大丈夫です。
ドックに新しいアプリケーションを追加するにはどうすればいいですか?
デスクトップファイルをドラッグアンドドロップするか、アプリケーションを右クリックして "Keep in dock" を選択してください。ドラッグアンドドロップで並び順を変更できます。
GTK テーマやフォントサイズなどのデフォルトの外観を変更するにはどうすればいいですか?
switchboard-plug-elementary-tweaks-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません] をインストールしてください。または gnome-tweak-tool を使うか GTK+ を見て下さい。
マウスカーソルが表示されません
おそらく 'gala' ウィンドウマネージャが動作していません。.xinitrc を使って 'gala' を cerbere の監視プロセスのリストに追加してください。
Wingpanel がアプリケーションしか表示しない
Wingpanel で表示されるインジケータは複数のパッケージに分割されています。wingpanel-indicator-datetime-bzrAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません], indicator-powerAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror], indicator-soundAUR などのインジケータをインストールしてください。