Navi 10
Navi 10 は AMD の Radeon RX 5000 シリーズ で使われている GPU アーキテクチャです。新しいハードウェアのため、ソフトウェアによるサポートがまだ十分ではありません。このページでは Arch Linux で Navi 10 を搭載した GPU を使用する方法を説明します。
目次
インストール
カーネル
Navi 10 GPU はバージョン 5.3 以上の Linux カーネルを必要とします。Linux カーネル 5.3 は既に Arch Linux の core リポジトリに入っています。最新版を使うために linux と linux-headers パッケージを使用してください。
以下のコマンドで現在使用しているカーネルのバージョンを確認できます:
uname -r
amdgpu-dkmsAUR をインストールすることで古いバージョンのカーネルで Navi 10 を動作させることもできますが、公式にはサポートされていません。
ファームウェア
Linux ファームウェアは Linux カーネルと一緒に配布されているパッケージで、特定のハードウェアデバイスを機能させるのに必要なファームウェアバイナリブロブが含まれています。バイナリブロブは基本的にプロプライエタリで、ハードウェアメーカーはファームウェアを作成するのに必要なソースコードを公開していません。
ファームウェアブロブは全て linux-firmware パッケージに含まれています。
新しいカーネルを使っていてもファームウェアファイルをインストールしていない場合、仮想端末を動かすのに nomodeset
カーネルオプションを付けて起動する必要があります。
Mesa
Navi 10 GPU のサポートは標準リポジトリにはまだ含まれていません。mesa とその関連パッケージの開発版が必要になります。mesa-git
リポジトリをシステムに追加してください。以下の行を /etc/pacman.conf
の [core]
セクションの上に追加:
/etc/pacman.conf
[mesa-git] Server = https://pkgbuild.com/~lcarlier/$repo/$arch SigLevel = Optional
追加したらシステムを更新して以下のパッケージをインストールしてください:
amdvlk clang-git libclc-git libdrm-git llvm-git llvm-libs-git mesa-git opencl-mesa-git vulkan-mesa-layer-git vulkan-radeon-git xf86-video-amdgpu-git lib32-mesa-git lib32-mesa-git lib32-vulkan-radeon-git lib32-vulkan-mesa-layer-git
上記のパッケージは最新の mesa スタックのサポートと64ビット・32ビット両方のアプリケーションの Vulkan のサポートを提供します。
LLVM
LLVM 9.0 以上が必要です: [1]
上記の mesa / mesa-gitAUR の依存パッケージとして選択され、archlinux のメンテナによって llvm が 9.0 になるまでは llvm-gitAUR パッケージでインストールされます。
AMDGPU PRO
AMDGPU PRO の使用は非推奨です。使いたい場合は AMDGPU#AMDGPU PRO を見てください。
KMS のロード
AMDGPU#ロードを見てください。
Xorg の設定、ティアフリーレンダリング、DRI レベルと可変リフレッシュレート
AMDGPU#Xorg の設定を見てください。
ビデオアクセラレーション
ハードウェアビデオアクセラレーションを見てください。
GPGPU
OpenCL を機能させるには、opencl-amdgpu-pro-palAUR パッケージのインストールが必要です。詳しくは GPGPU を参照。
オーバークロック
AMDGPU#オーバークロックを見てください。
トラブルシューティング
一般
AMDGPU#トラブルシューティングを見てください。
消費電力
カーネル 5.3 を使ったときに待機消費電力が異常に大きくなるという報告が一部のユーザーからあります。カーネル 5.4 で問題を解決する パッチセット が存在します。