Pidgin
プロジェクトの ホームページ より:
- Pidgin は数百万人のユーザーによって使われている、簡単に使えてフリーなチャットクライアントです。AIM, Google Talk, ICQ, IRC, XMPP などのチャットネットワークに一度に接続することができます。
インストール
公式リポジトリから pidgin はインストールできます。別バージョンも存在します:
- Pidgin Light — GStreamer, Tcl/Tk, XScreenSaver, 動画・ボイスサポートを取り除いた Pidgin の軽量版。
purple-plugin-pack から追加のプラグインをインストールすることも可能です。
スペルチェック
Aspell は依存パッケージとしてインストールされますが、テキストが全て間違っていると表示されないようにするために aspell-en などの aspell の辞書をインストールする必要があります。Aspell の記事を見てください。
設定
サービス
purple-facebook (または purple-facebook-gitAUR) パッケージをインストールしてください。
新しいアカウントを追加して、プロトコルとして Facebook を選択して、Facebook のユーザー名 とパスワードを入力してログインしてください。
IRC
以下は Freenode に接続する簡単なチュートリアルです。ポート番号とその他の設定を変えれば、他の IRC ネットワークでも同じように設定できるはずです。
Accounts > Manage Accounts > Add を開いて下さい。以下のオプションを入力・選択します:
Protocol: IRC Username: your username
Buddies > New instant message を開いて (もしくは Ctrl+m
を押す)、テキストボックスに 'freenode.net' と username@irc.freenode.net と入力して、'Ok' をクリックしてください。以下を入力:
/join #archlinux
チャンネルは重要ではありません。
ニックネームを登録するために、次を入力:
/msg nickserv register password email-addres
登録メールの指示に従って下さい。ヘルプを表示するには以下を入力:
/msg nickserv help /msg nickserv help command
後はチャンネルを 'Buddies' に追加するだけです: Buddies > Add chat を開いて、テキストボックスに適当なチャンネルを入力してください (#archlinux)。
Sametime プロトコル
libpurple-meanwhileAUR パッケージをインストールしてください。パッケージをインストールすれば、アカウントの作成時に 'Sametime' プロトコルを選ぶことができます。
Skype for Business/Office 365/Lync の SIP/Simple プロトコル
pidgin-sipeAUR パッケージをインストールしてください。
Skype プラグイン
purple-skypeweb または skype4pidgin-gitAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません] パッケージをインストールしてください。
Rocket.Chat
purple-rocketchatAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません] パッケージをインストールしてください。
プライバシー
Pidgin はデフォルトで複数のプライバシールールを設定します。連絡先に登録された人やリストから選択された人だけがあなたにメッセージを送ることができるようになっています。この設定を変更するには:
Tools > Privacy
Pidgin-OTR
これは Pidgin に Off-The-Record (OTR) メッセージングをもたらすプラグインです。OTR はインスタントメッセージを暗号化する暗号プロトコルです。
まず公式リポジトリから pidgin-otr をインストールして、OTR を Pidgin に追加する必要があります。
- OTR を有効化するには、Pidgin を起動して Tools > Plugins を開くか
Ctrl+u
を押します。"Off-The-Record Messaging" というタイトルのエントリまでスクロールしてください。その横のチェックボックスにチェックが入ってなかったら、チェックを入れます。 - 次に、プラグインエントリをクリックして一番下の "Configure plugin" を選択します。鍵を生成したいアカウントを選択して、"Generate" をクリックして下さい。これで秘密鍵が生成されます。他のオプションが何をするのかよくわからない場合、そのままにしておいてください。デフォルトのオプションで問題ありません。
- OTR をインストールしている友達に連絡することができます。チャットウィンドウに、テキスト入力ボックスの右上に新しいアイコンが表示されているはずです。アイコンをクリックして "Start private conversation" を選択してください。'Unverified' セッションが開始されます。Unverified セッションは暗号化されていますが、検証はされていません。つまり、OTR が入っているアカウントを使って秘密の会話をすることはできますが、会話の相手が友達かどうかは保証がありません。会話相手の検証をする方法はこのセクションでは説明しません。
Pidgin-Encryption
pidgin-encryptionAUR は RSA 暗号によってインスタントメッセージを透過的に暗号化します。使い方は簡単で、とてもセキュアです。
Pidgin-OTR と同じ方法で有効化できます。
会話ウィンドウを開いてメニューに新しいアイコンがあることを確認してください。アイコンをクリックすると暗号化を有効化・無効化できます。また、デフォルトで暗号化を有効にしたい場合、友達の名前を右クリックして Turn Auto-Encrypt をオンにしてください。友達との新しい会話が開始されると、自動で暗号化がされるようになります。
Pidgin-GPG
Pidgin-GPG は GPG を使って会話を透過的に暗号化し、既存の WoT の機能を全て利用することができます。
このプラグインは AUR の pidgin-gpg-gitAUR でインストールすることができ、上記と同じ方法で有効にできます。
他のパッケージ
Arch には他にも Pidgin 関連のパッケージがあります。以下は有名なパッケージです (完全なリストは、AUR を検索してください):
- pidgin-libnotify - Libnotify のサポート、テーマにそって通知
- purple-libnotify-plusAUR - notify-osd を使用する Libnotify による通知。i3 など DE を伴わない WM で役に立ちます。オリジナルの pidgin-libnotify は単純なメッセージボックスを使います。
- guifications[リンク切れ: パッケージが存在しません] - トースターのようなポップアップ通知
- microblog-purpleAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror] - Twitter などのマイクロブログサービスをサポートする Libpurple プラグイン
- pidgin-latexAUR - pidgin の小さな latex プラグイン。$$ の間に数式を記述するとレンダリングされます (相手側もインストールする必要があります)
ヒントとテクニック
サスペンド時に自動でログアウト
コンピューターをサスペンドした場合、pidgin は約15分間、接続中のままになります。メッセージを得損なわないようするには、サスペンドやハイバネーションをする前にステータスをオフラインに設定しなくてはなりません。ステータスメッセージは変更されません。
したがって /etc/systemd/system
に新しい systemd ユニット pidgin-suspend
を作成してください。以下のスニペットを使って myuser をあなたの使用しているユーザーに置き換えます。
[Unit] Description=Suspend Pidgin Before=sleep.target StopWhenUnneeded=yes [Service] Type=oneshot User=myuser RemainAfterExit=yes Environment=DISPLAY=:0 ExecStart=-/usr/bin/purple-remote setstatus?status=offline ExecStop=-/usr/bin/purple-remote setstatus?status=available [Install] WantedBy=sleep.target
pm-utils を使っている場合、代わりに /etc/pm/sleep.d/
に 00pidgin
ファイルを作成することもできます。
#!/bin/sh # # 00pidgin: set offline/online status case "$1" in hibernate|suspend) DISPLAY=:0 su -c 'purple-remote setstatus?status=offline' ''%myuser'' ;; thaw|resume) DISPLAY=:0 su -c 'purple-remote setstatus?status=available' ''%myuser'' ;; *) exit $NA ;; esac
システムトレイに最小化
Xfce のシステムトレイを使用するには設定を開いて "Interface" セクションでシステムトレイを有効にしてください。これでメインウィンドウを閉じると pidgin が最小化されるようになります。システムトレイからメッセージの通知を見ることができます。
Kopete から Pidgin に履歴をインポート
- xalan-c をインストールして以下の内容で
~/bin/history_import_kopete2pidgin.sh
を作成:
#!/bin/sh KOPETE_DIR=~/.kde4/share/apps/kopete/logs PIDGIN_DIR=~/.purple/logs CURRENT_DIR=~/bin cd if [ ! -d $KOPETE_DIR ];then echo "Kopete log directory not found" exit 1; fi if [ ! -d $PIDGIN_DIR ];then echo "Pidgin log directory not found" exit 2; fi for KOPETE_PROTODIR in $(ls $KOPETE_DIR); do PIDGIN_PROTODIR=$(echo $KOPETE_PROTODIR | sed 's/Protocol//' | tr [:upper:] [:lower:]) for accnum in $(ls $KOPETE_DIR/$KOPETE_PROTODIR); do echo "Account number: $accnum" for num in $(ls $KOPETE_DIR/$KOPETE_PROTODIR/$accnum); do FILENAME=$(Xalan $KOPETE_DIR/$KOPETE_PROTODIR/$accnum/$num $CURRENT_DIR/history_import_kopete2pidgin_filename.xslt) if [ $? = 0 ]; then echo "$KOPETE_DIR/$KOPETE_PROTODIR/$accnum/$num" echo " -> $PIDGIN_DIR/$PIDGIN_PROTODIR/$FILENAME" mkdir -p $(dirname $PIDGIN_DIR/$PIDGIN_PROTODIR/$FILENAME) Xalan -o $PIDGIN_DIR/$PIDGIN_PROTODIR/$FILENAME $KOPETE_DIR/$KOPETE_PROTODIR/$accnum/$num $CURRENT_DIR/history_import_kopete2pidgin.xslt fi done done done
~/bin/history_import_kopete2pidgin.sh
を実行可能にする:
chmod +x ~/bin/history_import_kopete2pidgin.sh
- 以下の内容で
~/bin/history_import_kopete2pidgin.xslt
を作成:
<?xml version="1.0"?> <xsl:stylesheet version="1.0" xmlns:xsl="http://www.w3.org/1999/XSL/Transform"> <xsl:output method="text" indent="no" /> <xsl:template match="kopete-history"> <xsl:apply-templates select="msg"/> </xsl:template> <xsl:template match="msg"> <xsl:text>(</xsl:text> <xsl:value-of select="translate(substring-after(@time,' '),':',',')"/> <xsl:text>) </xsl:text> <xsl:value-of select="@nick"/> <xsl:if test="not(@nick) or @nick = "> <xsl:value-of select="@from"/> </xsl:if> <xsl:text>: </xsl:text> <xsl:value-of select="."/> <xsl:text> </xsl:text> </xsl:template> </xsl:stylesheet> </nowiki>
- 以下の内容で
~/bin/history_import_kopete2pidgin_filename.xslt
を作成:
<?xml version="1.0"?> <xsl:stylesheet version="1.0" xmlns:xsl="http://www.w3.org/1999/XSL/Transform"> <xsl:output method="text" indent="no" /> <xsl:template match="kopete-history"> <xsl:value-of select="head/contact[@type = 'myself']/@contactId"/> <xsl:text>/</xsl:text> <xsl:value-of select="head/contact[not(@type)]/@contactId"/> <xsl:text>/</xsl:text> <xsl:value-of select="head/date/@year"/> <xsl:text>-</xsl:text> <xsl:if test="head/date/@month < 10">0</xsl:if> <xsl:value-of select="head/date/@month"/> <xsl:text>-</xsl:text> <xsl:if test="string-length(substring-before(msg[1]/@time,' ')) < 2">0</xsl:if> <xsl:value-of select="translate(msg[1]/@time,' :','.')"/> <xsl:text>+0200EET.txt</xsl:text> </xsl:template> </xsl:stylesheet>
- シェルからコマンドを実行:
~/bin/history_import_kopete2pidgin.sh
バックアップ
~/.purple
をどこかに保存することでメッセージログやアカウント情報などのデータをバックアップできます。
トラブルシューティング
Sametime の Version Match
Pidgin を使って Sametime に接続したときに "Version Match" という表示される問題があります。クライアント側で出来る解決方法として accounts.xml
でバージョンを偽るという方法があります。$HOME/.purple/
フォルダに存在する accounts.xml
に含まれている Sametime アカウントの <settings>
セクションで以下の行を追加・変更してください:
<setting name='fake_client_id' type='bool'>1</setting> <setting name='client_minor' type='int'>8511</setting>
ブラウザのエラー
Pidgin の中でリンクをクリックすると、リンクを開くための 'sensible-browser' を使用しようとしているというエラーメッセージが作成される場合、~/.purple/prefs.xml
を編集してください。'sensible-browser' に言及している行をさがして以下のように変更します:
<pref name='command' type='path' value='firefox'/>
上の例では Firefox を使用しています。
Pidgin の設定の "Browser" セクションで使いたいブラウザを設定するという方法もあります。
ICQ
Buddy Information のエンコーディングが正しくない場合、ICQ アカウントのエンコーディングを変更することができます:
Account > your ICQ account > Edit account > Advanced tab
(キリル文字の場合) Encoding: CP1251
を選択。