Razer
現在 Razer の周辺機器の公式ドライバーは Linux に存在しません。しかしながら、Michael Buesch によって作成されたツール razercfg を使って Linux でも Razer のマウスを設定することができます。また、Razer のキーボードのマクロキーを有効にするスクリプトも存在します。
Razer 周辺機器
互換性
razercfg では以下のモデルのマウスを扱うことができます:
- Razer DeathAdder Classic
- Razer DeathAdder 3500 DPI
- Razer DeathAdder Black Edition
- Razer DeathAdder 2013
- Razer DeathAdder Chroma
- Razer Krait
- Razer Naga Classic
- Razer Naga 2012
- Razer Naga 2014
- Razer Naga Hex
- Razer Taipan
また、以下のモデルも使えますが全ての機能が使えるとは限りません:
- Razer Lachesis
- Razer Copperhead
- Razer Boomslang CE
インストール
AUR から razercfgAUR または razercfg-gitAUR (開発版) をダウンロード・インストールしてください。
/etc/X11/xorg.conf
ファイルを編集して以下のようになっている行をコメントアウトして現在のマウスの設定を無効化してください:
/etc/X11/xorg.conf
Section "InputDevice" Identifier "Mouse" Driver "mouse" Option "Device" "/dev/input/mice" EndSection
xorg.conf
に記述するのは Mouse
だけで Mouse#
は存在しないようにするのも重要です。
コンピュータを再起動して、以下を実行:
# udevadm control --reload-rules
それから razerd
デーモンを起動・有効化してください。
Razer Configuration Tool を使う
コマンドラインツールの razercfg と Qt による GUI ツール qrazercfg のどちらかを使うことができます。
ツールからは、マウスの DPI や周波数を変更したり、スクロールやロゴのライトを有効化・無効化したり、ボタンを設定することが可能です。
再起動したらカラーがリセットされてしまう場合、設定ファイルを直接編集してテストしてみてください:
/etc/razer.conf
# Configure LEDs led=1:GlowingLogo:on led=1:Scrollwheel:on mode=1:Scrollwheel:static color=1:Scrollwheel:0000FF mode=1:GlowingLogo:static color=1:GlowingLogo:FFFFFF
"static" は spectrum や breathing に変更することができ、LED をオフにしたい場合 mode や color は削除します。
Razer Blade
Razer Blade は Razer のゲーミングノートパソコンシリーズです。現在14インチと17インチのモデルが存在します。17インチの SBUI トラックパッドはプロプライエタリなため、USB プロトコルをリバースエンジニアリングしないかぎり動作させることは不可能です。
2016 バージョン (Razer Blade Stealth)
通常どおりにインストールすれば動作しますが、例外として以下の点に気をつけてください。
Killer 無線ネットワークアダプタ
プロプライエタリのファームウェアが存在しないとワイヤレスアダプタは動作しません。USB のイーサネットアダプタを用意するか、プロプライエタリドライバーをインストールした ISO を作成する必要があります。ワイヤレスアダプタは以下のように認識されます:
01:00.0 Network controller: Qualcomm Atheros QCA6174 802.11ac Wireless Network Adapter (rev 32)
上記は Killer Wireless-AC 1535 です。最新の 4.4.1 カーネルでは board.bin を上書きするだけで使えます。
# wget -O /lib/firmware/ath10k/QCA6174/hw3.0/board.bin http://www.killernetworking.com/support/board.bin
タッチパッド
xf86-input-libinput パッケージをインストールしてください。ドライバーについては Libinput を参照。
もしくは、Synaptics タッチパッドドライバーを使用したい場合、xf86-input-synaptics パッケージをインストールしてください。
グラフィックドライバー
xf86-video-intel パッケージをインストールして得られる標準の Intel ドライバーで動作します。詳しくは Intel Graphics を見てください。
画面がちらつく問題は AccelMethod を uxa に変更することで解決します:
/etc/X11/xorg.conf.d/20-intel.conf
Section "Device" Identifier "Intel Graphics" Driver "intel" Option "AccelMethod" "uxa" #Option "AccelMethod" "sna" EndSection
サスペンドループ
(ノートパソコンのフタを閉じると発生する) サスペンドは正しく機能しません。サスペンド自体は可能ですが、復帰したときにまたサスペンドしてしまったり画面が表示されなくなることがあります。
/etc/systemd/logind.conf
ファイルの HandleLidSwitch
の値を変更することで systemd のサスペンドを無効化することでしのげます:
HandleLidSwitch=ignore
HiDPI
GNOME を使用している場合、gnome-tweak-tool を使ってウィンドウやフォントのスケールを調整できます。フォントスケールを 1.25 に設定することで Windows 10 で表示されるときのフォントサイズに近くなります。
HiDPI ではないモニターを接続する場合、xrandr を使って外付けモニターのスケールを変更することができます。HiDPI#マルチディスプレイを参照。GNOME を Wayland で動作させると更によい結果が得られます。インストールしたら、[ [GDM]] の歯車アイコンをクリックして Gnome On Wayland を選択することでデフォルトで Wayland で動作するようになります。
未解決の問題
- ウェブカメラは動作しません。外付けのウェブカメラは問題なく機能します。解像度が 640x480 以外になっていると問題が起こるようです。guvcview は動作しますが、cheese や Google ハングアウト は最大解像度をデフォルトで使用するため動作しません。
2014 バージョン
問題
- タッチパッド (マルチタッチ、ただし修正済みのカーネルバグが原因の可能性あり)
- 画面の輝度を上げたり下げたりするキーが動作せず
- キーボードの輝度を上げたり上げたりするキーが動作せず
トラックパッドを修正する方法
git clone https://github.com/aduggan/hid-rmi.git -b rb14 # and then install it depmod -a
xf86-input-synaptics パッケージをインストールしてください。
動作しない機能: ピンチズーム, 3番目のマウスボタン
2013 バージョン
機能
- ワイヤレス
- スイッチャブルグラフィック
- Bluetooth
- キーボードライト (ハードウェア制御)
- UEFI ブート
- トラックパッド (Linux 4.0 以上のみ、libinput ベースの X.Org インプットドライバーは不要 (xf86-input-libinput) [1])
問題
- ドライバーが存在しないために SwitchBlade UI が動作しない。
トラックパッドでスクロールすることができない。
トラックパッドを修正する方法
git clone https://github.com/aduggan/hid-rmi.git -b rb14 # and then install it depmod -a
xf86-input-synaptics パッケージをインストールしてください。
動作しない機能: ピンチズーム, 3番目のマウスボタン
Razer キーボード
Linux でマクロキーを有効にすることができる Python スクリプトが2つ存在します:
- blackwidowcontrolAUR
- BlackWidow と BlackWidow 2013 で動作
- BlackWidow Ultimate (2013) でもおそらく動作
- BlackWidow (Ultimate) 2016 では動作せず
- Python 3 を使用
- マクロを作成するためのスクリプトは付属せず (デスクトップ環境のホットキー設定ツールを使ってください)
- LED の状態を制御可能
- razer-blackwidow-macro-scriptsAUR
- BlackWidow Ultimate 2013 で動作 (他のバージョンで動作するかは不明)
- Python 2 を使用
- マクロを作成・実行するためのスクリプトも付属
トラブルシューティング
マウスがときどき機能しなくなる
しばらく経つと Razer のマウスが (LED は光っているのに) 動作しなくなり、再起動したりコードを抜き差ししても解決しない場合、以下のコマンドを試してみてください。
ehci_pci
と ehci_hcd
モジュールをアンロード:
# rmmod ehci_pci # rmmod ehci_hcd
マウスを切断して、数秒間待ってから以下のコマンドを実行してモジュールを再度ロード:
# modprobe ehci_hcd # modprobe ehci_pci
マウスを接続すると動作するようになっているはずです。