2bwm
2bwmAUR はボーダーが2つあるというのが特徴の高速なフロート型ウィンドウマネージャです。XCB ライブラリで書かれており Michael Cardell によって作られた mcwm から暖簾分けしました。2bwm ではあらゆるものをキーボードから操作できますが、ポインティングデバイスを使って移動・リサイズ・上げ下ろしすることも可能です。最近になって mcwm-beast から 2bwm に名前が変更されました。
目次
インストール
2bwmAUR をインストールしてください。AUR から直接ビルドする場合、インストールは自動で行えますが、ソースディレクトリの "config.h" を閲覧・編集することが強く推奨されています。
設定
2bwm の起動
2bwm は startx などのスクリプトから起動するか XDM などのログインマネージャから起動します。
コンソールから起動する場合、.xinitrc
ファイルが必要です。以下、完動品の例:
#!/bin/sh # Set a nice background. xsetroot -solid grey20 # Load resources. xrdb -load ~/.Xresources # Start window manager in the background. If it dies, X still lives. 2bwm & # Start a terminal in the foreground. If this dies, X dies. exec urxvt
昔は 2bwm には起動オプションが存在していました。設定ファイルを編集するほうが楽なので削除されています。
2bwm を使う
2bwm を起動すると、マウスカーソル・背景・ターミナルだけが画面に表示されます (.xinitrc で指定した通り)。ターミナルを開くには、デフォルト設定では、Super+Enter (Super キーは別名 Windows キー/Mod4) を押してください。ターミナルを使って program_name & でプログラムを起動することができますが、普通は dmenu や 9menuAUR (AUR からインストールできます) などのメニューを使ってプログラムを起動する方が簡単だし便利です。
一般的なコマンド
- Super+Ctrl+q – 2bwm を終了
- Super+Ctrl+r – 2bwm を再起動
- Super+w – メニューを起動
- Super+Enter – ターミナルを起動
- Super+Arrows (+shift) – カーソルを移動 (shift で高速移動)
ウィンドウの操作
特定のウィンドウをフォーカスして Super キーと以下のキーを組み合わせてください:
- q – ウィンドウを閉じる。
- Tab または Shift+Tab – 現在のワークスペースのウィンドウリングの次のウィンドウへ
- f – ウィンドウを固定して、全てのワークスペースで表示する (トグル)。
- a – Super+q でウィンドウを終了できないようにする (トグル)。
- r – ウィンドウの上げ下ろし (トグル)。
- i – ウィンドウをアイコン化 (非表示)
ウィンドウの移動・リサイズ・テレポート
特定のウィンドウをフォーカスして Super キーと以下のキーを組み合わせてください:
- x – 最大化 (トグル)。
- m – 垂直に最大化 (トグル)。
- Shift+m – 水平に最大化 (トグル)。
- Shift+H (+Ctrl) – 左にリサイズ (Ctrl でゆっくり)。
- Shift+J (+Ctrl) – 下にリサイズ (Ctrl でゆっくり)。
- Shift+K (+Ctrl) – 上にリサイズ (Ctrl でゆっくり)。
- Shift+L (+Ctrl) – 右にリサイズ (Ctrl でゆっくり)。
- Home – 縦横比を維持しながら拡大。
- End – 縦横比を維持しながら縮小。
- h (+Ctrl) – 左に移動 (Ctrl でゆっくり)。
- j (+Ctrl) – 下に移動 (Ctrl でゆっくり)。
- k (+Ctrl) – 上に移動 (Ctrl でゆっくり)。
- l (+Ctrl) – 右に移動 (Ctrl でゆっくり)。
- y – モニターの左上に移動。
- u – モニターの右上に移動。
- b – モニターの左下に移動。
- n – モニターの右上に移動。
- g – モニターの中央に移動。
- Shift+y/Shift+u/Shift+b/Shift+n – 上下左右に移動+縦横半分に最大化。
ワークスペース
- 0-9 – n 番目 (0-9) のワークスペースに変更。
- Shift+0-9 – n 番目のワークスペースに送る。
- c または v – 次/前のワークスペースに変更。
- , または . – ウィンドウを前/次のモニターに移動。
マウスの操作
Super キーを押しながら、マウスボタンを押すと以下の操作ができます:
- ウィンドウ上でボタン 1 – ウィンドウを移動
- ウィンドウ上でボタン 3 – ウィンドウをリサイズ
- デスクトップ上でボタン 3 + Ctrl – config.h で指定したメニューを起動。
キーボードからの操作は全て、マウスカーソルの位置とは関係なく、現在フォーカスされているウィンドウになされるので注意してください。もちろん、ワークスペースの変更はウィンドウのフォーカスとは無関係です。
キーボードマッピングは config.h で変更できます。
ヒントとテクニック
ターミナルで 2bwm を起動
.xinitrc
などで 2bwm を起動するときに、ウィンドウマネージャをバックグラウンドで動かして (rxvt-unicode などの) ターミナルエミュレータを exec する場合、X セッションを管理するターミナルを終了できないようにするのが賢明です (デフォルトでは Super+a)。ターミナルを終了したら同時に X セッションも落ちてしまったという誤操作を減らすことができます。ウィンドウを終了不可モードにすると外枠の色が変化するので他の通常ウィンドウと見分けることができます。urxvt などの設定によっては、外枠が表示されない場合があるので注意です。.Xresources (または .Xdefaults) ファイルに以下の行があると外枠が表示されないと報告されています:
URxvt.depth: 32
深度を32より小さい数字に設定することで問題は解決します。上記の行を消してしまってもかまいません。
スクリプトを使って現在のワークスペースの番号を取得
以下のコマンドで現在のワークスペースを取得できます:
xprop -root _NET_CURRENT_DESKTOP | sed -e 's/_NET_CURRENT_DESKTOP(CARDINAL) = //'
外枠の色を覚えやすくする
青は"固定"、赤は"終了不可能"、紫は"固定+終了不可能"などに設定することで、外枠の色の意味が覚えやすくなります。青と赤を混ぜたら紫です。
左上の四角
borders[0]
を負数に設定すると外枠が左上に表示される四角になります。外枠の色の設定は四角に引き継がれます。
参照
- 2bwm - 2bwm の GitHub リポジトリ