Fail2ban
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Fail2ban は様々なテキストのログファイルをスキャンして、何度もパスワード認証を失敗している IP アドレスを拒否するようファイアウォールのルールを更新して ban します。Sshguard に似ています。
インストール
公式リポジトリから fail2ban をインストールしてください。
誰かが ban されたときに Fail2ban にメールを送って欲しいときは、SSMTP (など) をセットアップする必要があります。
systemd
fail2ban.service
サービスユニットを使って下さい。使い方は systemd を参照。
ハードニング
現在、fail2ban は root で実行する必要があり、systemd でプロセスをハードニングする余地があります。参照: systemd for Administrators, Part XII
ケイパビリティ
セキュリティを強化するために既存の fail2ban.service
のドロップイン設定ファイルで CapabilityBoundingSet
を指定することで fail2ban のケイパビリティを制限できます:
/etc/systemd/system/fail2ban.service.d/capabilities.conf
[Service] CapabilityBoundingSet=CAP_DAC_READ_SEARCH CAP_NET_ADMIN CAP_NET_RAW
上の例では、CAP_DAC_READ_SEARCH
で fail2ban に完全な読み取りアクセスを許可し、CAP_NET_ADMIN
と CAP_NET_RAW
で iptables によるファイアウォールのルールの設定を許可しています。fail2ban の設定によっては、ケイパビリティを追加する必要があるでしょう。詳しくは man capabilities
を見て下さい。
ファイルシステムのアクセス
[Service]
セクションで、ReadOnlyDirectories や ReadWriteDirectories を使うことで、ファイルシステムの読み書きアクセスを制限することができます。例えば:
ReadOnlyDirectories=/ ReadWriteDirectories=/var/run/fail2ban /var/lib/fail2ban /var/spool/postfix/maildrop /tmp
上の例では、pid やソケットファイルの /var/run/fail2ban
と、postfix sendmail の /var/spool/postfix/maildrop
を除いて、ファイルシステムを読み取り専用に制限しています。ケイパビリティと同じく、システム設定や fail2ban の設定によって変える必要が出てきます。fail2ban の動作の中には /tmp
ディレクトリが必要になるものもあります。fail2ban の行動記録を保存して欲しい場合は /var/log
を追加してください。
SSH jail
/etc/fail2ban/jail.conf
を編集して ssh-iptables セクションを修正して ssh-iptables を有効化してアクションを設定します。
使っているファイアウォールが iptables の場合:
[ssh-iptables] enabled = true filter = sshd action = iptables[name=SSH, port=ssh, protocol=tcp] sendmail-whois[name=SSH, dest=your@mail.org, sender=fail2ban@mail.com] logpath = /var/log/auth.log maxretry = 5
Fail2Ban はバージョン 0.9 から backend = systemd
を設定することで systemd の journal から直接読み取ることができるようになっています。
使っているファイアウォールが shorewall の場合:
[ssh-shorewall] enabled = true filter = sshd action = shorewall sendmail-whois[name=SSH, dest=your@mail.org, sender=fail2ban@mail.com] logpath = /var/log/auth.log maxretry = 5
また、/etc/ssh/sshd_config
に次を追加/変更してください:
LogLevel VERBOSE
そうしないとパスワード認証の失敗が正しく記録されません。