Lenovo ThinkPad P1
Lenovo ThinkPad P1 は2018年に発売されたノートパソコンで、最大で Intel Core i7-8850H または Xeon E-2176M 6コアプロセッサ、64 GB DDR4 メモリ、NVIDIA Quadro P2000 グラフィックを搭載します。
目次
インストール
ファームウェアのアップデート
インストールする前に、Windows 10 を起動してプリインストールされている Lenovo Vantage ソフトウェアを使って必要なファームウェアアップデートをインストールすることを推奨します、特に こちら が重要です。
ハイブリッドグラフィックでインストール
ハイブリッドグラフィックが BIOS で有効になっている場合、現在のところライブ CD は正しく起動しません。詳しくは NVIDIA Optimus を見てください。選択肢はふたつあります:
- BIOS の設定を "Discrete only" に変更してハイブリッドグラフィックを無効化する。
- ライブ CD を起動する前に
e
を押してカーネルパラメータにmodprobe.blacklist=nouveau
を追加する。
二番目の方法を使う場合、/boot/loader/entries/arch.conf
に modprobe.blacklist=nouveau
と記述すると良いでしょう。
HiDPI ディスプレイ
ThinkPad P1 は構成によって HiDPI ディスプレイが搭載されています。インストール時にコンソールフォントが読めない場合は setfont latarcyrheb-sun32
を実行してください。
インストール後もフォントの設定を永続的に使用するには、以下の内容で /etc/vconsole.conf
を作成:
/etc/vconsole.conf
FONT=latarcyrheb-sun32
詳しくは HiDPI を参照。
グラフィック
ThinkPad P1 でグラフィックを設定する場合の問題がふたつ存在します: BIOS に "integrated graphics only" オプションが存在しないこと、そして外部ディスプレイ端末 (HDMI など) が NVIDIA のチップに接続されていることです。あなたがしたいことによって、以下の設定方法から選ぶ必要があります:
ディスクリートのみ
NVIDIA の記事に従って設定してください。この場合、NVIDIA のグラフィックカードが常にオンとなるため、バッテリーの持ちが著しく短くなります。
Bumblebee によるハイブリッドグラフィック
Bumblebee を見てください。Bumblebee の設定後に Xorg が起動しない場合、Xorg -configure
を実行してから設定を /etc/X11/xorg.conf
にコピーして Xorg の設定を生成してみてください。
Bumblebee は通常時は NVIDIA のカードを無効化するため、HDMI などのディスプレイ出力は xrandr -q
で認識されません。Bumblebee のマルチモニター設定 のページを見てください。
bbswitch によるハイブリッドグラフィック
この方法では内蔵グラフィックとディスクリートグラフィックを手動で切り替えます。切り替えるときは全ての Xorg インスタンスを再起動する必要があります。マシンの再起動は必要ありません。
適切な NVIDIA グラフィックドライバーと bbswitch をインストールしてください。Xorg -configure
を実行して設定を /etc/X11/xorg.conf.intel
にコピーします。/etc/X11/xorg.conf.nvidia
を作成してもいいですが、必須ではありません。
以下の Bash 関数でディスクリートグラフィックを切り替えられます:
discrete() { killall Xorg modprobe nvidia_drm modprobe nvidia_modeset modprobe nvidia tee /proc/acpi/bbswitch <<<ON cp /etc/X11/xorg.conf.nvidia /etc/X11/xorg.conf }
上記の関数の実行後、xrandr -q
は出力端子として HDMI-0
を認識します。xrandr --auto
で外部モニターにディスプレイが映ります。DPI が異なるディスプレイを拡張したい場合、以下のコマンドを必要に応じて修正して実行してください:
$ xrandr --output HDMI-0 --scale 2x2 --right-of eDP-1-1
逆に、内蔵グラフィックに切り替えたい場合:
integrated() { killall Xorg rmmod nvidia_drm rmmod nvidia_modeset rmmod nvidia tee /proc/acpi/bbswitch <<<OFF cp /etc/X11/xorg.conf.intel /etc/X11/xorg.conf }
切り替えた後は X セッションを手動で起動する必要があります。
TLP を使っている場合、TLP がシステムの起動・シャットダウンを妨害しないようにするため、以下の行をアンコメントして NVIDIA のカードを分離する必要があります:
/etc/default/tlp
RUNTIME_PM_DRIVER_BLACKLIST="amdgpu nouveau nvidia radeon"
nvidia-xrun には NVIDIA のグラフィックカードで別の X セッションを実行する方法が記載されています。
トラブルシューティング
xbacklight で画面の明るさを変えられない
light-gitAUR をインストールしてください。
起動時・シャットダウン時にシステムがフリーズする
ハイブリッドグラフィックを使っている場合、TLP の設定で NVIDIA ドライバーがブラックリストに含まれているかどうか確認してください:
/etc/default/tlp
RUNTIME_PM_DRIVER_BLACKLIST="amdgpu nouveau nvidia radeon"
また、シャットダウンする前に以下のコマンドを実行して NVIDIA のカードをオンにしてください:
# modprobe nvidia