F2FS

ファイルシステム

F2FS (Flash-Friendly File System) はフラッシュ変換レイヤ (FTL) を備えた NAND ベースフラッシュメモリに最適化されたファイルシステムです。JFFS や UBIFS と異なり、書き込み分散を処理するのに FTL に依存しています。F2FS はカーネル 3.8 以上でサポートされています。

FTL は SCSI/SATA/PCIe/NVMe インターフェイスがある全てのフラッシュメモリに存在します [1]。スマートメディアカードやベアメタルな NAND フラッシュには存在しません [2]。

1 F2FS ファイルシステムの作成
- 1.1 Compression
- 1.2 ファイルベースの暗号化サポート
2 F2FS ファイルシステムのマウント
3 チェックと修復
- 3.1 Implementation of discard
4 F2FS ファイルシステムの拡大
5 既知の問題
- 5.1 fsck の実行時間が長くて起動が遅い

F2FS ファイルシステムの作成

F2FS ファイルシステムを作成するには f2fs-tools のインストールが必要です。

ファイルシステムを作成:

# mkfs.f2fs -l mylabel /dev/sdxY

/dev/sdxY は F2FS でフォーマットしたい対象ボリュームに置き換えてください。利用可能なオプションについては mkfs.f2fs(8) を参照。

Compression

If you want to use compression, you must provide extra_attr and compression options at filesystem creation. Example:

# mkfs.f2fs -l mylabel -O extra_attr,compression /dev/sdxY

When mounting the filesystem, you will have to specify compress_algorithm=(lzo|lz4|zstd|lzo-rle). Using compress_extension=txt will cause all txt files to be compressed by default.

ファイルベースの暗号化サポート

Linux 4.2 から、F2FS はネイティブでファイル暗号化をサポートしています。暗号化はディレクトリ単位で適用され、ディレクトリごとに別々の暗号鍵を使用できます。ブロックデバイスレベルの暗号化である dm-crypt やスタック暗号化ファイルシステムである eCryptfs のどちらとも異なっています。F2FS のネイティブの暗号化サポートを使いたい場合は fscrypt の記事を読んでください。

F2FS ファイルシステムのマウント

フォーマットしたファイルシステムは手動でマウントすることができます:

# mount /dev/sdxY /mnt/foo

チェックと修復

f2fs ファイルシステムのチェックと修復は f2fs-tools に含まれている fsck.f2fs で行います。利用可能なスイッチは fsck.f2fs(8) を見てください。

Implementation of discard

By default, F2FS partitions are mounted using a hybrid TRIM mode which behaves as continuous TRIM. This implementation creates asynchronous discard threads to alleviate long discarding latency among RW IOs. It keeps candidates in memory, and the thread issues them in idle time [3]. As a result of this, users wanting periodic TRIM will need to implicitly set the nodiscard mount option in /etc/fstab or pass it to mount if mounting manually.

F2FS ファイルシステムの拡大

ファイルシステムがアンマウントされている状態なら、パーティションを拡大してからファイルシステムをそれに合わせて拡大できます。縮小は現在サポートされていません。

まずパーティションツールを使ってパーティションのサイズを変更します: 例えば、parted コンソールで print コマンドを実行したときのディスクの出力内容が以下のようになっている場合:

   Number  Start   End     Size        File system     Name                  Flag
    1      1049kB  106MB   105MB       fat32           EFI system partition  boot, esp
    2      106MB   11,0GB  10,9GB      ext4
    3      11,0GB  12,3GB  1322MB      f2fs
    4      31,0GB  31,3GB  261MB       ext4

f2fs パーティションを拡大して4番目のパーティションまでの全ての領域を使い切るには、resizepart 3 31GB を実行してから exit します。それから以下のコマンドでファイルシステムを拡張して新しいパーティションを埋めます:

# resize.f2fs /dev/sdxY

/dev/sdxY は拡大する F2FS ボリュームに置き換えてください。利用可能なオプションは resize.f2fs(8) を参照。

ノート: GPT を使っている場合、パーティションの GUID (/dev/disk/by-partuuid/ で確認可能) が変わってしまう可能性がありますが、ファイルシステムの UUID (/dev/disk/by-uuid/ で確認可能) は変わりません。

既知の問題

fsck の実行時間が長くて起動が遅い

カーネルのバージョンが変わってから再起動すると fsck.f2fs ユーティリティは完全なファイルシステムチェックを行うため、完了するまで長い時間がかかります [4]。