dmenu
dmenu は X 向けの高速で軽量なダイナミックメニューです。標準入力から任意のテキストを読み込んで、1行ごとを1つのアイテムとしてメニューを作成します。ユーザーは矢印キーや名前の一部を入力してアイテムを選択することができ、標準出力に行が出力されます。dmenu_run は dmenu をアプリケーションランチャーとして使えるようにするラッパーです。
目次
インストール
公式リポジトリから dmenu パッケージをインストールしてください。git の開発ビルドを使いたい場合は、Arch User Repository から dmenu-gitAUR パッケージをインストールしてください。
dmenu にはデフォルトの機能を拡張した、様々な亜種も存在します。AUR から以下のパッケージがインストールできます:
- dmenu2AUR: 多数の便利なパッチが適用された dmenu のフォーク。明るさの調整や透過のカスタマイズ、下線などの機能が追加されています。
dmenu は次のコマンドで実行できます:
$ dmenu_run
設定
dmenu_run
コマンドにはキーストロークのコンビネーションを割り振ると良いでしょう。ウィンドウマネージャやデスクトップ環境の設定を使ったり、xbindkeys などのプログラムで設定できます。詳しくはホットキーの記事を見て下さい。
カスタムアイコンの表示
dmenu にカスタムアイテムをパイプで渡すことで表示できます。例えば:
$ echo -e "first\nsecond\nthird" | dmenu
手動でアイテムを追加
dmenu は $PATH
で定義されたディレクトリにある実行可能ファイルを検索します。$PATH
を変更する方法については次の記事を参照: 環境変数。
フォント
フォントを設定するには -fn
オプションを指定します。dmenu 4.6 以降では fontconfig が使われるため、fonts.conf(5) にあるフォント名の表記方法と同一の構文が使えます。たとえば David Sans Mono を使うときは:
$ dmenu_run -fn 'Droid Sans Mono-9'
シェルのエイリアスのサポート
dmenu はシェルのエイリアスに対応していません。dmenu にエイリアスを認識させるには、AUR から dmenu-recent-aliases-gitAUR パッケージをインストールして dmenu-recent-aliases
を実行してください。dmenu_run_aliases によって認識させるにはエイリアスを ~/.bash_aliases
に記述する必要があります。
履歴のサポート
最近使用した順にコマンドを並べ替えるには、 dmenu_run_history を $PATH
にダウンロードし、dmenu_run
の代わりに dmenu_run_history
を使用します。
トラブルシューティング
No locale support
dmenu_run を実行すると以下のエラーメッセージが表示される場合:
$ dmenu_run
no locale support
LANG
環境変数が正しく設定されていることを確認してください。詳しくは次のページを参照: ロケール#トラブルシューティング。
メニューエントリが表示されない
特定のメニューエントリが dmenu に表示されない場合、キャッシュが壊れている可能性があります。キャッシュを削除して dmenu を再起動してください:
$ rm ~/.dmenu_cache $ rm ~/.cache/dmenu_run
$XDG_CACHE_HOME
が設定されている場合、キャッシュファイルは一つしか存在しません。詳しくは /usr/bin/dmenu_run
の中を見て下さい。
環境変数
アプリケーションに必要な環境変数を /etc/environment
で定義して下さい。
参照
- dmenu – dmenu 公式ウェブサイト
- Dmenu Hacking thread – Arch Linux フォーラムの Dmenu ハックスレッド。スクリプトについては dmenu_scripts コレクション にまとめられています。