AUR ヘルパー

警告: AUR ヘルパーは Arch Linux では サポートされていません 問題のトラブルシューティングに備えるために、手動ビルドプロセス に慣れる必要があります

AUR ヘルパーは Arch User Repository の利用を自動化するものです。特に、以下のタスクを自動化することができます。

• AUR で公開されているパッケージの検索。
• AUR パッケージ間の依存関係を解決する。
• AUR パッケージの取得とビルド
• ユーザーコメントのようなウェブコンテンツの取得
• AUR パッケージの投稿

Pacman はリポジトリにあるビルド済みのパッケージのアップデートだけを扱います。AUR パッケージは PKGBUILD の形で再配布され、再ビルドのプロセスを自動化するために AUR ヘルパーが必要です。しかし、パッケージ自体がアップデートされたときだけでなく、共有ライブラリの依存関係が更新されたときにもパッケージのリビルドが必要になることがあることを覚えておいてください。

用語集

[比較表] の列は、以下のような意味を持ちます。

File review

デフォルトでは PKGBUILD をソースしない か、ユーザーに警告を出しソースされる前に PKGBUILD を手動で検査する機会を提供します。ヘルパーの中にはユーザーが検査する前に PKGBUILD をソースして、悪意のあるコードを実行させる ものがあることが知られています。

Diff view

パッケージの差分を閲覧する機能です。PKGBUILD の他に、.install や .patch ファイルなどのファイルの変更も含まれます。

Git クローン

AUR からビルドファイルを取得するためにデフォルトで git-clone(1) を使います。

高機能パーサー

aws-cli-git^AUR のような PKGBUILD parsing の代わりに提供されるメタデータ (RPC/.SRCINFO) を使って複雑なパッケージを扱うことができるようになりました。

高機能ソルバー

ros-melodic-desktop^AUR のような、複雑な依存関係を正しく解決して構築する機能。

分割パッケージ

正しくビルドしてインストールする機能

• 同じパッケージベースから複数のパッケージを、何度もリビルドや再インストールすることなく、インストールできます。
• libc++ と libc++abi のように、同じパッケージベースのパッケージに依存しているパッケージを分割することができます。
• python-pyalsaaudio^AUR と python2-pyalsaaudio^AUR のように、独立してパッケージを分割することができます。

シェルによる補完

Tab completion はリストアップされた コマンドラインシェル で利用可能です。

ノート:

• オプション とは、コマンドライン引数または設定オプションによってのみ利用可能な機能であることを意味します。
• 部分的 は、その機能が完全に実装されていない、または与えられた基準から部分的に逸脱していることを意味します

比較表

検索とダウンロード

名前	言語	Git クローン	高機能パーサー	高機能ソルバー	シェル補完	特記事項
auracle-gitAUR	C++	Yes	Yes	Yes	bash	ビルドオーダーの印刷
pbgetAUR	Python	Yes	Yes	–	–	–
repoctlAUR	Go	No	Yes	–	zsh	ローカルリポジトリ
yaahAUR	Bash	オプション	Yes	–	bash	–

検索とビルド

名前	言語	File review	Diff view	Git クローン	高機能パーサー	高機能ソルバー	分割パッケージ	シェル補完	特記事項
aurutilsAUR	Bash	Yes	Yes	Yes	Yes	Yes	Yes	Bash, zsh	ローカルリポジトリ ローカルパッチ、パッケージ署名、clean chroot
bauerbillAUR	Python	Yes	No	Yes	Yes	Yes	Yes	bash, zsh	信頼管理、ABS サポート、Powerpill の拡張。
PKGBUILDerAUR	Python	No	No	Yes	Yes	Yes	部分的	–	pb pacman ラッピング
ruaAUR	Rust	Yes	Yes	Yes	Yes	Yes	Yes	bash, zsh, fish	ローカルパッチ, bubblewrap, .pkg.tar 操作

Pacman ラッパー

警告: pacman(8) ラッパーはパッケージマネージャの仕事を抽象化します。（オプションもしくはデフォルトで）危険なフラグ や、システムの欠陥につながるその他の予期せぬ挙動を引き起こす可能性があります

ノート: 以下の pacman ラッパーはバッチオペレーションをサポートします（オンデマンドではありません）pacaur^AUR, pikaur^AUR, yay^AUR, aura^AUR, paru^AUR

名前	言語	File review	Diff view	Git クローン	高機能パーサー	高機能ソルバー	分割パッケージ	危険なフラグ	シェル補完	特記事項
auraAUR	Haskell	No	部分的	Yes	Yes	Yes	Yes	–	bash, fish, zsh	–
pacaurAUR	Bash	Yes	Yes	Yes	Yes	Yes	Yes	--ask	bash, zsh	–
pakku-gitAUR	Nim	Yes	Yes	Yes	Yes	Yes	Yes	-Sy	bash, zsh	フェッチ PGP キー
paruAUR	Rust	Yes	Yes	Yes	Yes	Yes	Yes	-Sy --ask	bash, fish, zsh	フェッチ PGP キー
pikaurAUR	Python	Yes	Yes	Yes	Yes	Yes	Yes	-Sy	bash, fish, zsh	dynamic users
trizenAUR	Perl	Yes	Yes	Yes	Yes	Yes	部分的	–	bash, fish, zsh	–
yayAUR	Go	Yes	Yes	Yes	Yes	Yes	Yes	-Sy --ask	bash, fish, zsh	フェッチ PGP キー

GUI

警告: グラフィカルなAURヘルパーを使用すると、システムに欠陥が生じる可能性があります。 partial upgrades.

• Argon — Python で書かれた GTK3 pacman wrapper

https://github.com/14mRh4X0r/arch-argon || argon^AUR

• Cylon — Bash で書かれた TUI pacman wrapper

https://github.com/gavinlyonsrepo/cylon || cylon^AUR

• Kalu — libalpm と PolicyKit を使った Systray 通知アイコン、オプションのアップデータ付き

https://github.com/Thulinma/kalu || kalu^AUR

• Pamac — Vala で書かれた libalpm(3) を使用したスタンドアロン GTK3 パッケージマネージャ

https://gitlab.manjaro.org/applications/pamac || pamac-aur^AUR

• Pakku GUI — Python で書かれた pakku 用の GTK3 フロントエンド

pakku-gui^AUR || パッケージが存在しないか AUR で検索

• PkgBrowser — Python で書かれたリポジトリパッケージと AUR 用の Qt5 読み取り専用ブラウザ

https://osdn.net/projects/pkgbrowser/ || pkgbrowser^AUR

• Octopi — Qt 5 pacman wrapper written in C++.

https://tintaescura.com/projects/octopi || octopi^AUR

• Yup — Go で書かれた Curses TUI pacman wrapper

https://github.com/ericm/yup || yup^AUR

メンテナンス

• aur-out-of-date — ホストの API を使って AUR 上流の変更をチェック。

https://github.com/simon04/aur-out-of-date || aur-out-of-date^AUR

• pkgbuild-watch — 上流のウェブページに変化がないか確認。

http://kmkeen.com/pkgbuild-watch || pkgbuild-watch^AUR

• pkgoutofdate — PKGBUILD からソース URL を分析してバージョン番号を増やしてウェブサーバーにリクエストを送信、新しいバージョンが存在しないか確認。

https://github.com/anatol/pkgoutofdate || pkgoutofdate-git^AUR

アップロード

• aur4_import.sh — git リポジトリから複数のパッケージにパッケージを分割します (コミットするたびに .SRCINFO を追加・更新)。
• aur4_make_submodule.sh — AUR 4 サブモジュールによって巨大な git リポジトリのパッケージを置き換えます。
• aurpublish — git サブツリー として AUR パッケージを管理します。.SRCINFO ファイルの生成と PKGBUILD のチェック、コミットメッセージの作成 は同じ リポジトリ にある git フックによって行うことができます。