Xilinx ISE WebPACK
Xilinx ISE WebPACK は完全な FPGA/CPLD プログラマブルロジックデザインスイートです:
- 回路図キャプチャまたは Verilog/VHDL によるプログラマブルロジックの設計
- 特定のロジックの合成と配置配線による様々な Xilinx FPGA と CPLD
- ファンクショナル (振る舞い) シミュレーションと (配置配線後の) タイミングシミュレーション
- 通信ケーブルによる対象機器への設定データのダウンロード
Arch Linux は公式サポートされているディストリビューションではありませんが、多くの機能は Arch Linux で動作します。
必須要件
依存パッケージ
組み込み ARM コア (Xilinx Zynq SoC デバイスなど) 用にソフトウェアを開発する場合、Xilinx Embedded Development Kit (EDK) にバンドルされている GCC クロスコンパイラをインストールすることになります。このコンパイラは glibc と ncurses パッケージを必要とします。i686 環境の場合、大抵これらのパッケージは既にインストールされています。
64ビットの Arch 環境の場合、multilib リポジトリからパッケージをインストールする必要があります (lib32-glibc と lib32-ncurses)。
デフォルトシェル
インストール時に、埋め込みプロセッサの Mentor CodeSourcery ツールチェインを Xilinx ツールと一緒にインストールすることができます。デフォルトのシェルが "dash" に設定されている場合、このインストールは何も出力をしないで失敗します。/usr/bin/sh
が /usr/bin/bash
になっていることを確認してください。
次のコマンドを実行することで確認できます:
$ ls -l /usr/bin/sh
以下のように出力された場合:
lrwxrwxrwx 1 root root 15 13 Mar 06:47 /usr/bin/sh -> bash
/usr/bin/sh
は /usr/bin/bash
になっています (Arch Linux でのデフォルト)。
出力が異なる場合、root で以下のコマンドを実行してください:
$ rm /usr/bin/sh $ ln -s bash /usr/bin/sh
インストール
ISE デザインツールは 公式のダウンロードページ からダウンロードできます。登録とライセンス契約が必要ですが、料金はかかりません。つまり、"言論の自由"のフリーではなく、"無料のビール"と同じ意味のフリーです。
tarball のダウンロードが完了したら、解凍してください:
$ tar -xvf Xilinx_ISE_DS_Lin_14.7_1015_1.tar
ISE デザインツールインストーラは Qt アプリケーションです。KDE デスクトップ環境を使っている場合、インストーラは "Oxygen" ウィジェットテーマをロードしようとしますが、Xilinx ISE デザインツールに付属している Qt フレームワークが古いために失敗します。インストーラを実行する前に QT_PLUGIN_PATH
環境変数を削除する必要があります:
$ unset QT_PLUGIN_PATH
それから、ISE デザインツールをインストールしてください:
$ cd Xilinx_ISE_DS_Lin_14.7_1015_1 $ ./xsetup
指示に従って ISE をインストールしてください。デフォルトで、アプリケーションは /opt/Xilinx/
にインストールされるため、このディレクトリに書き込みを行う権限がインストーラを実行するユーザーにあることを確認してください。
インストール中、"Install Cable Drivers" のオプションのチェックを外して下さい。チェックしたままにするとインストール中にエラーが発生します。
ISE デザインツールの起動
ISE デザインツールには環境変数 (主に PATH と LD_LIBRARY_PATH) を変更するシェルスクリプトが含まれています。ISE ツールを起動する前にこのスクリプトを source する必要があります:
$ source /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/settings64.sh
また、32ビット環境の場合:
$ source /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/settings32.sh
スクリプトを読み込むことで、ISE デザインツールに PATH が通るのでツールの名前をターミナルに入力することで起動できます (例: ise
, planAhead
, xsdk
, ...)。
デスクトップアイコンによる起動
/usr/share/applications/
にファイルを作成することもできます。
ise.desktop:
#!/usr/bin/env xdg-open [Desktop Entry] Version=1.0 Type=Application Name=Xilinx ISE Exec=sh -c "unset LANG && unset QT_PLUGIN_PATH && source /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/settings64.sh && ise" Icon=/opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/data/images/pn-ise.png Categories=Development; Comment=Xilinx ISE StartupWMClass=_pn
ファイルを作成したら、ホームのデスクトップフォルダにこのファイルをコピーしてデスクトップから ISE ツールを起動できます。
ライセンスのインストール
Xilinx の Licensing Site から WebPACK のライセンスをリクエストすると、ライセンスファイルがメールで届きます。このファイルは Xilinx License Manager でインポートすることができます (ターミナルから xlcm -manage
を実行)。
また、~/.Xilinx
や /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/coregen/core_licenses
ディレクトリにファイルをコピーするだけでもライセンスをインポートできます。
ノードロックライセンス
Arch Linux はデフォルトで systemd の Predictable Network Interface Names を使っています。そのためシステム上のネットワークインターフェイスの名前は "eth0" や "eth1" などにはなりません。
しかし、Xilinx License Manager はそのような名前を検索してシステムの MAC アドレスを確認します。そして、ノードロックライセンスにその MAC アドレスが使われます。ノードロックライセンスが必要な場合、この機能を無効にしてネットワークインターフェイスの命名規則をカーネルによる名前に戻して、ライセンスを取得した NIC の名前を固定する必要があります。以下のコードが役に立ちます:
# echo 'SUBSYSTEM=="net", ACTION=="add", ATTR{address}=="xx:xx:xx:xx:xx:xx", NAME="eth1"' > /etc/udev/rules.d/10-net-naming.rules
For more specific, refer to the page systemd wiki describes how to work and what you have other(formal) ways.
インストール後の設定
インストールした後、Xilinx からは公式にサポートされていない Linux ディストリビューションで Xilinx ツールを動かすことによる問題を回避するために手動で設定が必要になります。いくつかのフィックスは このフォーラムポスト から引用しています。
動的ライブラリの修正 (libstdc++.so)
ISE ツールは古いバージョンの libstdc++.so ライブラリを使っているため、Xilinx Microprocessor Debugger を使用した時にセグメンテーションフォルトが発生することがあり、oxygen-gtk テーマが使用できなくなります。この古いバージョンはインストールツリー内の2つのディレクトリに含まれています: /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/lib/lin64/
と /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/common/lib/lin64
。Arch の新しい libstdc++ を使用するには、元のファイルの名前を変更または削除して、シンボリックリンクで置き換えてください:
cd /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/lib/lin64/ mv libstdc++.so libstdc++.so-orig mv libstdc++.so.6 libstdc++.so.6-orig mv libstdc++.so.6.0.8 libstdc++.so.6.0.8-orig ln -s /usr/lib/libstdc++.so ln -s libstdc++.so libstdc++.so.6 ln -s libstdc++.so libstdc++.so.6.0.8
上記の作業は /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/common/lib/lin64
ディレクトリでも行って下さい。
Digilent USB-JTAG ドライバー
Xilinx デザインツールから Digilent Adept USB-JTAG アダプタ (ZedBoard のオンボード JTAG アダプタなど) を使うには、Digilent Adept Runtime と Plugin をインストールする必要があります。
先に Arch User Repository から fxloadAUR をインストールしてください。
Digilent Adept Runtime をインストールするには、Arch User Repository から adept-runtime-xilinxAUR とその依存パッケージである libftd2xx-digilentAUR と usbdrvAUR をビルド・インストールするのを推奨します。
Digilent プラグインをインストールするには、2つのファイルを ISE プラグインディレクトリにコピーする必要があります。root で以下のコマンドを実行して下さい:
$ mkdir -p /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/lib/lin64/plugins/Digilent/libCseDigilent $ cd /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/bin/lin64/digilent/libCseDigilent_2.4.4-x86_64/lin64/14.1/libCseDigilent $ cp libCseDigilent.{so,xml} /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/lib/lin64/plugins/Digilent/libCseDigilent $ chmod -x /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/lib/lin64/plugins/Digilent/libCseDigilent/libCseDigilent.xml
最後に、Digilent USB-JTAG アダプタにアクセスするユーザーを "uucp" グループに追加してください。
次のコマンドで JTAG アダプタの USB Vendor/Product ID を確認して: You may have to add the USB Vendor/Product IDs of your JTAG adapter which can be found with
$ lsusb | grep Xilinx
/etc/udev/rules.d/20-digilent.rules
の udev ルールに追加してください。
それでも動作しない場合、Xilinx_JTAG_Linux を読んで下さい。magic git リポジトリが役に立ちます。
Xilinx Platform Cable USB-JTAG ドライバー
先に Arch User Repository から fxloadAUR をインストールしてください。ソースからドライバーをビルドする必要があります (git and some make stuff need to be installed, make will say what programs or libraries are missed):
$ cd /opt/Xilinx $ sudo git clone git://git.zerfleddert.de/usb-driver $ cd usb-driver/ $ sudo make
64ビット環境で32ビット版の ISE を使う場合、"lib32" を make してください:
$ sudo make lib32
それからドライバーをインストールしてください (14.7 はあなたの使用しているバージョンに置き換えてください):
$ ./setup_pcusb /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/ISE/
このコマンドを実行すると、udev ルールが作成されます。udev ルールをリロードすることで変更をすぐに適用できます:
$ sudo udevadm control --reload-rules
If driver installed correctly and udev rule works, STATUS led should turn on (green or red depending on voltage presence on VREF PIN)
ロケールの問題
PlanAhead は小数点に '.' 以外のリテラルを使用するロケールを嫌います (例えばドイツ語は ',' を使います)。PlanAhead を実行する前に次のコマンドを実行して下さい:
$ unset LANG
PlanAhead でセグメンテーションフォルト
PlanAhead を起動して .ucf ファイルを生成すると、セグメンテーションフォルトが発生することがあります。この問題は前のトピックと関係ありません。ISE コンソールは以下のように表示します:
"/opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/PlanAhead/bin/rdiArgs.sh: line 64: 14275 Segmentation fault $RDI_PROG $*"
こちら に記述されているようにバンドルされている JRE が問題の原因です。この問題を修正するには、OpenJDK の libjvm.so から Xilinx のインストールディレクトリにシンボリックリンクを作成してください。
# cd /opt/Xilinx/14.7/ISE_DS/PlanAhead/tps/lnx64/jre/lib/amd64/server # mv libjvm.so{,-orig} # ln -s /usr/lib/jvm/java-7-openjdk/jre/lib/amd64/server/libjvm.so
GNU make
XSDK looks for the gmake
executable, which is not present in Arch Linux by default. Create a symlink somewhere in your path, e.g.
$ ln -s /usr/bin/make /home/<user>/bin/gmake
Make sure this directory is in your PATH variable.
KDE の中から Xilinx ツールを実行
KDE by default defines the QT_PLUGIN_PATH shell variable. Some of the Xilinx ISE tools (ISE, Impact, XPS) are Qt applications, which means that they will search for Qt plugins in the locations defined by this shell variable.
Because the Xilinx tools are compiled against and ship with an older version of the Qt framework which cannot use these plugins, they will crash when launched with this environment variable present.
To fix this issue, run the following command before launching the tools:
$ unset QT_PLUGIN_PATH