ELinks
ELinks は長じて定評のある機能豊富なテキストモードウェブブラウザ (HTTP/FTP/...) です。ELinks はフレームやテーブルを表示することができ、カスタマイズ性が高くて Lua や Guile スクリプトで拡張できます。タブ機能や CSS もサポート。
目次
インストール
elinks は公式リポジトリからインストールできます。
基本的な使い方
elinks を起動するコマンドは:
$ elinks
もしくは、特定のウェブサイトを起動したい場合:
$ elinks foo.bar.org
ナビゲーション
テキストブラウザにおけるウェブブラウジングはグラフィカルブラウザと大して変わりません。『遊び』がないだけです。elinks を起動したら、g
を押して表示したいウェブページを入力できます。ページ内は方向キーで一行ごとに移動、スペースバーでページ移動でき、j
と k
キーで前後のリンクを辿ることができます。
設定
ELinks には2つのメニューが存在し、それぞれオプションとキーバインドをカスタマイズすることが可能です。
(~/.elinks
にある) 設定ファイルを手動で編集するよりもメニューを使うことを推奨します。簡単かつ安全に設定ができます。
デフォルトでは、オプションマネージャは o キーで開くことができ、キーバインドマネージャは k キーで開けます。
ヒントとテクニック
URL ハンドラの定義
ELinks では外部プログラムを使って様々なことができます。
初めはオプションメニューから URL ハンドラを定義するのに手間取るかもしれませんが、理解すれば簡単です。
URL ハンドラを定義するには、オプションマネージャから MIME を開いてください。全てのサブメニューには役に立つ Info ページが存在します。
ELinks の中では数少ない、設定ファイルを編集するほうが楽な場合の一つです。
例えば、jpeg ファイルをクリックしたときに ELinks から自動的に画像ビューアを起動したい場合、~/.elinks/elinks.conf
ファイルに以下を追加します:
~/.elinks/elinks.conf
set mime.extension.jpg="image/jpeg" set mime.extension.jpeg="image/jpeg" set mime.extension.png="image/png" set mime.extension.gif="image/gif" set mime.extension.bmp="image/bmp" set mime.handler.image_viewer.unix.ask = 1 set mime.handler.image_viewer.unix-xwin.ask = 0 set mime.handler.image_viewer.unix.block = 1 set mime.handler.image_viewer.unix-xwin.block = 0 set mime.handler.image_viewer.unix.program = "ADDYOURTERMINALPICTUREVIEWERHERE %" set mime.handler.image_viewer.unix-xwin.program = "ADDYOURXPICTUREVIEWERHERE %" set mime.type.image.jpg = "image_viewer" set mime.type.image.jpeg = "image_viewer" set mime.type.image.png = "image_viewer" set mime.type.image.gif = "image_viewer" set mime.type.image.bmp = "image_viewer"
ELinks で Tor を使う
ELinks は直接 SOCKS に対応していないため、代わりに torify elinks
で ELinks を起動するか、あるいは公式リポジトリから privoxy をインストールして Tor の SOCKS プロキシに転送するようにしてください。後者の場合、まず /etc/privoxy/config
に以下の行を追加:
forward-socks5 / localhost:9050 .
そして privoxy.service
を再起動してから ~/.elinks/elinks.conf
に以下の行を記述:
set protocol.http.proxy.host = "127.0.0.1:8118" set protocol.https.proxy.host = "127.0.0.1:8118"
URL を外部コマンドに渡す
ELinks から現在の URL を渡すコマンドを定義することができます。
オプションメニューから、Document を開いて、URI-passing に進んで下さい。そして A を押して新しいコマンド名を追加します。その後、新しいコマンド名に移動して E を押して編集してください。コマンドの名前を記入したら保存します。
例えば "tab-external-command" コマンドを KEY にマッピングした場合、KEY を押すと、コマンドが書かれたメニューが現れます。実行したいコマンドを選択すれば、ELinks はそのコマンドに現在の URL を渡します。
以下はコマンドの例です:
リンクを X クリップボードに保存
echo -n %c | xclip -i
YouTube のリンクを外部プレイヤーに渡す
mpv は YouTube のリンクをサポートしています。以下のコマンドを使って下さい:
mpv %c
多数の 'tube' サイトを扱えるようにしたい場合、youtube-dl が必要です。インストールしたら以下のコマンドを追加してください:
youtube-dl -o - %c | mplayer -
上記のコマンドでは mpv を使えないため mplayer を使っています。ただし、mpv の YouTube リンクのサポートのようにストリームの位置を自由に操作することはできません。
トラブルシューティング
ELinks がフリーズして起動できない
デフォルトでは、ELinks を起動するたびに既存のインスタンスに接続されます。そのため、インスタンスがフリーズしていると、永遠にフリーズすることになります。
既存のインスタンスに接続しないようにしたい場合、以下のようにして ELinks を起動してください:
$ elinks -no-connect
何度もフリーズするような場合、シェルでエイリアスを作成してデフォルトで上記のコマンドを使うように設定すると良いでしょう:
alias elinks="elinks -no-connect"