MOC
Music On Console は MPD に似た軽量の音楽プレーヤーですが、それとは異なり、MOC にはインターフェイスが付属しており、そのサーバーはリモートアクセスをサポートしていません。
目次
インストール
PulseAudio
PulseAudio のサポートが必要な場合 moc-pulseAUR または moc-pulse-svnAUR をインストールしてください。また、PulseAudio ドライバーを使用するには、PulseAudio を使う に移動してください。
フロントエンド
- mocicon — MOC を制御する GTK パネルアプレット
- eXo — MOC の Qt フロントエンド、scrobbling をサポート
設定
パッケージにはサンプル設定ファイルが含まれており、/usr/share/doc/moc/
にあります。mocp を最初に実行したときにローカルの ~/.moc/
ディレクトリが作成されます。設定したいときは、サンプルをコピーして適宜編集を加えてください。
テーマは /usr/share/moc/themes
に保存されており、~/.moc/config
で設定が可能です。詳しくは /usr/share/moc/themes/example_theme
を参照。
キーバインドのカスタマイズについては、/usr/share/doc/moc/keymap.example
を見てください。
OSS v4.1 で Moc を使いたい場合、OSS#MOC を参照。
PulseAudio を使う
moc-pulseAUR か moc-pulse-svnAUR をインストールした上で、SoundDriver
変数を設定し PULSEAUDIO:
を先頭にします。
SoundDriver = PULSEAUDIO:JACK:ALSA:OSS
これにより PulseAudio が優先的に使用され、使用できない場合に他のドライバーが読み込まれるようになります。
ナビゲーション
方向キーでディレクトリを変更したい場合は ~/.moc/config
の以下の行をアンコメントしてください:
Keymap = keymap
そして ~/.moc/keymap
を以下のように編集:
go = ENTER RIGHT go_up = U LEFT #seek_forward = RIGHT #seek_backward = LEFT
ナビゲーションやデタッチを高速化するには、~/.moc/config
に以下の設定をします:
ReadTags = no ShowTime = no TagsCacheSize = 0
systemd サービスファイル
ユーザーごとにサービスを 有効化 してください。
/etc/systemd/system/moc@.service
[Unit] Description=MOC server ConditionPathExists=/usr/bin/mocp After=network.target sound.target [Service] RemainAfterExit=yes User=%I ExecStart=/usr/bin/mocp -S ExecStop=/usr/bin/mocp -x WorkingDirectory=/home/%I/ [Install] WantedBy=multi-user.target
テーマ
プレーヤー GUI にはいくつかのテーマが用意されています。利用可能なテーマをリストして設定するには、ホットキー T
を使用します。
永続的に設定するには、設定ファイル ~/.moc/config
を使用します。
Theme = laras_theme
テーマの例は /usr/share/moc/themes/
にあります。mocp-themes-gitAUR をインストールするとさらに多くのテーマが追加されます。
テーマは単なるテキストファイルなので、新しいテーマを簡単に作成できます。ユーザー定義のテーマは ~/.moc/themes/
に 置いて下さい。
テーマファイルの例:
background = white black frame = white black window_title = white black directory = white black selected_directory = white black reverse playlist = white black selected_playlist = white black reverse file = white black selected_file = white black reverse selected_info = white black reverse marked_file = white black bold marked_selected_file = white black reverse info = white black marked_info = white black bold marked_selected_info = white black reverse status = white black title = white black bold state = white black current_time = white black bold time_left = white black bold total_time = white black bold time_total_frames = white black sound_parameters = white black bold legend = white black disabled = white black enabled = white black bold empty_mixer_bar = white black filled_mixer_bar = white black reverse empty_time_bar = white black filled_time_bar = white black reverse entry = white black entry_title = white black error = white black bold message = white black plist_time = white black
使用方法
mocp を実行してサーバーとインターフェイスを起動します。便利なデフォルトのショートカット (詳細については h
を押してください):
トラックの再生を開始もしくはディレクトリに入る | Enter
|
トラックを停止 | Space または p
|
次のトラックを再生 | n
|
前のトラックを再生 | b
|
5秒進める | ]
|
5秒戻す | [
|
プレイリストのブラウジングから ファイルシステムのブラウジングに切替 (逆も同じ) |
Tab
|
トラックをプレイリストに追加 | a
|
フォルダを再帰的にプレイリストに追加 | Shift+a
|
トラックをプレイリストから削除 | d
|
プレイリストをクリア | Shift+c
|
ボリュームを 1% 増加 | >
|
ボリュームを 1% 減少 | <
|
ボリュームを 5% 増加 | . (ドット)
|
ボリュームを 5% 減少 | , (カンマ)
|
ボリュームを 10% に変更 | Alt+1
|
ボリュームを 20% に変更 | Alt+2
|
サーバーから MOC をデタッチ | q
|
終了 | Shift+q
|
サーバーをシャットダウンするには、mocp -x
コマンドを実行します。
}}
scrobbling
mocp-scrobblerAUR は MOC の Last.fm/Libre.fm scrobbler であり、再生中の通知・デーモン化・キャッシュをサポートしています。Python 3 に依存しています。
サンプルファイルをユーザーの設定ディレクトリにコピーしてください:
$ mkdir ~/.mocpscrob/ $ cp /usr/share/doc/mocp-scrobbler/config.example ~/.mocpscrob/config
~/.mocpscrob/config
を編集してログイン名とパスワードを追加してください。パスワード変数は password_md5
を最初に実行したときに置き換えられます。元の値を MD5 アルゴリズムでハッシュ化した値になります。パスワードを変更する場合、新しいパスワードをもう一度入力してください。それで password_md5
も置き換えられます。
トラックを scrobble するには、mocp の前に mocp-scrobbler をデーモンとして起動してください。以下の エイリアス が使えます:
alias mocp='/usr/bin/mocp-scrobbler.py -d; mocp'
2016年1月に last.fm はパスワードの要件を更新しており、新しいパスワードでは次の文字列のなかのどれか1文字を必ず含まなければなりません: !"#$%&'()*+,-./:;<=>?@[\]^_`{|}~
または空白。新しい基準を満たさないパスワードを mocpscrob の設定で指定すると認証エラーが発生します。パスワードを変更して ~/.mocpscrob/config
を更新することで問題は解決します。
トラブルシューティング
MOC が起動しない
MOC が起動しない場合、おそらく ~/.moc/
の中に何か問題があります。修正を加えるか、フォルダ全体を削除してください。
変な文字が表示される
通常の線 (縦線など) の代わりに moc に変な文字列が表示される場合、MOC と互換性がないフォントセットを使っている可能性があります。適当なフォントに変更するか、.moc/config
を編集して ASCII で線を表示するようにしてください:
ASCIILines = no
FATAL_ERROR: Layout1 is malformed
MOC がこのエラーでクラッシュする場合、以下のどちらかの行を .moc/config
に追加してみてください:
Layout1 = directory(0,0,50%,100%): playlist(50%,0,100%,100%)
または
Layout1 = directory(0,0,50%,100%): playlist(50%,0,FILL,100%)
original report や Debian bugs を参照。
MOC が開始される前に接続されていないと Bluetooth が機能しない
pipewire を使用する場合、MOC はデフォルトで JACK に設定されますが、これがこの問題の原因であると考えられます。設定ファイル内の次の値を変更することで、単に jack から ALSA に変更するだけでこの問題を解決できます。
Default value:
JACK:OSS:ALSA
New value:
ALSA:OSS:JACK
MOC は最初に動作するオーディオドライバーを選択するため、ALSA が最初に選択されます。これにより Bluetooth の問題が解決されるはずです。