CrashPlan
CrashPlan はリモートサーバーや他のコンピュータ、ハードドライブなどにデータをバックアップするバックアッププログラムです。クラウドサーバーにバックアップするには月額課金が必要です。
目次
インストール
crashplan-proAUR を インストール して下さい。
基本的な使い方
CrashPlan のグラフィカルユーザーインターフェイスにアクセスする前に、crashplan-pro.service
ユニットを 起動 する必要があります。
CrashPlan は、グラフィカルユーザーインターフェイスを通じて完全に設定できます。グラフィカルインターフェイスを開始するには:
$ CrashPlanDesktop
システム起動時に CrashPlan が自動的に開始されるようにするには、systemd ユニットを 有効化 します。
ヘッドレスサーバーで Crashplan を実行
ヘッドレスサーバーでの CrashPlan の実行は公式ではサポートされていませんが、可能ではあります。
CrashPlan デーモンの設定ファイル (/opt/crashplan/conf
) は謎の XML 形式で記述されており、CrashPlan クライアントによってプログラムで編集することを想定しています。CrashPlan のクライアントとデーモンはデフォルトでポート 4243 で通信します。従って、ヘッドレスサーバーで CrashPlan デーモンを設定する簡単な方法は SSH トンネルを作成することです:
- CrashPlan デーモンを起動。サーバー側で:
systemctl start crashplan.service
。 - SSH トンネルを作成。クライアント側で:
ssh -N -L 4243:localhost:4243 headless.example.com
。 - CrashPlan クライアントを起動 (実行可能ファイルの名前は
CrashPlanDesktop
)。
詳細は以下のウェブサイトに載っています:
- CrashPlan のサポートサイトには SSH トンネルを使ってクライアント (CrashPlan Desktop) からデーモン (CrashPlan Engine) への通信をトンネリングする、やや複雑な方法の 説明 があります。
- Bryan Ross による記事 では CrashPlan Engine に直接 CrashPlan Desktop を接続する方法が書かれています。この方法は SSH トンネルを使わないため安全性に欠けるので注意してください。
トラブルシューティング
接続の待機
システムによってはインターネット接続が確立するまで CrashPlan が待機しないことがあります。NetworkManager を使用している場合、networkmanager-dispatcher-crashplan-systemdAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror] をインストールすることで接続が確立したときに CrashPlan のサービスを自動的に再起動させることができます。
バックアップの待機
«Waiting for Backup» でバックアップが止まってしまう場合、おそらく一時ディレクトリに CrashPlan がアクセスできないか noexec
でマウントされています。CrashPlan ではデフォルトの Java の一時ディレクトリ (通常は /tmp
) を使います。noexec
マウントオプションを削除するか (推奨されません) または CrashPlan が使用する一時ディレクトリを変更してください。
CrashPlan が使用する一時ディレクトリを変更するには、/opt/crashplan/bin/run.conf
を開いて -Djava.io.tmpdir=/new-tempdir
を SRV_JAVA_OPTS
に追加します、例:
SRV_JAVA_OPTS="-Djava.io.tmpdir=/var/tmp/crashplan -Dfile.encoding=UTF-8 …
新しい一時ディレクトリを作成して CrashPlan のユーザーがアクセスできることを確認してください。
# mkdir /var/tmp/crashplan
CrashPlan を再起動します:
# systemctl restart crashplan
Desktop GUI が起動時にクラッシュする
GNOME 3 がインストールされている場合、または libwebkit-gtk がインストールされている場合、起動時に GUI がクラッシュする問題が発生することがあります。こちら の手順に従うことで修正できます。
メモリ不足
大量のファイル (100,000 以上) をバックアップに設定する場合、デフォルトの最大ヒープサイズは小さすぎます。ヒープが一杯になると、サーバーは何もエラーを表示せずに再起動を行い、メモリーが限界になるまで再起動し続けます。サービスが再起動するたびに /opt/crashplan/bin
に小さなログファイルが大量に作成されるのでわかります (いつまでも問題に気づかないと際限なく数は膨らみます)。ヒープサイズの上限を上げるには、/opt/crashplan/bin/run.conf
の -Xmx
オプションを適当な値に調整してください。
リアルタイム保護
バックアップのリアルタイム保護を使用して、大量のファイルをバックアップする場合、デフォルトのシステム設定ではリアルタイムですべてのファイルを処理することができません。syslog のジャーナルに "inotify_add_watch: No space left on device" というようなログが発生するのでわかります。こちら の指示に従って inotify の max_user_watches を大きな値に設定することで問題は解決します。