eCryptfs
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この記事では eCryptfs の基本的な使い方を説明します。プライベートな暗号化ディレクトリを $HOME
ディレクトリに作成して機密ファイルや個人情報を保存する方法を解説していきます。
ブロックデバイスの暗号化レイヤーを提供する dm-crypt とは異なり eCryptfs はファイルシステムそのものです – スタック暗号化ファイルシステム になります。その違いについてはディスク暗号化#比較表を参照してください。大きな特徴として既存のファイルシステム上に暗号化が積み重ねられるという点が挙げられます。eCryptfs はあらゆる既存のディレクトリにマウントすることができ、特別なパーティション (や領域の事前割り当て) を必要としません。
基本
先に述べたように eCryptfs には特殊なパーティションや予約済みの領域をディスク上に配置する必要がありません。代わりに、eCryptfs を既存のディレクトリ上にマウントしてディレクトリを保護することができます。例えば、ユーザーの $HOME
ディレクトリを全体的に保護したり、逆に特定のディレクトリだけを保護したりできます。暗号のメタデータは全てファイルのヘッダの中に保存されます。つまり、暗号化したデータは簡単に移動したり、バックアップ・復元できるということです。他にも利点はありますが、欠点も存在します。例として eCryptfs はパーティション全体を暗号化するのには適していません。また、スワップ領域を eCryptfs で保護することは不可能です (もちろん、Dm-crypt/スワップの暗号化と組み合わせることはできますが)。ディスク暗号化を初めて設定する場合、スワップの暗号化などのポイントはディスク暗号化#準備に書かれています。
eCryptfs を使うなら以下がポイントです:
- スタックファイルシステムとして、eCryptfs ディレクトリのマウントは (スタックされた) 暗号化ディレクトリを他の暗号化されていないマウントポイント (ディレクトリ) マウントすることを意味します。
- ユーザー間で暗号化ディレクトリを共有することができます。ただし、暗号化のパスワードは一つだけなのでパスワードも共有する必要があります。(別々のパスフレーズを使って) 別々に暗号化されたファイルを一つのディレクトリで共有することもできます。
- ドキュメントの中では eCryptfs の専門用語が頻繁に登場します:
- eCryptfs のドキュメントやこの記事では暗号化されるディレクトリは lower (下層) と呼称して暗号化されていないディレクトリは upper (上層) ディレクトリと呼びます。この記事とは無関係ですが、Linux 3.18 で導入された "overlay" ファイルシステム ([1]) では同じ upper/lower という単語をファイルシステムのスタック化について使います。
- マウントパスフレーズ (キー) は暗号化されたファイルへのアクセス権限を与えます。つまり暗号化を解除します。eCryptfs は wrapped という言葉を使って暗号的に安全なマウントパスフレーズを示します。
FEFEK
は File's Encryption key Encryption Key のことです (カーネルドキュメント を参照)。FNEK
は File Name Encryption Key のことです。暗号化ディレクトリに保存されたファイル名を暗号化する鍵になります (任意)。
eCryptfs を使う前に、以下の欠点が障害にならないか確認してください。
欠陥
- 使いやすさ
- eCryptfs の使いやすさは主として ecryptfs-utils パッケージの "Ubuntu tools" に依存しています。決定的な欠点として、ツールの中では多数の変数 (暗号化オプションやディレクトリパス) が決め打ちされています。変数を変更するとなると大変面倒な手動設定が必要ということです。
- ファイル名の長さ
- 143文字よりも長いファイル名は暗号化できません (
FNEK
オプションを使用した場合 [2])。一部のプログラムがホームディレクトリで動作しなくなる可能性があります (例: Symfony のキャッシュ)。
- ネットワークストレージマウント
- eCryptfs にはネットワークストレージに関する長年の バグ や機能リクエストが存在します。暗号化したディレクトリの中身をネットワークのバックアップストレージに複製することは可能です。しかしながら、ネットワークストレージ上に直接、暗号化ディレクトリを保存してそれをローカルでマウントしたい場合、まずネットワークツール (NFS や Samba など) に対応した解決方法を検索する必要があります。よく分からない場合、EncFS を使うのがベターです。
- スパースファイル
- eCryptfs はスパースファイルを扱うことができません。バグと言われることもありますが、スタックファイルシステムの暗号化として当然そうなるべきことです。例えば、eCryptfs ディレクトリに
truncate -s 1G file.img
で 1GB の暗号化データを作成してファイルシステムに保存する場合、それに対応するリソース (ディスク容量, データのスループット) が必要になります。暗号化しなければ、同じファイルをスパースファイルとして効率的にファイルシステムに保存できます。ブロックデバイスの暗号化はファイルシステムの出力だけを暗号化します。
- 巨大なディレクトリ構造を暗号化するときは予めこのことを考えておく必要があります。大抵の場合、スパースファイルを使えないことが致命的な問題になることはありません。(eCryptfs の標準の
.Private
ディレクトリではなく) 暗号化を施さない.Public
ディレクトリにスパースファイルを保存する方法と、.Public
で dm-crypt' のコンテナを使う方法があります。
セットアップ & マウント
セットアップを始める前に、eCryptfs のドキュメントを確認してください。素晴らしい マニュアルページ が付属しています。
eCryptfs はバージョン 2.6.19 から Linux に含まれています。ecryptfs
モジュールをロードしてからセットアップに進みます:
# modprobe ecryptfs
eCryptfs ファイルシステムをマウントするには、ecryptfs-utils パッケージに含まれているユーザースペースツールが必要です。残念ながら、ツールの設計上、それぞれ長短のある以下の3つから eCryptfs を設定する方法を選択する必要があります:
- Ubuntu のツールを使用する。設定を自動的に行うことができますが、ディレクトリは
~/.Private/
に決め打ちになり、ユーザーごとにひとつしか暗号化ファイルシステムを作成できません。 - ecryptfs-simple を使用する。下層ディレクトリと上層ディレクトリを使って eCryptfs ファイルシステムを簡単にマウントすることができます。
- パスフレーズのロードと eCryptfs のマウントを別々に行う手動セットアップ。ディレクトリや暗号化設定を完全に制御できます。
Ubuntu のツールを使う
ecryptfs-utils パッケージでインストールされるユーザーフレンドリで便利なツールは特殊な eCryptfs セットアップを使います。つまり Ubuntu によって公式で使われているセットアップです (ディストリのインストール時にオプションとして選択できます)。残念ながら、デフォルトのオプションは使われずにツールにハードコードされています。このセットアップがあなたに合わない場合、便利なツールを使うのを諦めて #手動セットアップ を行う必要があります。
ツールで使われるセットアップとは以下になります:
- ツールで管理できる暗号化ディレクトリはユーザーごとに一つずつになります:
$HOME
ディレクトリを完全に暗号化する。あるいは、- 単一の暗号化データディレクトリ (デフォルトでは
~/Private/
ですがカスタマイズできます)。
- ユーザー各自の下層ディレクトリは
~/.Private/
になります。
(ホームディレクトリを暗号化する場合、/home/.ecryptfs/$USER/.Private/
へのシンボリックリンクになります) - 使用される暗号化オプション:
- 暗号: AES
- 鍵長: 16 バイト (128 ビット)
- 鍵の管理方式: パスフレーズ
- プレーンテキストパススルー: 有効
- 暗号化ディレクトリの設定や制御情報は
~/.ecryptfs/
のファイルに保存されます:
(ホームディレクトリを暗号化する場合、/home/.ecryptfs/$USER/.ecryptfs/
へのシンボリックリンクになります)Private.mnt
[プレーンテキストファイル] - 上層ディレクトリをマウントするパスが記述されます (例:/home/lucy
や/home/lucy/Private
)。Private.sig
[プレーンテキストファイル] - カーネルのキーリングでマウントパスフレーズを確認するのに使われる署名。wrapped-passphrase
[バイナリファイル] - マウントパスフレーズ。ログインパスフレーズで暗号化されます。auto-mount
,auto-umount
[空のファイル] - ファイルが存在する場合、ユーザーのログイン・ログアウト時にpam_ecryptfs.so
モジュールが (ロードされていれば) 自動的に暗号化ディレクトリをマウント・アンマウントします。
データディレクトリの暗号化
$HOME
ディレクトリを暗号化する場合は #ホームディレクトリの暗号化 を見て下さい。
データディレクトリの暗号化をセットアップする前に、手動でマウントするか、ユーザーのログイン時に自動的にマウントするか決めておいて下さい。
一人一個のデータディレクトリを暗号化して手動でマウントする場合、次を実行:
$ ecryptfs-setup-private --nopwcheck --noautomount
指示に従って下さい。--nopwcheck
オプションが付いているのでユーザーのログインパスフレーズ以外のパスフレーズを選択することができます。--noautomount
オプションはその名の通りです。つまり、ログイン時に自動的に暗号化ディレクトリをマウントするようにセットアップしたい場合、両方のオプションを取り除いて実行してください。
スクリプトは先に述べた ~/.Private/
と ~/.ecryptfs/
ディレクトリを自動的に作成します。2つのパスフレーズが要求されます:
- ログインパスフレーズ
- 暗号化ディレクトリをマウントするたびに入力する必要があるパスワードです。ログイン時に自動マウントさせる場合、ユーザーアカウントにログインするときに使うのと同じパスワードでなくてはなりません。
- マウントパスフレーズ
- ファイル暗号化のマスターキーを取得するのに使われます。そのため、よく分からない場合は自分で入力してはいけません。Enter を押せば勝手にランダムなパスフレーズが自動生成されます。ログインパスフレーズを使って暗号化され
~/.ecryptfs/wrapped-passphrase
に保存されます。必要になったときに RAM で自動的に復号化されるため ("unwrapped")、手動で入力する必要は二度とありません。このファイルが消えてしまうと、暗号化フォルダに永久にアクセスできなくなります。暗号化されていないマウントパスフレーズはecryptfs-unwrap-passphrase
を実行することで確認できます。紙に書き写して、金庫 (など) に保管しておくのが良いでしょう。書き写したパスフレーズを使えば、何らかの理由で wrapped-passphrase ファイルが消失・破損してしまった場合やログインパスフレーズを忘れてしまった場合に暗号化データを復元することができます。
暗号化ディレクトリのマウントポイント ("上層ディレクトリ") はデフォルトでは ~/Private
となっていますが、セットアップコマンドを実行した後に以下を実行することで手動で変更できます:
$ mv ~/Private /path/to/new/folder $ echo /path/to/new/folder > ~/.ecryptfs/Private.mnt
実際に暗号化フォルダを使うには、マウントする必要があります。下の #マウント を見て下さい。
ホームディレクトリの暗号化
ecryptfs-migrate-home
スクリプトは特定のユーザーの $HOME
に暗号化ディレクトリをセットアップして、暗号化されていないホームディレクトリに存在する既存のファイルを自動的に移動します。設定するユーザーはログアウトしていること、ユーザーのプロセスが存在しないことを確認してください (ps -U username
で何も出力されないことをチェックしてください)。問題ないようでしたら、以下を実行:
# modprobe ecryptfs # ecryptfs-migrate-home -u username
そして指示に従って下さい。ラッパースクリプトを実行したら、自動マウントの設定をしてください。下の #自動マウント を参照。設定を完了するには、再起動する前にユーザーがログインする必要があります。
全て設定できたら、/home/username.random_characters
に保存されたホームディレクトリのバックアップは削除してかまいません。
マウント
手動
ラッパーを実行:
$ ecryptfs-mount-private
後はパスフレーズを入力するだけで上述の上層ディレクトリである ~/Private
に暗号化ディレクトリをマウントできます。
同じように、以下を実行するとアンマウントされます:
$ ecryptfs-umount-private
ツールには、暗号化された .Private
のデータやホームディレクトリにアクセスするための便利なスクリプトも含まれています。root で ecryptfs-recover-private
を実行するとディレクトリが存在しないかシステムが検索されて (あるいはパスを指定することもできます)、インタラクティブにパスフレーズが要求されてディレクトリがマウントされます。ライブ CD や別のシステムから、リカバリを行う時に暗号化データにアクセスするのに使うことができます。Arch Linux ISO から起動する場合、まず ecryptfs-utils をインストールしないと使えないので注意してください。さらに、このスクリプトは Ubuntu ツールで作成した .Private
ディレクトリしかマウントできません。
自動マウント
暗号化ディレクトリを自動マウントするデフォルトの方法は PAM です。詳しくは pam_ecryptfs(8) や以下のファイルの 'PAM MODULE' を見て下さい:
/usr/share/doc/ecryptfs-utils/README
自動でマウントするには、暗号化ディレクトリにアクセスするためのパスフレーズとユーザーがログイン時に使用するパスフレーズが一致している必要があります。
以下の手順でセットアップします:
1. ~/.ecryptfs/auto-mount
, ~/.ecryptfs/auto-umount
, ~/.ecryptfs/wrapped-passphrase
が存在することを確認してください (ecryptfs-setup-private によって自動的に作成されます)。
2. 以下のように pam に ecryptfs を追加することでログイン時に透過的にパスフレーズが解除されるようにします:
/etc/pam.d/system-auth
を開いて auth required pam_unix.so
と書かれた行の後ろに以下を追加:
auth required pam_ecryptfs.so unwrap
次に、password required pam_unix.so
と書かれた行の上に以下を挿入:
password optional pam_ecryptfs.so
最後に、session required pam_unix.so
という行の後に以下を追加:
session optional pam_ecryptfs.so unwrap
3. 再ログインして mount の出力を確認します。以下のようにユーザーの暗号化ディレクトリのマウントポイントが表示されるはずです:
/home/$USER/.Private on /home/$USER/Private type ecryptfs (...)
これで自動的に ~$HOME/Private/
を読めるようになります。
ディレクトリはユーザーのログオフ時に自動的にアンマウントされて読めなくなります。
ecryptfs-simple を使う
EncFS と同じように任意のディレクトリをマウントすることだけに eCryptfs を使う場合 ecryptfs-simple を使って下さい。ecryptfs-simple は root 権限を必要とせず /etc/fstab
にエントリを書く必要もありません。さらに ~/.Private
などのディレクトリにハードコードもされていません。ecryptfs-simpleAUR や Xyne のリポジトリ からパッケージをインストールできます。
名は体を表すとおり、使用方法はシンプルです:
# simple mounting ecryptfs-simple /path/to/foo /path/to/bar
# automatic mounting: prompts for options on the first mount of a directory then reloads them next time ecryptfs-simple -a /path/to/foo /path/to/bar
# unmounting by source directory ecryptfs-simple -u /path/to/foo
# unmounting by mountpoint ecryptfs-simple -u /path/to/bar
手動セットアップ
以下では eCryptfs による暗号化ディレクトリを手動でセットアップする方法を説明します。設定は2段階で行います。まず、パスフレーズをカーネルのキーリングにロードします。そして、キーリングのキーを使ってファイルシステムをマウントします。
カーネルのキーリングにパスフレーズを追加する方法は2つ存在します。簡単なのは ecryptfs-add-passphrase
で、ひとつのパスフレーズを使ってファイルを暗号化します。デメリットとしてパスフレーズを後から変更することはできません。以下のように使用します:
$ ecryptfs-add-passphrase Passphrase: Inserted auth tok with sig [78c6f0645fe62da0] into the user session keyring
ecryptfs-add-passphrase -
にパスフレーズをパイプで渡すこともできます。パスフレーズをファイルの中に書いてしまったら、暗号化を使う意味がなくなるので注意してください。
As an alternative to a plain passphrase, you can use a "wrapped passphrase", where the files are encrypted using a randomly generated key, which is itself encrypted with your passphrase and stored in a file. In this case, you can change your passphrase by unwrapping the key file with your old passphrase and rewrapping it using your new passphrase.
In the following we do a generation similar to the source and then use ecryptfs-wrap-passphrase to wrap it with the password ("Arch") to ~/.ecryptfs/wrapped-passphrase
:
$ printf "%s\n%s" $(od -x -N 100 --width=30 /dev/random | head -n 1 | sed "s/^0000000//" | sed "s/\s*//g") "Arch" | ecryptfs-wrap-passphrase /home/username/.ecryptfs/wrapped-passphrase
Next, we can enter our passphrase "Arch" to load the key into the keyring:
$ printf "%s" "Arch" | ecryptfs-insert-wrapped-passphrase-into-keyring /home/username/.ecryptfs/wrapped-passphrase - Inserted auth tok with sig [7c5d3dd8a1b49db0] into the user session keyring
In either case, when you successfully add the passphrase to the kernel keyring, you will get a "key signature" like 78c6f0645fe62da0
which you will need in the next step.
There are two different ways of manually mounting eCryptfs, described in the following sections. The first way, using mount.ecryptfs_private
, can be run as a regular user and involves setting up some configuration files. This method does not allow you to change the encryption settings, such as key size. The second way is to use a raw mount
command, which gives you complete control over all settings, but requires you to either run it as root, or add an entry to /etc/fstab
which lets a user mount eCryptfs.
ecryptfs-utils を使う
This method involves running mount.ecryptfs_private
from the ecryptfs-utils package, after first loading your passphrase. This binary requires no root privileges to work by default.
First choose a name for your configuration files in ~/.ecryptfs
and decide on the lower and upper directories. In this example we use secret
for the configuration files, put in encrypted data in ~/.secret
, and mount the decrypted files at ~/secret
. Create the required directories:
$ mkdir ~/.secret ~/secret ~/.ecryptfs
Now specify the directories in ~/.ecryptfs/secret.conf
, using full paths. Its format looks like the one in /etc/fstab
without the mount options:
$ echo "$HOME/.secret $HOME/secret ecryptfs" > ~/.ecryptfs/secret.conf
Write the key signature you got from ecryptfs-add-passphrase
or ecryptfs-insert-wrapped-passphrase-into-keyring
(see above) into ~/.ecryptfs/secret.sig
:
$ echo 78c6f0645fe62da0 > ~/.ecryptfs/secret.sig
If you also want to enable filename encryption, add a second passphrase to the keyring (or reuse the first passphrase) and append its key signature to ~/.ecryptfs/secret.sig
:
$ echo 326a6d3e2a5d444a >> ~/.ecryptfs/secret.sig
Finally, mount ~/.secret
on ~/secret
:
$ mount.ecryptfs_private secret
When you are done, unmount it:
$ umount.ecryptfs_private secret
ecryptfs-utils を使わない
By running the actual mount
command manually, you get complete control over the encryption options. The disadvantage is that you need to either run mount
as root, or add an entry to /etc/fstab
for each eCryptfs directory so users can mount them.
First create your private directories. In this example, we use the same ones as the previous section:
$ mkdir -m 700 ~/.secret $ mkdir -m 500 ~/secret
To summarize:
- Actual encrypted data will be stored in the lower
~/.secret
directory - While mounted, decrypted data will be available in
~/secret
directory- While not mounted nothing can be written to this directory
- While mounted it has the same permissions as the lower directory
Now, supposed you have created the wrapped keyphrase above, you need to insert the encryption key once to the root user's keyring:
# printf "%s" "Arch" | ecryptfs-insert-wrapped-passphrase-into-keyring /home/username/.ecryptfs/wrapped-passphrase - Inserted auth tok with sig [7c5d3dd8a1b49db0] into the user session keyring
so that the followng mount command succeeds:
# mount -i -t ecryptfs ~/.secret ~/secret -o ecryptfs_sig=7c5d3dd8a1b49db0,ecryptfs_fnek_sig=7c5d3dd8a1b49db0,ecryptfs_cipher=aes,ecryptfs_key_bytes=32,ecryptfs_unlink_sigs
ecryptfs_sig
sets the data passphrase key signature.ecryptfs_fnek_sig
sets the filename passphrase key signature; you can omit this option if you do not want to encrypt filenames.ecryptfs_key_bytes
can be 16, 24, or 32 to change the encryption key size.ecryptfs_unlink_sigs
will remove the passphrase(s) from the keyring when you unmount, so you have to add the passphrase(s) back again in order to re-mount the filesystem.- There are a few other options listed in the
ecryptfs
man page.
Once you have chosen the right mount options, you can add an entry to /etc/fstab
so regular users can mount eCryptfs on these directories. Copy the mount options to a new /etc/fstab
entry and add the options user
and noauto
. The full entry will look similar to (bold entries added):
/etc/fstab
/home/username/.secret /home/username/secret ecryptfs noauto,user,ecryptfs_sig=7c5d3dd8a1b49db0,ecryptfs_fnek_sig=7c5d3dd8a1b49db0,ecryptfs_cipher=aes,ecryptfs_key_bytes=32,ecryptfs_unlink_sigs 0 0
- The
noauto
option is important, because otherwise systemd will error trying to mount the entry directly on boot. - The
user
option enables to mount the directory as a user.- The user mount will default to option
noexec
. If you want to have at least executable files in your private directory, you can addexec
to the fstab options.
- The user mount will default to option
The setup is now complete and the directory should be mountable by the user.
マウント
To mount the encrypted directory as the user, the passphrase must be unwrapped and made available in the user's keyring. Following above section example:
$ ecryptfs-insert-wrapped-passphrase-into-keyring /home/username/.ecryptfs/wrapped-passphrase Passphrase: Inserted auth tok with sig [7c5d3dd8a1b49db0] into the user session keyring
Now the directory can be mounted without the mount helper questions:
$ mount -i /home/username/secret
and files be placed into the secret
directory. The above two steps are necessary every time to mount the directory manually.
To unmount it again:
$ umount /home/username/secret
To finalize, the preliminary passphrase to wrap the encryption passphrase may be changed:
$ ecryptfs-rewrap-passphrase /home/username/.ecryptfs/wrapped-passphrase Old wrapping passphrase: New wrapping passphrase: New wrapping passphrase (again):
The un-mounting should also clear the keyring, to check the user's keyring or clear it manually:
$ keyctl list @u $ keyctl clear @u
自動マウント
Different methods can be employed to automount the previously defined user-mount in /etc/fstab
on login. As a first general step, follow point (1) and (2) of #Auto-mounting.
Then, if you login via console, a simple way is to specify the user-interactive mount and umount in the user's shell configuration files, for example Bash#Configuration files.
Another method is to automount the eCryptfs directory on user login using pam_mount. To configure this method, add the following lines to /etc/security/pam_mount.conf.xml
:
<luserconf name=".pam_mount.conf.xml" /> <mntoptions require="" /> <lclmount>mount -i %(VOLUME) "%(before=\"-o\" OPTIONS)"</lclmount>
Please prefer writing manually these lines instead of simply copy/pasting them (especially the lclmount line), otherwise you might get some corrupted characters. Explanation:
- the first line indicates where the user-based configuration file is located (here
~/.pam_mount.conf.xml
) - the second line overwrites the default required mount options which are unnecessary ("nosuid,nodev")
- the last line indicates which mount command to run (eCryptfs needs the
-i
switch).
Then set the volume definition, preferably to ~/.pam_mount.conf.xml
:
<pam_mount> <volume noroot="1" fstype="ecryptfs" path="/home/user/.secret/" mountpoint="/home/user/secret/"/> </pam_mount>
"noroot" is needed because the encryption key will be added to the user's keyring.
Finally, edit /etc/pam.d/login
as described in pam_mount's article.
任意のステップ
To avoid wasting time needlessly unwrapping the passphrase you can create a script that will check pmvarrun to see the number of open sessions:
#!/bin/sh # # /usr/local/bin/doecryptfs exit $(/usr/sbin/pmvarrun -u$PAM_USER -o0)
With the following line added before the eCryptfs unwrap module in your PAM stack:
auth [success=ignore default=1] pam_exec.so quiet /usr/local/bin/doecryptfs auth required pam_ecryptfs.so unwrap
The article suggests adding these to /etc/pam.d/login
, but the changes will need to be added to all other places you login, such as /etc/pam.d/kde
.
使用方法
暗号化ディレクトリにシンボリックリンクを作成
プライベートディレクトリを重要なファイルやプライベートなデータを保存する場所として使う以外に、アプリケーションのデータを保護するのに使うことも可能です。例えば Firefox にはパスワードマネージャが組み込まれていますが、ブラウザの履歴やキャッシュなども機密情報と言えます。簡単に保護できます:
$ mv ~/.mozilla ~/Private/mozilla $ ln -s ~/Private/mozilla ~/.mozilla
暗号化の解除
プライベートディレクトリを削除するときに、特別な手順は必要ありません。アンマウントされていることを確認してから、暗号化ファイルが入っている下層ディレクトリ (例: ~/.Private
) を削除してください。~/.ecryptfs
にある暗号化署名や設定も削除してしまえば、全てが泡と消えます。
#Ubuntu のツールを使う のとおりにディレクトリの暗号化をセットアップした場合、以下を実行することで直接削除できます:
$ ecryptfs-setup-private --undo
指示に従って下さい。
バックアップ
プライベートディレクトリからファイルを外に出したいときは、~/Private
をマウントして新しい場所に移動するだけです。
With eCryptfs the cryptographic metadata is stored in the header of the files. Setup variants explained in this article separate the directory with encrypted data from the mount point. The unencrypted mount point is fully transparent and available for a backup. Obviously this has to be considered for automated backups, if one has to avoid leaking sensitive unencrypted data into a backup.
You can do backups, or incremental backups, of the encrypted (e.g. ~/.Private
) directory, treating it like any other directory.
その他の注意事項:
- Ubuntu ツールを使って #データディレクトリの暗号化 をした場合、暗号化したファイルが含まれた低層ディレクトリは通常ユーザーの
$HOME
から外れた/home/.ecryptfs/$USER/.Private
にあるので注意してください。
- It should be ensured to include the eCryptfs setup files (located in
~/.ecryptfs
usually) into the regular or a separate backup.
- 特殊なファイルシステムのマウントオプションを使用している場合 (例:
ecryptfs_xattr
)、リストア時に確認をしてください。
既知の問題
Mosh 経由で接続するとリモートホストでマウントが失敗することがある
これは、Mosh サーバーの既知の問題であり、eCryptfs /home
ディレクトリがマウントされたままにならない為です。
参照
- eCryptfs - Man ページとプロジェクトホーム
- Security audit of eCryptfs by Taylor Hornby (2014年1月22日)
- eCryptfs and $HOME by Adrian C. (anrxc) - eCryptfs のインストールと使用方法に関する記事
- Chromium data protection (2009年11月) - Chromium OS の暗号化オプションに関するドキュメントですが、eCryptfs の使い方についても触れています
- eCryptfs design by Michael Halcrow (2005年5月) - Original design document detailing and discussing eCryptfs